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  • こんにちは。門真市会議員団です。

    2023年第3回定例会 福田英彦議員の一般質問・答弁

    [2023.9.25] -[議会活動]


       福田 英彦 議員

     

    1.障がい福祉及び障がい児福祉施策の推進について

     本市の障がい福祉及び障がい児福祉施策については、現在「門真市障がい者地域協議会」において、門真市第7期障がい福祉計画及び第3期障がい児福祉計画策定に係る諮問を受け協議が進められています。多くの課題について協議が進められていますが、今回は3点について質問をさせていただきます。

    (1)高齢障がい者の「65歳問題」について

     まず、高齢障害者の65歳問題(介護保険優先原則)についてです。
     障害者総合支援法改正法案が昨年の臨時国会で成立し来年4月より施行されます。
     詳細は今後明らかになっていくと思いますが、法案の見直しに先立ちまとめられた「社会保障審議会障害者部会報告書」(令和4年6月13日)には「8.高齢の障害者に対する支援について」において、「障害福祉制度」と「介護保険制度」について介護保険優先原則を変えないものの、一律に優先されるものではなく、障害者個々の事情を丁寧に踏まえ、対象となる方が必要な支援が受けられるようにすることが基礎自治体の役割であることを確認し、この報告書に基づき事務連絡(令和5年6月30日)として「障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律に基づく自立支援給付と介護保険制度の適用関係等に係る留意事項及び運用の具体例等について」が発出されています。
     また高齢期となった障害者に対する支援として国が取り組んできた「共生型サービス」(障害福祉事業所及び介護保険事業所が一定の要件をクリアすれば介護保険事業及び障害福祉事業を実施できる)、あるいは「新高額障害福祉サービス等給付費」(65歳で介護保険に移行した障害者で一定の要件を満たしている場合は、介護保険利用料を償還払いで受け取ることができる)が進んでいない状況も指摘しています。
     今後の取組みとして適切な運用を改めて呼びかけるとともに、新事務連絡の発出・ケアマネージャーと障害者相談支援専門員の連携の重要性等が記載されています。
     本年6月の「事務連絡」の内容は、報告書をもとに介護保険優先に関する具体例・自治体での取り組みなどの方向が示されています。
     上記の国の方向も踏まえながら、以下質問します。
     ①障害当事者にとっては、介護保険への移行は使い慣れた支援やこれまでになかった負担に大きな不安があります。
     国が示す方向だけは不十分だとの声があり、千葉市では障害当事者からの訴えで裁判が起こり、最高裁での審理が始まろうとしています。
     まず、障害者65歳問題に関わる市の基本的な認識について答弁を求めます。
     ②障害者65歳問題は、障害福祉と介護保険の両方にまたがる内容で、担当部署間の連携が必要となりますが、来年4月からの本市における介護保険事務開始にあたりどのように対応しようとしているのか、国から発出された文書の共有、両課の合同会議、新高額給付費に関わる情報共有など、具体的な準備状況について答弁を求めます。
     ③障害当事者の方に対する十分な周知、問い合わせへの対応が重要です。
     しかし、福祉のしおりには65歳問題に関わる記載が十分ではありません。
     充実させるべきと考えますが答弁を求めます。
     ④障害福祉事業者及び介護保険事業者に対する周知も重要です。
     現在の周知状況と支援の現場での適切な意思疎通・情報共有の状況についても併せて答弁を求めます。 

    (答弁)
     高齢障がい者の「65 歳問題」についてであります。
     障がい者 65 歳問題に関わる市の基本的な認識につきましては、平成 19 年度の国通知において考え方が示され、さらに、令和4年6月の社会保障審議会障害者部会の報告書を受け、5年6月 30 日付け事務連絡において自立支援給付と介護保険制度との適用関係に係る留意事項及び運用の具体例が示されております。
     本市におきましては、それらの通知に基づき、65歳に到達する在宅の障がい者に対し、利用を希望しているサービスの具体的な内容を丁寧に聴き取った上で、必要としている支援内容を介護保険サービスにより受けることができるのかを適切に判断し た後、介護保険サービスについて説明し、介護保険申請の強制や障がい福祉サービスの更新却下は行っておりません。
     また、障がい福祉サービス固有のもの及び、介護保険サービスのみによって支援が確保できないと認められるものにつきましては、引き続き障がい福祉サービスの支給が可能な旨の説明を合わせて行っております。
     加えて、新高額障がい福祉サービス等給付費につきましても、対象者には本市より申請書を送付し介護保険サービスの利用者負担額の償還をしております。
     次に、障がい福祉と介護保険の部署間の連携につきましては、それぞれが所管する会議に参加するなど情報共有に努めておりますとともに、くすのき広域連合と新高額給付費等の連携を実施しております。
     6年4月より本市で介護保険を行うにあたり、高齢福祉課と更なる情報共有の方法等について検討してまいります。
     次に、障がい当事者に対する周知方法につきましては、個人により様々な状況があることから利用を希望している障がい福祉サービスに関する具体的な内容を聴き取った上で、担当ケースワーカー、相談支援専門員及び、介護支援専門員にて直接説明を行っております。
     次に、障がい福祉事業者及び介護保険事業者に対する周知につきましては、門真市障がい者地域協議会の中の相談専門部会や包括ケア会議等関係機関会議を通して情報共有に努めるとともに必要に応じて情報提供を行うなど、タイムリーな周知を引き続き実施して参りたいと考えております。
     次に、支援の現場における相互の意思疎通・情報共有につきましては、障がいのある当事者を含む障がい専門部会、大阪介護支援専門員協会門真支部及び地域包括支援センターをメンバーとしてワーキンググループを設置し、介護保険制度と障がいサービスの相互理解を深め一層の連携強化に努めております。

    (2)来年度からのこども発達支援センターの指定管理者への移行について

     次に、来年度からのこども発達支援センターの指定管理者への移行についてです。
     門真市こども発達支援センターの運営が、来年度から指定管理者へと移行します。
     こども発達支援センターは、発達に課題のある未就学児童に療育・機能訓練を行う通園事業、個別療育やグループ療育、保育所、幼稚園、学校などに訪問支援員が訪問し、こどもに合った支援方法を検討する保育所等訪問支援事業、こどもの発達について不安を抱える保護者の相談に応じ、サービスや他機関へのコーディネートを行う相談事業など多岐にわたります。
     これまで実施してきた支援等を確実に継続するとともに、業務をさらに充実させ、それにふさわしい専門職等の配置が求められています。
     昨年6月策定の業務仕様書を見る限りでは、従来業務については継続したうえで実施時間の拡充、医療的ケア児等コーディネーターの配置や障害児計画相談支援事業、居宅訪問型児童発達支援事業が挙げられていますが、職員配置については、人員配置の留意事項は記載されていますが、具体的な職種や配置人数が示されていません。
     大阪府指定障害児通所支援事業者の指定並びに指定通所支援の事業者等の人員、設備及び運営に関する基準を定める条例等関係に基づく人員を最低限として配置することとなっているのか、まず答弁を求めます。
     各種事業の引継ぎは大変重要です。しかし、業務仕様書には具体の業務引継ぎに関する記載がありません。
    保護者との面談を踏まえた職員との協議をもとにした引継ぎ方法等や引継ぎ期間の検討状況について具体的に答弁を求めます。 
     また、円滑な引継ぎについては、本市と事業者それぞれが万全の体制で臨まなければなりません。
     それぞれの人員等に対する考えについて答弁を求めます。

     (答弁)

     具体的な職種や配置人数が示されていないことについてであります。
     職員配置につきましては、業務仕様書等に記載されているとおり、指定管理者は法令等を遵守し適正な管理運営を行う必要があることから、人員配置基準を確保することを前提としており、加えて新規事業等については、事業を行ううえで必要な専門職等を配置するものとしております。
     
    次に保護者との面談を踏まえた職員との協議をもとにした引継ぎ方法や引継ぎ期間の検討状況についてであります。
     個々の保護者と面談は行っていませんが、意見等につきましては、保護者会を通じて聴き取っており、加えて親子療育日などの行事に参加された保護者に対し、引継ぎ等で不安なことがあれば、職員に相談してほしいとの呼びかけを随時行っております。
     保護者会からは「先生が一気に代わることが不安」や「子どもたちに応じた個別の対応を引き続きやってもらえるのか」などの意見があり、それら意見については保護者会、指定管理者、市の3者で共有したうえで、協議を行っております。
     また、協議内容につきましては、職員に対し定期的な会議を開催し、共有のうえ引継ぎ方法等について検討しております。
     これらを踏まえまして、引継ぎ方法につきましては、令和5年10月から6年3月までは、指定管理者の児童発達支援管理責任者2名を中心として、必要に応じて保育士等を加えた体制により、センター職員が作成した業務引継ぎ書を確認しながら、センターでの療育等に一部参加してもらうこととしており、その中で在園児や保護者等とのコミュニケーションを図っていくこととしております。
     6年4月から9月までにつきましては、指定管理者への移行がスムーズに行われているかなどの確認のため、引継ぎ職員を一定数見込んでおります。
     引継ぎ期間につきましては、引継ぎの状況や在園児等の様子を確認しながら、指定管理者と協議のうえ、必要に応じて期間についても検討することとしております。
     次に円滑な引継ぎにかかるそれぞれの人員等に対する考え方についてであります。
     本市につきましては、引継ぎの状況等により、6年4月からの引継ぎに伴う職種や人数などを検討してまいりたいと考えております。
     指定管理者につきましては、職員の入れ替わりによる在園児や保護者の不安軽減を図るため、センターの会計年度任用職員等の多数を雇用する予定と聞き及んでおりますので、よろしくご理解賜りますようお願い申し上げます。

     (3)医療的ケア児者への支援施策について

     次に、医療的ケア児者への支援施策につていてです。
     医療的ケア児者への支援施策については、門真市障がい児者親の会「結(ゆい)叶(か)」の代表者から提出された請願が、今議会初日の本会議で全会一致で採択され、その後の民生水道常任委員会においても質疑が行われました。
     医療的ケア児者をめぐる課題については、朝日新聞が、「(フォーラム)障がい・医ケア児、育て働く」と題し、9月3日には「当事者の声」、10日には「働く悩み」、17日には「必要な支援」3日間特集が組まれました。
     当事者や保護者に対する支援の充実は切実で、全国的にも大きな問題としてクローズアップされているのではないでしょうか。
     朝日新聞の特集記事内容は把握されていると思いますが、本市の現状と照らし合わせた認識について答弁を求めます。
     また、先の本会議での請願に対する賛成討論でも述べましたが、一昨年9月18日施行の「医療的ケア児及びその家族に対する支援に関する法律」第5条には地方公共団体の責務として、第3条に示された「基本理念」にのっとり、「国との連携を図りつつ、自主的かつ主体的に、医療的ケア児及びその家族に対する支援に係る施策を実施する責務を有する」と明記されています。
     新法に定める地方自治体の責務についてどのように認識しているのか答弁を求めます。
     次に、現在の医療的ケア児者に対する施策の現状と課題についてです。
     医療的ケア児者に対する支援についてこれまで本市では、保健福祉センター内の障がい者福祉センターでの生活介護事業、放課後等デイサービス事業及びこども発達支援センターでの受け入れや医療的ケア児等コーディネーターの配置などの取り組みがすすめられてきましたが、放課後等デイサービスについては、保護者からのスタッフに対する評判も良く、医療的ケアの有無に関係なく安心して預けることができるとの声を聞く一方で、生活介護事業については保健福祉センター内の一カ所しかなく、定員人数が溢れてしまい、医療的ケアが必要な場合は他の事業所にも行くことができないという状況となっており、土曜の開設と開設時間の延長、国道163号以南への生活介護事業やショートステイが可能な施設整備が切実な願いとなっています。
     また、こども発達支援センターに配置されている医療的ケア児等コーディネーターについては、保護者等からその存在もあまり知られておらず、役割も明確でないと感じておられるなど、早急な改善が必要だと考えます。
     以上の点に対する認識と改善に向けた考えについて答弁を求めます。
     医療的ケア児者に対する支援については、請願にも明記されている通り、現在策定中の第7期障がい福祉計画及び第3期障がい児福祉計画にしっかり盛り込むことが求められています。
     一昨年の新法施行にふさわしく、全会一致で採択された請願を重く受け止め、一項目起こし、相談や支援事業はもちろん、施設整備も視野に計画に盛り込むべきと考えますが答弁を求めます。

     (答弁)
     医療的ケア児者への支援施策についてであります。
     朝日新聞の記事には、医療的ケア児とその家族の悩みが多く寄せられており、子どもの介護のみならず、子どもの居場所や学校の送迎問題、時短勤務や介護休暇がとりにくい現状等、生活をしていく上での不安な思いが掲載されておりました。
     本市におきましても、窓口や団体からの要望等にて市内において、医療的ケア児者が利用できる通所型事業所や短期入所の施設が少ない、就労のためにサービスを使いたいという内容のお話を伺っておりました。
     現在、市内において、医療的ケア児者が利用できる施設は、児童発達支援事業所1箇所、放課後等デイサービス事業所1箇所、生活介護事業所2箇所となっており、医療的ケア児者等の支援サービスが不足していると認識しております。
      新法に定める自治体責務の認識についてでありますが、この法律の基本理念として医療的ケア児及びその家族に対し支援は、医療的ケア児の日常生活及び社会生活を社会全体で支えることを旨として行わなければならないと定められており、さらに地方自治体の責務として「国との連携を図りつつ自主的かつ主体的に実施する責務を有する」とあることから、国との連携のもと市全体で支援にかかる施策の実施について取り組んでいくべきものと考えております。
     医療的ケア児者に対する施策の現状と課題につきましては、現在、市内で医療的ケアを必要とする障がい者が利用できる生活介護の事業所が少なく、近隣市の事業所を利用している状況は認識しておりますことから、まずは門真市障がい者地域協議会等で課題の共有及び議論を進めてまいりたいと考えております。
     次期障がい福祉計画・障がい児福祉計画の策定にあたりましては、市内の現状を踏えたうえで、医療的ケア児等に関する項目の追加や請願書にあるショートステイやグループホームなどの環境整備も含め、同協議会並びに計画作成委員会において審議し、国の指針等に基づき医療的ケア児者や肢体不自由児者等に対する支援体制の充実を含む計画策定を推進してまいります。
     こども発達支援センターに配属されている看護師が、令和5年2月に医療的ケア児等コーディネーターの養成研修を受講し登録されましたが、それまでも医療的ケアが必要な在園児の保護者のさまざまな相談業務を行っていたことから、改めて保護者への周知は行っておりませんでした。
     現在のところ、医療的ケア児に関する多くの業務は保健所が担っており、今後は府と連携を図りつつ、まずは圏域等での社会資源の情報収集をはじめ周知などが必要であると助言いただいていることから、あらゆる機会をとらえ、周知等に努めてまいりたいと考えております。 

    (再質問)
     こども発達支援センターの指定管理者への移行について2点再質問します。
     まず、10月からの引継ぎにあたり、「個々の保護者との面談は行っていない」との答弁は、きわめて不十分であるということを指摘したいと思います。
     そのうえで、指定管理者移行後の引継ぎについては、「指定管理者への移行がスムーズに行われているかなどの確認のため、引継ぎ職員を一定見込んでいる」との答弁でしたが、その確認は、10月からの引継ぎにあたり実施していなかった、個々の保護者・当事者との面談を市の職員が指定管理者の職員とともに十分に行い、その状況を踏まえ引継ぎ内容や必要な職員配置、引継ぎ期間等を検討することが求められていると考えますが、答弁を求めます。
     二点目に、保育所等訪問支援事業、相談事業の引継ぎについてです。
     この事業については、市役所の職員が行う場合と、民間事業者である指定管理者が行う場合と各事業所や関係機関との関係がスムーズに進むのかが気になります。
     この点で、どのように引継ぎを考えているのか、答弁を求めます。

    (答弁)
     個々の保護者・当事者との面談を市の職員が指定管理者の職員とともに行い、その状況を踏まえ引継ぎ内容や必要な職員配置、引継ぎ期間等を検討することが求められていると考えていることについてであります。
     令和6年4月以降の引継ぎにつきましては、5年10月から半年間の引継ぎを行う中で、各在園児の特徴や配慮事項に応じた対応や療育等が適正に引き継げているか、指定管理者職員と在園児・保護者のコミュニケーションが図られているかなどを確認しつつ、加えて保護者に対し声をかけるなどし、希望に応じて個別での面談も行ったうえで、引継ぎ内容や必要な職員配置、引継ぎ期間等を検討することとしております。
     次に保育所等訪問支援事業、相談事業の引継ぎについてであります。
     センター職員が引継ぎ期間に各事業所等に訪問する際に指定管理者が同行するなど、事業所等と指定管理者が信頼関係を築いていくことができるよう丁寧な説明に努めるとともに、十分な協力体制を図ってまいります。

      

    2.市独自の事業運営を生かした介護保険施策の充実について

     市独自の事業運営を生かした介護保険施策の充実についてです。
     今年度末をもって、くすのき広域連合が解散し、2024年度(令和6年度)から本市独自の介護保険事業の運営がスタートします。
     地域の実情に沿った介護保険事業の運営と高齢者施策をセットで推進できるという点で大きな前進ですが、それだけでハッピーとは言えません。
     従前サービスより後退の可能性もあり、くすのき広域連合からの確実な引継ぎと介護保険施策のさらなる充実を図る時期事業計画の策定が求められます。
     次期事業計画の策定は、3年ごとに改定される介護保険法に基づき行われますが、介護保険施策の充実について以下の3点について質問します。

    (1)介護保険法改定の内容とサービスの大幅後退の危惧について

     まず、介護保険法改定の内容とサービス後退の危惧についてです。
     介護保険法の改定は、3年ごとに事業計画策定前に行われます。
     今回の改正介護保険法は、①介護保険サービスの利用料2~3割負担の対象拡大、②要介護1、2の訪問介護などの保険給付外し、③ケアプランの有料化、④老健施設などの相部屋(多床室)の有料化、⑤保険料の納付年齢の引き下げと利用年齢の引き上げ、⑥補足給付の資産要件に不動産を追加、⑦「高所得者」の保険料引き上げなどについて「見直しの論点」として社会保障審議会の部会で議論されてきましたが、その改正内容について答弁を求めると同時に負担増やサービス後退が危惧される内容について答弁を求めます。

     (答弁)
     まず、介護保険法改定の内容とサービスの大幅後退の危惧についてであります。
     令和6年度の介護保険法の改正内容につきましては、次期介護保険事業計画期間中に2025年を迎え、サービス需要や給付費が増加する一方、生産年齢人口が急減することから、地域ニーズに対応したサービス等基盤の整備や人材確保、保険制度の持続可能性の確保に向けた早急な対応等が必要との観点で、現在も、引き続き、国において、検討が進められているところであります。
     また、負担増やサービス後退が危惧される内容につきましては、議員ご指摘の通り、高齢者の負担能力に応じた利用者負担や、多床室の室料負担の見直し等が検討されているところでありますが、社会保障審議会介護保険部会では、生活への影響等の把握、急激な負担増とならない配慮、サービスの利用抑制の懸念等につきましても、併せて議論がされておりますことから、引き続き、国の動向を注視してまいります。

    (2)門真市第9期高齢者保健福祉計画・介護保険事業計画策定の議論の状況について

     次に、門真市第9期高齢者保健福祉計画・介護保険事業計画策定の議論の状況についてです。
     計画策定作業は、審議会が2回開催され、10月に開かれる第3回目は計画の骨子案が議論されることとなっていますが、2回の審議会で議論された課題と議論の特徴について答弁を求めます。
     あわせて、次回示される計画の骨子案の新たな視点、高い保険料の引下げの考えについても答弁を求めます。

     (答弁)
     次に、門真市第9期高齢者保健福祉計画・介護保険事業計画策定の議論の状況についてでありますが、計画策定推進委員会や外部識見者等で構成される審議会におきまして、5年2月に実施した市民アンケート調査結果の報告を行い、様々なご意見をいただいたところであります。
     現在、10月に開催予定の第3回目の審議会に向け、国の担当課長会議において示された、第9期計画の基本的な考え方等を踏まえた計画骨子案の作成を進めているところであります。なお、次期介護保険料につきましては、近年の高齢化に伴う、介護給付費の増加により、基準額の高額化は避け難いものと考えており、介護給付費の適正化、介護予防施策の推進が急務であると認識しております。

     (3)独自運営で可能となる高齢者施策及び介護事業サービスについて

     次に、独自運営で可能となる高齢者施策及び介護サービス事業についてです。
     第9期の計画策定は、負担増やサービス後退が危惧される一方で、地域の実情に応じた高齢者施策の推進と介護サービス事業推進の新たな条件のもとで行われています。市独自の介護保険事業運営によって可能となり進めようとしている高齢者施策及び介護事業サービスの内容について答弁を求めます。

    (答弁)
     次に、独自運営で可能となる高齢者施策及び介護事業サービスについてでありますが、くすのき広域連合で実施していた介護保険事業の継続を基本としつつ、効果的な介護予防などの推進が急務であるとの認識のもと、市で実施内容等を定める地域支援事業につきましては、総合事業の実施方法及び委託料の見直し、地域リハビリテーション活動支援事業の拡充、住民主体で介護予防を行う通いの場への補助金の拡充等、介護予防施策の推進に重点を置いた事業の実施を検討しているところでございますので、よろしくご理解賜りますようお願い申し上げます。

     (再質問)

     答弁では、介護保険料の高額化は避けがたいとの認識のもと、「介護給付費の適正化、介護予防施策の推進が急務」との認識を示し、「市で実施内容等を定める地域支援事業については、総合事業の実施方法及び委託料の見直し、地域リハビリテーション活動支援事業の拡充、住民主体で行う通いの場への補助金の拡充等、介護予防施策の推進に重点を置いた事業の実施を検討している」とのことでした。
     答弁で挙げられている総合事業(介護予防・日常生活支援総合事業)は、2014年の介護保険制度改定で作られ、2015年から2017年度に全自治体で実施されました。
     総合事業は、要支援1、2の訪問介護と通所介護を介護保険給付から外し、市町村の行う「事業」へと移すことで要支援サービスを切り捨てるための仕組みです。
     しかし、実施状況では、全国的にも2022年3月時点での厚労省調査では、従前相当サービスの利用者が、訪問型サービスで75.1%、通所型サービスでは80.1%で、大阪府下においても、大半の自治体が「従前相当サービス」が多数を占めています。
     しかし、大阪社会保障推進協議会の2023年8月7日付のニュースでは、府下で「従来相当サービス」利用者が、くすのき3市では、訪問型で守口市4.2%、門真市7.0%、四條畷市9.0%、通所型サービスでも守口市2.1%、門真市4.4%、四條畷市7.6%と異常に低い状況となっています。
     昨年12月のくすのき広域連合議会の決算審査において私は、令和3年度が令和2年度に比べ半減していることについて質しましたが、「事業者のサービスに対する理解が図られ、利用者の意向を踏まえ自立に向け適切なサービスとなるよう支援している」との趣旨の答弁でした。
     そこで、総合事業における「従前相当サービス」の実施率が、全国や府下と比べ、なぜこれほどまでに低いのか、門真市独自の事業運営を機に抜本的に見直す必要があると考えますが、答弁を求めます。 

    (答弁)
     門真市独自の事業運営を機に抜本的に見直す必要があることについてでありますが、総合事業につきましては、平成 26 年度の介護保険法改正により、市町村が中心となって地域の実情に応じ、住民等の多様な主体が参画し、多様なサービスを充実することにより、要支援者等に対する効果的かつ効率的な支援等を可能とすることを目指し、施行されたサービスであり、総合事業における本市の従前相当サービス実施率が全国や府内と比べ、低いことは認識しております。
     くすのき広域連合の解散後、本市が介護保険事業を運営するにあたりましては、従前相当サービスの実施状況について検証等を行うとともに、当該サービスの利用抑制に結びつくことのないよう、サービス類型ごとの利用要件に基づいたサービスを提供することにより、適切な介護予防ケアマネジメント支援に努めてまいりますので、よろしくご理解賜りますようお願い申し上げます。