[2008.9.29] -[議会活動]
(1)民間老朽住宅の耐震化に向けての補助制度について
(2)市有建築物耐震化について
(3)市民理解と周知・誘導策について
(1)ひきこもり対策について
はじめに「門真市住宅・建築物耐震改修促進計画」についてです。
阪神淡路大震災で25万棟の家屋の全半壊、6434人の尊い命が失われました。その9割にあたる4831人が住宅・建物などの倒壊によって命をなくしています。地震から人命を守るためには「耐震化」促進の速度を強めることが急がれます。
国の「地震防災戦略」・「住宅・建築物の地震防災推進会議」は、平成17年に東海、東南海・南海地震の被害の想定値を、平成27年までに半減させることをめざし、住宅や特定建築物の耐震化率を、現状75%を平成27年に目標90%と決定しました。大阪府では「大阪府住宅・建築耐震10カ年戦略プラン」を策定し、国同様、平成27年に90%の目標としています。
門真市では、府の「10カ年戦略プラン」との整合性を図り「門真市住宅・建築物耐震改修促進計画」を策定しています。
門真市は防災面や住環境において、様々な問題を抱えた老朽化した住宅が数多く残されています。市内全域に老朽住宅が点在し、特に、北部地域密集地域には広範な分布となっています。大地震が危惧されるなか、老朽住宅の建替え促進が急務です。「門真市住宅・建築物耐震改修促進計画」によると、門真市の耐震化率は、住宅が73%、平成27年度90%の目標達成のためには耐震改修の実施件数を約6100戸の上乗せが必要となっています。耐震性が不十分となっている建物は、民間の特定建築物が13%、市所有である市有建築物が61%の状況が示されています。
平成27年度、90%目標達成となっていますが、実質後7年半で、数千戸の耐震化を実行することができるか、人命に係わることだけに問題は重要です。相当の実行ある支援策を促進することが求められます。まずその観点から補助制度についてお伺いいたします。
大阪市では、古いアパートや長屋などの民間老朽住宅建替えについて建設費の補助、建替え前からの居住者にたいする家賃補助、昭和25年以前に建てられた木造住宅の除去費用が3分の2の補助制度があります。さらに、大阪市では今年度、木造住宅の耐震改修費補助について、補助率を15%から23%に、補助限度額を60万円から90万円に引き上げています。また一部屋あるいは一階だけを補強する工事も補助対象となっています。質問ですが、門真市では老朽住宅建替えにかかる建築費補助、従前の居住者にたいする家賃補助、木造住宅の除去費用補助、木造住宅耐震改修費補助についてどうなっていますか、実効ある具体策が求められところですが見解を伺います。
次に、市有建築物の耐震化についてお伺いいたします。
「門真市住宅・建築物耐震改修促進計画」によりますと、耐震化の対象となる市有建築物は175棟のうち、135棟。その135棟のうち耐震診断及び耐震改修未実施は107棟で市有建築物のうち61%が不十分となります。耐震化の対象となる107棟のうち75棟が小中学校で70%も占めています。子どもが一日の大半を過ごすところでもあり、市民の避難場所となる小中学校の耐震化は最優先課題です。そのほか文化会館などの不特定多数の者が利用する建築物12棟、保育所などの多数の者が利用する建築物16棟 市営住宅4棟で、かなりの数となっており、現在の財政状況を考えると、残すところ7年半ほどで90%の目標達成ができるがどうか危惧されます。財政措置について、耐震化の優先順位と耐震診断・耐震化の年次計画についてどのように考えておられるのか、お伺いいたします。
次に、この計画についての市民への理解と周知、リフォームに合わせた耐震改修の誘導などが上げられていますが、相談窓口の設置についての考え方をお伺いいたします。
最後に門真市がこの「耐震改修促進計画」の策定にあったって、「市民の命と財産」を守るためであることを踏まえ、着実に計画の実行に努めることを要望するものです。
【答弁】
都市建設部長
門真市住宅・建築物耐震改修促進計画について、ご答弁申し上げます。
大地震発生時の人的・経済的被害を軽減させるため、昨年度、門真市住宅・建築物耐震改修促進計画を策定したところであり、市域の住宅・建築物の耐震化の促進を図るため、計画に沿って、様々な施策に取り組むものであります。
民間住宅に耐震化に向けた補助制度につきましては、今年度より耐震改修補助制度を創設し、耐震工事に係る費用の15・2%、低所得者においては23%で、上限60万円の補助を行なっています。また163号線以北の密集地域においては、昭和59年より、門真木造賃貸住宅立替事業助成交付要綱に基づき、諸要件を満たしている建替事業に対して、除去費や共同施設整備費等について補助を行なっており、老朽住宅の建替えを促進し、耐震化の向上に寄与しております。
次に、市有建築物の耐震化についきましては、議員ご指摘の通り、耐震診断及び耐震改修が未実施の建物が多く残されていることは認識しているところであります。これらの建築物については、建築用途や災害時に果たす機能などから、計画的に耐震化を推進しなければならないと考えております。
特に、災害時の避難場所にもなっている小中学校の耐震化については、重要であると認識おり、厳しい財政状況ではありますが、国庫補助制度、交付金制度等を活用し、財政負担の軽減を図りながら、耐震化のスピードアップに努めてまいりたいと考えています。
耐震化の促進を図るためには、住民・建物所有者が自主的に耐震化に取り組むことが最重要であると認識しており、現在まで、方法やホームページ、又は、市民講座やFMハナコなどで耐震化の知識普及を図り、その重要性を啓発してまいりました。
また,建築指導課におきましても、従前より、耐震に関するリーフレットの設置や、リフォーム等の相談窓口を設けて、耐震化のPRに努めております。
今後のあらゆる機会をとらえて、大阪府並びに関係機関の連携の下、啓発活動を行なってまいりたいと考えておりますのでご理解賜りますようお願い申し上げます。
2番目に、青年の問題についてです。
若者の引きこもりという社会問題への対応についてです。
厚生労働省は8月23日、引きこもりの人や家族からの相談専門窓口となる(仮称)「引きこもり地域支援センター」を来年度、全ての都道府県と政令指定都市に設置することを決定し、来年度予算の概算要求に関連経費を含め約五億円を盛り込む方針です。本人も家族も悩みを抱え込んでしまいがちなため、相談を寄せてもらうことで支援の第一歩とし、社会参加や就労に繋げたいと述べ、引きこもり対策の認識を明らかにしています。引きこもりの人たちは全国で、推定で数十万から百万人ともいいます。私の知り合いにも30歳を過ぎ、10年以上引きこもっている青年がいます。不登校や引きこもりによって自らを閉ざしてしまった子ども達が年数を経て大人になり、親も高齢となってしまったけれど、そのままの状態を続けていて生活に困窮してしまっている、というケースも少なくありません。「全国引きこもりKHJ親の会」による会員を対象にした調査では、引きこもりの人の平均年齢は30歳を超えているが、学校卒業後は社会との接点が少なくなるなど国や自治体の支援は手薄になるのが実情。引きこもる期間が長期化するほど社会復帰が難しくなることを指摘しています。保健所などで相談を受けているが専門的窓口は整備されていません。
以前、門真市健康福祉センターでおこなわれた、「引きこもりの講習会」に参加させていただきました。その講習会で、引きこもりの人への働きかけは、かなり専門的で慎重な対応が求められること、引きこもりへの支援には、保健、医療、福祉などの各行政機関や、関係するNPO等が連携し、地域のサポートネットワークを整えていく体制が有効であると、引きこもりの青年と接しておられる講師の方が述べられていました。
そこで、質問です。門真市には、引きこもり相談窓口の設置が現在ありませんが、これまでどのように対応されてきたのか、今後どのように進めていくのか、ようやく国が支援に踏み出そうとしているなか、門真市においても、本人の状態や意向に応じて外出できるように社会・参加の機会や福祉サービスなどを紹介するなど、保健、医療、福祉などの各行政機関や、関係するNPOへのサーポートネット窓口体制が必要と考えられますが見解を伺うものです。
【答弁】
福祉推進部長
次に引きこもり対策についてであります。
はじめに今、までの引きこもりの人への対応についてであります。引きこもりの人への対応は、高齢者や青少年など各ライフステージに応じて、その内容も、原因も異なることから現在各部各課におきましてその対応を行なっているところであります。
過去の行きましては、高齢者の引きこもりの場合、大阪府におきましてサブサポーターの養成や、市ではサブサポーターの養成支援事業として講演会を実施したところであります。なお教育委員会生涯学習課では青少年相談室に起きまして、不登校、いじめ、非子守り、学校生活や家庭の悩みなど青少年に関する様々な相談に応じているとことであります。
大阪府におきましては、社会的引きこもり施策の充実を図るため、平成17年11月に守口保健所に「社会的引きこもり」守口・門真地域ネットワーク会議が設置され、本市の障害福祉課、教育委員会生涯学習課のほか、大阪府や守口市、関係団体の参加により実務者会議が開催され、情報の提供や意見交換、理解のための勉強会、引きこもり家庭セミナー等を実施してきたところであります。
議員ご指摘のサーポートネット窓口体制につきましては、現在国がすすめております「仮称ひきこもり地域支援センター」の動向や、現在守口保健所が主催します「守口・門真地域ネットワーク会議」につきましても見直しが図れますことから、市としましても今後研究を進めてまいりたいと考えておりますのでご理解賜りますようお願い申し上げます。