[2009.10.1] -[議会活動]
1. 門真市第5次総合計画について
(1)策定の進捗等について
(2)計画(案)について
2. 市営新橋住宅について
(1)現状について
(2)居住者への説明の状況について
(3)今後の市の考え方について
3. 保育所民営化について
(1)民営化後の現状について
(2)合同保育終了後の市の法人への対応について
門真市第5次総合計画についてです。
第5次総合計画は、2001年から2010年を計画期間としている「第4次総合計画」を一年前倒しして新たな総合計画を策定するもので、2010年度から2019年度の10年間を計画期間とし、「随時諸情勢の変化を見通しながら、必要な見直しがあれば、修正を行い、柔軟な対応により進める」としています。
総合計画は、地方自治法第2条4項で「市町村は、その事務を処理するに当たっては、議会の議決を経てその地域における総合的かつ計画的な行政の運営を図るための基本構想を定め、これに即して行うようにしなければならない」と規定されており、市政運営における最も重要な計画として位置付けられています。
策定後店晒しにするのではなく、常に計画に立ち返りながら市政運営を行うことが求められますし、今日まで現計画に即して市政運営が行われてきたと考えます。
このようなことから、新たな計画を策定するに当たっては、まず現計画期間についての総括を行い、計画に基づいて何が進められて前進したのか、残された課題は何なのか。後退したものはないのか等を明らかにすることが重要です。
当然、総括がなされたうえで策定作業が行われていると考えますが、以上の点について市としてどのように総括しているのか答弁を求めます。
今回の計画策定では門真未来市民会議や門真の未来子ども会議など、市民参加での策定に力を入れていることは積極的意義を持つものと考えます。
計画策定のこの間の経過、特に市民参加の状況について、進捗状況、今後のスケジュールについて答弁を求めます。
次に計画(案)についてです。
計画(案)については、9月10日付で市ホームページでも公表され、10月9日までの募集期間でパブリックコメント制度に基づく意見募集が行われています。今後様々な意見が寄せられると考えますが、この機会に案に対し、意見も交えて質問します。
まず、市民と市役所との役割についてです。
基本構想の序章では「市民や市役所が何をなすべきかを明らかにするため」とか「市民と市役所みんながそれぞれの役割に応じて」との記述がありますが、市民と市役所の役割について明確に定義されていません。特に「公民協働」の名のもとに市役所の果たすべき役割を市民に肩代わりさせることが危惧されることから、市役所の役割については、公的責任を明確にするうえでも明記する必要があると考えます。市役所の役割とは何か明確な答弁を求めます。
次に財政の見通しについてです。
基本計画総論では「各年度の計画期間中における財政収支の見通しを試算し、実効性の伴った計画とすることが必要」とし、「昨年秋の『百年に一度』といわれる経済不況によって、本市の財政にも大きな影響を及ぼしたことから、総合計画に基づき計画的な市政運営を行うことができるよう、一昨年8月に策定した収支見通しを見直し、改めて計画期間の収支見通しについて試算した」ものが明らかにされています。
この収支見通しでは、市税収入については景気悪化を反映し、2014年度(平成26年度)までは昨年度比10億円余りの減収で推移することが予測され、人件費は職員数の大幅削減と団塊世代の退職が峠を越えることで、2013年度は昨年度比3分の2という大幅減が見込まれ、扶助費、公債費、物件費、補助費等については横ばいないしは漸減、漸増となっています。
しかし、普通建設事業費だけは異常な推計となっています。昨年度、今年度と15億弱の普通建設事業費が2011年度(平成23年度)から80億円となり、2014年度(平成26年度)までのわずか4年間で350億円を超える莫大なものとなっています。
先の市長選挙では、行革で市民に痛みを押し付ける一方で、開発計画を進めようとしている園部市政に対し、3小学校の廃校計画とあわせて市民の批判が高まりました。
市長の今議会での開会挨拶では、「市民の信頼なくしては何事も成し得ないことを再認識して、情報公開を徹底し、住民への説明責任を果たして参る所存」との2期目の所信の一端を明らかにされましたが、この突出した普通建設事業費は2期目の園部市政のもとで支出されようとしているものです。一体どういう事業を進めるものなのか、審議会でも吉松議員が指摘しましたが、財源の裏付けが市債(借金)をほとんど増やすことなく、国府の支出金によるものとなっていますが、通常では考えられません。この2点について具体的な答弁を求めます。
あわせて市長は「財政が厳しいことを理由に負担を住民に押し付けるのではなく」とも述べられましたが、基本計画総論の「行財政改革の推進」では、財政難を口実に市民に「応益負担」の名のもとに負担増を押し付ける「第2次門真市行財政改革推進計画」を2014年度(平成26年度)までに116項目、100%実施することを目標として掲げています。矛盾しないのか、明確な答弁を求めます。
次に基本計画各論についてです。
基本計画各論では「わかる計画」「使える計画」「めざす計画」とのコンセプトで達成度を図る指標が主要施策ごとに設けられています。積極的な意義を持つものと考えます。
しかし、項目によっては首をかしげたくなるものも多く見られます。
コミュニティ活動の支援では、『校区門真まつり」の実施小学校校区を5年後に全小学校校区とするなど「押し付け」と取れるものがあり、生活自立への支援では、「援護資金貸付」の年度内返還率を指標とするなどとんでもないものもあります。あえて列挙しませんが、主要施策と指標の設定についてはその趣旨にふさわしいものに改める必要があると考えますが答弁を求めます。
【答弁】総合政策部長
まず、策定の進捗状況についてであります。
現計画期間の総括につきましては、第5次総合計画を策定していく上で不可欠のものと考えており、現在、総合計画審議会において総括の基礎資料のたたき台となる「第4次総合計画の取り組み状況(案)」を提示しております。
また、これに先立ち、現総合計画の体系に基づく主要な実施施策の到達状況が一定わかる一覧表を議員各位並びに門真未来市民会議委員に配布しておるところであります。
引き続き、総括にあたってのご意見をお聞きし、内容を深めてまいりたいと考えております。
議員ご質問の計画に基づいて進められ前進したものとしては、大きく捉えると、今日求められている公民協働の核となる市民公益活動支援センターの設置や幸福町・中町まちづくり基本計画の策定、産業振興への足がかりとなる企業誘致等施策の実施をはじめとしてさまざまな分野での住民福祉の増進が図られております。とりわけ、都市ビジョンの策定以降、計画期間の後半においては、今後10年間のまちの発展への礎が構築されてきたと考えております。
また、残された課題としては、市民への積極的な情報提供や市民参画、PDCAサイクルの確立など都市マネジメント力の強化があります。
確かに、この間の行財政改革により、さまざまな事業の廃止・縮小等もありましたが、少子高齢化社会など時代の変化とともに高まる新たな行政サービスに対し、都市の持続可能性を高める「選択と集中」を強めたものであり、職員給与の削減など、府内トップ水準の「内なる改革」を優先し、その効果額でさまざまな事業を実施してまいりました。例えば、平成19年度では、事業系ごみ処理手数料を見直し約2800万円の効果額を生み出す一方、平成20年度にセンサー付防犯灯設置事業役800万円、妊産婦検診拡充事業約900万円、小中学校等AED設置事業約150万円、多重債務者相談事業約200万円を実施するなど、必要な施策は実施してきたことから、施策の後退を招いたとは考えておりません。
次に、今後のスケジュールであります。
今回の総合計画の策定にあたりましては、より多くの職員や市民参画を追及しており、今年1月から2月にかけては、2500人を対象とした市民意識調査、3月には28団体を対象に市民団体アンケートえを実施、産業活動の把握においては、中小企業のアンケート調査結果の分析やヒアリングを行い、門真未来市民会議は23人の参加で7回に及ぶ会議を開催、6月には、小学6年生34人参加での未来子ども会議を開催、市職員においては、ワーキンググループや専門部会を設置し、策定委員会で総合計画(案)を策定してまいりました。
また、総合計画(案)を基に2回の説明会を開催し、現在、パブリックコメントを募集しております。
今後のスケジュールといたしましては、パブリックコメントを10月9日まで行い、3回の総合計画審議会を経た後、11月初旬に答申をいただき、総合計画策定委員会を経て(案)を決定し、基本構想については、第4回定例会で議決いただきたいと考えております。
議決後、来年に入り、基本計画に基づいた実施計画を策定していく予定であります。
次に、市役所の役割についてであります。
今日の少子高齢化や安全・安心意識の高まりなど、社会潮流の変化により、市民の行政へのニーズは多様化・高度化・複雑化してきており、このことに対応していくためには、従来の行政という枠だけでは解決できない状況が広がってきていると認識しております。
公民協働は、こうした下で、行政と市民、企業等が共に手を携え、連携しあって、「自分たちのまちは自分たちで守り、育てる」という新しい公共的活動を推進していく概念であり、決して行政の肩代わりを安易に市民に押し付けるという性質のものではありません。例えば、従来どおり、行政の責任により取り組むべきものは、徴税や選挙事務など、法的義務のあるもの、また市民と行政が協力して取り組むべきものは、環境保全活動や一部の委託事業などがあり、市民との協働の広がりに応じてそれぞれの役割は変化していくものであると考えておりますが、当然公的に担うべきものは、従来と同様に公的責任を果たす立場に変わりはないと認識しております。
次に、財政の見通しにおける普通建設事業についてであります。
まず、事業内容でありますが、学校や公共施設の耐震化事業、幸福町・垣内・中町まちづくり事業、門真市駅前や大和田駅前の整備事業、北部の住宅市街地整備事業や第2京阪高架下整備事業、自転車通行帯の整備や駐輪ラック設置事業、水路空間の有効利用や公園の整備拡大、緑のネットワーク事業等を現段階では想定しております。
事業費や財源の裏づけの問題につきましては、引き続き精査してまいりますが、いずれにいたしましても、国・府の支出金や市債など特定財源を最大限活用し、一般財源の支出は、極力抑えていく財政運営を推進してまいる所存であります。
次に、「行財政改革の推進」と「財政が厳しいことを理由に負担を住民に押し付けるものではない」ということに矛盾があるのではという点についてでありますが、「第2次門真市行財政改革推進計画」は、全ての事務事業について、緊急性・必要性・効果等の観点、またサービスを受けるものの受益者負担の原則に基づき、必要な見直しを行い、策定したものであり、決して財政難のみを理由として市民負担をお願いしているものではなく、矛盾はないものと考えております。
本計画の実施に際しましては、市民の皆さんへの説明責任を果たしながら、ご理解・ご協力をいただき、進めてまいりたいと考えております。
最後に、基本計画各論についてであります。
主要施策と指標につきましては、総合計画審議会をはじめとしてさまざまな議論をしており、引き続きよりよい指標となるよう努力してまいりますので、ご理解賜りますようお願い申し上げます。
【意見・要望】
第5次総合計画についてですけども、財政の見通しについてその財源等ただしたわけでありますが、その答弁についてはあいまいな答弁に終始したということをまず指摘したいと思います。これについては「引き続き精査」としているので、今後注視していきたいというふうに思います。
また、財政の収支見通しの詳細な内容については、市民にもオープンにしていくことを強く求めておきたいと思います。
市営新橋住宅についてです。
新橋住宅(第1期)は、門真市駅の移転をきっかけとし、住宅地区改良事業として整備され、改良住宅200戸をはじめ、改良店舗、分譲住宅、分譲店舗が混在する建物として昭和48年竣工し、36年が経過し今日に至っています。
この建物については昨年度行われた「新橋住宅耐震性確保検討調査委託業務」の報告書が1月に策定されています。
報告書では、耐震改修、現地建替え、非現地建替え、民間賃貸住宅借上げの4つの再整備手法について検討が加えられ、検討委員会の結論として新橋住宅の再整備については安全性が確保されない「耐震改修」については選択せず、建替えによる安全確保を行うこと。建替えに当たっては非現地における再整備を中心に今後検討を深めていくとされています。この報告を踏まえて6月に住民説明会が行われていますが、その後7月8日に「住民の会」の方々が議会控室を訪ねてこられました。
そこでは、6月の市の説明では民間賃貸住宅借上げでの手法で1年から3年で立退くということだったが、今日受けた説明ではスケジュールについては白紙となったということ。高齢者が多いということで立ち退くということではなく、このまま住み続けたいとの要望が出されました。 永年住み続けてきたのに、突然の立退き話に当然の要望だと考えます。
そこで、現在の新橋住宅の現状について、居住者への説明の状況についてまず伺うものです。
住民説明会を開くにあたっては、市として方針を明確にしたうえで、理解を求めていくことが重要です。しかし、新橋住宅については明確な方針が示されないまま住民説明会が行われています。
市営住宅に関する市の方針は、2007年(平成19年)3月に策定された、「門真市営住宅ストック総合活用計画」であり、その中で新橋住宅は「新耐震基準が制定された以前の建築物であることから耐震診断結果により、必要な補強・改修、立替え等を含めた検討をおこなう必要がある」とし、住宅別ストック活用計画では「個別改善・維持保全」となっています。また、「門真市第5次総合計画案」では、市営住宅の管理と改善整備について「『門真市営住宅長寿命化計画』に基づきストック活用に努め、適正な管理を推進するとともに、『新橋市営住宅再整備基本計画』に基づき、市営住宅の居住環境を改善し、土地の有効活用に努めます。」としていますが、まだ計画策定に至っていません。
市の方針を明確にしないまま、なぜこのような住民説明を行ったのか。今後市営住宅をどのようにしていこうと考えているのか。新橋住宅の再整備計画をいつ策定するのか。再整備計画策定に当たっては住民の意見を反映させるとともに、計画策定まではこの話は白紙に戻すべきと考えますが、明確な答弁を求めます。
【答弁】都市建設部長
まず、現状についてであります。議員ご認識のとおり、新橋住宅(第1期)は、築36年を経過しており、入居者の高齢化が進行している状況でございます。
耐震改修促進法に基づき、耐震診断を実施した結果、現在の安全基準の数値に満たないと診断され、これを受け、平成19年度に関係各課及び関係機関で構成される「門真市新橋市営住宅再整備等検討会」を立ち上げ、再整備手法等の検討を行なってまいりました。
平成20年度には、引き続き再整備手法や事業費試算等を検討するため外部委託を行い、市営住宅の入居者の安全性確保方策として、「耐震改修」「現地立替」「非現地立替」「民間賃貸住宅借上げ、」の4つの手法について検討し、国・府との協議を経て、今年度から入居者への説明を開始したところでございます。
次に、居住者への説明の現状についてでありますが、平成21年6月に全体説明会を開催し、これまで市が検討してきた経過説明を行ない、「民間賃貸借上げ」を中心とした4つの手法について説明をいたしました。その後、住民の代表からなる協議会が発足され、当該協議会と話し合いを進めていくことを確認しております。
次に、今後の市の考え方についてであります。再整備にあたっては、「門真市営住宅ストック総合活用計画」に従い、昨年度に「門真市営新橋住宅耐震性確保検討調査」を実施し、再整備コストが相対的に小額に抑えることができ、比較的早期に入居者の安全性が確保できる「民間借り上げ手法」を中心とした再整備の基本的方向性を定めたところであります。
今後、具体的な事業内容を定める基本計画を今年度から、来年度にかけて策定する予定でございますが、作成にあたっては、入居者の意向を確認することが必要であると考えております。特に、高齢化した入居者にとって、居住環境の変化は大きな負担となることから、6月の入居者への説明を皮切りに、今後、話し合いを深めながら、事業推進を図ってまいりたいと考えております。
なお、今後の市営住宅については、今年度策定予定の「門真市営住宅長寿命化計画」に基づき、ストック活用に努め、適正な管理に取り組んでまいりたいと考えておりますので、よろしくご理解賜りますようお願い申し上げます。
【再質問】
「門真市新橋市営住宅再整備検討会」の結論では「非現地立替」及び「民間賃貸住宅借り上げ」を中心として、今後検討を深めていく、というのが結論となっています。いつ、どこで「民間賃貸住宅借り上げ」を中心とした再整備の基本的方向性が定められたのか、この点についてお伺いします。
また、計画策定をすることなく、「民間賃貸住宅借り上げ手法」ありきで住民説明が行なわれています。本来ならば、住民意向を把握し、反映させた来年度策定予定の「基本計画」を策定後、事業推進の説明を行なうべきであると考えますが、答弁を明確に求めたいと思います。
また、市が行なおうとしている「民間賃貸住宅借り上げ」は、将来市営住宅の管理戸数を削減していくことが危惧されます。将来にわたって管理戸数を維持していくのかどうか、削減することはないのか、この点についても明確な答弁を求めます。
【答弁】
再質問についてご答弁申し上げます。
民間賃貸住宅借上げを中心とした再整備の基本的方向性については、平成20年度に行なった「門真市新橋市営住宅再整備検討会」での結論の後、平成21年3月3日に行なわれた委託結果の報告及び方向性を議題とした会議の場で、本市として、多大な再整備費用と時間を要する「現地立替」等の手法と比べて、財政負担が少なく、早期に入居者の安全性が確保できる「民間賃貸住宅借上げ」を中心とした手法が最も実現性の高い手法として判断したところであります。
次に、基本計画策定後に事業の説明を行なうべきについてでありますが、先ほどの答弁のとおり、今後入居者の意向を把握しながら、事業の具体化に向けた基本計画を今年度から来年度にかけて策定してまいります。
次に、将来的な市営住宅の戸数については、長期的な視点に立った検討が必要であり、今後の課題と認識しておりますので、よろしくご理解賜りますようお願い申し上げます。
保育所民営化についてです。
この問題については第2回定例会の一般質問でも質しましたが、深刻な問題を抱えている園があるにもかかわらず、「大過なく実施されてきた」「是正すべき点につきましては法人に対し指導を行ってきた」との答弁で、市の不十分な認識と対応が明らかとなりました。
そして民営化後2ヶ月で保育士や看護師が辞めた「まこと小路保育園」では2回の大阪府の立ち入り調査が行われるという事態となっています。
民営化後半年が経過しようとしています。市の行ったアンケートや三者懇談会でも様々な問題点が指摘されています。民営化後の問題点、市が行った法人への指導の内容、府の立ち入り調査の内容や明らかとなった問題点など、現状について答弁を求めます。
次に合同保育終了後の市の法人への対応についてです。
後期合同保育が9月末で終了します。10月以降は来年3月まで巡回保育を行うこととなっていますが、園によっては合同保育を延長してほしいという要望が出されているところもあります。
合同保育終了後市として法人に対しどのような指導等を行っていこうとしているのか、協定書の内容が順守されているかどうかについて法人からだけではなく、保護者からの声も直接聞くなどして把握するなど、法人任せでない責任を持った対応が重要です。以上の点について具体的な答弁を求めます。
【答弁】福祉推進部長
まず、民営化後の現状についてのうち、問題点及び指導内容についてであります。
民営化した保育所につきましては、保護者をはじめとする市民の関心が高いことから、これまでの間、各園との連携を密にとる中で、特に保護者対応につきましては丁寧に行なうよう指導・助言に努めるなど、円滑な保育所運営が図られるべく支援を行なってきたところであります。
ご質問の民営化後の問題点でありますが、5月から6月にかけて実施した保護者アンケートの結果を見ましても、約8割の方から、「安心」または「概ね安心」してお子さんを預けておられるとの評価を受けているところでありますものの、個々の問題として、園長が不在がちであることや給食の内容に対する指摘、園と合同保育派遣職員との連携不足などの意見がアンケートや三者懇談会などで指摘されたところであり、その都度園とともに改善に努めてきたところであります。
このような中、まこと小路保育園におきましては、退職者が発生したこと、また、保育内容の変更に際して保護者等との意思疎通に問題が見受けられたことから、7月3日に口頭による指導を行なったところであります。
次に、大阪府の立ち入り調査の内容や明らかになった問題点などについてであります。
これは、6月末に大阪府に対しまして、まこと小路保育園の一部の保育士の言動等に対し、匿名の通報が入ったことを受けまして、7月16日及び23日に府が園に立ち入り、聞き取り調査を実施したところであります。
その結果、少し、遊びの範囲を超えた手荒いととられても仕方のない保育をしていたものがいたため、府と連携を行なう中で指導を行い、園長から当該職員に対し、口頭による注意を実施されたところであります。
また市から、今後この様なことのないよう、改めて指導を行なっており、以降、同様の通報等は府・市ともに入ってきておりません。
次に、合同保育終了後の市の法人への対応についてでありますが、この9月末をもちまして、合同保育につきましては終了するものであります。
来月から来年3月までは、各園の状況等に応じて決定した日程により、巡回保育による助言等を園に実施していくこととしており、今後とも保護者の不安解消に努めてまいりたいと考えております。
また、随時、協定書の内容が守られているかどうかなどを園に確認するほか、保護者の要望等に応じた三者懇談会の開催や保護者アンケートの実施により、保護者からの声を直接確認する機会を確保し、必要に応じて指導・助言を行なってまいりたいと考えておりますので、よろしくご理解賜りますようお願い申し上げます。
【再質問】
この半年間を見てみますと、4園一度の民営化ということが、いかに大きな問題を生み出しているのか、このことが実態として明らかとなっていることをまず強く指摘しておきたいと思います。
まこと小路保育園はこの半年だけでも先ほど答弁があったように、大変な状況となっています。市として具体的にどのような問題があると認識しているのか、法人に対しどのような指導を行い、具体的にどのような改善をこれまで求めてきたのか。指導は口頭ではなく、文書で行うべきだと考えますが、行なったのか、行なっていないとすればなぜか、改善計画を文書で提出させるようにしているのかどうか。まこと小路については、合同保育終了後特別な対策が必要と考えますが、その認識はあるか。あるとすればその具体的対策についても答弁を求めます。
法人はこの間の指導についてどのように受け止めているのか、また、具体的な改善、体制などをどのように図っていこうとしているのか、この点についても答弁を求めます。
【答弁】
再質問の、保育所民営化についてご答弁申し上げます。
まこと小路保育園の状況ですが、アンケート結果では、6割以上の保護者が「安心」または「概ね安心」してお子さんを預けておられると評価されており、これまでの間、園児の保育につきましては、大過なく、実施されてきたものと考えております。
しかしながら同園におきましては、先ほどもご答弁申し上げましたとおり、退職者の発生や保育内容の変更に伴う保護者不安の状況が見受けられたことから、通常の指導・助言とは別に、「開かれた職場を目指し、良好な職場環境の形成に努めること」また、「保護者・園・市との間で、情報並びに問題意識の共有を目指し、透明性の確保に努めること」とのより強い指導を、私より、園長等に対し、直接口頭により行なったものであります。
なお、改善計画の文書による提出などは求めておりませんが、今後、同様の問題が生じた場合には、文書による指導も検討してまいりたいと考えております。
合同保育終了後の対策につきましては、保護者からの要望も踏まえ、巡回保育の実施頻度を他園よりも引き上げることにより、保護者不安等に対応してまいりたいと考えております。
また、園の対応としましては、本市からの指導内容も踏まえ、総務担当や事務担当職員の配置といった今後の円滑な保育所運営に向けた職員体制の実施などを図られており、また、9月18日に実施いたしました三者懇談会の場におきましても、保護者の意見を踏まえながら、職員一丸となって良い園となる様努力していきたいとの表明もされているところでありますので、よろしくご理解賜りますようお願い申し上げます。