[2009.10.16] -[門真民報]
大阪社会保障推進協議会は09年度自治体キャラバンを実施しています。8日、守口市・門真市・四條畷市の地域社保協は、介護保険について、くすのき広域連合(3市で構成)と懇談会を実施。党議員団から井上まり子議員が出席しました。
はじめに、事前に提出していた「要望書」の回答がありました。
独自の保険料・利用料減免制度の創設について、介護保険制度運営の理念や財源問題等から現時点は困難。介護保険制度は公平・公正なもの、本来、制度そのものに盛り込むべきであると回答。
経過措置対象者に対して新認定での結果も知らせることについて、国で、新介護認定方式の検討・検証がされ、10月1日申請分から経過措置が廃止。この新介護認定方式に基づき、適切に対応すると回答。
引き続き質疑応答があり、現制度の矛盾が浮き彫りになりました。
年金者組合から「大阪府内では保険料独自減免が進んでいる。国保の場合、軽減について相談にのってくれるが、くすのき連合はそれがない低所得者について減免を認めて欲しい」との声がありました。
府内で、保険料減免未実施はくすのき広域連合・寝屋川市・箕面市・熊取町・田尻町・能勢町・島本町だけとなっている中、かたくなに国制度に盛り込むべきものと答えました。 「生活と健康を守る会」から、「年金収入年間18万円で18%の保険料、年間300万円の収入では2%ほどの保険料となる。その違いについてどう考えているのか、これは制度の矛盾ではないのか」との指摘がありました。これに対して、100%完全な制度という認識は持っていないと答えました。
高い保険料を払っているのに十分なサービスが受けられないとの意見に対して、くすのき構成市高齢者7万3千人。その内要介護認定は1万2千人で70%~80%程度がサービスを受けている。、特別養護老人ホーム待機者840人(在宅者での待機者290人)になる十分な利用でないと認識。26年度までに要介護2~5の人数の37%の施設整備の計画していると答えました。
ケアーマネジャーさんから「在宅介護が困難な要介護5の方でも1年半待っても施設入所できない。さらに、ショートステイ(短期入所生活介護)については、2ヶ月前まで一杯で急な入所は困難。家族が急に倒れたり、急用ができた場合のショートステイ利用ができない。緊急ショートステイの受け入れ枠を広げてほしい」と要望。
ショートステイをするにも施設整備が必要。23年度までに145床5施設の地域密着型小規模特養の増設を予定との答えがありました。
ホームヘルパーさんから「介護や認知症の対応などで困った時どこに相談に行ったらいいのか」との、きめ細やかな対応を求める声があり、地域の窓口となる地域包括支援センター(門真市5箇所、守口市6箇所、四條畷市3箇所)の周知方法について工夫を求める声があり、検討すると答えました。
医療従事者の方から「夫婦共介護が必要な世帯で、ホームヘルパーが入っているが、利用料2人分の支払いが困難なため、身体介護が必要であるが生活介護だけ利用している」と切実な声がありました。
他にも夫が糖尿、認知症、妻が腎臓病で透析。緊急に施設入所が必要。老人保健施設に依頼したが療養病床型施設を探してほしいと言われた。現在、往診と訪問ナースで頑張っている。夜間対応ヘルパー事業所はあるが十分でないので国に拡充を要望して欲しいとの厳しい実態が明らかになりました。
独居の高齢者が、施設入所を希望しても施設から保証人を求められる。保証人がいなくても入所できるようにして欲しい。特に、酸素等を必要とする方の施設受け入れが容易でない、透析については全く受け入れてもらえない。
大阪府から保証人がないことで入所を断ってはいけないという内示が出でいるので改めて施設に対して指導をしていく。また吸引などの措置について、現在、看護士の夜間対応が位置づけられていなので施設受け入れが困難。施設においては看護士を十分に雇えるほど国からの報酬が貰えていない。現在、介護報酬の見直しと、国の介護部会で介護職員が吸引できるようにモデル的に検討しているとの答えでした。
ケアーマネジャーさんから「介護認定結果が1ヶ月かかるので暫定でケアープランを作成してもよい事になっているが、認定結果が誰が見ても要介護5と判断するケースが、要介護2と判定がでたり大幅に違うことがある。認定員の力量にアンバランスがあるのではないか」の指摘がありました。
また、生活が成り立たない場合において基本的には介護度を下げないことが重要との指摘がありました。
区分 |
2007年度 |
2008年度 |
1.歳入総額 A |
45,353,732 |
44,973,275 |
2.歳出総額 B |
45,304,224 |
44,824,506 |
3.歳入歳出差引額 C(A-B) |
49,508 |
148,769 |
4.翌年度繰越財源 D |
24,376 |
101,345 |
5.実質収支 E(C-D) |
25,132 |
47,424 |
6.単年度収支 F |
△21,087 |
22,292 |
7.積立金 G |
30,342 |
20,805 |
8.繰上償還金 H |
- |
- |
9.積立金取崩額 I |
1,399,300 |
780,000 |
10.実施単年度収支J(F+G+H-I) |
△1,390,045 |
△736,903 |
実質赤字比率 | 連結実質赤字比率 | 実質公債費率 | 将来負担比率 | |
算定値 |
-(-) |
14.78(16.63) |
7.0(8.6) |
91.4(128.4) |
早期健全化基準 |
12.00 |
17.00 |
25.0 |
350.0 |
財政再生基準 |
20.00 |
40.00 |
35.0 |
|
実質収支、資金不足・余剰額(千円) |
一般会計等 |
47,424(25,132) |
国民健康保険事業特別会計 |
△5,764,948(△5,854,483) |
老人保健医療事業特別会計 |
△15,251(△87,600) |
水道事業会計 |
1,644,019(1,375,773) |
公共下水道事業特別会計 |
180,504(175,454) |
連結実質赤字額A(上記合計) |
△3,886,399(△4,365,724) |
標準財政規模B |
26,287,412(26,249,209) |
連結実質赤字比率A/B(%) |
14.78(16.63) |
この20年間は、バブル期(80年代後半~90年代初頭)、バブル崩壊(91年)、消費税増税と医療制度大改悪(97年)、定率減税(99年~06年)の廃止、三位一体改革など、市民の暮らし、市財政に大きな影響を及ぼしています。
【市民税】
個人市民税は、税制「改正」等によって変動していますが、バブル崩壊以降減少傾向にあり、この間は、定率減税の廃止や年金課税の強化などの影響で増加傾向、市民の暮らしはより厳しくなっています。
一方で法人市民税は、バブル崩壊後激減。合わせて大企業への優遇税制でますます減少。パナソニック(松下電器)は業績のV字回復の時期もありながら、02年ごろから「均等割」だけしか納税していないと言われています。
大企業への優遇税制が地方財政へも大きな影響を与えています。
【積立金・地方債】厳しい財政状況のなか、バブル期に200億余あった積立金は36億円余に。
地方債(借金)はバブル崩壊以降の国からの公共事業の押し付け、地方交付税を補う臨時財政対策債などで膨らんできました。