[2008.12.22] -[議会活動]
1. 学校適正配置について
(1) 門真市小中一貫教育推進プランについて
(2) 小学校の分離統合について
(3) PFI方式での1中、6中の統合の問題点について
2. 保育所の民営化について
(1) 合同保育の状況について
(2) アルバイト職員の雇用確保について
学校適正配置についてです。
昨年8月31日に門真市教育委員会が市立小・中学校の校区再編及び適正配置について①小学校区と中学校区の接続を図るための校区再編について②第二京阪道路建設に伴い分断される校区の再編について③小・中学校区の適正配置について門真市学校適正配置審議会に諮問し、12回の審議会での議論を経て12月8日、第3次の答申が基本的考え方、留意すべき事項、5つの具体的提言を盛り込みまとめられました。
この中で小学校再編について1中・6中の統合中学校区では北小学校を浜町中央小学校と門真小学校に分離統合する。第5中学校区では四宮小学校を分離し、北巣本小学校及び東小学校の校地・校舎を活用し、新小学校2校を設置する。第2中学校区では大和田小学校と上野口小学校の統合校を上野口小学校の校地・校舎を活用し設置するというもので、明治5年に開校した大和田小学校、明治7年に開校した四宮小学校、新しい門真町として合併後初めての小学校として昭和37年に開校した北小学校という歴史のある学校が姿を消すかもしれないという大変ショッキングな内容となっています。
この審議会を進めるうえで最も重視されたことは、答申の「はじめに」でもふれられているように、昨年11月に市教委がまとめた「門真市小中一貫教育推進プラン」であり、プランの実現を図るための学校適正配置として1中学校校区につき2小学校を配置するということでした。
しかしながら、会議録を見ますと、この「門真市小中一貫教育推進プラン」は第3回目の審議会で突然説明が行われ、その後審議会の流れが大きく変わったように思えます。
そこでまず、「門真市小中一貫教育推進プランについて伺います。プランではまず、今日の子どもたちの状況を見ると、学習意欲の低下、家庭での学習習慣の未定着、社会体験不足、不登校、非社会的行動など、豊かな人間性を育み、基礎的・基本的な学力を定着する時期の義務教育に様々な教育課題が生じているとし、課題解決の重要な手法として「小中一貫教育を推進する」としていますが、以上の教育課題について小中一貫教育がそれぞれの教育課題についてどのような効果があるのか、具体的な答弁を求めます。
次に1中学校校区に2小学校を配置することについてです。これは、このプランにはまったく触れられていないにもかかわらず、審議会では明らかに事務局がこの原則へと誘導し、結果として審議会委員にまさに「苦渋の選択」「痛みを伴う学校再編」を押し付けています。第7回目の審議の中ではある委員が東小学校の児童数が今後増える可能性があることから、第5中学校区では四宮小学校を残し、3小学校とする案の提案がされていますが、事務局が「提案としては受けるが事務局としは2小学校に再編するということでお願いしたい」と全く検討の余地を与えていません。事務局は先進として吹田市と寝屋川市をあげていますが、そこでどのような実践が行われていてどのような効果があったのか、問題点はなかったのかなどについて全く説明がされていません。それぞれについて具体的にどのように実践されてどのような効果があったのか、また、第3中学校は現在1中学校2小学校となっていますが、小中一貫教育が他の校区よりもどのように進められているのか答弁を求めます。このような学校再編は今後様々な問題が予想される中で、何が何でも1中学校2小学校をすすめようとする市教委としての考え方、その大方針がどのような場でどのような議論を経て決定されてこの審議会に提案されることになったのか具体的な答弁を求めます。
次に小学校の分離統合についてです。冒頭にも述べましたが、小学校の再編については大変ショッキングな内容であります。そもそもこのような結論が当該の地域や関係者への説明や意見聴取なしに非公開の議論を経て出されたことについては大問題だと考えます。そして重大なのは、会議の非公開を決定するにあたっても事務局が誘導したということです。その理由は審議にあたり学校名や地域名がそのまま公開されると、当該学校や地域の関係者にいたずらに心配や混乱を招く恐れがあること、委員が自由に意見を述べ議論できるようにすべきで、外的圧力を受けずに自由に発言でき、審議の目的が達成できるようスムーズな運営が確保されなければならないというものです。校区の再編については様々な議論があり、公開をすると結論が見出しにくいということは否定はしませんが、十分な審議を経て決定するには審議過程において市民にその内容を公開し、意見や意向について把握すべきです。今回の審議会では校区再編について市民の意見や意向を把握は全くありませんでした。審議が非公開とされたこと、市民意向把握が行われなかったことについて説明を求めるものです。
次に具体的提言の3、統合新中学校(第1・第6中学)校区内の小学校再編についてです。この問題については先の文教常任委員会において2012年度、平成24年度の新中学校開校に向けて具体化が図られるという方向性が示されました。北小学校の分離統合については北小学校を単純に浜町中央小学校に統合すると児童数の増加に伴う校舎の増築が必要となり運動場面積を圧迫すること、複雑な通学路で安全性に課題があることなどが判断の理由とされています。しかし、北小学校を分離したとしても浜町中央小学校区は幸福町・中町が含まれており、新たなまちづくりの中で、人口増加が容易に予測され、児童数の増加は確実で、校舎の増築等は避けられず、分離統合はすべきでないと考えます。この問題についてどのように考えているのか答弁を求めます。北小学校は答申でもふれられているように、昭和37年に創立され、まもなく50周年を迎えようとしている歴史ある学校です。児童、地域等に対する十分な配慮が必要としていますが、新中学校統合まで、地域や児童、保護者に対しいつどのようにどのような働きかけをしようとしているのか答弁を求めます。
小学校の分離統合問題については他の校区についても様々な問題が山積しています。児童・生徒数をはじめ通学路の安全確保や地域活動との関係など、審議会では想定されなかった問題が出てくることが当然予想されます。このような状況となった場合は当然具体的提言の見直しも含め検討すべきと考えますが、市教委として明確な答弁を求めます。
次にPFI方式での1中・6中の統合の問題点についてです。この問題については幸福町・中町まちづくりPFI導入検討調査業務委託でPFI導入が可能であること、導入に当たっては学校単独が最適であるという判断がされたということについては先の第3回定例会の一般質問でも答弁があったところです。
しかし、この報告書を見てみますと、手法は一般型のPFIで行政の策定した要求水準書に基づき基本設計、実施設計もPFI事業者が行うというもので、開校期日が決まっているもとで事業者にとってより「合理的」な手法が選択されたものと考えます。想定スケジュールも示されていますが、来年の7月頃には要求水準書を公表するというものとなっています。それまでに地域や学校現場、保護者への説明や意見聴取を行い、要求水準書に盛り込まなければなりません。しかしながら、来年の7月に公表ということになれば、その期間は半年もないということになります。このような短期間で十分な要求水準書が策定できるのか危惧せざるをえません。要求水準書にすべて盛り込まれるのか、基本設計に反映されるのか。また、基本設計時、実施設計時に意見等が盛り込めるのかその場はどのような形で保証され、担保されるのか答弁を求めます。
2012年度(平成24年度)開校というなかで、基本設計からPFI事業者にゆだねるという手法で進められようとしていますが、少なくとも基本設計は行政が責任を持って行い、地域や学校現場、保護者の意見を十分に盛り込んだものにするべきだと考えます。そのことが結果として開校時期が遅れることになれば、それは開校時期を遅らせることも視野にいれ、将来に禍根を残すことのないような学校建設を進めるべきと考えますが見解を求めます。
【答弁】
学校教育部長
門真市小中一貫教育推進プランについてであります。
「門真市小中一貫教育推進プラン」につきましては、基礎的・基本的な学力の定着や学習意欲の低下等の「学習指導面」と不登校や非社会行動等の「生徒指導面」の課題解決という二つの大きな目的があります。
子どもたちにとって小中の段差をなくし、学力を向上させるためには、「小中連携」や「小小連携」による系統的な学習が大切です。また、中学校入学後、不登校が急増する状況を克服するには、「小中連携」と日々の生徒指導交流は欠かせません。
先進市である吹田市は、義務教育9年間を「小中連携」「小小連携」によるトライアングル構築による一貫性のある教育をめざしており、例えば、算数・数学9年間の学習カリキュラムを作成したことにより、子どものつまずきに対応した、一貫性のあるわかりやすい授業が展開されています。寝屋川市では、「元気アップ9年間戦略」として異年齢の縦のつながりを重視し、合同部活動や合同授業の実施により、小中ギャップの克服に効果が現れています。
本市では、小中一貫教育推進プランに基づき、研究指定校による研究と並行し、全中学校区で実施されている小中交流会をさらに発展させ、より緊密に連携した教育をめざして取組みを推進しています。第3中学校区の「小中合同研修会」は4年目を向かえ、不登校問題や学習指導等の課題について全体研修や課題別グループ研修を通して情報交換や意見交流が実施されています。
次にプラン作成につきましては、先進市では小中一体となった子どもたちの取組や教職員の一致した理念、協働による中学校区全体の活性化が期待されることから、事務局で検討してまいりました。検討結果をプランにまとめ、平成19年11月の教育委員会で「門真市朝中一貫教育推進プラン」として承認され、審議会に提案しました。また、「1中2小」につきましては、小中一貫教育を推進するには、先進市の例から「小・中間」及び「小・小間」の一貫性がより確立しやすいという説明を事務局で述べ、審議会の中で決まっていきました。
次に小学校の分離統合についてであります。
審議会は、各委員の発言が当該学校や地域関係者にいたずらに心配や混乱を招く恐れがあること、また、外的圧力を受けずに自由な意見を述べることが出来なくなることを避けるため非公開としていました。また、答申が出た段階で非公開内容はすべて開示すると決めておりましたので、中間的段階で意見聴取等はせず、答申まで非公開で進めてきました。
次に北小学校の再編統合につきましては、児童数、校地校舎、通学路の安全性などの観点から審議され、この時点で児童数推計上減数の見通しになっておりましたので、答申の具体的提言3のような結果となりました。
具体的提言内容の進め方につきましては、事務局で原案を作成し、パブリックコメントにかけ、出された意見を参考に実施方針を教育委員会で決定していくことになります。この後、当該地域へ段階的にご理解をいただくよう説明会を予定しております。
具体的提言が5つありますので、総ての具体化まで一定の期間がかかることが予想されます。その間に宅地化、児童生徒数や通学の安全性に変化が生じた時には検証し、見直しの必要が生じた場合には検討していまいります。
次にPFI方式での1中、6中の統合の問題点についてであります。
議員ご指摘のとおり、1中、6中の統合につきましては、一般型のPFI方式での実施を考えております。実施にいたるスケジュールにつきましては、発注のもととなる要求水準書を作成すべく、現在学校に対しましては学校長を通じ学校要望を募っているところであります。
年明けから保護者や地元に対しても要望を聞く場を数多く持ち、学校や地域・子どもたちの声が反映できるよう鋭意作業を進めてまいる所存でございます。
来年4月には、要求水準案を公表し、参加意欲のある企業からの意見を受けるなかで、その後も引き続き関係者の声を取り入れながら、夏ごろには要求水準書の公表が実施できるよう作業を行い、約半年という短い期間でありますが、要望については可能な限り盛り込むよう努力してまいります。
また、少なくとも基本設計は市が行うべきとのことですが、要求水準を持って発注する予定であり、PFI事業者が行う基本設計・実施設計の段階で、学校や地域・子どもたちの声が再度伝える場を持つよう検討してまいりますが、現在のところ要求水準書の内容を正確に反映させているかをチェックすることにより、要望は基本設計・実施設計に充分盛り込めると考えております。
開校時期につきましても、予定どおりの事業スケジュールでの実施を考えておりますので、よろしくご理解賜りますようお願い申し上げます。
【再質問】
答弁の中では、一中学校区に対して二小学校、この原則については決して教育委員会、又は事務局が押付けたものではなく、審議会自身でで決定されたと、そういう風な趣旨の答弁がされたものと思いますが、あらためて教育委員会の押し付けではなく、審議会自身の判断で決定されたものなのかどうか、再度答弁を求めます。
【再答弁】
先にご答弁申し上げましたとおり、小中一貫教育における1中2小につきましては、適正配置審議会におきまして、教育委員会としてその有効性を説明させていただき、審議を重ねていく中で、考えを固めていただきました。よろしくご理解賜りますようお願い申し上げます。
次に、保育所民営化についてです。
この問題については、わずか7園しかない公立保育園を4園もしかも来年度一度に民営化するもので、多くの問題が危惧されるもとで行うべきではないということを改めて表明するものです。
しかしながらこの10月からは合同保育が行われています。各民営化対象園について協定書に基づいて合同保育がなされているのかどうか、問題点はないのか、市はどのような形で状況を把握しているのか、協定書での合同保育についての内容についても合わせて答弁を求めます。また、この間三者懇談会が開かれていると思いますが、その実施状況について、そこで出された意見はどのようなものがあったのか、具体的な答弁を求めます。
次に非正規職員、アルバイト・パート職員の雇用確保の問題についてです。
この問題についてはこの間、繰り返しその状況についてただしてきましたが、現時点において雇用の確保状況について答弁を求めます。また、民営化後もし雇用が確保されないという状況が起こったとき、市はどのような責任を負うのか答弁を求めます。
【答弁】
福祉推進部長
保育所民営化についてであります。
まず、合同保育の実施状況についてでありますが、10月1日の開始からこれまでの間、各民営化対象保育所におきまして、協定書に基づく内容により円滑に実施されております。
次に、状況の把握についてでありますが、法人職員の出勤状況を出勤簿により毎日把握するとともに、問題なく実施されているかどうかなどを随時園長及び法人に直接確認いたしております。
次に、協定書での合同保育の内容についてでありますが、民営化後の施設長予定者を平成20年10月1日から平成21年3月31日までの期間に行事等必要に応じて、また、主任保育士予定者及び保育士1名以上を平成20年10月1日から12月31日までの3ヵ月の間に週2日以上、さらに、平成21年1月1日から3月31日までは、主任保育士予定者及びクラス単に予定保育士を週5日以上、看護師及び調理員につきましては、平成21年3月1日から31日までの期間、週2日以上、それぞれ配置することといたしております。
次に、三者懇談会の実施状況についてでありますが、これまでの間、泉町、北島及び小路保育園で各3回、柳町保育園2回、合計11回開催いたしております。
次に、三者懇談会で出された意見につきましてでありますが、主なものといたしましては、民営化後の保育内容、行事、給食調理、保護者負担額、施設の維持管理、職員の配置と雇用状況、保育所の名称、本市の役割などについて、具体的な考え方や実施方法を保護者、法人及び本市の三者で確認するとともに、意見交換を行っております。
次に、アルバイト職員の雇用確保についてでありますが、平成21年4月1日以降の雇用が確保されている者として、本市が把握しているアルバイト職員及びパート職員の合計人数は、現時点で40名となっております。
次に、民営化後に雇用が確保されないという状況が起こったときの市の責任についてお尋ねでありますが、そのような事態にならないよう、個々人の意向を確認するなど、今後ともひき続き努力してまいりたいと考えておりますので、よろしくお理解を賜りますようお願い申し上げます。
【再質問】
アルバイト・パート保育士のみなさん、職員のみなさんの雇用確保について、答弁では意向調査を行っていくと言う風な趣旨の答弁が行われたわけでありますが、私はこの間、この雇用確保については繰り返し民営化以降、雇用が確保されなかったときどうするのか、こういったことを質してきたところでありますが、答弁では最大限努力をしていく、こういった答弁が繰り返しなされたところであります。しかしながら、今の答弁では、今から意向調査を行っていく、それではこの間、各アルバイト・パート職員のみなさんに意向調査はしていなかったということになるわけであります。既に6月の議会では、廃止条例が決定されたわけでありますから、その後きちっと意向調査を行うこと、これは最大限努力するということの具体化だと思います。 すぐにでも、今年中にでも意向調査を行うこと、強く求めますが、再度答弁を求めます。
【再答弁】
民営化後の運営法人の決定後、本年7月の時点で市立保育所の全臨時職員に対し、採用後の待遇面などの情報提供、あるいは法人による合同説明会を経まして本市の臨時職員のみを対象とした採用試験を4法人において実施されたところでございます。またそれ以外にも市内外の採用に関する情報の収集に努め、適宜提供に努めてきたところでもございます。今後につきましては個々人に対する意向調査を出来るだけ早期に実施いたしますとともにその結果を踏まえた的確な情報提供に努めながら、雇用の確保に最大限努めてまいる考えでありますので、よろしくご理解賜りますようお願い申し上げます。