[2023.6.30] -[議会活動]
12番豊北ゆう子です。日本共産党議員団を代表して、議案第31号「門真市印鑑条例の一部改正について」、議案33号「門真市税条例の一部改正について」反対の立場で討論をします。
まず、議案第31号 「門真市印鑑条例の一部改正について」は、「デジタル社会の形成を図るための関係法律の整備に関する法律」の施行等に伴い、印鑑登録証明書の交付申請について、移動端末設備(スマートフォン)を使用する方法の追加等をするものです。
これは、コンビニで印鑑登録証明書を交付する際、マイナンバーカードでなくても、スマートホンでも交付できるようにするものです。質疑の中で、本市では全国で起こっている誤交付などのトラブルについては、発生していないとのことでしたが、全国では、マイナンバーカードで、様々なトラブルが起こっています。まず、健康保険証と一体化したマイナ保険証で別人の保険証が紐づけされる誤登録が7300件以上判明していること。マイナンバーカードを用いて各種証明書を取得するサービスでも、別人の住民票が発行されるトラブルが今年3月以降、全国で25件。本来は本人名義の口座でなければならない「公金受取口座」に家族名義の口座が登録されるケースも13万件確認されています。岐阜県各務原市では、別人の顔写真が使われたマイナンバーカードが交付されていたことも起こっています。
このように、わずかの利便性向上と引き換えにトラブルが後を絶たない状況が続いています。個人情報の漏洩、また、保険証化では間違ったデータで医療が行われた場合には命にかかわる大問題で、全国ではマイナンバー制度への懸念が強まっています。
6月4日のJNNの世論調査では、マイナンバーの活用に不安を感じている人が72%もあり、マイナンバー制度の信頼性が揺らいでいる最中であり、マイナンバーの利用拡大をするのでなく、いったん立ち止まって見直すよう国に対して要望すべきではありませんか。
こういった流れの中で、個人情報保護のルールも国のルールに統一し、本市の個人情報保護条例も大幅な後退となっています。
日本共産党はそもそも、マイナンバー制度が財界の要求から出発し、国民の預貯金など資産を把握し、税や医療介護の負担増に反映させる仕組みを作らせ、個人情報を紐づけして国が管理、民間に開放することが狙いであり、制度そのものの拡大が認められないことから、賛成できません。
次に、議案第33号 門真市税条例の一部改正についてですが、本条例改正は、新たに創設した森林環境税を個人市民税として2024年度から市が徴収するためのもので、すでに地方自治体が新たに行う事務や事業の財源に充てるため森林環境譲与税として配分されていますが、2023年度末で期限切れとなる復興特別住民税の看板を掛け替えて、年額1,000円を個人から取り続けるもので、森林の吸収源対策や公益的機能の恩恵を口実に、本来国やCO₂排出企業が引き受けるべき負担を、国民個人に押し付けるものとなっています。
また、森林環境譲与税は2019年から自治体への交付が始まっていますが、交付基準の人口指標が林業従事者の割合よりも高くされたことで、私有人工林がない都市部に多額に配分され、答弁にもあったように私有人工林がゼロの本市にも4年間で3716万円の交付を受け、全額森林環境基金に積み立てているという状況となっているように多くの問題があります。
森林を有する自治体が、体制整備や森林整備に活用できるように交付基準を見直すことが重要です。
また、森林環境税・森林環境譲与税は、森林整備に安定的な財源確保策としてふさわしいのかと林業経営者からも疑義が示されています。
国やCO₂排出企業が応分の負担を行うとともに、安定的な財源である国の一般会計における林業予算を拡充し、需要のある自治体への地方交付税の拡充こそが求められています。
本条例改正は、地方税法等の一部改正に伴うものですが、以上挙げたような問題があり認めることはできません。