• HOME
  • 門真民報
  • 議会活動
  • 政策・提言
  • 新着情報
  • お知らせ
  • こんにちは。門真市会議員団です。

    2019年第1回臨時会 平成30年度一般会計補正予算(13号)に対する福田英彦議員の質疑・答弁・討論

    [2019.5.23] -[議会活動]

      福田 英彦 議員 

     

    【質疑】

    民生費府補助金、子どもの貧困緊急対策事業費補助金4656千円の減額について質疑を行います。

    この補助金は、本市が実施する子どもの未来応援ネットワーク事業が、大阪府が昨年度に創設した「子どもの貧困緊急対策事業費補助金」の対象となったことから、昨年の第2回定例会において7336千円が追加されたものです。

    今回の補正理由は、ふるさと納税寄附制度等による子どもの貧困対策事業への寄附額の確定に伴い減額するというものですが、具体的には当初は事業費総額を補助基本額としてその2分の17336千円の府補助金を見込んでいたものを事業費総額から貧困対策に係るふるさと納税分9313千円を控除した残りを補助基本額とし、その2分の1268万円が府補助金であるとして4656千円減額するといものです。

    端的に言うと、大阪府が当初予定していた補助金から門真市が受けたふるさと納税分に手を突っ込み、2分の1465万6千円を差し引いたというものです。

    これはあまりにもおかしいと感じ、府の補助金交付要綱に事業費総額から寄附等を控除したものを補助基本額とする旨の規定がないことを確認したうえで、事業担当のこども政策課に減額補正の根拠について説明を求めましたが全く答えることができず、大阪府に対してもその根拠を示すよう求めておらず、財政課もほとんどその内容を確認していませんでした。

    こうしたなかで、府補助金の減額補正に至った経過について、詳細な答弁を求めます。

    私は、先週の13日に大阪府に出向き、子ども室子育て支援課推進グループに対し、ふるさと納税分を事業費総額から差し引き補助基本額とする根拠について説明を求めました。

    その回答は「収入については差し引く」「門真市が受けたふるさと納税分が補助対象事業の子どもの未来応援ネットワーク事業に特定されている」としただけで、ふるさと納税分を差し引く根拠が要綱に明記されていないことを認めつつ、根拠については「確認し回答する」という驚くべきものでした。

    門真市に対しふるさと納税分を差し引き補助基本額とすることを求めながら、その根拠を問われれば説明することもできず「確認し回答する」とは言語道断と言わざるを得ません。

    そしてようやく2日後の15日の夕方に「門真市が受けたふるさと納税分について特定財源と判断した」「寄付金等を差し引くことが示されている総括表も要綱の一部」との回答がありましたが、全く不十分なものです。

    また、ふるさと納税分を補助総額から差し引いて補助基本額とした事例についても示すように求めていましたが、そのような事例はないとのことでした。

     そもそもふるさと納税分を差し引き補助基本額とすることが大阪府の考えなのかどうかについて、16日に大阪府の財務部財政課財務調査グループに問い合わせましたが、大阪府補助金交付規則には明記していないことを認めつつ、統一的には決めておらず部局ごとの判断としている旨回答しましたが、府としての統一的な方針を持っていないということも信じられません。

     さて総務省はこの間、ふるさと納税で得られる寄附金の使途を明確化するよう自治体に繰り返し求めていますが、このことはふるさと納税で得た寄附金が限りなく特定財源の性格を帯び、今回のように補助金から差し引かれる可能性を秘めているということになります。

     このような二律背反ともいえる問題について、17日には総務省自治財政局財務調査課に問い合わせましたが、複雑な思いをにじませつつも否定せず「各団体の判断」との回答でした。

     今回の聞き取りを通じ、ふるさと納税分を事業費総額から控除し補助基本額とすることを国も府も禁じていないことは確認できましたが、これは自治体の財政自主権を侵すことにもつながることから、その趣旨や具体的な基準を規則や要綱等に明記することが不可欠であり、少なくとも今回の場合は根拠も基準も曖昧なことから認められません。

     そこで、私がこの予算補正にあたり問題提起して以降、市として説明できなかった根拠を今日までどのように確認してきたのか、そしてどのような根拠を確認しそれが妥当だとして補正予算の提案に至ったのかその詳細について答弁を求めます。

     

    【答弁・こども部長】

    まず、府補助金の減額補正に至った経過についてであります。

     昨年5月の大阪府子どもの貧困緊急対策事業費補助金交付申請の際には、市としても、補助金交付要綱には、「ふるさと納税寄附金」の取り扱いについての明確な記述がなかったことから、経費全体の2分の1を補助金額として府に申請するとともに、予算担当部署と調整し、同年の6月議会において、補正予算の議案を提出し可決いただきました。

    その後、本年1月下旬に至り、子どもの未来応援ネットワーク事業における企業との連携等について、府と意見交換する中で、寄附金の取り扱いの話になり、府の考え方は、「ふるさと納税寄附金」も府の要綱中の様式にある「寄付金等収入額」に該当し、経費全体から寄附金を除いた補助対象経費の2分の1が補助金額であるということが判明しました。

    市としては、府の補助金規則や要綱等にふるさと納税の取り扱いについての明確な記載がないことから、その後も、担当者が府の担当者と何度かやり取りを行いましたが、府の考え方が変わることはありませんでした。

    寄附金額の確定が見込まれる年度末に至り、再度、担当課長から府に問い合わせをいたしましたが、要綱中の様式が根拠であること等を理由に「ふるさと納税寄附金は収入として差し引いた上で報告いただきたい。」との最終回答でありましたので、歳入予算を変更する必要が生じ、予算担当部署と調整し、今回の補正予算に至ったものであります。

    次に、福田議員の問題提起以降、どのように確認してきたかについてであります。

    再度、府担当課や市町村課に対し、要綱以外の根拠等について問い合わせましたが、これまで以上の回答は得られませんでした。

    市としましては、規則や要綱本文に明確な記載が無いことで、今後他の市町村でも疑義が生じる可能性があると考えたことから、府の担当課に対して、要綱改正等、ふるさと納税の取り扱いの明確化の検討をお願いしたところでありますので、よろしくご理解賜りますようお願い申し上げます。

     

    【答弁・企画財政部長】

    今回の補正予算を専決するにあたりましては、事業所管課に聞き取りを行い、当該補助金の実績報告書様式の控除欄に「寄付金等収入額」が設けられていること及び、ふるさと納税寄附金を補助対象経費から控除する取り扱いについて大阪府に直接確認を取っていたことを確認し、ふるさと納税寄附金が制度上、寄附にあたること等を総合的に勘案のうえ、根拠として妥当性が認められるものと判断し、ふるさと納税寄附金額の確定と合わせて、子どもの未来応援ネットワーク事業の財源構成を変更する補正を行ったものでありますので、よろしく御理解賜りますようお願い申し上げます。

     

     

    【再質問】

    府の考え方は、「ふるさと納税寄附金」も府の要綱中の様式にある「寄付金等収入額」に該当し、経費全体から寄附金を除いた補助対象経費の2分の1が補助金額であることが1月下旬に至り判明したのと答弁でした。

    本来ならば、この時点で補正の必要性が出てきたわけですから、寄附金の確定を待つまでもなく、まず3月議会に補正予算を提案しなければならなかったわけですが、なぜ3月議会に提案しなかったのか、答弁を求めます。

    また、「市としましては、規則や要綱本文に明確な記載が無いことで、今後他の市町村でも疑義が生じる可能性があると考えたことから、府の担当課に対して、要綱改正等、ふるさと納税の取り扱いの明確化の検討をお願いしたところである」とのことですが、具体的にどのような内容でお願いし、どのような回答がされたのか、答弁を求めます。

    今回の件で、大阪府や総務省にも聞き取りを行い感じたことは、府の子育て支援課の判断は誤りで、実はふるさと納税を場合によっては特定財源と認定して、事業費総額から控除し補助基本額とするという考えは全くないのではないかということです。

    そこで市長にお伺いしますが、この問題についてどのように考えておられるのか、大阪府に問題提起し撤回を求めるべきと考えますが、答弁を求めます。

     

    【答弁・こども部長】

    まず、なぜ3月議会に提案しなかったのかについてであります。

     先程ご答弁申し上げましたとおり、1月下旬に府の考え方が示されたものの、ふるさと納税寄附金の取り扱いについて、規則や要綱本文に明確な記載が無いことから、担当課としては、補助金対象経費からふるさと納税寄附金を控除することに疑義があったため、3月にかけて、府と何度かやり取りを行ってまいりましたが、寄附金額の確定が見込まれる年度末に至り、担当課長から府への最終確認をもって、判断いたしましたので、結果3月議会において、議案とするかどうかの調整を行うことができませんでした。

    次に、具体的にどのような内容でお願いし、どのような回答がされたのかについてであります。

    先程ご答弁申し上げましたとおり、ふるさと納税寄附金の取扱いについては、規則や要綱本文に明確な記載が無いことで、今後他の市町村でも疑義が生じる可能性があると考えましたことから、要綱改正等、ふるさと納税の取り扱いの明確化の検討をお願いいたしましたが、府からは対応するかしないかについての回答はございませんでした。

    以上のような経過でございましたので、よろしくご理解賜りますようお願い申し上げます。

     

      【答弁・企画財政部長】

    大阪府に問題提起し撤回を求めることについてでありますが、当該補助金は大阪府が府の規則及び要綱に基づいて実施した事業であり、ふるさと納税寄附金を補助基本額から控除する運用につきまして、考え方は様々あるものの、現状のルールに基づき交付されるものと認識しておりますことから、撤回を求めることは考えておりません。

    今後の対応といたしましては、寄附者に選んでいただいている「寄附金の使い道」について庁内調整を図り、ふるさと納税寄附金を、より効果的に事業に活用できるよう努めるとともに、当該補助金の制度のあり方については、今後、府と適切に協議してまいりますので、よろしく御理解賜りますようお願い申し上げます。

     

    【討論】

    日本共産党議員団を代表し、承認第3号専決処分の承認を求めることについて(平成30年度門真市一般会計補正予算(第13号)について、反対の立場から討論を行います。

    今回の補正で認められないのは、民生費府補助金、子どもの貧困緊急対策事業費補助金の4656千円の減額です。

    この補助金は、本市が実施する子どもの未来応援ネットワーク事業が、大阪府が昨年度に創設した「子どもの貧困緊急対策事業費補助金」の対象となったことから、昨年の第2回定例会において7336千円が追加されたものです。

    今回の補正理由は、ふるさと納税寄附制度等による子どもの貧困対策事業への寄附額の確定に伴い減額するというものですが、具体的には当初は事業費総額を補助基本額としてその2分の17336千円の府補助金を見込んでいたものを事業費総額から貧困対策に係るふるさと納税分9313千円を控除した残りを補助基本額とし、その2分の1268万円が府補助金であるとして4656千円減額するといもので、端的に言うと、大阪府が当初予定していた補助金から門真市が受けたふるさと納税分に手を突っ込み、2分の1465万6千円を差し引くというものです。

    質疑でも述べましたが、総務省がふるさと納税で得られる寄附金の使途を明確化するよう自治体に繰り返し求め、ふるさと納税で得た寄附金が限りなく特定財源の性格を帯びるなかで、大阪府の一部局がふるさと納税分を補助金から差し引くという想定外の取り扱いをしたことに対し、総務省や大阪府の財務担当者も禁止規定がないことから否定できず、「各団体の判断」「部局ごとの判断」だと責任放棄の回答を行ったことは、自治体の財政自主権を侵すことを容認したもので大問題と言わざるをえません。

    百歩譲って、ふるさと納税分から差し引くということがあり得るとしても、そのときは、ふるさと納税分を補助金から差し引く場合があることと、その場合の基準を条例や規則、要綱等に明確にすることが不可欠となります。

    しかし、質疑で明らかとなったことは、その不可欠の要素が曖昧であるにもかかわらず、市の事業担当、財政担当も「疑義がある」まま放置し、最終的には府の一部局の勝手な判断に対し、唯々諾々と従ったというものです。

    門真市はふるさと納税寄附金の使い道を明確にしています。

    その第2項の「貧困の連鎖を断ち切り、子どもの夢や希望を支援!」では、「子どもの貧困が社会問題としてクローズアップされるなか、貧困の連鎖を断ち切り、子どもが将来の夢を諦めず自立できるように、支援を必要とする子どもや保護者の発見、支援、見守りなどを、門真市一丸となって行う、「子どもの未来応援ネットワーク事業」を実施しています。本事業は、支援等を行う専門家チームと、市民の中から登録いただいた、子どもの未来応援団員が連携して推進するものです。こちらへの寄附金は、「子どもの未来応援ネットワーク事業」など、子どもが健やかに育つための取り組みに活用させていただきます。」としています。

    この趣旨に賛同し寄附された方々は、よもや大阪府にその半分を持って行かれることになるとは思っておられなかったでしょう。

    今回の補正は、門真市の実施する子どもの未来応援ネットワーク事業をはじめとした「貧困の連鎖を断ち切り、子どもの夢や希望を支援」する事業に寄附金を使ってほしいとの寄附者の思いを踏みにじるに等しい行為であると言わざるをえず、絶対に認められません。

    雄弁な市長から直接答弁が無かったことは非常に残念ですが、「当該補助金の制度のあり方については、今後、府と適切に協議」するとの答弁もありますので、今後の推移を注視していくことも合わせて述べて討論とします。