[2009.4.17] -[門真民報]
2月府議会は3月24日閉会しましたが、大きな焦点となっていたWTC移転問題、橋下知事が「関西再生の起爆剤に」などと叫んで強行しようとした府庁舎のWTC移転案は、日本共産党だけでなく与党を含め大差で否決されました。また、福祉医療助成制度の改悪案も、府民世論の声に押されて、ストップがかけられることになりました。
WTC移転案については、日本共産党は府議団独自の調査で、震度5以上で道路や橋が通行止めになり、職員の参集に大きな支障があること、WTCが立つ人工島(咲島)の敷地も地盤が不等沈下していること、東南海・南海地震時には長周期振動の超高層ビルへ及ぼす影響が重大であることなどを示し、災害時に防災拠点とならなければならない府庁が危険な状態になる可能性を明らかにし、現庁舎の方がはるかに防災拠点としてふさわしいと主張しました。
さらに、「移転の方が費用が安い」とする根拠や関西空港からは便利になるなどとする利便性の根拠についても、府議団の指摘で崩れることになりました。
こうした中で、高支持率と関西財界の全面的なバックアップを受けて強行しようとした府庁移転案も、与党会派からも防災上の問題や資料の不備、移転の経済効果を疑問視する声が相次ぎ、賛成46、反対65と大差でWTC移転案は否決されました。
普通であれば、否決という事態を深刻に、真剣に受け止めるのが道理ですが、橋下知事は、移転案の何が問題だったのかも明らかにせず、真摯な反省の言葉もないというなさけない姿勢に終始しました。
さらに、府民の強い反対の声が広がっていた福祉医療費助成患者負担増(受診時500円を800円へ)は、自民党からも批判の声があがり、府は現行制度維持へ約4億8千万円を増額する修正を行いました。日本共産党は、独自の修正案を準備していましたが、府の制度維持を受けて、修正案を取り下げ、府の修正案に賛成しました。
本会議での新年度予算案の採決にあたって、日本共産党府議団は、「予算案が私学授業料軽減助成の削減、国際児童文学館廃止・府立中央図書館への移転、府立学校の教務事務職員の雇い止め、府営住宅家賃値上げなど府民サービスを削減する一方で、「彩都」や「箕面森町」などのムダな開発には巨額の府費を投入することをきびしく批判しました。
日本共産党大阪府委員会は4月26日、4・26「小池晃さんと語り合う医療・日本の進路―『医療崩壊』の打開をご一緒に考える講演と懇談会」を開催することにしています。
いま日本社会の様々な分野で展望が見いだせない状況が広がっています。特に、医療分野は、マスコミでも「医療崩壊」が特集されたり(週刊「東洋経済」)、「朝まで生テレビ」で「どうする医療崩壊」が討論されるなど、規制緩和と「構造改革」路線の矛盾が鋭く現われています。
国民の命綱ともいうべき医療保険でも、度重なる医療制度改悪の中で、国民の医療を受ける権利が侵害される例が広範に生まれています。また、市政との関係でも、収納率でペナルティを課して、補助金を削るというような無慈悲な仕打ちが、国によって行われています。
開業医の中では、「レセプトのオンライン義務化が地域医療の担い手を台無しにしかねない」と怒りの声が広がっています。
こうした中で、やの博之6区国政対策委員長は、市会議員団とともに、14日、門真市内の医療機関を訪ね、懇談会への参加を呼びかけました。「このままでは医療機関を維持することが難しくなっている」「医療崩壊を解決するのは、政治の責任であり、党派を超えて取り組んでほしい」などの期待の声が寄せられました。
「門真市産業振興ビジョン」策定の基礎調査として、平成19年度の「門真市製造業に関する実態調査報告書」に続いて、平成20年度「商業・サービス業等に関する実態調査報告書」がまとまり、議会にも示されました。
なお、調査時期は、平成20年11月から12月。2203事業所に郵送し、有効回答数603事業所、有効回答率27・45%です。
第1章では、門真市における商業・サービス業等の現状として、第1節・門真市の人口と産業では、人口は、平成4年の14万3307人をピークに、20年には13万2532人に。事業所数では、6292事業所、65779人が従事。平成3年のピークからそれぞれ27.5%減、26.2%減。南東地域と北西地域で人口、事業所数の約7割を占めています。
第2節・門真市の需要構造の特徴では、昼間人口が夜間人口より約10%多く、団塊世代と団塊ジュニアが多い。59歳以下の失業率が高く、市民の購買力が弱い。
第3節・門真市の産業構造では、①酒場・ビヤホール、食堂・レストラン、喫茶店が多い。②卸売業では、建築材料、自動車、医薬品・化粧品等卸売業が多い。③小売業における門真市への吸引力は低下。④1店当たりの従業者数は6.4人で大阪府6.8人より少ない。
第4節・市内従業者の居住地についてでは、市外からの通勤者が6割以上で、大阪市・寝屋川市・枚方市からの通勤者が多い。
第2章では、門真市商業・サービス業等に関する実態調査結果として、第1節・回答企業の概要として、回答事業所の6割超が単独事業所で、個人企業が大半を占める。第2節・門真市商業・サービス業等の成り立ちでは、○戦前から昭和30年代、163号以北を中心に小売業の立地が盛ん。○40年代、製造業の活発な立地、定住人口の増加、大阪市のベッドタウン化の進行を背景に南部で飲食店や不動産業の立地が急増。○昭和50年代から平成6年、百貨店の開業など周辺環境の大きな変化で小売業のシェアが激減、市内人口や世帯数の増加から、飲食店や建設業のシェアが拡大。
商業・サービス業等の現状は、「対事業所向け」では主な顧客は市外と「対個人向け」では地域密着型で市内を主な商圏とし、市外の顧客は近年減少。
第3節・門真市商業・サービス業等の特徴では、しき地・延べ床面積は業種や地域によって違いがみられること。そして、3年前に比べて売上高減少の企業は7割で、住宅街や商店街にある事業所が苦戦。飲食店は7割超が赤字基調、対事業所サービス業、卸売業、不動産業は他業種に比べて黒字基調が多い。
第4節・事業所の立地と企業活動では、門真市内の立地が、交通アクセスの良さ、同業者・関連企業や顧客との近接性にある。事業者が抱える立地に対する不満では、事業所スペース及び優秀な人材の確保、地域のイメージが経営に与える効果、地代・家賃、企業活動の利便性、という点で不満をもっていること。これらの不満が解消されなければ、企業の市街流失も。この他、第5節・事業活動について、第6節・課題と今後の方針として、経営上の課題では「後継者難、経営者の高齢化」が最も多く、「資金不足」「競争の激化」「燃料・資材価格の高騰」などがあげられています。