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  • こんにちは。門真市会議員団です。

    2019年9月議会 福田英彦議員の一般質問・答弁

    [2019.9.20] -[議会活動]

     

    1. 非核平和宣言都市としての取組について

     (1)これまでの取組状況について

    米国による原爆投下の惨禍から今年は74年を迎えます。

    二度とあのような悲惨な体験はしたくない、させたくないという思いは世界共通ではないでしょうか。

    8月9日に挙行された長崎原爆犠牲者慰霊平和祈念式典で田上富久市長は平和宣言で、17歳で家族を失い、自らも大けがを負った女性がつづった詩を紹介し、人の手によってつくられた原爆は人の意思によって無くすことができると述べ、核兵器をめぐる政界情勢はとても危険な状況だが、一昨年の核兵器禁止条約の成立に市民社会が大きな役割を果たし、一人ひとりの力は微力ではあっても無力ではいとして、戦争体験や被爆体験を語り継ぎ、人の痛みが分かることの大切さを子どもたちに伝え「平和の文化」を育てることを呼びかけました。

    本市は、1983104日の本会議において「わが国は、憲法で平和主義を堅持しており、世界唯一の核被爆国として、その被害の恐ろしさ、被爆者の苦しみを全世界に向けて訴え、核兵器の完全廃絶に積極的な役割を果たさなければならない。門真市は、世界のすべての国々が非核三原則を国是とし、戦争のない平和な社会を築くことを念願して、ここに「非核平和都市」を宣言する。」との非核平和都市宣言を議決しています。

    以降、36年が経過しようとしていますが、宣言にふさわしく、「平和の文化」を育てる非核平和の施策の推進が求められています。

    本市におけるこれまでの取組状況について答弁を求めます。

     (2)核兵器禁止条約の認識と政府への署名、批准への働きかけについて

     核兵器禁止条約が2017年の国連会議(ニューヨーク)で、122カ国の賛成により一昨年の77日採択され、同年920日に調印・批准の受付が始まり2年が経過しようとしています。

     条約は、前文で「廃絶こそがいかなる状況においても核兵器が二度と使われないことを保証する唯一の方法である」とし、全20条からなる条文で、禁止項目や被害者支援と環境改善、国際協力と支援などについて規定しています。

    批准国は829日、新たにカザフスタンが批准書を国連事務総長に寄託し、26か国となり発効に必要な50カ国の過半数となりました。

    日本政府は、この条約の策定や採択、その後の批准に対して一貫して背を向け続けています。唯一の戦争被爆国の政府として恥ずかしい姿勢と言わざるを得ません。

    先に紹介した田上富久市長の平和宣言では、日本政府に対し、「日本は今、核兵器禁止条約に背を向けています。唯一の戦争被爆国の責任として、一刻も早く核兵器禁止条約に署名、批准してください。そのためにも朝鮮半島非核化の動きを捉え、「核の傘」ではなく、「非核の傘」となる北東アジア非核兵器地帯の検討を始めてください。そして何よりも「戦争をしない」という決意を込めた日本国憲法の平和の理念の堅持と、それを世界に広げるリーダーシップを発揮することを求めます。」と訴えました。

    本市の非核平和都市宣言では、「わが国は、憲法で平和主義を堅持しており、世界唯一の核被爆国として、その被害の恐ろしさ、被爆者の苦しみを全世界に向けて訴え、核兵器の完全廃絶に積極的な役割を果たさなければならない。」と政府の責任を明確にしています。

    この宣言の内容に沿って、政府が一刻も早く核兵器禁止条約を署名、批准するよう働きかけるべきと考えますが、核兵器禁止条約に対する認識と批准への政府への働きかけについて答弁を求めます。

     (3)日本の核武装は「今後の国際情勢によっては検討すべき」との意見に対する認識について

     さて、この核兵器廃絶の流れについては、それを阻もうとする逆流もあります。

     先に行われた参議院選挙で毎日新聞が候補者全員に実施したアンケートの項目で「日本の核武装について」の問いに対し、「将来にわたって検討すべきでない」と80%が回答する一方で、「今後の国際情勢によっては検討すべきだ」と9%が回答するというものです。

     核兵器廃絶の流れとは縁もゆかりもない誤った考えと言わざるを得ませんが、日本の核武装について「今後の国際情勢によっては検討すべき」との意見に対する本市の認識について答弁を求めます。

     

    【答弁】

     はじめに、これまでの取組状況につきましては、世界恒久平和の実現に寄与することを目的とした平和首長会議へ平成22年7月に加盟し、国内外の情報収集に努めております。

     また、昭和58年の非核平和都市宣言以来、市民の皆様に平和の尊さを考えていただく機会となるよう非核平和に関する啓発の取組みを実施しており、平和祈念映画上映会や平和に関する資料の展示、これらイベント周知チラシへの本市非核平和都市宣言文の掲載、懸垂幕の掲出などを行っているほか、核実験を行った国に抗議文を送付しております。

     次に、核兵器禁止条約の認識と政府への署名、批准への働きかけについてであります。

     本市の非核平和都市宣言において、我が国は世界で唯一の被爆国として、核兵器の完全廃絶に積極的な役割を果たさなければならないとしており、条約と目標を同じくするものでございます。

     政府への署名、批准への働きかけにつきましては、平和首長会議が昨年11月、政府に対して核兵器廃絶に向けた取り組みの推進について要請をしており、外務大臣政務官が、「核のない世界という平和首長会議の考え方については日本政府としても目標は共有している。平和首長会議の考え方をしっかり受け止めながら頑張っていきたい」と回答されております。

     この回答をふまえ、本市といたしましては、直接的に政府に働きかけることは現時点では考えておりません。

     次に、日本の核武装は「今後の国際情勢によっては検討すべき」との意見に対する認識についてであります。

     議員ご質問の参議院選挙における各候補者には様々な意見があると認識しており、国において議論が尽くされるべきものと考えております。

     本市は非核平和都市宣言において「世界のすべての国々が非核三原則を国是とし、戦争のない平和な社会を築くことを念願する」としていることから、今後におきましても、世界の恒久平和と核兵器の廃絶を願い、引き続き市民の皆様に対し核兵器や戦争の悲惨さ、平和の尊さについて周知、啓発に取り組んでまいりたいと考えておりますので、よろしくご理解賜りますようお願い申し上げます。

     

    【再質問】

     日本の核武装について「今後の国際情勢によっては検討すべき」との意見に対する本市の認識については、「本市は非核平和都市宣言において『世界のすべての国々が非核三原則を国是とし、戦争のない平和な社会を築くことを念願する』としていることから、今後におきましても、世界の恒久平和と核兵器の廃絶を願い、引き続き市民の皆様に対し核兵器や核戦争の悲惨さ、平和の尊さについて周知、啓発に取り組む」として、当然ですがこうした考えは全く持っていないことが示されました。

     今回の毎日新聞のアンケートで、主要政党の内、日本の核武装について「今後の国際情勢によっては検討すべきだ」と回答したのは、主要政党で15人、そのうち11人は維新所属で維新の回答者の52%を占め、突出しています。

     残念ながら、大阪選挙区で当選した維新の候補者は二人とも11人の中に入っています。

     「参議院選挙における各候補者には様々な意見があると認識しており、国において議論が尽くされるべき」との答弁もありましたが、こうした状況もふまえ、日本の核武装について「今後の情勢によっては検討すべき」との意見に対する宮本市長の認識について、答弁を求めます。

     

    【答弁】

    日本の核武装は「今後の国際情勢によっては検討すべき」との意見に対する市長の認識についてであります。

    変化の激しい国際情勢を踏まえた時、不変的な正解値を求めることは非常に難しいと考えますが、先ほども答弁いたしました通り、今後も世界の恒久平和と核兵器の廃絶を願い、世界のすべての国々が非核三原則を国是とすることを念願するものでございます。

    今後におきましても、引き続き市民の皆様に対し核兵器や戦争の悲惨さ、平和の尊さについて周知、啓発に取り組んで参りたいと考えておりますので、よろしくご理解賜りますようお願い申し上げます。

      

     

    2. 北小学校跡地周辺のまちづくりについて

    (1)この間の経過について

    北小学校跡地周辺のまちづくりについては、廃校となった北小学校跡地の有効活用、周辺の密集市街地の都市基盤整備で、安全・安心な災害に強いまちづくりを目的に「泉町・松葉町北地区整備事業」ということですすめられていますが、829日と30日に地元説明会が行われています。

    前回は27日と8日の開催で、半年以上ぶりの開催ですが、「泉町・松葉町北区整備事業」のこの間の経過について答弁を求めます。

    (2)住民説明会の内容と出された意見等について

     829日と30日に開催された説明会は前回の説明会から半年以上が経過します。

     今回の説明会は、前回の説明会で出された意見等も踏まえて開催されたのか、説明会の内容と出された意見、意見に対する回答などについて答弁を求めます。

    (3)今後のまちづくりの考えについて

    北小学校跡地の活用については、様々な課題がありますが、接続する道路の確保が大きな課題となります。と同時に、中央環状線までの道路が一方通行のままでいいのかどうかという問題もあります。さらには、この間も沿道に新しい建物の建設も行われているという問題もあります。

    地権者や建物所有者はもちろん、住民の方に市のまちづくりの考え方を示しながら進めていくことが重要です。

    あわせて、隣接するパナソニックに対しても、まちづくりに関する協力について働きかけることが不可欠だと考えますが、今後のまちづくりの考えについて答弁を求めます。

     

    【答弁】

     まず、本年2月に松葉北地区を対象に実施いたしました説明会以後の経過についてでありますが、松葉北地区内におきまして、まちづくりに関するアンケートの回答を返信されていない方に対し、個別訪問によるアンケート調査票の回収及び意向確認を行っております。

     今年度に入りましてからは、8月29日及び30日に泉町地区を対象に、まちづくりに関する説明会を実施したところでございます。

     次に、説明会の内容及び意見等についてでありますが、地区の現況や課題、まちづくり手法及びアンケート調査の記載方法について松葉北地区と同様の説明を行ったところ、事業の開始時期や戸建て住宅に対する補償費はどれくらいなのかなどの意見が出されました。

     それらの意見に対しまして、地権者組織を立ち上げ、事業区域や手法を確定しなければ、具体的なスケジュールが示せないことや建物補償費の考え方を回答いたしました。

     次に、今後のまちづくりの考えについてでありますが、旧北小学校跡地を有効活用し、道路・公園等の都市基盤施設の整備及び老朽建築物等の建替え促進を図り、災害に強いまちづくりを進めてまいりたいと考えております。

     今後におきましては、必要に応じて、隣接する民間企業等へ協力を求めるとともに、引き続き、地権者等へ丁寧に説明を行い、まちづくりへの理解を深めていただき、早期に地権者組織の立ち上げを目指してまいりたいと考えておりますので、よろしくご理解賜りますようお願い申し上げます。

     

     

    3. 市役所業務のAI(人口知能)、RPA(業務の自動化)導入の問題点について

    (1)現在の検討状況について

     近年のAI(人工知能)の進展は目を見張るものがあります。

     チェスや将棋のトッププレーヤーに勝利し、2016年には「十数年は先」と言われた囲碁のトップ棋士にも勝利して世間を驚かせました。

     すでに民間企業では、様々な分野でAIRPAなどの活用が進み、業務量の削減や人員削減を行っています。一昨年は、みずほ銀行が10年間で19千人の削減、三菱東京UFJ銀行は6000人程度の自然減と9500人分の業務量削減、住友銀行も19年末までに4000人分の業務量削減を打ち出しました。

     こうした中で、総務省が立ち上げた「自治体戦略2040構想研究会」は、昨年4月の第一次報告、7月に第二次報告を行いました。

     第一次報告では、2040年頃を見据えた自治体戦略の必要性、個別分野と自治体行政の課題、迫りくる我が国の内政上の危機とその対応、自治体戦略の基本的方向性を示し、第二次報告では、一次報告を踏まえ2040年頃を見据えた自治体行政の課題としてスマート自治体への転換、「半分の職員でも担うべき機能が発揮される自治体」とするために自治体行政の標準化・共通化、圏域単位での行政のスタンダード化などを挙げています。

     この報告書については日本弁護士連合会が昨年10月に総務省及び第32次地方制度調査会会長宛に意見書を提出し、圏域を設けることや行政のスタンダード化の推進は、自治体が自主的権限によって自らの事務を処理するという団体自治の観点から問題があること、議会の無い圏域に対し国が直接財政措置を行うことには住民の意思を尊重する住民自治の観点からも問題があることなどを挙げ、拙速に結論を出すべきではなく、全国知事会、全国市長会及び全国町村会等の現場からの意見等を十分に考慮し、尊重すべきとの考えを示しました。

     このように、地方自治の根幹を揺るがすような内容をもつ報告書の延長線上に、今すすめようとしている市役所業務のAIRPAの活用があると考えます。

     地方自治体の役割は、地方自治法第1条の2第1項で「住民の福祉の増進を図ることを基本として、地域における行政を自主的かつ総合的に実施する役割を広く担うもの」と規定していますが、この点で「自治体戦略2040構想研究会」報告書に対する認識について、まず答弁を求めます。

     本市においても、AIRPAの活用が検討されていますが、第1回定例会の代表質問では、「民間でできるものは民間と業務委託や民営化を進め、少数精鋭と職員の削減を進めることによって専門性の後退と多忙化が起き、人為的なチェック漏れによって引き起こされた問題があちらこちらで発生し、こうした問題を解決する手段としてAI、RPA化を進めようとするものですが、専門性はさらに後退し、どのような制度や仕組みで業務が進められているのかがわからず、ブラックボックス化し、情報漏えいや個人情報の管理など十分にチェックもできなくなるなど多くの問題点があり、導入結論ありきではなく導入すべきかどうかから慎重に検討すべき」と指摘しました。

     答弁では、AIについては、会議録作成の迅速化を目的とした音声認識システムの運用を予定し、個人情報などの情報管理に配慮したAI学習環境の構築など鋭意検討を行っているとし、AI、RPAの活用においては適切な情報管理を初め、運用面での可視化を行うことやフォローアップ体制を確立するなど、導入リスクを軽減し円滑に実施できるような対策を引き続き検討するとしましたが、現在の検討状況について答弁を求めます。

    (2)導入に当たっての問題点、課題認識について

     現在AIRPAの活用推進策も具体化され、20186月には、総務省の「業務改革モデルプロジェクトに係る事業委託団体」として大阪の泉大津市を含む7自治体を指定し、8000万円の予算で「民間企業の協力のもとBPR(業務改革)の手法を活用しながら、ICT化・オープン化・アウトソーシングなど」を推進する自治体を支援しています。

     住民には「利便性向上」だとして、公共サービスの産業化政策として情報関連企業に公共業務と財源、資産としての公共施設を開放しようというものです。

     AIには様々な問題があります。

     様々な業務をAIにさせる場合に業務フローは誰が作成するのか、AIによる判断をだれがチェックするのか、AIによる判断を不服とした市民に誰が説明するのか、判断に対する倫理的、社会的責任をだれが負うのか、個人情報の漏えいをどう管理するのかなど、様々な問題点や課題があると考えます。

     この点に対する認識について答弁を求めます。

     

     【答弁】

     「自治体戦略2040構想研究会」報告書に対する認識についてでありますが、人口減少社会が続いていく中、AIやRPA等の先端技術の進展に伴い、行政組織のあり方は大きく変化していくことが予想されており、報告書では、自治体が住民サービスを持続的、かつ、安定的に提供していくためには、行政の標準化・共通化による負担軽減、圏域単位への行政スタンダード化により都市機能を守り抜くこと、AIやロボティクスによって処理することができる事務作業は全てAI・ロボティクスに任せ、職員は職員でなければできない業務に特化することが必要であると述べられております。圏域単位等の制度化を含め、報告書の内容につきましては、十分に議論されるべきであるものの、都市機能の維持とより市民へのきめ細かなサービスを提供するために、これからの自治体が向かうべき方向性が示されているものと認識いたしております。

     次にAI及びRPAの現在の検討状況についてでありますが、AIにつきましては、既に会議録作成の迅速化を目的とした音声認識システムの運用を予定しております。また、RPAにつきましては、調査・研究の一環として、昨年度総務課契約グループの請求書処理業務において実証を行ったところでございます。

     次に、AIに業務させる場合の課題に対する認識についてでありますが、市としては、業務ツールとしてのAI活用を考えており、運用管理は職員が行うものであります。その上で、情報管理につきましては、門真市情報セキュリティポリシーに基づき、適切に管理するなど、活用する業務を見極めながら円滑に導入できるよう様々な課題への対応を検討してまいりたいと考えておりますので、よろしくご理解賜りますようお願い申し上げます。