• HOME
  • 門真民報
  • 議会活動
  • 政策・提言
  • 新着情報
  • お知らせ
  • こんにちは。門真市会議員団です。

    2020年12月議会 亀井あつし議員の一般質問・答弁

    [2020.12.18] -[議会活動]

     

      亀井あつし 議員

     

     1 こども発達支援センターへの指定管理者制度の導入はしないことについて

    門真市のこども発達支援センターは、児童福祉法と障害者自立支援法に基づいた施設です。市のホームページにもあるように、障害児の運動や言葉、コミュニュケーションなどに、つまづきや遅れを持つ状態の子どもたちに対して、早期療育をし、子どもの可能性を最大限に引き出す施設です。医師による診察・健診、専門職による機能訓練や発達相談、遊びなどの生活の援助、保護者援助、障害の有無にかかわらず不安や悩みを抱える保護者の相談もしています。

    こども発達支援センターを指定管理者制度にして欲しくないのは、公立で培って来た専門的知識や経験が保たれない、継続性が途切れることがあってはならないからです。指定管理者制度が導入された発達支援センターの多くが、職員の移動が激しく、子どもや保護者とのコミュニュケーションが十分に取れないで、不安が広がると指摘されています。障害者の長い一生を、親に寄り添って支援していく過程は、沢山の専門家の援助が不可欠です。出発点の就学前療育がとても大事だから、公的責任の重大性があります。

    私は、先日、門真市子ども発達支援センターの歴史について、創立当時のことを知る方からお聞きしました。今から50年以上前、森ノ宮の肢体不自由児協会で訓練をうけていたお母さんたちが、門真市に陳情し、1970年9月、弁天池公園と隣接している、門真市立老人ホームが開所した時、その一角に障害児施設を併設、同年10月に 門真市立肢体不自由児訓練センターとして出発しました。続いて同年12月、幼児教室、肢体不自由児と知的障害児の二つのグループとしてスタートしました。そして1976年9月、大阪府の認可施設として、北岸和田3丁目にくすのき園、さつき園として移転したとのことでした。2014年4月から名称を変更し門真市子ども発達支援センターとして現在に至っています。この歴史を振りかえり、改めて感じるのは、同施設に通う保護者の切実な思い願い、献身的な多くの職員が支えてきた施設ということです。これまで以上に充実させないといけないと思いました。

    それでは、質問に移らせて頂きます。はじめにこども発達支援センターの現状についてであります。同センターの施設定員、事業内容、職員の職種と資格の要否、非常勤の職員はどの職種か、それぞれ国基準の人数の基準と現在の配置人数について、また、職員研修の内容について答弁を求めます。

    2点目に、どのような経過で指定管理者制度を導入することについての検討がされることになったのかであります。

    2019年6月の定例会で「発達支援センターの民間事業者による運営の検討を求める」一般質問が行われ、市は「調査研究」答弁、2020年3月定例会で「指定管理者制度導入に向けて、具体的検討」、2020年9月第三回定例会で検討内容として「庁内関係部署の課長級で構成する子ども発達支援センターのあり方検討委員会を設置」「現状及び課題は、これまで保護者等からのセンターに対する指摘や要望、具体的には職員の療育に対する専門的知識及び技術の向上の必要性や働く保護者のニーズが高い療育時間の延長、時間外の預かりの実施などに対し、センターの現状は療育を行うという専門性が高い職場であり、職員のモチベーションの維持が難しい環境であることや職場で培った知識や経験が継承できないこと、また、現状の勤務体制や人員では療育時間の延長等が難しいなどの課題が挙げられた」と答弁しました。

    そこでお尋ねしますが、2019年6月定例会の答弁で「保護者会の代表として(中略)意見書を提出されました」との質問に対して、保護者の声が紹介されたが、具体的にどんな声が寄せられたのか、寄せられた声を、これまで、どこで、どのように検討し、どのように対処してきたのか、寄せられた声を解決するのは、発達支援センターの現場だけで解決できる内容だったのか、なぜ、保護者の声、現場職員の対応イコール指定管理者制度導入となったのか答弁を求めます。

    次に、現在どのような議論がされているかであります。2020年9月3回定例会で「今後のスケジュールは、本年10月を目途に検討委員会での検討結果を報告書にまとめた後、指定管理者制度導入に向けた庁内の意思決定が図れたら、条例改正等の関係議案を提出」と答弁していますが、直営から指定管理者制度の導入について、どのような検討をしているのか答弁を求めます。

    直営から指定管理者制度を導入した場合、2020年9月第3回定例会で「課題に対しまして、指定管理者制度を導入することで民間事業所が持つ高度な専門的知識や経験を継続的、安定的に支援体制に生かすことができるゆえに、重症心身障がい児の積極的な受け入れができる。既に、成人期までの支援を実施している法人等に委託すれば、幼少期から成人期まで継続した支援が可能となる。療育等の時間延長が可能な体制も柔軟に取りやすいなどの意見が出ており」とあるが、2020年3月第1回定例会に示された「門真市第2期子ども・子育て支援事業計画」「あふれる笑顔、こどもの輝く未来かどま」にある、障害の早期発見、療育体制の充実、教育・保育の充実、障害者福祉サービスなどの提供、地域のおける障害者児支援の充実、障害児に関する関係機関のネットワークの充実などの継続性が現状を維持できるのか、現状より向上するのか、以上に対しての答弁を求めます。

     

    【答弁】

    まず、こども発達支援センターの施設の現状についてであります。

    同センターでは、通園、発達障がい児個別療育、保育所等訪問支援、障がい児相談支援の各事業を実施しており、利用定員は95人であります。

     次に、職員体制についてでありますが、令和2年4月現在で、常勤職員の配置が必要な職種として、資格不要のセンター長は国基準の1人、同じく事務職員は国基準1人以上のところ2人を配置しております。
    資格の必要な児童指導員又は保育士は国基準で22人以上のところ23人配置しており、その内3人は児童発達支援管理責任者となっております。
    なお、通園事業では、国基準で児童4人に対し1人を配置のところ、3人に対し1人を配置し、肢体不自由児クラスについては、さらにクラスに1人を加配するなどの対応を行っております。
    また、非常勤職員の配置が可能な職種のうち、臨床心理士等の資格が必要な訪問支援員につきましては、国基準で常勤1人及び非常勤1人以上のところ常勤1人及び非常勤2人を配置し、理学療法士等の資格が必要な機能訓練担当職員は、国基準で常勤1人及び非常勤5人以上のところ、常勤2人及び非常勤10人を配置しております。

    次に、職員研修についてであります。

    従前よりセンター職員は、適切・良質な療育を行うため、一人ひとりが必要な知識・技術の習得及び向上を目的として外部・内部研修への参加、また、自学を通じた研鑽に努めてきたところであります。

    具体の研修内容といたしましては、大阪府や関係団体が主催する主に療育技術や相談技術向上を目的とした研修会等の外部研修や、他市児童発達支援センター職員や小児精神科医、教員OBや臨床心理士の資格を持つセンターの職員等を講師とした内部研修でございます。

    また、センターが主催する通園グループ保護者向け研修会や市民向けに開催いたしておりますカーネーションクラブ等の講演会にも職員を参加させるなど、センター職員の研修受講機会を確保してきたところであります。

    次に、保護者会からの意見書についてであります。

    平成30年度末頃に当時の保護者会の代表として数名の役員の方が市役所にお越しになり、個別に職員の名前を挙げたうえで、療育の内容、職員の対応等についての疑問や不安をまとめた意見書を提出されたもので、部といたしましては、保護者会とのさらなる意思疎通とセンター全職員での話し合い、また改善すべき点の共有などを方針として対応することとしました。

    そのうえで、当時のセンター長が中心となり、保護者会役員との話し合いを通じてご理解を得たうえで、全職員に対し意見書の内容を説明するとともに、個別に説明が必要な職員に対しては、別途、説明や指導を行い、保護者からのご意見が適切な療育に繋がるよう努めることとしたところであり、センターといたしましても解決に向け努力し、その後の改善につながったものと考えております。

    次に、指定管理者制度導入の検討についてであります。

    指定管理者制度の導入等の検討につきましては、平成20年3月に策定された第2次門真市行財政改革推進計画において、当時のさつき園・くすのき園が検討・実施の項目となっておりました。しかしながら当時は、他市についても指定管理者制度の導入が進んでいない状況であったこと、また、それ以後も園舎の老朽化対策や法改正によるセンター化を優先してきたことなどから具体的な検討は行われず、現在に至ったものでございます。

    そのような中、同センターを利用されていた方や仕事をされていた方から直接お話をお聞きになり、また前述した意見書について耳にされた議員からの「民間事業者による運営についても検討すべき」というご意見を契機として、調査・研究から始めたものであり、「保護者の声、現場職員の対応イコール指定管理者制度の導入」となったものではございません。

    調査・研究する中で、この間の社会情勢の変化等に伴い、保護者からより質の高い療育の提供や療育時間の延長等のサービスの拡充が求められるようになってきていることや、現在では指定管理者制度等の民間活用を行っている市が府内で約6割となっている状況などに鑑み、同制度導入の検討を含めた、センターの在り方の検討を行うこととしたものであります。

    次に、現在どのような議論がされているのかについてであります。

    今後のセンターの在り方の検討を行うため、庁内関係部署の課長級9名で構成する「門真市立こども発達支援センターの在り方検討委員会」を本年4月に設置し、これまで7回にわたり開催してまいりましたが、保護者ニーズを踏まえたサービスの拡充に向けて、引き続き検討を重ねているところであります。

    検討にあたっては、「門真市第2期子ども・子育て支援事業計画」をはじめとする、諸計画の内容を踏まえた議論が必要であることから、障がい福祉や健康増進、また教育などといった施策を担当する課長等をメンバーに進めているところであり、センターにおけるさらなるサービスの拡充とともに、関係機関のネットワークの充実なども念頭に議論を行っております。

     

    【再質問】

    答弁で「保護者の声、現場職員の対応イコール指定管理者制度の導入」となったものではございません」との一方で「意見書について耳にされた議員からの『民間事業者による運営についても検討すべき』というご意見を契機として」一連の前のめりな、子ども発達支援センター指定管理者導入が始まったことを指摘しておきます。

    再質問の1点目は、職員研修についてであります。保護者から職員の専門性が要求されることは当たり前のことです。専門家集団で障害児療育を充実して欲しいというのは保護者の願いです。通園施設の役割をきちんと果たしてもらう立場から、改めて人事課は子ども発達支援センターに配属された保育士などの職員に、配属後ただちに障害児教育の研修はしてきたのか。各種の研修とあるが、外部研修を受けた職員が、職場内でどのように他の職員に内容を伝えてきたのか答弁を求めます。

    2点目に、保護者会からの意見に対して、子ども発達支援センター内の問題のように答弁しましたが、意見書にある不満内容の多くは、現場の責任よりも市の責任によるところがほとんどであります。例えば、「保育士の資格があるだけで発達障害やその他の障害に関する知識がない」「支援や療育にたずさわりたい人、障害のある子どもと関わりたい人を支援センターの先生にして欲しい」「発達障害は早期発見・早期治療といわれているのに、支援センターの現状では療育ではなく手厚い保育状態」、施策に係る、人事に係るもので。このような事が現場だけでどうして解決するのか、市として、2019年度以降どのような対応をしてきたのか答弁を求めます。

    また、先日、保護者アンケートが行われ集計結果が出ていると思うがどのようにアンケート結果を評価しているのか。療育プログラム・訓練内容について、センター職員体制についての集計結果と保護者の意見はどうだったのか答弁を求めます。

    3点目に、指定管理者の導入についてです。答弁で、社会情勢の変化などに伴い、保護者からより質の高い療育の提供とありましたが、指定管理者制度導入と何の関係があるのか、社会情勢の変化とはどのような事か答弁を求めます。

    4点目に、第二回検討会で「子ども発達支援センターの指定管理導入を行うメリットデメリット」のメリットとして、5項目挙げ、⑤項目目の事業費の削減が見込まれる以外の、1項、民間事業所で培った専門的な知識や経験を支援体制に生かすことができる、2項、障害者の事業所を運営している民間事業所に委託することで、利用者への幼年期から成人期までの継続した支援体制が提供できる、3項、定期定期な人事異動がないことにより、ノウハウの継承が図れる、4項、施設運営などに対して、引き続き市の関与が継続できる(信頼性の確保)と答弁しました。府下的に民間が多いといわれますが、北河内の現状は公立が多数です。職員の異動も、センターの専門職としての位置付けであれば、ノウハウの継続は可能です。民間の事業所では、職員が定着せず、専門性以前に、人材確保が深刻な状況と聞いています。親の要求である、時間延長、土曜日の開園、職員の専門性などは、公立でこそ可能です。民間の経営が、公立より楽なはずはありません。成人の施設で幼児期も含めた把握が可能だから、委託するというのは、違います。障害者の長い一生を、親に付き添って支援していく過程は、沢山の専門家の援助が不可欠です。障害者のライフワークは、12年の学齢期を挟んで、障害の受容が課題の幼児期が非常に大切です。なにも指定管理でないと出来なものではなく、逆に直営でこそ充実できると考えますがどうでしょうか、これまでに直営で不都合があったのか、先ほども述べましたが、1項~4項の内容は福祉関連の民間職場の離職者が多い要因は、身分保障が不安定であるとされていることは認識しているのか、これで保護者の望む継続性が保障されるのか、指定管理者導入による事業費の削減とは人件費が削減されるということか答弁を求めます。

    最後に、8050問題を抱えて、障害児の問題は、大変です。門真市の50年の歴史は、素晴らしい療育が伝統的に守られてきたことは門真市の誇りです。指定管理者制度の導入ではなく、今まで以上に、公立で責任を果たすことを求め再質問を終わります。

     

    【答弁】

    まず、配属後の研修についてであります。

    本市では、人事課は職員としての基礎的な知識や、職位等に応じた研修を実施しており、専門的な内容に係る研修につきましては、先ほどご答弁しました通り、センターにおいて実施しております。

    また、採用や異動となった職員を経験豊富な職員と複数で配置することにより、OJTとして日々の業務の中で、療育や保護者対応に関する知識・経験を積み上げられるよう配慮し、外部の研修にも優先的に受講させております。

    外部の研修を受けた職員は、研修資料を回覧し情報共有を図りつつ、必要に応じ職場内研修でフィードバックを行うなど、職員全体のスキルアップにつなげております。

    次に、意見書を受けての平成31年度以降の対応についてであります。

    さきほどの答弁内容に加え、31年4月には、センターに専門的知識や経験が豊富な主任2人が配属され、職員の疑問等に対し、助言できる体制が整ったことで、保護者とのよりよい信頼関係を築く一助となったと考えております。

    なお、センターでの勤務を希望する職員の配属については、人事課で自己申告書等から本人希望等も把握し、職員一人ひとりの能力と適性を見極め、配属を行うよう努めております。

    次に、保護者アンケートについてであります。

    『療育プログラム・訓練内容について』は、「満足」が60%、「やや満足」が19%、「少し不満」が21%、「不満」が0%、『センターの職員体制について』は、「満足」が62%、「やや満足」が28%、「少し不満」が10%、「不満」が0%となっております。

    現状に満足しているという声が多い一方、「子どもの特性や段階に応じた個別指導やプログラムがあればいい」「苦手を少しでも克服できるようなやり方等も先生からあまり指示がない」「子ども3人に付き1人の先生はありがたいが、質にばらつきがあるのが不満」等、より充実したサービスを希望する声もあり、このアンケートにより、センターを利用する児童の保護者のニーズを一定把握できたものと考えております。

    次に、指定管理者制度の導入と、社会情勢の変化との関係についてであります。

    近年、男女共同参画社会の進展や、個に応じた教育や療育の必要性の高まりなどの社会情勢の変化により、「療育時間の延長」や「幼少期から成人期まで継続した支援体制」など、保護者のニーズが多様化していることから、サービスの更なる向上とそのための柔軟な対応が取れる体制等を含めたセンターの在り方の検討を行うこととしたものです。

    次に、検討委員会で出ている意見に関してであります。

    お示しの項目は、検討委員会に議論を委ねている最中(さなか)での各委員からの様々な意見の一部であり、最終的にまとめられる報告書をもって市としての考え方を示すことが適切であると考えますが、掲げられた各項目については、職員の増員、また専門人材や財源の確保を考慮しないと仮定すれば、直営でも実施可能であると考えます。

    多くのケースで、指定管理者制度を導入することで事業費が削減されることになり、それはお示しのように人件費の削減によるところが大きいとはいうものの、限られた財源の中で、さらなるサービスの充実を図るためには、指定管理者制度の導入などで生み出される財源を充てることで、多様なニーズに対応していくことができるものと考えております。

    また、介護施設や保育所等福祉関連の施設における人員確保や定着を図るために、処遇改善等が指摘されていることも認識しております。

    こうしたことも念頭に、保護者が望む継続性の確保についても今後の検討委員会において議論していきたいと考えております。