[2009.10.23] -[門真民報]
決算特別委員会は13日開かれ、2008年度決算のうち、総務・財産調書、民生関係の審査が行なわれ、日本共産党から吉松正憲議員が出席しました。
総務関係では、①財政の指標である実質単年度収支の赤字が、07年度~08年度には国保収支改善計画に基づく一般会計から国保会計への繰り入れを含めて、06年度18億1千4百万円、07年度13億9千万円、08年度7億3千6百万円と収支が改善されたが、市民サービスの後退や負担増、職員の削減など相当な無理やしわ寄せがあったのではないかと認識をただしました。
②また、昨年来、派遣切りなど非正規雇用の増大が社会問題となる中で、市が行っている民間委託での偽装請負や派遣での常用雇用の代替があってはならないとし、どこでどんなチェックが行われているのか見解を求めました。さらに、この間保育園などで、アルバイトといいながら、実態は継続的雇用であり常用雇用化していた問題は解消されたのかただしました。
そして、門真市は、臨時職員の増加、民間委託の推進、派遣労働者の活用を急速に進めているが、雇用のあり方の是正する仕事を担う自治体として、非正規雇用の是正にしっかり取り組むよう求めました。
③10年来にわたって求めている軽自動車税の18歳以上の障がい者への減免適用について、大阪府の減免基準に準じた取り扱いを行っている市町村が多数となっていることを明らかにした上で、「門真市でも、同様の基準を採用し、減免措置の拡充に踏み切るよう」強く求めました。
④また、10月7日から8日にかけて近畿地方を直撃した「台風18号」の災害に備えて開設された、各小学校等の避難所について、自身が3か所の小学校を巡回したことを踏まえて、避難所の校門が閉じられていた小学校があったこと、3か所とも避難所であることの表示が何もなかったこと、テレビやインターネットなどの常備すべき機器がなかったことなどを指摘し、今回の経験を踏まえ、十分検討し万全の対応を取るよう求めました。
これらに対する答弁では、「人件費の削減など内なる改革」を行い、市民への負担増については説明責任を果たしていると述べました。
偽装請負等についてのチェックについては、「総合政策部及び総務部において『業務委託等の適正化に関するチェックリスト』を作成し、全所属長に通知するなど適正な業務委託を行うとともに、人材派遣による業務についても問題はない」との答弁でした。
民生関係では、①07年度まで開催されていた門真市民が一堂に集まる「門真まつり」の参加者数が6~8万あったのに対して、08年度から、門真まつりを廃止して始まった校区門真まつりが、7小学校区しかなく、参加者数も把握されていないことが明らかになりました。
②門真市の例がテレビや新聞で大きく取り上げられている国民健康保険について、国保が(1)国民皆保険におけるセーフティーネットであり、(2)世帯主が無職である世帯が約半数を占め、65歳以上の世帯が約半数を占める、(3)国保加入者の所得水準が他の職域保険と比べると低く1所帯当たりの所得は健保組合の約4割、政管健保の約6割であることを指摘しました。
その上で、共産党としても、政府に対し制度の改善を求める決意を述べた上で、新しい政権のもとで、国保財政における国の責任を明確にして、実態に応じた国庫負担を求め、徴収率によるペナルティーの廃止など国に対して、国保制度の抜本的な改善を迫るよう求めました。
③市民の日々のくらしの危機に緊急の貸付金で対応するための制度として緊急援護資金があります。制度上は無利子・無保証人で貸付、保証人を付ければ10万円まで貸し付けが受けられるのが、建て前となっています。
しかし、1999年度148件・759万5千円の貸し付けがおこなわれていたのが、2004年度149件・469万5千円、園部市政になってからは、2005年度136件・396万5千円、2008年度12件・31万5千円まで貸し付けが激減する事態となっています。
同議員は、これら過去10年間の貸付額をただした上で、貸付に日時がかかりすぎることの改善が図られたことも踏まえ、支援する「緊急援護資金」の拡充を求めました。
④ごみ減量化・リサイクル啓発事業について、2007年度と比較して2008年度の事業費が1500万円以上が削減されていることをあげ、大きく後退しているときびしく指摘し、門真市の認識をただしました。
答弁では、国民健康保険制度について、国民皆保険制度の大切な役割をもっており、「ご指摘の国庫負担を求め、ペナルティーを廃止するなど、制度改善を求めていきたい」と答弁がありました。
また、ごみ減量化・リサイクル啓発事業の大後退については、「一定の役割を終えたので、NPOへの業務委託をやめたが、後退していない」と強弁しました。
【人件費・物件費】
人件費(職員の給与や退職金等)は、職員の削減や給与削減などで、団塊世代の退職金を含めても下がり続けています。
一方で物件費(委託料、賃金、旅費等)は20年前の倍増となっています。
「全国一スリムな行政」を未だに掲げる現市政のもとで、職員の削減と民間委託や民営化の推進で、市民サービスの低下、公的責任の後退が危惧されます。
【使用料・手数料】
使用料はこの間、文化会館や公民館、体育館の使用料の減免制度の改悪などが行われ、今年度では、学校施設設備使用料の減免制度の大幅な改悪が10月1日から強行されています。手数料も、粗大ゴミ有料化が行われています。
「受益者負担」「負担の公平性」の名のもとにいっそうの負担増が危惧されます。