[2019.12.5] -[議会活動]
私は日本共産党議員団を代表し、認定第1号「平成30年度歳入歳出決算」について反対の立場で討論をします。
まず、1点目にマイナンバーカードを利用した住民票写し等のコンビニ交付についてです。
マイナンバーカードを利用した住民票写し、印鑑登録証明書のコンビニ交付については、手数料200円に対し経費が1,631円もかかることが明らかとなりました。
平成30年度の発行枚数4,012枚に対し、計画段階でその5倍の2万枚の発行見込みで利用料を計算し、その上に普及促進策でさらに100円引き下げた手数料は、門真市使用料及び手数料の見直しに関する指針に照らしても問題だと言わざるを得ません。
安倍政権は、来年9月からマイナンバーカードを利用したポイント還元、自治体職員へのマイナンバーカード取得の強制ともいえる状況調査など、マイナンバーカードの普及促進をなりふり構わず強行しようとしています。
マイナンバー制度は、危惧された情報漏えいがいたるところで起っていることをはじめ問題だらけの制度で、市民の情報を民間に開放することを法の理念としている大問題の制度です。
本市においても、前のめりになることなく、マイナンバーの独自利用拡大を行わないよう強く求めます。
次に、こどもの未来応援ネットワーク事業に対する不当な府補助金の減額についてです。
子どもの未来応援ネットワーク事業に対する府補助金については、当初総事業費の2分の1の733万6,000円を計上していたにもかかわらず、大阪府がこの事業のために門真市が受けた「ふるさと納税寄附」931万3,000円を特定財源だと勝手に認定し、補助基本額から差し引き補助金を減額せよと不当に本市に求め、その不当な求めに応じ、結果としてふるさと納税寄附465万6,000円が府補助金の減額に充てられたというものです。
これは、大阪府が門真市のふるさと納税寄附に手を突っ込んで補助金を減額したというもので、それに唯々諾々として従ったことは、寄附をしていただいた方の思いを踏みにじるもので断じて認められません。
次に、めざせ世界へはばたけ事業については、英語プレゼンテーションコンテストへの応募率が昨年より10%低下の31.8%で、その理由は年々発表者のレベルが高くなり応募を諦めた生徒がいることが考えられるとのことでした。
優秀者9人に対する海外派遣研修は懸賞的な要素もあり、義務教育の中で税金の使い方として適切なのかどうかとこれまで問題提起をしてきましたが、財源の問題も含め事業のあり方についてあらためて検討することを強く求めたいと思います。
次に、国民健康保険料の滞納者に対する差し押さえでは、預金差し押さえ件数が5,895件と大阪市を除く市町村の総件数の4分の1を占める状況は異常です。
差し押さえ前の滞納者への働きかけの内容が厳しく問われるものと言わざるを得ません。
この点で、本年9月26日の大阪高裁の判決は重要です。
大阪高等裁判所は、給与生活者等の最低生活を維持するために、国税徴収法が給与の一定額を差押え禁止にした趣旨を重視し、給与が入金された預金口座への差押処分について、「実質的に差押えを禁止された給料等の債権を差し押さえたものと同視」できるものとして、違法と判断しました。
差押禁止の趣旨からすれば、預金口座にある差押禁止財産も差し押さえてはならないのは当然です。
大阪高裁判決は、厳然とこれを示しています。
同じく差押禁止である児童手当について判断した鳥取事件・広島高等裁判所松江支部平成25年11月27日判決をさらに推し進めた重要な判決です。
差押禁止の趣旨に反する違法な滞納処分は、市民の生活や事業を直ちに破綻させます。
もとより最高裁平成10年2月10日判決は、滞納処分の事案でもなく、無制限の預金差押えを許したものでもありませんが、両高裁判決は、この最高裁判決も認識した上で、差押禁止の趣旨を重視し、違法と判断しています。
このような高裁判決が相次いで出ていることを門真市も重く受けとめ、滋賀県野洲市のように、滞納を市民からのシグナル、SOSと捉え、生活支援につなげるなど親身に対応することを強く求めます。
最後に、後期高齢者医療保険料の滞納者に対する差し押さえについては、預金35件で生命保険も4件差し押さえている実態が明らかとなりました。
そもそも75歳を超える市民に対し差し押さえを行うことについては論外だと言わざるを得ません。あわせて税の滞納者に対する差し押さえについて預金の1,100件をはじめ、学資保険2件も含め1,186件にもなっていることについても認められません。