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  • こんにちは。門真市会議員団です。

    2008年12月議会 吉松正憲議員の一般質問・答弁

    [2008.12.22] -[議会活動]

    1. 景気の悪化から市民の暮らしと営業を守る緊急対策について

     (1) 雇用問題について

     (2) 中小企業等への対策について

     (3) 暮らしを守る施策の充実について

     

    まず、景気の悪化から市民の暮らしと営業を守ることについてであります。 

    「いすゞ自動車非正規労働者1400人の全員解雇を発表、大分キャノン1177人解雇計画、非正規バッサリで生活困窮の不安、派遣切りで社員寮追い出し」などなど、派遣社員や期間社員などの非正規雇用の労働者の大量解雇、大学・高校新卒者の内定取り消しを含め雇用悪化に関する報道に枚挙のいとまがありません。また、中小企業・中小業者の景況が急速に悪化しています。民間調査機関によれば、中小企業の3社に1社が年末に向けて資金繰りが「いっそう厳しくなる」と回答するなど、年末に向けて事態はさらに深刻化しようとしているのであります。こうした事態を放置すれば、年末に向けて膨大な中小企業が倒産の危機に直面することになります。

    このように、アメリカの金融危機に端を発した急速な景気悪化が、国民生活と日本経済に襲いかかり、とりわけ労働者と中小企業に深刻なそして重大な打撃を与えているのであります。年の瀬を控え、大量の失業と中小企業の倒産の危機が現実化しつつあるなかで、雇用と中小企業を守るために、市民生活を守る政治の責任は極めて大きいものがあると思うのであります。とりわけ、くらしの最前線で、最も身近なところで政治を担っている地方自治体ができうる限りの、最大限の緊急対策を取り、困難を打開する、軽減する、この取り組みが何よりも重要だと思うものであります。

    解雇や雇い止めで社員寮などから追い出される人に住居や住宅資金を貸し付ける制度がスタートした15日、門真のローワークを訊ねましたが、駐車場、駐輪場は満杯、求職の人々、特に若い人たちが、次々とパソコンの前に座って、わらをもつかむような、真剣な眼差しで画面を追っている姿が胸に迫ってきました。雇用と営業をめぐる、こうした状況を門真市はどのように認識しているのか伺います。

    政府は勿論でありますが、地方自治体が、今こそ危機打開のためのイニシアチブを発揮するときではないでしょうか。セーフティーネットとしての役割を発揮すべき時であります。地方自治体として取りうる最大限の緊急対策を、自治体の総力をあげて検討し、実施すべきであり、そのための、緊急経済・雇用対策本部の設置を強く求めるものであります。岐阜県伊那市、栃木県小山市をはじめ、全国各地の地方自治体で、対策本部の設置の動きが始まっています。門真市も、市民や中小企業にメッセージを発するべきであります。見解を伺います。

    次に、雇用問題であります。いま自動車産業をはじめとした大企業が、派遣社員や期間社員などの非正規雇用の労働者を大量に解雇する計画を次々に発表し、「派遣切り」「雇い止め」の嵐が吹き荒れています。突然の通告によって職を失い、住居も奪われ、寒空の中に放り出される事態が生まれています。自動車業界に続いて家電業界でも「ソニーが全世界で16000人の大規模なリストラを発表、パナソニックも、不採算事業の整理などの構造改革費に1300億円を計上し、人員削減も視野に入れた具体案を詰めている。」と報じられています。雇用をめぐっては、雇用対策法が改正され、「地方公共団体は、国の施策と相まって、当該地域の雇用に関して必要な施策を講ずるよう努めなければならない。」と新たな規定が盛り込まれています。派遣労働者を、景気の調整弁として、モノのように使い捨てることは許されませんし、非正規労働者にも適用されるべき雇用のルールを破壊するものと言わなければなりません。こうした雇用の現状をどう認識しているのか、自治体の責務をどう捉えているのか見解を伺うものであります。

    ハローワークで15日から契約を中途解除されたり更新を拒絶されて職を失った派遣労働者などを対象に、生活相談に応じる窓口を開設することになりました。年末に向け、派遣切りで住居を失う可能性のある労働者が多数出ることが想定され、住居の確保を中心に踏み込んだ支援を行うとされています。救済のための可能なあらゆる手立てをとっていくためにも、関係機関の間での率直な意見交換等が必要であります。政府及び大阪府の対策等との連携を十分にとることが必要でありますが、どう考えるのか答弁を求めるものであります。

    次に、解雇された労働者や失業者に親身になって対応していくためには、緊急労働相談、雇用にかかわる相談、当然生活相談にも応じることになりますが、相談窓口を設置して対応すべきであります。また、秋田県羽後町では20094月から、役場内に無料職業紹介所を開設したということであります。改正職業安定法でハローワーク以外に自治体にも職業紹介の門戸が開かれたのを受けた措置とのことで、企画商工課内に職業紹介所を設置、専従となる職員2人がすでに「職業紹介責任者」となる全国民営職業紹介事業協会の講習会を受講し、20091月頃、秋田労働局に開設を届け出るとのことであります。地域経済の冷え込みで雇用が厳しさを増している状況を踏まえ、大江町長は「身近で濃密な相談活動により、ひとりでも多くの方の就職を支援する」と述べています。この点も含め、窓口設置についての見解を求めるものであります。

    次に、市内大企業への解雇の実態を十分把握するとともに、市内大企業に対して、正社員は勿論、派遣社員や期間社員についても、解雇や雇い止めを行わないよう要請すべきであります。また、新卒者等の内定取り消しが問題となっていますが、市内大企業等に内定取り消しを行わないよう要請することも必要であります。大量解雇を放置するなら景気悪化の歯止めをなくし、地域経済を土台から壊してしまうことになります。個々の企業にとっても、短期的な利益を確保したとしても、中長期的には自らの存立の基盤を崩し、将来を失うことにつながるのではないでしょうか。安定した雇用の確保こそ、最大の景気対策である、この立場で市内大企業に働きかけるべきだと思うものですが、見解を伺います。

    合わせて、万が一やむを得ない理由により、派遣社員等の解雇等に至った場合でも、再就職の支援及び入居している会社寮などの使用を認めるよう要請すべきであります。

    新卒者の内定取り消しや派遣・契約社員の雇い止め対策として、摂津市が平成21年度採用職員を10人追加募集。京田辺市も若干名の追加募集を決定。門真市としても追加募集を行うことを選択肢の一つとして検討すべきではないかと思うものですが、見解を伺います。

    また、こうした時だからこそ、緊急援護資金の貸付を柔軟に対応することも併せて求めるものであります。 

    2に、中小企業等への対策についてであります。

    市内中小企業の状況について、何で行き詰まっているのか、何を求めているのか、門真市としてどのように状況を把握しているのでしょうか。国は資金繰りに苦しむ中小企業を対象に緊急保証制度を導入し利用枠の拡大を図りました。本市でも連日多くの中小企業・自営業者が緊急融資の相談で窓口に殺到していると聞いています。しかし、この中で、第1は、時間との勝負になっている中で、審査が追いつかない実態が新聞報道等でも取り上げられている点で、一刻を争って、審査を行う体制をとることが必要であります。第2に、この間広げられてきたとはいえ、まだ2002業種が対象業種外になっています。たとえば、居酒屋は対象になるがスナックはならないなどがあり、業種指定はやめて、すべての業種を対象にすべきであります。第3に、信用保証協会が緊急補償を承諾したのに金融機関が融資しない例が市内でも少なからずあると聞いています。本市での実態はどうなっているのか。さらに、金融機関が緊急保証を悪用し保証なしのこれまでの融資を振り替え、自らのリスクを回避し、肝心の中小業者に新たな資金を回さないという行為が横行しているとのことであります。貸し渋り、貸しはがしをおこなわないこととともに、これらの点を、金融機関及び関係機関に強く求めるべきですが、見解を伺います。

    次に、少なくない自治体が国だけの融資対策を待つのではなく、独自の対策を打ち出してきています。世田谷区は125日から「小口零細資金緊急特別融資」事業を開始した。従業員20人以下(小売・サービス業は5人以内)の中小企業が対象で運転・設備に対して限度額500万円の融資を行うもの。大田区は、緊急経済対策として期間限定の無利子の融資の斡旋を111日から開始した。対象は区内の中小企業者で売上げ(受注)が減少しているもので、資金使途は運転資金となっている。品川区は、「品川区年末対策特別事業資金」2008を実施。対象者は前年同月比で売り上げ又は営業利益が減少している従業員20人以下の中小企業。緊急融資を実施することを求めるものでありますが、見解を伺います。

    3に、くらしを守る施策について伺います。

    リストラによる失業者、融資を受けられず資金繰りにめどがつかず廃業された自営業者、市民からの生活相談の中で、30代前半の男性Aさんは、派遣社員として、パーキンソン氏病のお父さんをかかえ、懸命に働いてきましたが、首切りを宣告されていて、来年の春には失業するとの事です。職を失うと家賃も払えない、どうしたらいいのかとこれからを心配されています。たまたま、議員団に相談に来られたので、いまある制度をきちんと説明してあげて、解決のための相談にのっています。ただ、一般の方はどこに相談に行ったらいいのかわからない、Aさんの周りにも、どんなセフーティーネットとしての制度があるのか知らない、どこにいけばいいのかもわからないという方がたくさんおられるとのことです。だから、ハローワークホームページには、失業者生活関連QAに、失業に伴う医療保険、年金、雇用保険、税金の項目が、失業後の生活に関する情報では住宅、教育、育児、介護等の項目があげられ、いずれも、市役所が取り扱う業務に関するもの。失業してもどんな制度があるのかが、一般の方には知られていないのが現状です。第1は、窓口等での親身になった応対、ていねいな制度の説明、各課の連携に万全を期して、対処することです。各課の窓口への制度説明の情報提供のための冊子・チラシ等を置くことや、ホームページでのセーフティーネットとしてのきめ細かな情報提供も重要であります。市民の健康を確保するためのかけがえのない医療保険である国民健康保険、最後のよりどころとなる生活保護など、年末年始にひとりの市民も路頭に迷わせることのないよう、寒空に放り出されることのないよう、住民福祉の増進という地方自治体の真価を発揮するよう強く求めるものですが、見解を求めるものであります。

    行政の側でも、また、地域に根ずく企業の中からも、救済策や新規雇用というメッセージが発せられています。少なくとも、門真市でも、お金はかけなくともできることが、たくさんあるんです。市役所、自治体が1人の市民も路頭に迷わせないために、お互いが力を発揮すべきだと思うんです。真摯な答弁を求めて、質問とさせていただきます。

    【答弁】

    市民生活部長

     景気の悪化から市民の暮らしと営業を守る緊急対策についての内、雇用問題についてでありますが、経済情勢の悪化等により、平成20年10月の有効求人倍率が前年同月比0.04ポイント減の0.80倍となるなど雇用情勢は下降局面にあり、派遣労働者や有期契約労働者等のいわゆる非正規労働者を中心に雇用調整の対象にされている状況は認識しております。

     本市としましては、就労支援相談窓口に加え、ハローワークをはじめ大阪府や北河内各市、守口門真商工会議所等と連携して、就労をサポートするため11月5日には「守口・かどま仕事フェスタ」の開催、12月11日には「門真求人企業合同説明会」とした面接会を実施してまいりました。

     引き続き、パソコン教室やビジネスマナー研究等の実施を計画しており、積極的に就労支援をすすめてまいりたいと考えておりますが、対策本部の設置につきましては、他市の動向も踏まえ今後、検討してまいりたいと考えております。

     解雇や雇い止め、内定取り消しなどの緊急対策としては、12月15日に開設されまれましたハローワークの安定就労支援センターなど、関係機関と連携して対応してまいりたいと考えております。

     緊急労働・生活相談窓口の設置や、市役所に無料職業紹介所の設置につきましては、市内にハローワーク門真があり、現時点での設置は考えておりません。

     次に、平成21年4月採用予定の新規採用職員の募集につきましては、厳しい財政状況の中から、本市の職員構成並びに執行体制確保の観点から、可能な限り最大の職員募集を行ったものであります。

     次に、門真市援護資金貸付制度についてでございますが、本制度は、生活保護法による被保護者に準ずる援護を必要と認める世帯に対し、本資金を貸し付けることにより、その者の生計の回復を援助し、更正を助長することを目的といたしております。

     生活保護法による措置を受けている世帯以外の世帯で、その世帯の総収入が、生活保護法による保護の基準に規定する保護基準額の1.5倍に満たない世帯で、一時的な収入の減少または、特別な事由のある支出の増加によって日常の食料または、医療費の支払いができない状態にある市民の世帯に対し、貸し付けるものでございます。

     なお、就学費や離職者支援等の資金目的や種類、条件に応じ、市社会福祉協議会で、大阪府生活福祉資金貸し付け事業を行っております。

     いずれにいたしましても、ご相談に来られた際は、制度趣旨に沿って適切に対応してまいります。

     次に、中小企業等への対策についての内、市内の中小企業の方々の現状につきましては、急激な円高や、原材料の高騰等で資金繰りについて苦慮されておることは、認識いたしております。

     尚、国が実施しております、緊急保証制度で、本市の事業者から多数の問い合わせや相談があり、10月31日から12月10日までに、321件の認定を行いました。

     また、融資の「貸し渋り」や「化しはがし」につきましては、従来より、機会あるごとに関係機関に要請してまいりましたが、今後も、関係機関を通じて金融機関に対し中小業者に不利益にならないよう働きかけてまいります。

     次に、緊急融資についてでありますが、認識はしておりますが、現時点では、実施については考えておりません。

     次に、暮らしを守る施策の拡充についてでありますが、世界の金融市場は100年に一度といわれる混乱に陥っており、世界同時不況といわれる深刻な事態が進行するおそれがでてきております。

     政府も、生活対策に重点をおいた施策を打ち出しており、市として、関係各課の連携を強化しながら、それに連動できる取り組みや、事業の前倒しを含め、支援策として何が可能か検討してまいりたいと考えております。