[2009.8.28] -[門真民報]
89年4月、消費税が導入されて20年が経過しました。
「社会保障充実のため」として導入を強行し、97年には3%から5%へと引き上げ、医療制度の改悪と合わせ国民に負担増を押し付けました。
このようにして国民から吸い上げた消費税の総額はこの20年間で213兆円。その一方で法人税率はどんどん引き下げられ、法人3税の減収の総額は183兆円。消費税が社会保障充実のためではなく、法人税減収の「穴埋め」に使われていたことがいよいよ明らかとなっています。
一方で、社会保障制度はこの20年間改悪に次ぐ改悪。医療制度や年金制度、障害者施策に至るまで、あらゆる社会保障制度が後退、セーフティーネットはずたずたです。
消費税導入前(1988年) |
2009年 |
|
健保本人の医療費(自己負担率) |
1割 |
3割 |
老人医療自己負担 |
800円/月(外来) |
1割または3割/毎回(外来) |
国民年金保険料(月額) |
7,700円 |
14,660円 |
障害者福祉の自己負担 |
9割の人は無料(応能負担) |
自立支援法で原則1割負担(応益負担) |
こうした中で財界は法人税の更なる減税と消費税増税を政府に求め、政府は2011年の消費税増税を狙っています。
民主党も4年間は増税しないとしつつも、消費税増税は避けられないという立場です。
日本共産党は、消費税増税に頼らなくても、軍事費や公共事業などの無駄をなくし、大企業・大資産家へのゆきすぎた減税を中止しすれば、12兆の財源が生まれ、社会保障充実など、暮らし優先の施策は十分可能だと主張しています。
門真市が第一中学校と第六中学校を統合し、新たな中学校の2012年(平成24年)4月開校をめざす「門真市立統合中学校整備PFI事業」を実施するにあたり、総合評価一般競争入札で事業者を決定することについての「公告」が7月31日行われ、「要求水準書」も公表されました。
「PFI事業」とは、学校をはじめとする公共施設の整備にあたって、企画、資金調達から建物の設計・施工、維持管理に至るまで長期(当該事業は15年間)にわたり公共事業の全体を民間の事業者が担うもので、「要求水準書」とは、行政の基本的な考え方、設計や建設、維持管理などについて事業者に要求する水準について文字で現したものです。
PFI方式は、公共施設整備にあたって当初の行政の財政負担が少なく、有効な手段とされていますが、破たんした事例もあり、党議員団は公的責任やリスクの危惧についても指摘してきました。
また7月末の「要求水準書」公表というスケジュールが示されていたことから、地域や保護者・子ども、学校現場の意見が要求水準書に盛り込まれるのかどうかについても議会で繰り返し指摘し、ただしてきました。
この入札公告に当たり公表された「要求水準書」は、第1「総則」、第2「学校施設整備業務に関する事項」、第3「維持管理業務に関する事項」について詳細に記載されています。
「学校施設整備の基本方針」では、(1)「確かな学力」をはぐくむ学校づくり、(2)安全かつ快適で豊かな人間性をはぐくむ学校づくり、(3)門真の教育を牽引すべきモデル校としての学校づくり、(4)都市環境に配慮した学校づくり、(5)PFIの特性を生かした学校づくりが掲げられています。
しかし、「門真の教育牽引すべきモデル校」としながら、全国的に大きな流れとなっている「少人数学級」への対応については、「不確定な少人数学級に対する対応については考えていない」という硬直した考え方が、6月議会の建設文教常任委員会での福田英彦議員の質問に対する答弁で示されています。
「モデル校」といいながら、将来に禍根を残すことにならないのか危惧されるところです。
入札公告後のスケジュールについては、10月31日に入札書類が受け付けられ、12月下旬に落札者の決定、来年2月中旬に仮契約締結、3月下旬の事業契約締結となっています。
こうしたなかで、第一中学校、第六中学校、北小学校、浜町中央小学校、古川橋小学校の各PTAでは、統合中学校に対するアンケートが取り組まれ、統合中学校に対するさまざまな要望が出されています。
地域や学校現場も含めた様々な要望が今後反映されるのか、「コスト」に縛られ、不十分なものとなるのか、党議員団は今後も統合中学校問題について、議会でただしていきます。