[2019.12.17] -[議会活動]
福田英彦議員
議案第59号 事務分掌条例の全部改正、議案第60号 門真市こどもの医療費の助成に関する条例の一部改正について反対の立場から討論を行います。
まず、議案第59号 事務分掌条例の全部改正についてです。
これは、第6次総合計画を体現する機構改革を実施しようとするものですが、大きく3点の問題点を指摘したいと思います。
ひとつは、環境行政を上下水道局と統合し、環境水道部とすることについては、老朽した焼却炉の更新等に伴う廃棄物の共同処理や広域化に関する調整等を今後精力的に進めていくことや地球温暖化対策などが求められる環境行政を新たな統合ではなく、技術職員や専門職の配置をはじめとした体制構築など、少なくとも一定の期間は一つの部で進めることこそ求められています。
6年前に環境事業部を市民部と統合し、市民生活部としたことが、結果として将来を見据えた老朽焼却炉の更新等の課題への対応が立ち遅れたことを教訓とし、改めることを強く求めます。
次に、社会教育行政を市長部局に移管することについては、首長の政治性に左右されない中立性の確保、専門性に基づいた考えが市長部局の上意下達のもとで否定されるという危惧、住民にとっては多様で自由な学びの権利保障が損なわれないかということが問題になっていますが、先の総務建設常任委員会の質疑のなかでもその担保措置が明確ではありませんでした。
また、文科省のワーキンググループでの論点整理においても補助執行の活用等についてしっかり検討することが求められていましたが、市長部局移管ありきでその検討もされておらず、前のめりの姿勢も明らかとなりました。
宮本市長は、教育委員会は学校教育に特化すべきとの考えも示しましたが、社会教育行政との連携が弱まることも危惧され、この点においても問題点を指摘しておきます。
3点目に、国民健康保険料、後期高齢者医療保険料の収納事務を債権管理として徴収事務を特化し、総務部に置くことについては大きな問題です。
2016年に税金や保険料を滞納した市民など、生活困窮者を支援する「くらし支えあい条例」を制定した滋賀県野洲市のように、保険料滞納は滞納者のSOSだということを捉え支援をしていく窓口こそ求められます。
このように問題のある機構改革のための事務分掌条例の全部改正は、第6次総合計画を体現するものではなく認めることはできません。
次に、議案第60号 門真市こどもの医療費の助成に関する条例の一部改正については、こども医療費助成の支給対象から「入院時食事療養費」を除外するもので、「子どもを真ん中に」おいた施策を後退させるものであり、問題だと考えます。
5日の本会議の質疑では、昨年度の入院時食事療養費給付の決算額は約940万円、府下の市町村で入院時食事療養費給付を実施している自治体は36自治体で、廃止しているのは僅か7自治体、廃止している自治体の割合は43市町村中2割にも満たない状況であるということが明らかとなりました。
10月から幼児教育・保育の無償化がスタートしたことにより、国基準よりも引き下げていた保育料1億円、4月から市独自で先行実施していた幼児教育・保育の無償化の経費1億8千万円、この半年間だけを見ても計2億8千万円の一般財源からの支出が軽減されます。
軽減された一般財源の全てとは言いませんが活用し、さらに「子どもを真ん中に」おいた施策をすすめることは可能であるにもかかわらず、このように施策を後退させることは、市内外にマイナスのメッセージを発信し、子育て世帯の流入の促進と流出の抑制をすすめるどころか、むしろ逆のしかも財政的にも大きな影響を与えることは明らかです。こうした影響を考慮してもなお「入院時食事療養費助成」を廃止しようという理由は全くなく、認めることはできません。