[2009.3.6] -[門真民報]
門真市議会第1回定例会が2月27日開かれ、園部市長の市政運営の考え方を明らかにする施政方針説明がおこなわれました。これに続いて、条例案、新年度一般会計予算案、特別会計予算案などの提案説明が行われました。
冒頭、市長は、「市政の再生に全力を傾注して取り組んでまいりました。成果は確実に実りつつあるものと自負しております」と述べました。これまで市長が、「少人数行政」「官から民」と民営化・民間委託の推進(4園同時の保育所の民営化、ごみ収集業務委託の導入等)や市民負担増・サービスの後退(粗大ごみの有料化、市立幼稚園保育料の引き上げ、公共施設使用料減免の見直し等々)を進め、全国一スリムな自治体を目指してきたことが、「確実に実りつつある」というのでしょうか、市民に痛みを押し付ける「構造改革路線」は破綻をきたしています。
「橋下知事が誕生して過去に例を見ないスピードとエネルギーで府政を大きく改革」と述べ、府民に教育費の削減や医療費の負担増をすすめる性急な橋下改革を評価しています。
市長は、本年を「公民協働元年」と位置付け、「市民力・地域力を活かす個性豊かで誇りと愛着を感じることができるまちづくりの第一歩を踏み出す年」と述べています。市民は国がすすめる「構造改革」で痛みを押し付けられ、それに追随する園部市政は「行革」の名の下に、自治体が果すべき「住民の福祉の向上」を切り捨ててきました。一方、市民に市民力・地域力を求めることは疑問です。合わせて、市長は市民に説明責任を果たし市民との信頼関係を築くことが不可欠で、その上で「公民協働」を考えるべきです。
国民健康保険事業特別会計の累積赤字により「早期健全化団体へ転落することが懸念される状況」と述べ、「地方公共団体の財政の健全化に関する法律」に基づく公会計財務4表を作成。財政状況の分析を強化。総合的な視点に立った財政運営に留意した取り組みを実行し、国保事業財政を立て直して行くとしていますが、国保の構造的な欠陥を変えることなしに改善は図れないもので、実態を詳細に明らかにし、国への強い働きかけを行うことが必要です。
市長は「門真市都市ビジョン」に基づき、「幸福町・中町まちづくり」について、「本市の新たなまちづくりへの投資は将来のまちの発展には必要不可欠なものであるという確信」があるとし、財政が大変な中、開発を進めようとしています。
また、「第一・第六中学校の統合校については、24年4月に開校。PFI事業受託者との契約に向けた取り組みを進める」としています。学校は地域の防災拠点、生徒の教育の場であり、十分な検討が必要です。24年4月開校に照準をあわせ拙速に進める手法は問題があります。
雇用対策問題について「『ふるさと雇用再生特別基金事業』『緊急雇用創出事業』など、国や大阪府の雇用対策施策が公表されたところであり、この施策により本市の実情に合った事業展開を検討」と述べていますが、市保育、産休明け保育といった新たな保育サービスに順次取り組んでいただく」と説明。
しかし残る公立保育所3園についても民間と同様のサービスの拡充を図るべきです。また病後児保育の新設が求められています。内では「派遣切り」で失業者が急増、資金繰りの悪化で仕事の減少する中小業者が増える中、市として、独自の具体的な施策が求められます。
新年度、府内でも例を見ない4園同時の民営化が実施されます。 それに伴って、 市長は「今後これらの保育所では、多様化する地域の保育ニーズに柔軟かつ速やかな対応を図るため、延長保育の拡充や休日保育、一時保育、産休明け保育といった新たな保育サービスに順次取り組んでいただく」と説明。
しかし残る公立保育所3園についても民間と同様のサービスの拡充を図るべきです。また病後児保育の新設が求められています。
教育については、学力向上に向けた、小学校国語の「ことばの時間」、中学校英語の「コミュニケーション」の授業を全校で実施と述ています。国語力や基礎学力には、子供たちの興味や学習意欲につながる、学校図書の充実が必要です。また、新たな専任司書教諭の配置が求められます
市は、国がすすめる「学校支援地域本部」を立ち上げ、地域ボラ
ンティアと連携し「学習習慣を確立するため、放課後の学習支援に取り組む「かどま土曜自学自習室サタスタ」を実施するとしています。
市長が述べている「学習習慣を確立する」ことは大切ですが、そのためにもクラスでの児童・生徒にきめ細やかな指導ができる少人数学級が必要です。
最後に、「今後におきましても、時には市民の皆様に痛みの伴う改革を断行せざるを得ない状況も出てくることが予測されます」と結びました。さらに、園部市長は「道半ば、実りある発展を見とどけるため、引き続き市政を担当する決意」と述べ、次期市長選挙への出馬を表明しました。
(1)市長の政治姿勢について
①新自由主義・構造改革について
②緊急雇用経済対策について
③橋下大阪府政について
④4年間の市政運営について
⑤公民協働について
(2)行政運営・財政問題について
①第二次行財政改革推進計画について
②民間委託や指定管理者制度について
③国保財政について
(3)市民の暮らしについて
①高齢者施策について
②産業振興について
③農業振興について
(4)まちづくりについて
①第二京阪道路問題について
②北島市街化調整区域の今後について
③自転車駐輪対策と自転車道の整備について
④幸福町・中町まちづくり基本計画について
(5)子育てについて
①少子化プロジェクトについて
②保育行政について
(6)教育について
①学校教育のあり方について
②学校適正配置について
③市民プラザについて
④学校給食調理業務の民間委託について
⑤社会教育について
2月25日、「市民こそ主人公の住みよい門真市政をつくる会」(つくる会)はルミエールホールで6月の市長選挙にむけ「市政学習・交流会」を開催。
党議員団吉松正憲議員団団長が「この間の市政について『4年間の園部市長をどう見るか』」と題して①「借り物でも平気」市長の所信表明盗用問題」、②「国の悪政への忠誠度バツグン」、全国一スリムな自治体のねらいは小泉構造改革の地方版、③「とにかく民営化」府下でも例を見ない保育所4園を一挙に民営化、④「課題解決とは相反する実際の施策」園部市政のまちづくり⑤「市民と会わない」市民協働は言葉だけ、協働の芽を摘む市政運営、⑥「無駄遣いになろうとおかまいなし」市民プラザ台無しの突然の大学誘致について、園部市政を鋭く分析し問題点を指摘しました。 吉松議員は、「つくる会」の公約に押されて市長の退職金が廃止されたことを述べ、「民主市政づくり」をすすめる世論と運動が市政を動かす」とつくる会の取り組みを呼びかけました。
次に福田英彦議員の司会で、かどま教組、市職労保育所支部、門真守口生活と健康を守る会、門真民主商工会、門真市職労の各分野による代表が園部市政の影響について報告をしました。
報告では、3万人以上の請願署名が出された保育所民営化について、市長は一度も自ら説明責任を果さなかった、不況で大変な市民生活・中小業者の実態、府立高校が減らされ進学に影響がでている、行政の担うべき本当の役割はコストや採算では計れないものなどと、小泉構造改革路線を進めてきた門真市の大変な状況が浮き彫りになりました。
党議員団はこれまで「日の丸・君が代」についてはさまざまな意見があるので、卒業式・入学式には強制しないよう教育委員会へ申し入れをしてきました。 今年度も2日、下浦克明教育長に申し入れをおこないました。
改訂学習指導要領に「君が代を歌えるように指導」など「異例の修正」がおこなわれ、「愛国心」を押し付ける道徳教育が各教科にわたって強調されています。これによって、今後、党議員団は、「日の丸・君が代」の強制が更に強まることを危惧しています。東京地裁は、東京の教職員が卒業式・入学式などにおける「日の丸・君が代」の強制の違法性を訴えた事案について、原告の訴えを全面的に認めた画期的な判決を下しおり、個人の思想・良心の自由を侵害する「日の丸・君が代」の強制を行わないよう強く求めました。
教育委員会の基本的な考え方について、下浦教育長は「子どもたちにとって意義あるものとして実施していきます」「指導要領の趣旨にのっとり適正に指導されるよう学校長を指導していきたい」と述べました。
①教育委員会として、憲法を遵守し、学校に「日の丸」の掲揚、「君が代」の斉唱を強制しないこと。
②式次第にあっては、学校の自主性を尊重すること。
③児童・保護者に「起立することも歌うことも自由」であることの説明を行なうよう各学校長に指導すること。
④「日の丸」「君が代」について、いっさい調査はやめること。