[2009.11.13] -[門真民報]
第6回門真市総合計画審議会が2日開かれ、日本共産党から吉松正憲議員が出席しました。 しかし、審議会で懸案となっていた総合計画全体にかかわる財政見通しが、1ヶ月半もたなざらしにされ、2日になってようやく示されたにもかかわらず、十分な説明もないまま、検証をする暇も与えないまま、総合計画案の採決が行われました。
せっかく、公募市民委員や未来市民会議で熱心に意見を出し合った市民の声など、これまでにない積極的な取り組みに参加した人々の思いを台無しにする、後味の悪い結末となりました。
同議員は、財政見通しについて「基本計画に掲げる各種施策を実施するためには、各年度の計画期間中における財政収支の見通しを試算し、実効性の伴った計画が必要です。」と述べていることを指摘。
①まず、H23年度から26年度までの4年間の普通建設事業費350億円の財源の裏づけについて、「関係各課と調整中」と数字を示すことができずに、今日、はじめて5年間で190億円台の数字が示された。どの事業をどれだけ削減するのか。
②パブリックコメントも、ホームページで明らかにされた当初の財政見通しを含む基本計画に対して、意見が寄せられたものだ。
③この間、見直しは行われていないと聞いているが、財政健全化計画との整合性は図られているのか、について認識をただしました。
これに対して、事務局である総合政策部からは、大きくは、市営住宅の耐震建て替えの時期を遅らせる、門真市駅前整備、大和田駅前整備事業を遅らせる、住宅総合整備事業の整備面積を縮小する等のことにより、普通建設事業費を縮減する。財政健全化計画との整合性は、今後図っていく、などとの答弁でした。
年度 |
H23 |
H24 |
H25 |
H26 |
当初の額 |
8,045 |
5,070 |
10,467 |
12,204 |
変更後の額 |
6,937 |
4,099 |
3,034 |
2,474 |
(新橋市営住宅)
同議員は、9月14日に財政見通しの問題点について指摘したのに、ずっと「各課との調整中」ということで待たされ、審議委員に対しては、「はい、今数字を示したから、すぐに了解せよ」では、あまりにも虫がよすぎるのではないかと厳しく追及しました。
そして、審議会の会長に対しても、提示された財政見通しを前提にして、公募市民委員や未来市民会議委員など熱心に議論してきた取り組みをないがしろにするものであるとして、ここはいったん日を置いて、再度審議会を開催して、最終決着を図るよう強く求めました。
しかし、こうした声は取り上げられず、財政見通しについて十分審議されないまま採決が行われ、第5次総合計画(案)が、反対1人、保留1人、賛成12人で採択されました。
総合計画(案)の採択にあたって、吉松正憲議員は、反対の立場から討論を行いました。
同議員は、第1に、今回の総合計画づくりには、これまでにない、様々な手法で市民の意見を取り入れる試みがなされたことを評価する立場を明らかにしました。
その上に立って、第1に、自治体の役割は何なのかについて、「自己責任、自立自助」の掛け声の下で格差と貧困が蔓延したことを指摘し、新総合計画の都市経営マネジメントシステムの構築という考え方には、こうした反省がないとし、住民福祉の増進という自治体本来の役割を明確に位置付けるべきことを述べました。
次に、総合計画の裏付けとなる、財政見通しについて、いかにずさんな検討でしかなかったかを鋭く指摘しました。
加えて、市は、この間、ごみ収集の一部民間委託、公立保育所4園の民営化、非正規雇用の活用、全国1スリムな自治体を掲げ人員削減を強力に推し進めてきて、なお更なる行革をやろうとしている。
ところが、例えば学校現場では、「1枚のわら半紙の都合がつかない」ほどの行革を求めながら、財政見通しが突然、150億円も変わってしまうずさんさが審議を通じて明らかになったことを厳しく指摘しました。
そして、実情を無視して学校統廃合を進めようとしていることを相互計画で是認していることも重大な問題だとして、反対討論を結びました。