[2021.12.15] -[議会活動]
議案第62号門真市情報通信技術を活用した行政の推進に関する条例の制定について、日本共産党議員団を代表し、反対の立場で討論を行います。
本条例の制定は、「情報通信技術を活用した行政の推進等に関する法律」にもとづき、書面等により行うことなどが条例等で規定されている申請等について、規則の定めによってオンライン等でできるようにするものです。
これは、個々の法で具体的に規定しなくても省令で手続等の電子化ができてしまう国の仕組みをそのまま門真市に持ち込むもので、規則を条例の上に据えるものであり、地方議会の持つ条例制定権をないがしろにするもので、まず大問題だと言わざるを得ません。
また、「情報通信技術の利用のための能力等における格差の是正」については、法で詳しく規定されているにもかかわらず、「情報通信技術の利用のための知識が十分でない者が身近に相談、助言その他の援助を求めることができるようにするための施策」、「当該援助を行う者の確保及び資質の向上のための施策」、「年齢、身体的な条件、地理的な制約、経済的な状況、その他の要因に基づく情報通信技術の利用のための能力又は利用の機会における格差の是正を図るために必要な施策」については、まったく抜け落ちています。
さらに、マイナンバーカードの有無によるサービス格差の拡大については、「従来どおりの書面等による申請が可能」とサービス格差の拡大を容認しています。
利便性の向上が強調される一方で、利用できる市民とできない市民との格差が一層拡大されることなることは必至で、これも大問題です。
自治体DXによって、情報システムの標準化・共通化がおしすすめられ、地方自治が脅かされようとしていますが、今回の申請等のオンライン化についても、記載項目の見直しや添付書類の省略等が迫られ、市独自サービスがさらに困難となります。
このように、一部の利便性向上の一方で、問題点の多い本条例制定については認められないということを述べ討論とします。
亀井 あつし 議員
議案第63号門真市立発達支援センター全部改正について、日本共産党を代表して反対の立場から討論を行います。
今回の門真市立発達支援センターを指定管理者にすることは、2019年第一回6月定例会での大阪維新の会緑風議員団議員から、保護者から療育や職員対応などについて意見書が出された等と述べたうえで、「行政としてさらなるサービスの向上を行うために民間事業者による運営についても検討すべき」と一般質問があり、担当部長は「配属されたもののモチベーションが維持できない職員もいることや、職場での経験によって培われがいしてマニュアル化できない暗黙知を含む知識及び技術は、移動の際に継承できないといった課題があることも事実」と、同センター現場の職員に問題があるかのような答弁をしました。そして発達支援センターの民間事業者への委託の流れが一気に始まりました。
党議員団は、議会質問で保護者からの意見にある、不満の多くは現場の責任より市の責任によることが殆んどであることを指摘し、質疑の中で、保護者アンケートで職員体制に対して不満が0%であったことを明らかにしました。
市は、庁内の検討会でこども発達支援センターを指定管理者導入を行うメリットとして5項目上げましたが、事業費削減以外については、指定管理にしなくても、市が直接できることばかりであることが明らかになりました。
党議員団は、各地の指定管理者が導入された発達支援センターで身分保障が不安定で離職者が多く職員が定着せず、専門以前に人材確保が深刻になっている。保護者の望む専門性、継続性などは直営でこそ充実できると主張したところ、「人員の増員、専門人材や財源の確保を考慮しないと仮定すれば直営でも実施は可能」「福祉関連の施設における人員確保や定着性を図るために、処遇改善が指摘されていることは認識している」と答えました。
人材確保など指定管理者導入による問題点を認識しながら、指定管理者制度を導入することで事業費が削減されるところが大きいなどと答弁しました。
市は、指定管理者制度を導入することによって生み出される財源で、多様なニーズに対応できると主張するわけですが、保護者が求める、運動機能訓練など質の高い療育や療育時間の延長、時間外預かりなどサービスの拡充を市としてやるべきことをしないで、棚上げして来た、本末転倒の導入であることを指摘し、継続性の確保の出来る直営を堅持することを求め、討論を終わります。
福田 英彦 議員
日本共産党議員団を代表し、議案第79号令和3年度門真市一般会計補正予算(第12号)について、賛成の立場で討論を行います。
本補正予算は、18歳以下を対象に10万円相当を給付する国の事業に伴い、まずは一人当たり5万円を現金で給付する「子育て世帯への臨時特別給付金」として総額8億1,995万円を交付するものです。
政府は当初、残りの5万円はクーポン券を発行することに固執し、その発行は自治体に丸投げとしたことから、大きな事務負担や使える店舗が限られる地域もあるなど、多くの自治体から反発が出ていました。
しかし、岸田首相は13日の予算委員会で方針転換し、希望すれば年内から一括して現金10万円を給付することを認めると表明しました。
この方針転換については当然のことですが、野党は臨時国会の開会前から現給付を求めてきており、ここまで結論を長引かせてきた政府の責任は重大です。
こうした政府の方針転換を受け、大阪府下では昨日夕方までに松原市(22日)、東大阪市(23日)、堺市、泉佐野市、箕面市、柏原市、河南町(27日)、茨木市、忠岡町(28日)の8市2町が年内に一括支給。大東市は24日に5万円を、一月中に残りの5万円を給付すると発表したと報道されています。
こうしたなかで、本市においても児童手当受給者に対し年内に10万円を給付したいとの考えを示したことは評価するものです。
政府の迷走に翻弄され、年末の慌ただしいなかですが、しっかり対応していただきたいと思います。
また、18歳以下の10万円支給に所得制限を設けたことから、主たる生計者の年収が960万円では対象とならない一方で、夫婦の年収がそれぞれ800万円の合計で年収1,600万円の場合は対象となることが、「不公平だ」との声が高まるなかで政府は、自治体の判断で所得制限をなくし、独自財源で現金10万円を支給することを容認する方針も固め、本日にも自治体に通知するとのことです。
この点についても、政府が所得制限を撤廃し財政措置を講じることを求めつつ、市として先行して所得制限をなくし、先ずは独自財源で現金10万円を支給することを求め討論とします。