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  • こんにちは。門真市会議員団です。

    2008年9月議会 福田英彦議員の一般質問・答弁

    [2008.9.29] -[議会活動]

    1.生活保護行政について

    (1)現状と問題点について

    (2)職員増を初めとした体制の整備について

    2.幸福町・中町のまちづくりについて

    (1)幸福町・中町まちづくり基本計画の進捗について

    (2)市民参加、市民意見の反映について

    (3)一中・六中の統合について

    生活保護行政についてです。

    生活保護制度は、憲法第25条の「すべての国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する」と規定する「生存権」にもとづき、困窮度に応じて必要な保護を行い、その最低限度の生活を保障するとともに自立を援助するもので、すべての国民が法律の要件を満たす限り、法律による保護を無差別平等に受けることができるという「無差別平等」の原理、保障される最低限度の生活は、健康で文化的な生活水準を維持することができるものでなければならないという「最低生活保障」の原理、利用し得る資産、能力その他あらゆるものをその最低限度の生活の維持のために活用することを保護の要件とする「補足性」の原理によって行われています。

    この間、小泉構造改革路線によって国民に痛みを押付ける政治、具体的には高齢者をはじめとした医療制度の改悪や年金課税の強化、相次ぐ規制緩和で労働者を物扱いする日雇い派遣など非正規雇用の拡大によるワーキングプアなど、貧困と格差のひろがりが大きな問題となっています。抜本的には小泉構造改革路線からの抜本的な転換が強く求められていますが、社会保障制度、セーフティーネットがずたずたにされているもとで生活保護制度の役割がより重要となっています。

    以上の観点からまず、現状と問題点について伺います。

    生活保護の適用については、水際作戦や、違法な辞退届の強要によって餓死者や自殺者を出すなどの事例が少なくありません。冒頭の原理に基づいて本市においては適切に適用されていると認識していますが、相談者数に対する申請者数および決定者数、辞退届の状況、「辞退届」によって自立のめどがあるかどうか客観的に判断せずに保護を廃止したのは違法とされた広島高裁判決の受け止めと本市の対応についても答弁を求めます。

    次に医療券の発行と、分かりやすい保護費の明細書の発行についてです。現在通院等については医療券を発行しているところですが、健康保険証と同じ形式の医療証の交付、当面他市でも実施している夜間・緊急用の医療扶助受給者証の発行が必要だと考えます。また、保護費の明細についても最低生活費や収入認定の額などがわかりやすいものにすることが求められると考えますが、答弁を求めます。

    次に職員の対応についてです。ケースワーカーをはじめとして保護課の職員は、さまざまな制度に精通し、被保護者等に対してもきめ細かい対応が必要です。しかし、一部に活用できる制度等の紹介や説明が不十分であったり、高圧的な対応であったりということでの相談を受けることがあります。研修等を通じて改善が求められると考えますが、答弁を求めます。

    次に職員増をはじめとした体制の整備についてです。

    本市の生活保護の現状は本年8月末時点の保護率で40.24‰、被保護世帯3,431世帯、被保護者は5,338人となっており、8年前の約2倍となっています。しかし、職員数は十分に確保できているとは言えません。市民に適切な対応を行うためにも、自立を支援していくためにも体制の整備は必要です。国はケースワーカー一人当たり80件を標準数としていますが、本市はどのような状況となっているのか、標準数にすればケースワーカーは相当不足していると考えられますが、何人不足しているのか答弁を求めます。

    本市は少人数行政の推進で825人体制を目指していますが、生活保護行政の推進に当たって被保護者の自立等を促進することは、本市財政にとってもまちの活性化にとっても大変重要な課題であり、特別の人員の配置が必要だと考えます。今後の職員の増員、専門職等の配置など今後の体制の整備について答弁を求めます。

     

    【答弁】

    福祉推進部長

    生活保護行政についてであります。

    まず、生活保護の適用における現状と問題点についてでありますが、平成19年度の実相談件数は922件であり、そのうち申請件数は438件、申請率にして47.5%となっております。また、決定件数は430件であります。平成20年度でありますが8月末現在、実相談件数は428件、申請件数は186件、申請率は43.5%、決定件数は183件となっています。

    次に辞退届けの状況でありますが、辞退届けの理由といたしましては、就労収入の増加・扶養義務者の引き取り・婚姻等があり、その件数は、平成19年度が72件、平成20年度は8月末現在で37件となっております。また、広島高裁判決の受け止めと本市の対応についてでありますが、自立のめどが立ったといえないにも拘らず事態届けを書かせた担当者の不適切な対応は生活保護法の基本にかかわる錯誤であると考えております。本市におきましては、判決内容の趣旨を周知徹底し、方に基づき適正に実施しているところであります。

    次に、健康保険証と同じ形式の医療証の交付、夜間・緊急用の医療扶助受給者証及び分かりやすい生活保護決定通知書の発行についてでありますが、健康保険証と同じ形式の医療証については、機会あるごとに府を通じて国に対して要望しているところであり、今後も引き続き要望してまいります。夜間・緊急用の医療扶助受給者証及び分かりやすい生活保護決定通知書の発行につきましては、平成21年度中に予定しております新コンピューターシステム導入に伴い、新たに受給者証を発行するとともに、被保護者の方々に理解していただける様式の生活保護決定通知書に変更していきたいと考えております。

    次に職員の対応についてでありますが、「生存権」を保障する最後のセーフティーネットである生活保護制度の充実を図るために新人研修をはじめ、職場内研修や事例研修等を随時実施しておりますが、今後ともその充実を図り、質の高いケースワークを目指してまいる所存でありますので、ご理解賜りますようお願い申し上げます。

    最後に職員増をはじめとした体制の整備についてであります。現在、職員一人当たり149ケースを担当しており、ご質問のケースワーカ不足数は、国基準の80ケースに換算いたしますと20名となります。保護課における職員配置につきましては、少人数行政に移行する中、被保護世帯の現状に的確に対応するため、再任用職員も活用しつつ、可能な限り職員を配置しているところであります。今後も適正な人員配置と専門的知識を持った職員の充実を図る観点から、来年4月には社会福祉士の採用をしていまいるなど、専門職の配置等を行い、生活保護行政の体制強化に努めてまいりたいと考えております。


    幸福町・中町のまちづくりについてです。

    幸福町・中町のまちづくりについては本年3月「幸福町・中町まちづくり基本構想」が策定され、今年度「基本計画」を策定するとしています。まず、現在までの進捗状況と今後のスケジュールについて伺います。

    次に市民参加、市民意見の反映についてです。構想策定にあたっては「まちづくり市民会議」の設置でワークショップの実施など6回の市民会議が開催され、提言としてまとめられた内容について反映されています。基本計画の策定にあたっても市民参加や市民意見の反映が強く求められています。「基本構想」の素案に対して寄せられた市民意見でも「今後の基本計画の策定については、計画の具体化となってくるので、より一層、市民参加の機会を増やしていただきたい。」との意見が寄せられています。今後の事業展開に向けて取り組むべき主要な課題として、「情報提供を行い官民が協働して一体的なまちづくりを進めていく必要がある」としていますが、①情報の提供はどのようにして行っていくのか②市民参加や意見の反映はどのようにすすめようとしているのか答弁を求めます。

    あわせて中町は公共施設や学校跡地など市民の貴重な財産が集積している地域です。その地域について基本構想における「整備の基本方針図」では防災機能を持った公園、統合中学校ゾーンを除けば「面的整備検討ゾーン」とされています。「公共施設ゾーン」として示されていないことから、市保有地の売却等も視野に入れた面的整備とも取れる内容となっていますが、この点についてどのように考えているのか、市保有地の売却を視野に入れているとすれば、それに対する市民意見の聴取・反映は絶対に欠かせない事項となります。答弁を求めます。

    次に1中、6中の統合についてです。

    1中・6中の統合については基本構想において平成24年度に統合校の開校という方向が示され、それを受け教育委員会としてもこの統合計画を進めたいという考えが先の第2回定例会の文教常任委員会で示され、「今後保護者・地域等への説明会を行わせていただき、市民の皆様のご理解とご協力を得ながらすすめてまいりたい」との報告がありました。

    これを受け、現在までに保護者・地域等への説明会等がどのように行われたのか、そこではどのような意見等が出されたのかまず伺います。

    次に統合についての教育委員会の基本的な考え方についてです。統合に当たっては民間活力導入が検討されていますが、いずれにしても教育委員会として統合についての基本的な考え方を明確にし、すすめていくことが重要だと考えます。教育制度をはじめとした今後数十年間の変遷に対応できる余裕や柔軟性を持った学校づくりが必要だと考えます。統合校についての基現時点での本的な考え方について答弁を求めます。

    次に地域や保護者、学校現場の意見をどのように聴取し反映していくのかについてです。平成24年に統合校の開校ということで、あと3年半ですが建設工期等を考えると、今年度から必要に応じた地域や保護者、学校現場への説明、丁寧な意見聴取と計画への反映を行う必要があると考えます。個別に意見聴取すると同時に様々な問題や課題について交流し、共通の認識を持ち意見聴取することも必要と考えますが、今後の意見聴取、反映の在り方について答弁を求めます。

     次に統合に当たって検討されているPFI方式についてです。現在PFI手法の導入が可能かどうかの検討が業務委託によって行われていますが、その業務の内容、検討過程について、そして方向性が出されているのであればその内容についても答弁を求めます。


    【答弁】

    総合政策部長

    幸福町・中町のまちづくりについてであります。幸福町・中町まちづくり基本計画の進捗でありますが、門真市幸福町・中町まちづくり基本計画策定会議を設置し、平成20731日に第1回策定会議を開催したところ、地権者への意向調査をはじめ、公共施設の配置、事業区域、街区構成及び想定される事業手法等を検討していくことが決められたところであります。

    現在の進捗状況としましては、幸福町及び中町の地権者の意向調査として、所有する建物や生活環境の満足度、将来のまちづくり像及び今後の所有地の利活用などについて、アンケートをお願いしたところであります。今後、このアンケートを参考に種々の検討を重ねてまいります。

    次に、市民参加、市民意見の反映についてでありますが、地元におきまして幸福町・垣内町・中町まちづくり協議会が本年4月に発足しており、この地元協議会と協働してまちづくりに取り組むとともに、予定ではありますが、計画作成の進捗にあわせ、街区構成、事業区域の設定などの検討がまとまった段階で、市民参加のワークショップを考えており、市民意見につきましては、まちづくり基本計画策定会議の場で議論していきたく考えております。

    また、市民の皆様への情報提供でありますが、特段に進捗状況のおしらせや基本計画素案の広報といった形で市民意見を求めることは考えておりませんが、ワークショップの開催などを、基本計画の検討結果などを市民の皆様にお知らせしてまいりたいと考えておりません。

    なお、基本構想でお示しいたしました整備の基本方針図での面的整備検討ゾーンの中に、導入すべき公共施設が配置されるのかを検討し、機能集積及び用地規模などを検討した結果、民間への売却も当然ありうるものと考えており、現在の財政状況など大きな視点に立ち、検討してまいりたいと考えております。こうした検討内容は、先ほどのワークショップの場などで、ご意見をいただくとともに、ワークショップでのご意見を反映した基本計画の街区構成等について、市民意見の聴取方法を検討してまいりたいと考えております。

    次に、統合にあたって検討されているPFI方式についてでありますが、PFI導入検討業務の委託に当たりましては、公募型プロポーザル方式により受託者特定審査委員会の審査結果により契約し、導入検討調査を実施するなど、公平性、透明性の観点から検討してまいりました。

    また、副市長を委員長とする庁内のPFI等検討委員会を設置し、統合校の基本計画案を検討するなど、図書館機能を併設する複合施設案と学校単独案の両案により、PFI導入検討調査を行ってまいりました。その結果、従来方式とPFI方式によるそれぞれのコスト削減の効果を比較検討し、統合校の整備のあり方を単独校としてPFI方式により取り組むことが最適であると判断いたしたところであります。今後は、PFI方式による統合校の整備に向け取り組んでまいりたいと考えておりますので、よろしくご理解賜りますようお願いします。

     

    学校教育部長

    次に1中・6中の統合についてです。

    地域等に対する説明につきましては、現在、学校関係者をはじめ地元自治会の皆様には、統合校の開校時期や校舎高知の場所について、説明をしてまいりました。統合校につきましては、「これからの教育改革に対応できる新しい時代にふさわしい施設・設備を整えた学校づくりを目指す」との観点に立ち、普通教室、特別教室の内容、グランドの規模等について検討しております。特に、特別教室については、少人数教室、英語教室、自学自習室、多目的教室等、学力向上、地域連携に十分活用できる施設整備にしたいと考えております。この尾後、統合校の学校づくりにつきましては、学校現場の教職員・PTAなど学校関係者や地元校区の皆様のご意見を得る場を設定し、ご協力を得ながら、これからの門真の教育を牽引すべきモデル校としての学校づくりを進めてまいりたいと考えております。