[2020.2.14] -[門真民報]
「ほんまかいな?」「情報隠蔽か!」
開示請求に殆どが黒塗りの文書
旧第一中学校跡地活用に関するサウンディング型市場調査提案書
古川橋駅北側の旧第一中学校跡地活用について門真市は、昨年 11月に実施した「サウンディング型市場調査」の結果に基づき、図書館を含む生涯学習複合施設に「指定管理者制度」を導入し、その指定管理者が基本設計にも関与する考えを翌月の 12月に示しました。
今年1月開催の図書館協議会や社会教育委員会議では、期待の意見とともに、市民サービス後退を危惧する意見が出されています。
「サウンディング型市場調査」で、事業者からどのような提案があったのかが注目される中、福田英彦議員が昨年 12月 16日に開示請求した公文書、「『門真市旧第一中学校跡地整備活用事業に関するサウンディング型市場調査』で提出された提案書」の写しが2月 6日に開示されました。
開示された文書は 120頁余りの膨大なものでしたが、そのほとんど全てが黒塗りのいわゆる「のり弁」でした。
「のり弁」の理由について、公文書部分開示決定書では、「提案内容に当該事業のノウハウ等の知的財産が含まれ、開示することで当該事業者の競争上の地位、財産権その他正当な利益を害する恐れがある」、「提案した事業者名が分かる情報については、開示することで事業に対する当該事業者の関心が公になり、当該事業者の事業への参加意欲を低減させる」とされています。
サウンディング型市場調査でどのような内容の提案があり、庁内でどのような議論や検討が行われ提案に至ったのか、それが妥当なのか、このような「のり弁」では、市民や議会は検証しようがありません。
このような開示決定に対し、市民からは、「ほんまかいな!」、「隠蔽ではないか」との声が出されています。
党議員団は、2月 25日から開会の議会で質していくためにも、さらに徹底して調査していきます。
公立園は2園に、浜町保育園は廃園
これで保育の公的責任果たせるのか
門真市が「公立園最適化基本方針(素案)」を公表
門真市は、「門真市公立園最適化基本方針(素案)」を公表し、2月 11日から3月1日までを実施期間とするパブリックコメント(意見募集)が行われています。
「門真市公立園最適化基本方針(素案)」は、就学前児童人口が減り続け、今後も減少傾向が続くと推計されるなかで、将来を見据えた公立園(保育園、幼稚園)の配置やあり方について市長が昨年6月、「門真市公立園最適化検討委員会」に諮問し、12月に答申された内容に基づいてまとめられたものです。
基本方針(素案)では、「門真市の現状」として、出生数及び就学前児童人口の減少、就学前教育・保育施設利用者数の推移(幼稚園は減少、保育所は増加傾向)、年度途中の待機児童解消の成果、障がいのある子どもや配慮が必要な子どもの受け入れ状況(公立園が私立園の約3倍)、公立園の施設や在園児童数の状況を示しています。
次に、「公立園最適化の必要性」として、(1)就学前児童人口の減少、(2)就学前教育施設利用者数の減少、(3)施設の老朽化と厳しい財政状況、(4)教育・保育へのニーズや公立園の役割の変化を挙げています。
そして、結論として「基本方針」では、浜町保育園を廃止し、上野口保育園と大和田幼稚園を統合し、将来的に国道163号を境として南北に1園の公立園に再編するとしています。(別図参照)
しかし、保育所の入所者数は増加傾向にあり、障がいのある子どもの受け入れなど、公的責任の後退が危惧されます。
党議員団は問題点を議会で質していきます。
門真市の公立園を僅か2園に統廃合する基本方針(素案)で示された再編案
台風・豪雨災害と自治体の役割
議員研修会に亀井あつし議員が参加
公助と自助は5対5
「行政の限界」口実はダメ
「豪雨災害と自治体の防災・減災の取り組み」は、兵庫県立大学大学院教授の室崎益輝氏が講師を務めました。
室崎氏は、過去の再災害は、減災や復興に欠かせない普遍的な教訓を数多く残しているが、その教訓を生かせず同じ過ち(例えば、避難所の雑魚寝状態など)を繰り返していると指摘しました。
住民の命や暮しを守るのは、国や自治体の最も重要な責務。公的責任(公助)と自己責任が車の両輪、そのすき間を互助と共助で補う。公助と自助は5対5の関係。行政の限界を口実に公助を放棄してはならない。
市民に寄り添う総社市
災害現場に権限委譲
総社市の新谷秀樹市民生活部長より、一昨年の豪雨災害時の被害状況と対応、これまでの自主防災組織の取り組みについて特別報告がありました。
市長が常に「市民に寄り添う行政」を基本し、豪雨災害時も直ちに災害本部の現地出張所を設置。職員3人体制で5か月間常駐。行政ルールをギリギリまで下げ、100万円までは災害現場職員の即断即決で支出したと述べました。
被災した下原・砂古地区は、7年前に自主防災組織を結成し、ハザードマップの自主作成、夜間避難など実践的な訓練を繰り返してきました。日頃の取り組みによって「犠牲者ゼロ」となったと部長は強調しました。
また、被災地を積極的に支援することで、逆の立場になった時のことを学ぶ姿勢を貫いています。
ダム建設よりも河川改修を
「土石流など土砂災害や河川氾濫、ダム問題のメカニズム」について、神戸大学名誉教授の田結庄良昭氏は、行政は「自助」を強調して避難を訴えるよりも、被害を拡大させない減災体制を国や自治体は取り組むべきと訴えました。
そして、河川氾濫は、稼働の拡幅、しゅんせつ、河川改修をダム建設より優先すべきと述べました。
国や自治体は、防災予算を増やし、防災職員を増やす。堤防の裏側を強化して破堤の食い止め、遊水地設置など本格的に取り組むことを強調しました。
一路民営化、府域一水道でなく
安全・安心の水供給の議論を!
大阪広域水道企業団議会2月定例会に向け議員全員協議会
14日開会の大阪広域水道企業団議会2月定例会に向けた議員全員協議会が4日開かれ、福田英彦議員が出席しました。
協議会では、2月定例会に提出予定議案7件(条例案件3件、予算案件4件)について理事者から説明を受け、議会運営について協議しました。
令和2年度(2020年度)予算は、水道事業会計(水道用水供給事業、市町村域水道事業)800億6300万円、工業用水道事業会計172億9400万円となっています。
整備事業の一括民間丸投げは、企業団の技術力の低下危惧
予算概要では、施設の遠隔監視制御のための情報伝送システム更新維持事業(総額105億6330万円)にDBM(デザイン・ビルド・メンテナンス)方式を導入し、管路整備事業(総額57億6752万円)にDB(デザイン・ビルド)方式を導入するなど、施設等の設計・施工・維持管理を一括して事業者に発注することが予定されており、民間丸投げやチェックなどの企業団の技術力の低下が今後危惧されます。
事業統合誘導の料金シミュレーションは大問題!
また、現在事業統合に向けた協議がすすめられている藤井寺市・大阪狭山市・熊取町・河南町について水道料金の今後のシミュレーションはじめ、統合案の概要について説明がされましたが、既に統合している四條畷市選出の議員から、当時のシミュレーションと大きく乖離して、13年も早く赤字となるとされていることについて問題提起がありました。
事業統合を誘導するためのシミュレーションであれば大問題です。
この他、「大阪広域水道企業団経営戦略2020ー2029」の概要についても説明が行われましたが、民間活力の活用と広域連携の促進(府域一水道)が強調されており、一路民営化ではなく、安全・安心の水を安定して供給するためのあり方について慎重に議論していく必要があります。