[2022.9.21] -[議会活動]
福田英彦 議員
1.統一協会(世界平和統一家庭連合)問題について
質問にあたり先ず申し上げます。
7月8日に安倍元首相が参議院選挙の最中に暴漢に狙撃され逝去されました。
当日、私自身のFacebookでも「絶対に許されない最悪の暴力、民主主義破壊です。心よりご冥福をお祈りいたします。」と投稿しました。
改めて心よりご冥福をお祈りしますとともに、謹んで哀悼の意を表します。
あわせて、この機に乗じ岸田政権が9月27日に安倍元首相の「国葬」を強行しようとしていますが、憲法14条が規定する「法の下の平等」、憲法19条が保障する「思想及び良心の自由」に反するもので、法的根拠のない「国葬」を一片の「閣議決定」によって強行することは、法治主義を破壊し、「法の支配」を「人の支配」に代える暴挙であり、どの世論調査でも反対が多数となっています。
改めて、国民への弔意押付け、憲法違反、政治利用の安倍元首相の「国葬」中止を強く求めるものです。
(1)統一協会問題に対する認識について
さて、統一教会問題は、安倍元首相を銃撃し殺害したとされる容疑者の母親が熱心な統一協会の信者であったことからクローズアップされ、反社会的活動の実態や被害者家族の悲惨な状況、安倍元首相はじめ自民党の国会議員との関係、国政に与えた影響、世界平和統一家庭連合への名称変更の経過など日々明らかとなっています。
日本共産党は統一協会=勝共連合と不倶戴天(ふぐたいてん)の敵として半世紀以上たたかってきた蓄積があり、現在は追及チームと地方議員、地方党組織と連携し、その実態を明らかにし、被害者支援などにも取り組んでいます。
統一協会は霊感商法、集団結婚などで甚大な被害を出している反社会的カルト集団の顔と、統一協会と表裏一体の政治組織「国際勝共連合」をつくり“反共と反動”の先兵という二つの顔を持つことから、その関係は自民党以外の政党にも及んでいます。
さらに、国政だけではなく、地方政治や地方議員にも影響を及ぼしていることから、本市の統一協会問題への認識と対応も問われることとなります。
まず、この間の統一協会問題に対する認識について答弁を求めます。
(2)市長はじめ、市の事業、後援事業など、関与の有無について
先ほど述べたように、統一協会問題は国政や国会議員だけの問題にとどまりません。
統一協会と何らかの関係があった首長や地方議員、市の事業や後援事業などが明らかになっています。
富田林市や松原市で大阪府の「アドプト・ロード・プログラム」事業への世界平和統一家庭連合の関与や、箕面市では統一協会と深い関係を持つボランティア活動などを目的とした学生主体の団体阪大CARP(カープ)が、17年前から小学校で科学実験の講座を開いていたこと、社会福祉協議会が寄付金やマスクの提供を受けていたことなどが次々と明らかとなっています。
統一協会は、巧妙な手口で行政に関与しようとしているので、その見極めは容易ではありませんが、反社会的組織の行政への関与は許さないという毅然とした態度で対応することが求められています。
これまで市長はじめ、市の事業、後援事業など、関与の有無について答弁を求めるとともに、統一協会に関連し消費生活センターはじめ寄せられている相談と対応状況について答弁を求めます。
(3)今後の対応について
先ほども指摘したように、統一協会は、巧妙な手口で行政に影響を与え、そのことを通じ市民近づこうとしています。
市として毅然とした対応をとることがまず必要で、姿勢を明確にするとともに、関連団体の情報を庁内で共有するとともに、市民に警鐘を鳴らすとともに、被害にあった市民に対し可能な支援をしていく必要があると考えます。
今後具体的にどのように対応していこうとしているのか、霊感商法等の被害者に対しどのように支援していこうと考えているのか答弁を求めます。
【答弁】
まず、旧統一教会問題に対する認識についてであります。
旧統一教会は、1980年代以降、不安をあおって高額商品を売りつける「霊感商法」等がマスコミに大きく取り上げられましたが、今なお、様々な問題を抱えていることが、改めて顕在化したことで、必要な対応が求められているものと認識しております。
次に、市への関与につきましては、令和2年5月に、元市議会議員から、女性サポートステーションWESSへマスクの寄贈を希望する団体を紹介され、受領後に関連団体と判明したことがあり、また、同年7月には、同じく紹介により、関連団体が開催する自転車イベント「ピースロード北大阪2020」が本市を通過することに伴う表敬訪問を依頼されましたが、対応はいたしておりません。
現在、関与が明らかになっている事例は以上の2件であります。
次に、今後の対応についてであります。
本市におきましては、これまでも暴力団等の反社会的勢力を行政から排除するべく取り組んでまいりました。
今般の旧統一協会の問題では、行政への寄附や事業協力を通じて、関わりを持ってきていることから、これらの申し出があった場合には、十分な注意を払い、可能な範囲で調査し、関係各課と情報を共有しながら、引き続き、適切に対応してまいります。
また、消費生活センターをはじめ寄せられている相談と対応状況につきましては、個別の団体を特定した情報については、差し控えさせていただきますが、国による「旧統一教会」問題関係省庁連絡会議において、今月5日から30日までの間、被害者の救済を目的として合同相談窓口が開設されたことから、本市におきましても霊感商法等も含め相談内容に応じた窓口を案内するなど、的確な対応に努めてまいります。
2.商業チラシと見間違う「広報かどま」9月号(1・2面)について
(1)掲載に至る経過について
本市の発行する「広報かどま」は、12頁のタブロイド判で、市の取組みや制度紹介はじめ「知りたい情報」がコンパクトで分かり易くまとめられていると評価しています。
しかし、残念ながら「広報かどま」9月号の1・2面は、あまりにも市広報の役割から大きく逸脱し、商業チラシかと見間違うような内容に唖然としました。
それは、来年春から開業する松生町の大型商業施設のロゴを散りばめ、そのイメージ図をふんだんに使い、事業を進める大手不動産会社の社員を登場させ、1面には「進化していく門真」、「活気あふれるまちへ」と門真市がこの事業に対し、これ以上ない表現でお墨付きを与えるものとなっています。
なぜこのような紙面になったのか、不思議で仕方ありません。
まず「広報かどま」9月号(1・2面)がこのような紙面となった経過について、①松生町の大型商業施設に関する記事を1・2面に掲載することについて決定した時期と理由②決定過程で大手不動産会社からの掲載の働きかけの有無③掲載内容に関する大手不動産会社との協議の詳細④ロゴマークを大小それぞれ4カ所使用した理由⑤大手不動産会社の社員を登場させ宣伝させた理由⑥「進化していく門真」、「活気あふれるまちへ」との見出しの意味と大型商業施設との関連⑦広報誌掲載規程の有無⑧掲載内容の問題点についての議論の有無と内容について具体的に答弁を求めます。
(2)税金を支出し、全体の6分の1の紙面を割き掲載することの是非について
広告料を受け取り広報に掲載する広告については、要綱や基準で様々なハードルを設けて広告を掲載しています。
その広告掲載基準第6条の「掲載することが適当でない広告」では、「市が推奨しているような誤解を与える広告」と明記されており、広告料を受け取る広告の広報への掲載の規程に照らしても、今回の記事は広報にふさわしいものでないことは明らかです。
税金を支出し、大きく紙面を割き、特定の民間事業者の進める事業に門真市がお墨付きを与える内容に違法性すら感じるものです。
このように、広告料を負担させることなく、それをはるかに上回る経済的便宜を特定の企業に対し無償提供することについての法的根拠、事業者や市民に対し、公共性・公益性についてどのように説明するつもりなのか具体的に答弁を求めます。
以上、広報かどま9月号1・2面の問題点について指摘しましたが、紙面全体の6分の1も紙面を割き、掲載することの是非の認識について最後に答弁を求めます。
【答弁】
掲載にかかる経緯についてであります。
掲載を決めた理由と時期につきましては、広報かどまの特集記事による市からの情報発信として、これまでにも海洋堂ホビーランドやパナソニックミュージアム、タイガー魔法瓶がJAXAと共同開発した断熱容器など市内企業の取組みを特集してきたところであり、今回の件につきましては、令和3年度中に担当課より大阪モノレール新駅及び三井不動産による大規模商業施設に関する特集の要望を受け調整等を行い、4年6月に9月号で特集することを内定しました。また、掲載内定までの過程で、企業から掲載への働きかけはございません。
掲載に当たっては、施設の完成イメージ、工事現場の様子や交通対策など工事区域の状況を視覚的にわかりやすく伝えることで、まちの将来への期待感を高められるよう、画像等の提供依頼や、作成した原稿の確認等、校正に係る調整を関係課及び企業と複数回行いました。
画像等の使用については、従前より、伝えたい内容がより伝わりやすくなるよう、イメージ画像やロゴマーク、人物を使用する手法を取り入れており、必要な画像等については関係課等に協力を頂いております。今回の特集における人物の起用につきましては、紹介画像の実施主体が事業者のため、新たな賑わい拠点への期待感を市民に持っていただけるよう事業者側の人物を起用し、施設名は、文字ではなくロゴマークを使用しました。
また、見出しの意味につきましては、施設の開業により市内外から多くの人で溢れ、賑わいが生まれることへの期待を「活気あふれるまちへ」とし、施設の開業により、まちの風景やイメージが大きく変わることを捉え、過去、現在を肯定しつつ更に、前に向かって進んでいくとの思いを「進化」と表現したものです。
掲載規程の有無につきましては、「広報かどま」は、広報発行規程に基づき発行しており、今回の特集は、4年度施政方針を踏まえ、本規程第2条第3号の「市政に対する市民の理解、協力及び民意の把握に関すること」に基づくものであると認識しております。
問題点の議論の有無につきましては、広報紙発行に至るまでに、関係課等と調整を複数回行い、決裁を経て発行しておりますが、その間、問題提起があったとの認識はございません。
次に、税金を支出し、全体の6分の1の紙面を割き掲載することの是非についてであります。
特集記事は、広報発行規程に基づき、市政情報等で時宜にかなった施策等を掲載できるよう担当課と調整するとともに、伝えたい情報量とデザインを考慮し紙面範囲を決定しております。
この度の特集につきましても同様に制作しており、本市のPRやまちづくりの観点から公共性・公益性を逸するものではないと考えております。
また、本特集は企業からの掲載依頼によるものでは無いことから、広告掲載要綱等により定める広告ではなく、この間の松生町における大規模商業施設の建設に関わり、市議会における一般質問等におきましても道路交通政策、大阪モノレール中間駅の設置に関し数度にわたりご質問を頂いており、行政情報として関心の高いことから掲載したものであり何ら違法性は無いものと認識しております。
今後におきましても、市民の関心と理解が得られる広報紙の発行に努めてまいります。
【再質問】
「酷い答弁」の一言です。
まず答弁の冒頭で、今回の広報記事と海洋堂ホビーランド、パナソニックミュージアム、タイガー魔法瓶とJaxaとの共同開発とを同列に扱おうとしていますが、答弁にもあるように、三社とも市内企業の取組みであり、こどもロビーとの連携、門真市初の名誉市民が起こした門真市に本社を置く企業と門真の歴史が分かるミュージアム、門真のモノづくりへの貢献などについて特集されたもので、質的に全く違うものでとんでもない答弁です。
どのような関連があるのか、反論があれば答弁を求めます。
次に、大型商業施設の進出に対し、「まちの将来への期待を高められるよう」、「新たな賑わい拠点への期待感を市民に持っていただけるよう」、「市内外から多くの人で溢れ、賑わいが生まれることへの期待『活気ああふれるまちへ』の意味」、「まちの風景やイメージが大きく変わることを捉え、過去、現在を肯定しつつ更に、前に向かって進んでいくとの思いを『進化』と表現」など、撤退事例は全国で枚挙にいとまがない大型商業施設の進出について、まさに市民を煽ることが記事の狙いだとも受け取れるあけすけな答弁は、市民を愚弄するものだと考えますが、答弁を求めます。
次に、今回の特集が、令和4年度施政方針を踏まえ、広報発行規程第2条3号の「市政に対する市民の理解、協力及び民意の把握に関する」ことに基づくものだとしていますが、まちづくり分野では「大阪モノレール新駅設置事業については、引き続き、大阪府等と連携し、工事施行認可の取得など必要な手続きを進め、11年の大阪モノレール延伸事業との同時開業をめざす」「松生町大規模商業施設の開業も見越し、市道門真中央線の歩道整備等の交通安全対策に取り組む」としているだけで、地域振興分野及び産業振興分野でも大型商業施設についてはまったく触れられていません。
今回の特集記事が令和4年度施政方針のどの部分を踏まえ書かれているのか、明確な答弁を求めます。
次に、特集記事は、「広報発行規定に基づき、市政情報等で時宜にかなった施策等を掲載できるよう紙面範囲を決定し、本市のPRやまちづくりの観点から公共性・公益性を逸するものではない」としていますが、さっぱり意味が分かりません。
そもそも大型商業施設進出が「市政情報等で時宜にかなった施策」なのか、大型商業施設の進出によってどのように「本市のPR」ができるのか、大型公共施設の進出が「まちづくり」と言えるのか、分かるように答弁を求めます。
次に、今回の記事が「これまでの議会の一般質問等において質問を頂いており、行政情報として関心の高いことから掲載したものであり何ら違法性は無い」としていますが、答弁でもあるように議会で質疑が行われたのは、道路交通政策、大阪モノレール中間駅等の設置に関してであり、大型商業施設が期待できるものか否かなど理事者に問うたことなど全くありません。
議会を出汁に「何ら違法性は無い」との答弁は、議会を愚弄するもの他なりません。
謝罪するとともに、違法性がない根拠について明確な答弁を求めます。
今回の広報記事の最大の問題点は、大型商業施設の進出によって、様々な点で危惧されている市民や事業者のみなさんの思いを全く無視していることです。
先程も述べましたが、大型商業施設の進出が、地域の中小商工業をずたずたにし、まち壊しをした上に撤退するという事例は枚挙にいとまがなく、市内の中商工業のみなさんで危惧されている方は少なくないと考えます。
特集にあたり、こうした市民や事業者のみなさんに心を寄せていれば、絶対に今回のような記事は書けないはずです。
この点についても明確な答弁を求めます。
以上、質問に対しはぐらかすことなく答弁し、指摘した問題点について真摯に反省し、今後二度とこのようなことがないことを明言するよう最後に求め再質問とします。
【答弁】
今回の特集と過去の市内企業の特集との関連につきましては、歴史的な重み、長らく本市において事業活動を行われてきた多くの企業の皆様とのつながりは十二分に認識しておりますが、時の積み重ねが歴史を育むものであり、大規模商業施設は、新たな市内企業として、これから本市との関わりを深め、公民連携、共創による市民サービスの提供も模索してまいりたいと考えております。
また、都市基盤整備の面におきましても、開業を見据えた整備では、大阪モノレール新駅前の広場建設や交差点改良など本市のまちづくりとつながっており、いずれも本市との関連性が強くあるものと認識しております。
なお、質的に全く違うとの指摘は、これから事業活動をはじめる事業者に対し、全く別のものとして取り扱うとの考えであり、市としてそのような考えは持っておりません。
次に、市民を愚弄するものとのお考えにつきましては、大規模商業施設の開業にあたり、大阪モノレール新駅建設など、まちづくりを好機と捉え、まちの将来への期待を高めることにつなげようとする特集であり、市内外の多くの皆様が、より一層本市への関心を高めていただけるものと考えており、市民を愚弄するという考え自体理解いたしかねます。
4年度施政方針を踏まえた内容につきましては、「松生町大規模商業施設の開業も見越した交通安全対策」を踏まえたものであり、交通渋滞等が懸念される中で、市をはじめ、事業者が連携し、交通安全対策を講じる内容を掲載したものであります。
大型商業施設進出が市政情報等で時宜にかなった施策なのか、進出によってどのように本市のPRができるのか、進出がまちづくりと言えるのかにつきましては、8月号での大阪モノレールの新駅設置に関する特集記事との連続性も踏まえつつ、先ほどご答弁申し上げたとおり、まちが大きく変わる事への期待がある中で、施設が開業間近となり、公開できる情報が一定揃ったことを受け、9月号での特集となりました。また、まちに新たな大規模商業施設が建設されることやそれに伴う交通安全対策等は、市内外の皆様にとりまして、必要な情報、本市に更に関心をもっていただける情報であり、門真市駅周辺エリアの魅力向上につながるまちづくりであると捉えております。
違法性がない根拠につきましては、先ほどご答弁申し上げたとおり、広報発行規程に基づくものであり、何ら違法性は無いものと認識しております。
また、これまでの議会における質疑において、各議員からは、まちの環境の変化への期待などを示されつつ、近隣住民からの意見として施設の規模や開業時期等に関する質疑があったことや、車の出入口や交通渋滞等に係る意見などに応えるべく特集したものであります。
市民や事業者の皆さんに心を寄せているかにつきましては、市民本位の市政運営を基本とする考えに変わりはなく、引き続き、市民等の意見等を傾聴しながら、担当部局等と適切な連絡調整を図りつつ、市の施策等の様々な情報に関し、必要性が高いもの、必要とされるものを、時宜を捉えつつ、様々な媒体を通じて、情報発信していくことが市の責務であり、今後とも、その責務を果たしてまいりたいと考えておりますので、何卒よろしくご理解賜りますようお願い申し上げます。
3.特別支援教育と通級指導について
(1)国通知の内容について
この問題について質問することとなったきっかけは、特別支援学級に在籍している児童生徒の通常の学級と特別支援学級において学ぶ時数について目安を示したことなどを内容とする4月27日発出の文部科学省初等中等教育長名の通知、「特別支援学級及び通級による指導の適切な運用について」に基づき具体化をすすめようとしたことで、保護者をはじめとして混乱や不安の声が寄せられている自治体が少なくないということを知ったことからです。
まず、4月27日発出の文科省通知の内容について答弁を求めます。
(2)特別支援学級及び通級指導の現状について
次に、特別支援学級及び通級指導の現状についてです。
今回の文科省通知は、「特別支援学級に在籍している児童生徒については、原則として週の授業時数の半分以上を目安として特別支援学級において児童生徒一人一人の障害の状態や特性及び心身の発達の段階に応じた授業を行う」ことを求めており、これが保護者をはじめとして混乱や不安の声が寄せられている大きな問題の一つとなっています。
本市の特別支援学級及び通級指導の現状は、今回の文科省通知に照らしてどのようになっているのか。
文科省通知を受けて、どのような対応を行っているのか、通知の内容を機械的に進めようとしていないとは思いますが、具体的に答弁を求めます。
(3)今後の考えについて
特別支援教育及び通級指導は、何よりも一人一人の子どもの発達の必要に応じた教育を保障することが重要であり、そのために保護者の思いに寄り添うとともに、学校現場の判断を尊重することが求められると考えます。
今後、特別支援学級及び通級指導をどのように進めようとしているのか答弁を求めます。
【答弁】
国通知の内容についてであります。
文部科学省からは、令和4年4月27日付けで「特別支援学級及び通級による指導の適切な運用について」という通知が出されております。
その中では、支援学級に在籍する児童・生徒について、「交流及び共同学習」として、通常の学級に在籍する児童・生徒と同じ場でともに学ぶことを大切にするとともに、支援学級を学びの場として、一人ひとりの障がいの状態や特性に応じた授業を原則として授業時数の半分以上実施することが求められております。
次に、特別支援教育と通級指導の現状についてであります。
本市の支援学級在籍児童・生徒については、支援学級において個々の教育的ニーズに応じた自立活動や教科の学習を実施しているものの、授業時数としては「交流及び共同学習」の時数が多くなっている現状があります。
本市の通級指導については、子どもが通級指導担当教員の在籍する学校に通う形式ではなく、国通知において推進することが望ましいとされている自校の通級指導教室に通う形式や、通級指導担当教員が巡回する形式で実施することで、本人・保護者の負担を軽減しております。
しかしながら1対1の個別指導を重視しているため、国が示している週あたり1時間から8時間までの指導時数に対し、本市では週に1時間程度の指導となっている児童・生徒が多くなっている現状があります。
今回の国通知を受けての対応につきましては、教育委員会から保護者への通知文書を配付するとともに、個人懇談等の場も活用しながら、本人・保護者と充分に話し合った上で、特別の教育課程の内容や時数について見直しを行い、必要に応じて学びの場の変更も検討するよう、各学校に対して指導助言しております。
次に今後の考えについてであります。
教育委員会といたしましては、これまで本市において推進してきた「ともに学び、ともに育つ」というインクルーシブ教育を充実する方向性については、今後も大切にしてまいりたいと考えております。
一方で障がいのある児童・生徒に対し、一人ひとりの教育的ニーズに応じた特別の教育課程を編成し、支援学級や通級指導教室において適切な指導を行うことの重要性が一層高まっていることも認識しており、保護者の思いに寄り添い、学校と密に連携しながら、支援学級及び通級指導教室における教育の更なる充実に努めてまいりますので、よろしくご理解賜りますようお願い申し上げます。