[2022.1.14] -[門真民報]
新型コロナウイルス感染急拡大
国において対策の抜本的強化を
門真市独自に市民への支援策実施を!
新型コロナウイルスの感染が年末年始にかけて急拡大、「第6波」の状況となっています。
1月9日には、全国で8,249人の感染が確認され、前週の2日の553人に比べ約15倍となっています。
大阪でも一週間(1月3日~9日)の感染確認者は3,399人で、前々週(12月20日~12月26日)の165人の約20倍、前週(12月27日~1月2日)の380人の約9倍というこれまでにない急拡大です。(グラフ参照)
門真市では、昨年11月に6人、12月に3人の感染確認者でしたが、1月は9日時点で既に35人の感染が確認されています。今後も感染急拡大が予想され、市独自の市民への支援策が求められます。
アメリカ由来で感染が急拡大した広島・山口・沖縄では、9日から31日までの期間で「まん延防止等重点措置」が適用されました。
また、日米両政府は、在日米軍基地とその周辺での感染急拡大を受けて、10日から米軍関係の外出を14日間、制限することで合意しましたが、後手の対応と言わざるを得ません。
日本共産党志位和夫委員長
ワクチン接種、PCR検査、入院病床確保など求める
日本共産党の志位和夫委員長は、9日放送のNHK日曜討論で、感染が急拡大する新型コロナの現状、そしていま必要な対策を問われ、「3点求めたい」としました。
第一は、高齢者と医療従事者に対する3回目のワクチン接種が遅れており、最大限の迅速な接種、無症状者に対する「誰でも、何度でも、無料で」受けられるPCRの体制を全国につくる。
第二は、「自宅で医療が受けられないまま亡くなる」ということを二度と繰り返さない。そのために、入院病床の確保、地域の医療体制の強化を自治体まかせではなく、国の責任でしっかりやる。
第三は、水際対策の「大穴」が米軍基地になっている問題で、沖縄の要請に政府が何もやってこなかった責任は重く、今からでも具体的な対応を求めるとともに日米地位協定の改定が必要であると述べました。
また、コロナの影響を受け生活に困っている方、あるいは事業者への支援について問われ、「対象も規模も全く不十分」だとし、「困っているすべての方に届く支援、商売が続けられる支援の抜本的な拡充を求めたいと述べました。
かどま9条の会
憲法改悪を許さない全国署名
かどま9条の会、戦争アカン門真1000人委員会は9日、古川橋駅頭で「憲法改悪を許さない全国署名」に取り組みました。亀井あつし議員、福田英彦議員、豊北ゆう子前議員も参加し、マイクでの訴え、署名の協力を呼びかけました。
どこまでつぎ込むマイナンバー
3省庁だけで一千億円超!
厚生労働省、総務省、国税庁の3省庁が支出したマイナンバー制度の関連経費は少なくとも1000億円を超えていることが2日、本紙の調べでわかりました。この総務省の支出分には、マイナンバーカードの保有者にポイントを付与するマイナポイントにあてられた2020年度の予算2478億円分が含まれていません。実際は、この数倍にのぼるとみられます。一体いくらつぎこまれたのか、金額は?(矢野昌弘)
本紙が官報の調達情報を集計したところ、11年から昨年末までにマイナンバー制度に関連する契約は、厚労省が634億円(38件)、総務省が199億円(37件)、国税庁が195億円(21件)でした。
さらに文部科学省が20億円(6件)、外務省が14億円(1件)などとなっており、10の省庁と最高裁判所の合計は少なくとも1,116億円(132件)を超えています。契約金額の大きなものでは、20年度に厚労省が入札を経ない随意契約で電機大手の富士通とリース業大手の東京センチュリーの2社に発注した年金業務システムの更改やデータ移行業務があります。この1件だけで355億円余の支出となっています。
契約総額の8割が3社に集中しています。 内訳は富士通が538億円(18件)、NTTデータが179億円(29件)、日立製作所が173億円(17件)となっています。大手広告代理店、電通は広報関連で総額63億円(8件)を受注しています。
この1,116億円とは別にマイナンバー関連の支出があり、国民負担の全容が見えにくいものとなっています。国からの補助金をもとに市町村が地方公共団体情報システム機構に支出したものや、日本年金機構、学生支援機構などのマイナンバー関連支出もあります。
日本共産党の本村伸子衆院議員が21年、地方公共団体情報システム機構に開示させた情報によると、マイナンバーカード関連の支出だけで1,453億円にのぼることがわかりました。これにはマイナンバー制度の分が含まれていません。来年度には、総務省がマイナンバーカード普及予算として1,027億円を計上しています。
マイナンバー巨額の国民負担
必要のないものに拡大の本末転倒
多額の税金がマイナンバー(共通番号)関連につぎ込まれた結果、国民負担が増え続けています。これから政府は、マイナンバー制度をどのようにしようとしているのでしょうか。 マイナンバー制度に詳しい黒田充さん(自治体情報政策研究所代表)に聞きました。
自治情報政策研究所
代表 黒田 充 さん
岸田文雄内閣になっても相変わらずマイナンバー制度に前のめりです。政府のデジタル重点計画にも利用範囲を広げていくと明確に書かれています。
政府の「デジタル臨時行政調査会(臨調)」で経団連の十倉雅和会長は、マイナンバーを特に慎重な取り扱いが必要な特定個人情報ではなく、「一般の個人情報と位置づけるべきだ」といっています。
現在、マイナンバー制度は税・社会保障・災害の3分野に利用範囲を限定しています。 十倉会長の発言などからはこの範囲外に広げていこうとしていることが明確にあらわれています。
3分野に限定と言いながらも、医師や看護師などの国家資格をマイナンバーにひも付けるための法律が既に制定され、その準備が進められています。
さらに、こうした資格をマイナンバーカードで確認できるようにすることも検討されています。
マイナンバー制度を創設する際、こんな話は全くなく、健康保険証としての使用すら、法案審議において、国は明確に答弁していません。多くの国民が想定もしていない方向へとズルズルと広げられているのです。
政府は、少しでも多くのことをマイナンバーやマイナンバーカードに結びつけようと考えています。
新型コロナウイルスのワクチン接種証明をマイナンバーカードで行うなど、必然性がないことをあえてやっている。本末転倒です。
全国31の自治体がスーパーシティー(改定国家戦略特区)の指定を政府に申請しており、選定が進められています。スーパーシティーでは、マイナンバーやカードの利用が促されるでしょう。
これは、市民生活を巻き込むとんでもない「実験」です。注視していく必要があります。
これまでに巨額の税金がマイナンバー関連に支出されました。
発注先をみると、やはり特定の大手IT企業が受注しています。IT公共事業の性格も大きいといえます。
日本の政策の悪いところで、いったん始めたものはとことんまで突き進むことが起きていると思います。
マイナンバー制度が市民生活の中で役に立った実感はあまりないのではないでしょうか。 行政に提出する書類の枚数が減ったとかはあるでしょう。
しかし、それにどれほどの人が恩恵を受けたでしょう。マイナンバーの怖さは、名寄せした個人情報で、その人物像を仮想的に作り出す「プロファイリング」にあります。
それによって国民を分類し、排除や優遇する社会と背中合わせなのです。
その危険と巨額の国民負担に釣り合うほどメリットがあったのか、立ち止まって検証が必要です。(しんぶん赤旗1月3日付、1面・15面から転載)