[2019.3.6] -[議会活動]
1.市長の政治姿勢について
(1)国民の願い踏みにじる安倍暴走政治について
現在、国会において新年度予算案の審議が行われていますが、低所得者の後期高齢者医療保険料の大幅値上げ、生活保護費の一層の切り下げ、マクロ経済スライドによる年金の実質減額など、国民負担増と給付削減が盛り込まれるなど、「消費税増税は社会保障のため」との口実は既に破綻したものとなっています。
また、8%増税を契機に家計消費の落ち込み、安倍首相が繰り返す「所得環境は着実に改善している」との主張も、勤労統計調査の不正問題の議論を通じ、実は実質平均賃金が6年間で10万円も引き下がっていることが明らかとなり、増税の根拠は総崩れとなりました。
さらに、消費税増税のための「景気対策」なるものは最悪で、クレジットカードなどのキャッシュレス決済時に行う「ポイント還元」は、複数税率とセットになると「買う商品」「買う場所」「買い方」によって税率が5段階にもなり、混乱、負担、不公平をもたらすことから、日本スーパーマーケット協会など流通3団体は、ポイント還元の見直しを求める異例の意見書を昨年12月に政府に提出。「消費者にとっては極めて分かりづらい制度となり、日々の買い物において必要のない混乱が生じるのではないか」などと強い懸念を表明しています。
景気対策というのなら、消費税増税をしないことが最大の景気対策です。
日本共産党は、空前のもうけを手にしている富裕層と大企業への優遇税制にこそメスを入れるべきとして、大企業に中小企業並みの税負担で4兆円、法人税の減税バラマキ中止で2兆円、富裕層への適正課税で1.2兆円など、10%への増税分の財源を示しています。
10月の消費税増税は、暮らしも経済も壊していくことは確実です。
国の悪政の防波堤となって市民の暮らしを守るべき自治体の長として、少なくとも10月の増税は中止することを国に求めるべきと考えますが、答弁を求めます。
あわせて、毎月勤労統計の不正をはじめ、この間の政府の嘘と隠ぺい、自衛隊に適齢年齢の名簿を渡さない「非協力的な自治体がある」と憲法9条に自衛隊を書込む狙いを明け透けに語り戦争する国づくりをすすめる安倍暴走政治については、地方自治体の長として見過ごせないと考えますが、その認識について答弁を求めます。
消費税増税につきましては、国において様々な要素を踏まえ、政策的に判断されるものであると考えておりますが、市民の暮らしに大きく影響するものであることから、将来にわたり持続的に住民福祉の増進を図る地方自治の責務が果たせる制度として、国民の理解が得られる運用が図られるよう、必要に応じて働きかけてまいります。
次に、安倍政権に対する認識についてでありますが、国の動向につきましては、様々議論がなされている状況であり、国民の安全・財産を守るべく、適切に対応されるべきと考えております。
(2)府民不在の維新「大阪都構想」について
11月27日と12月18日にそれぞれ任期満了を迎える大阪府知事と大阪市長の選挙の実施時期をめぐって、連日その動向が注目されています。
2015年の住民投票によって大阪市民が「No」と判断した「大阪都構想」について、「勝つまでじゃんけん」と言わんばかりに法定協議会の開催を強行し、住民投票を迫り、協議が行き詰るや否や公明党との「密約」なるものを暴露し、統一地方選挙と同じ日程で知事と市長が入れ替わる「たすき掛け」でのダブル選挙という大阪府民と大阪市民を愚弄し蚊帳の外に置くなど、「大阪都構想」のためには手段を択ばない維新政治の本質が露わとなっています。
その「大阪都構想」なるものは、大阪府・市民のものでもなんでもなく、大阪市を解体し、税源と財源を大阪都に吸い上げ、カジノ誘致をはじめとした大阪臨海部のベイエリアの大開発、旧来型の無駄な大規模開発をどんどん進めていこうというのが狙いです。
このようなことがもし進められるならば、衛星都市にも深刻な影響をもたらすことは避けられません。
市長は、大阪維新の会の顧問として名を連ねられていますが、「大阪都構想」が門真市にそして市民にどのような影響をもたらすと考えているのか、統一選挙と同日程のダブル選挙など、なりふり構わず大阪都構想を進めようとする大阪維新の会に対する認識について答弁を求めます。
「大阪都構想」が門真市にそして市民にどのような影響をもたらすと考えるかについてでありますが、現状、大都市制度(特別区設置)協議会において、具体的な制度設計について議論、協議がなされているところであります。その中で、二重行政の解消などに向けた取組が、府全体における経済等に好影響を与えると考えますが、引き続き、本市及び市民への影響について、注視してまいりたいと考えております。
次に大阪維新の会に対する認識についてでありますが、大阪維新の会マニュフェストに「住民の皆様と徹底的に意見交換した上でその設計図を完成させ、住民投票でご判断いただきたい。」としており、住民を主体とした議論が進められるべきであると認識しております。
(3)カジノとセットの大阪万博開催の問題点について
この問題については、昨年の第4回定例会一般質問でも質しましたが、「誘致に向けて議論が進められているカジノを含むIR立地につきましては、懸念される事項はありますものの、新たな魅力の創造にもつながるものであり、万博も含め、大阪・関西の将来像を考える上では、成長や発展につながる積極的な投資策であると捉えている」と危機感のない答弁でした。
しかし、2月12日の第10回IR推進会議で提案された「大阪IR基本構想(案)」で初めて明らかにされた事業規模と内容は驚くべきものでした。
敷地面積約60ha、投資規模9300億円で、年間延べ利用者2480万人を見込み、年間売り上げ4800億円のうち8割の3800億円をカジノで見込むというもので、「新たな魅力と創造」とはかけ離れ、予定地としている夢洲はまさに「賭博洲」になると言わなければなりません。
このIRは2025年の大阪万博に先駆け2024年に開業するとされており、賭博洲での万博開催は前代未聞です。
施政方針では、2025年大阪万博には触れながら、2024年の開業を目指すIRについて一言も触れられませんでした。
このようなとんでもないものですから触れたくても触れられなかったと考えますが、なぜIRについては触れなかったのか、「まだ招致も決まっていないから」と言い逃れではなくしっかりとした答弁を求めるとともに、この基本構想案についての認識も併せて答弁を求めます。
さて、大阪万博の開催については、歓迎や期待する声も少なくありません。
日本共産党大阪府委員会は、大阪万博の開催決定直後に、「万博を口実にした巨大開発のムダづかいやカジノ誘致には断固反対」しつつ、「広範な府民のみなさんとともに、『大阪万博』の進め方について議論・検討と提言をすすめていく」ことを委員長のコメントとして述べました。
この点で注目しているのが、先日守口市の西端市長が、守口門真商工会議所の新年互例会の挨拶で、分散開催の可能性もあることから、鶴見緑地の誘致を門真市長と連携して取り組んでいきたいと表明したことです。
鶴見緑地は、1990年4月から、9月まで「国際花と緑の博覧会」が開催され、2015年の「誘致構想検討会」では開催候補地の一つにも挙げられていました。
災害に対し脆弱で、アクセス整備も今後莫大な経費を伴う夢洲開催よりも、鶴見緑地で分散開催ではなく大阪万博全体を誘致することも検討してはと考えますが、守口市と連携した分散開催の誘致の現状と合わせて答弁を求めます。
そして、最後にIRカジノとセットではない万博開催を大阪府・市に強く求めるべきと考えますが答弁を求めます。
大阪・関西万博については、大きな経済波及効果等が見込まれており、大阪経済の更なる活性化と将来に向けた投資と捉えております。また、IR事業につきましても、万博との相乗効果により一層の効果が期待できることから、IR事業を「とんでもないもの」と考えているわけではなく、これまでの市としての誘致活動を鑑み、施政方針では大阪・関西万博のみ触れさせていただいたものであります。
また、大阪IR基本構想(案)につきましては、大阪IRのめざす姿として有すべき機能や施設、懸念事項の最小化に向けた取組としてギャンブル等依存症対策や治安・地域風俗環境対策、地域の合意形成に向けた理解促進など、大阪府及び大阪市において、外部有識者・経済界で構成するIR推進会議での議論を踏まえたものであると認識しております。
次に、鶴見緑地での万博会場の誘致についてであります。
大阪・関西万博については、BIE総会において夢洲を会場としての開催が決定されていることから、鶴見緑地での全体誘致について検討の余地はないものと考えております。
また、大阪市において鶴見緑地を万博のサテライト会場として検討されていることは、報道等により聞き及んでおり、守口市長の発言についても理解しておるところであります。現時点において、正式な申出はございませんが、具体的な協力依頼があれば、検討することとしております。
先ほどもご答弁申し上げましたとおり、IR事業や万博の開催につきましては、大阪のみならず、関西やその他地域への大きな経済効果が見込まれており、大阪IR基本構想(案)に基づくIR事業と万博が成功することを期待しております。
(4)「暮らしの支え」となる市政運営について
市長は施政方針で門真を「誇りと愛着の持てるまちへと変える」決意で「多くの種を撒きそれが芽吹き育つよう取り組んできた」と述べ、本年を「変化の年」として、「市民に安心して暮らしていただけるよう取り組みを進める」とともに、「変化の年を好機ととらえ、市民目線に立ちつつチャレンジする気持ちを忘れない市政運営を行っていく」「市政が皆様の暮らしの支えになるよう全力を挙げて市政運営に努める」としました。
そして、「市民の皆様とともに手を携えながら、市民の目線に立った市政運営に注力」すると締めくくりました。
耳障りのいい言葉が並べられていますが、具体的なものが見えづらく、逆に高い国保料の更なる引き上げと収納率向上の取り組みをはじめとして「市民の暮らしを脅かす」と危惧されるものが見受けられ、市民を蚊帳の外に置いたまちづくりが進められようとしているように感じます。
仕事始めのあいさつにおいても、「市民に寄り添う」市政運営を強調しましたが、「市民の暮らしの支え」となる市政運営、「市民の目線」に立った市政運営、とはどのようなものなのか、新年度の施策にどのように表れているのか、具体的に答弁を求めます。
「市民の暮らしの支えとなる」、「市民の目線に立った」市政運営につきましては、子どもを真ん中においた地域づくり、まちづくりの施策や災害対策をはじめ市民の皆様の意見を肌で感じながら、困っている、厳しい思いをされている市民の方に寄り添う形で手を差し伸べられるような市政運営であると考えております。
このことから新年度の施策におきましては、災害時の備えとしての取組、地域に根差した子育て・教育施策の充実、産業の振興と身近で働ける場の創出などについて盛り込んだところであります。
(5)市役所のAI/RPA化について
施政方針では、 「少数精鋭によるスリムで効率的かつ機動的な行政組織を維持しつつ」「アウトソーシングや AI/RPA等の先端テクノロジー を含む様々な資源を積極的に活用していく」とした昨年8月策定の「行財政改善アクションプラン」に基づく取り組みを積極的にすすめていくとして、先端技術の活用の検討や業務改善活動の全庁的な展開に取り組むとしました。
AIは人工知能、RPAはロボティック・プロセス・オートメーションの略で、様々な市役所業務を自動化しようというものです。
これまで、「民間でできるものは民間」と業務委託や民営化を進め、「少数精鋭」と職員の削減を進めることによって、専門性の後退と多忙化による人為的なチェック漏れによって引き起こされた問題があちらこちらで発生しています。
こうした問題を解決する手段としてAI/RPA化を進めようとするものですが、専門性はさらに後退し、どのような制度や仕組みで業務が進められているのかがわからず、「ブラックボックス」化し、情報漏洩や個人情報の管理など十分にチェックもできなくなるなど多くの問題点があり、導入結論ありきではなく、導入すべきかどうかから慎重に検討すべきと考えます。
この点について現在どのような検討が行われているのか、導入のリスクに対する認識も含め答弁を求めます。
RPAにつきましては、単純な定型業務への活用が有効であると考えており、職員が専門性の高い業務などに注力できるよう、導入に向けた検討を行っているところであります。
AIにつきましては、会議録作成の迅速化を目的とした音声認識システムの運用を予定しておりますが、個人情報などの情報管理に配慮したAI学習環境の構築など、鋭意検討を行っているところであります。
いずれにいたしましても、AI/RPAの活用においては、適切な情報管理をはじめ、運用面での可視化を行うことやフォローアップ体制を確立するなど、導入リスクを軽減し、円滑に実施できるような対策を引き続き検討してまいりたいと考えております。
(6)「2025年問題」決議について
本定例会開会日において、「2025問題における諸課題に対し全庁的な体制を構築することを求める決議」が全会一致で採択されました。
その内容を詳しく触れることはしませんが、「効率的かつ機動的な行政組織」を言いながら、これまでくすのき広域連合による介護保険事業の運営についての検証はほとんどされず、議会として「広域連合を軸として地域包括ケアシステムと介護保険制度を実施していく制度運用上の課題」があるとして、改善を求めるものとなっています。
1月25日に開かれた2025年問題調査研究特別委員会の審査でも指摘しましたが、2025年問題対策検討委員会の報告内容は、率直に言って「総花的」という印象で、高齢化対策ではくすのき広域連合の在り方について全く議論されず、地域包括ケアシステムの構築には全く触れられなかったこと、少子化対策では待機児童解消問題があれこれの一つとして扱われ重点となっていないことなど、議会との温度差を強く感じるものでした。
こうした中で、この決議をどのように受け止めているのか、くすのき広域連合の在り方も含め今後真剣に検証しようとしているのか、決議を受け今後どのように検討を進めていこうとしているのか答弁を求めます。
「2025年問題における諸課題に対し全庁的な体制を構築することを求める決議」の重みを十分に認識するとともに、その主旨を深く受け止めているところであります。
本市といたしましては、「門真市2025年問題対策検討委員会」においての検討内容を踏まえ、第6次総合計画を策定するとともに、各課の個別計画等において、具体的な施策の検討を深め、すぐに取組を開始する事業については、平成31(2019)年度の事業提案で予算計上いたしております。
今後につきましては、引き続き各部局が危機感を持ち、再度各課において課題を見つめ直し、所管する分野において何をすべきか再考し、全庁にまたがる課題と捉え、2025年問題における諸課題の解決に向けて取り組んでまいります。
また、くすのき広域連合の在り方につきましては、議会での質疑や2025年問題調査研究特別委員会等、問題提起がなされていることは真摯に受け止めております。
そのような中、検討委員会におきましては、今後迫りくる高齢化社会における課題を共有し、その課題の一つとして、介護保険利用者の増加を見越した方向性について議論を重ねてまいりました。
現在、くすのき広域連合が実施している介護保険事業に係る評価・効果検証業務の結果を踏まえ、スケールメリットを活かした事務の最適化、市民にとっての有益性の向上を図り、くすのき広域連合と共に適切な介護保険の推進に鋭意取り組んでまいりたいと考えております。
2.国の悪政の防波堤となり市民の暮らしを守る施策について
(1)府下統一後の高い国保料の引き下げについて
国民健康保険加入者の一人当たりの平均保険料は、政府の試算でも、中小企業の労働者が加入する協会けんぽの1.3倍、大企業の労働者が加入する組合健保の1.7倍という水準で「払いたくても払えない」ものとなっていて、「市民の健康が守られる」制度とは程遠くなっています。
そして、この高い国民健康保険料に対し自治体独自に減免制度を創設し、その軽減が図られてきました。
しかし、今年度からの国民健康保険の都道府県化により、とりわけ大阪府の特異な方針によって、2024年度には統一保険料で減免基準も統一するなど、高い保険料を一律に各自治体に押し付けようとしています。
2月18日に門真市国民健康保険運営協議会が開かれ、新年度の新たな保険料率と限度額を4万円引き上げるという諮問内容通り答申されることとなりました。
これによって激変緩和措置は講じられるものの、今年度より大幅に保険料を引き上げようというもので、夫婦とこども二人の四人世帯で、基準総所得500万円では昨年度よりも27,540円引き上げられ88万8,640円で基準総所得の約18%を占め、同じく4人世帯で2割軽減のかかる基準総所得200万円では昨年より10,460円引き上げられ、43万7,960円で基準総所得の約22%を占める保険料となるなど、高い保険料がさらにひどくなり、まさに「払いたくても払えない」保険料となります。
そしてこの高い保険料は、2024年度からの保険料と減免基準の統一で更に過酷なものになります。
高すぎる保険料を引き下げるためには公費を投入するしかありません。
全国知事会、全国市長会、全国町村会なども、国民健康保険事業に対する国庫負担の増額を政府に要望し続けており、2014年には、公費を1兆円投入して、協会けんぽ並みの負担率にすることを政府・与党に求めました。
門真市としてもあらためて国に強く求めるべきと考えますが答弁を求めます。
そして、保険料と減免基準の統一という全国でも特異な大阪府の方針を見直すよう大阪府に求めることです。この点についても併せて答弁を求めます。
さらに、無慈悲な保険証取り上げや強権的な差し押さえをやめることを求めますが答弁を求めます。
国民健康保険においては、高齢化の進展により医療費が増え続ける状況に加え、被用者保険に比べて被保険者の年齢構成が高く、また、所得水準が相対的に低いという制度の構造的課題についても保険料負担の増加要因となっていることから、社会情勢や制度そのものに起因する保険料増加の抑制がなされるよう、国庫負担のさらなる増額については引き続き、市長会等を通じて国に要望してまいります。
また、保険料及び減免基準については、大阪府においては「府内で同じ所得・同じ世帯構成」であれば、「同じ保険料額」となるよう、被保険者の負担の公平化の実現のために統一することとしたところであります。
保険料率を統一したことによる被保険者の負担増に対しては十分な財政措置を講じるとともに、減免に係る府内共通基準については、市町村が独自の基準で実施してきた経緯等に十分に配慮したうえで、必要な措置を講じるよう府に要望してまいります。
次に、保険証取り上げや、強権的な差し押さえをやめることについてでありますが、
短期証及び資格証明書の交付につきましては、国民健康保険事業の健全運営及び被保険者間の負担の公平性を図ることを目的に、門真市国民健康保険短期被保険者証及び被保険者資格証明書の交付並びに保険給付の一時差止等の事務取扱要綱の規定に基づき、適切に実施しております。
平成30年度に交付した短期証の世帯数は、3カ月証690世帯、国保加入世帯の3.2%、6カ月証267世帯、1.2%、資格証明書261世帯1.2%となっており、29年度と比較して、全体で10.5%の減少となっております。
平成30年度の差押件数については、31年1月末現在、預金債権1,111件57,535,642円、生命保険67件、不動産10件となっており、生命保険のうち、学資保険の差押えは執行しておりません。
差押えにつきましては、再三の催告行為による自主納付を促すものの、相談もなく、納付に誠意が見られない方に対して、差押を執行しています。これは、被保険者間における負担の公平性の観点から、止むを得ず執行しているものであり、決して強権的な差押えを行っているものではありません。
(2)府下2番目に高い介護保険料の減免制度創設と高齢者施策の充実について
第7期介護保険事業計画の介護保険料の基準額は、第6期から372円引き上げられ6,748円で、政令市を除くと6,750円の田尻町に次いで府下2番目に高くなっており負担は限界です。
独自の減免制度創設で、高い保険料の軽減策が欠かせないと考えますがまず答弁を求めます。
高齢者施策の充実については、住み慣れた地域で安心して暮らせる施策の充実が求められていますが、施政方針の「高齢者福祉の充実」では、残念ながら曖昧な言葉の羅列ばかりで、具体的な施策が全く見えてきません。
「子どもを真ん中においた地域づくり、まちづくり」を進めるというのなら、温かいまなざしで子どもを見守る高齢者のみなさんに対する施策を具体的に充実させていくことが強く求められているのではないでしょうか。
新年度の「高齢者福祉の充実」の新たな施策、重点施策について具体的に答弁を求めます。
くすのき広域連合における介護保険料の設定につきましては、高齢者人口や要介護認定者数、サービス量等、今後の推移を勘案して設定しており、低所得者の保険料軽減は、国・府に対して要望を行っているとのことでございます。
独自の減免制度を創設した保険料軽減策につきましては、介護保険制度の運営は保険料や国・府・市の公費負担による独立した財政運営をすることとされ、平成12年11月30日付の国の事務連絡において、市の一般財源投入による保険料軽減は適当ではないとされております。本市といたしましても、このことから独自の減免制度は考えておりません。
しかしながら、保険料の増加は全国的な課題であり、財源構成を含めた抜本的な制度改正など、引き続き、国、府に対し、広域連合とともに要望してまいります。
次に、新年度の高齢者福祉の充実の新たな施策、重点施策についてであります。
まず、高齢者の健康づくり推進事業は、介護予防事業の通いの場の充実や、地域包括支援センターが開催する介護予防教室を継続するとともに、健康づくりの推進に関する協定を締結した市内企業や老人福祉センターなど公共施設とも連携し健康に関する意識の向上、運動の機会の提供等を推進してまいります。
また、一人暮らしの高齢者等が増加していることから、関係団体や民間企業等と協力体制を拡充し地域の見守り体制の強化を図るとともに、終活支援事業として、自分らしく生ききることができ、本人の遺志が実現できるよう、終活課題の相談窓口や葬儀や納骨等に関する希望を登録管理するための方策等の支援体制を検討してまいります。
(3)基準引き下げのもとで親身な生活保護行政について
食費や光熱費など日常生活費に充てる「生活扶助」の支給基準を見直し、昨年10月から生活保護利用世帯の約7割で生活扶助費の引き下げが強行されました。
2018~2020年まで毎年10月に段階的に生活扶助費が引き下げられ、全て実施されれば、予算規模では国と地方合わせて年210億円が削減されることとなり、都市部の高齢単身世帯や子どもが多い世帯に特に影響がおよび、減額幅は最大5%。都市部の「40代夫婦と子ども2人(小・中学生)の世帯」の場合、最終的には受け取る生活扶助費が年10万円以上も少なくなるとされています。
2012年末に第2次安倍政権が発足して以来、生活保護削減を相次いで強行、すでに削減額は年1270億円にのぼり、昨年10月からの保護基準引き下げは深刻な影響を及ぼしています。
そのうえに、本市において申請者や利用者に対し法に基づく運用が適切になされていない状況も見受けられます。
国に基準引き下げ中止を強く求めるとともに、「市民の暮らしを支える」市政運営というのなら、申請者や利用者の状況を正確に把握するとともに、親身な対応で適切に生活保護行政を進めることが求められると考えますが、答弁を求めます。
生活保護基準改定につきましては、一般低所得世帯の消費実態との均衡を見極めるため、5年に1度、厚生労働省の社会保障審議会等において、全国消費実態調査のデータ等を用いて、専門的な見地から検証し、国の責任において平成30年10月より実施されておるところでございます。
そのような中、本市といたしましては、生活保護基準改定による生活への影響や不安も考えられることから、全生活保護受給世帯へ基準改定に関する文書の送付や訪問などを通じ、丁寧に周知を図ってまいりました。
また、法に基づく適切な運用及び親身な対応につきましては、大阪府や関係機関が実施する研修会への参加、課内研修を通じて情報共有を行い、幅広い知識の向上を図るとともに、より一層丁寧な聞き取りや説明を行うなど、生活状況に沿った、適正な生活保護の実施に努めてまいります。
(4)中小企業への支援の充実について
中小企業への支援の充実については、「女性雇用環境整備補助事業」が創設されたことは一定評価できるものですが、「市内企業が持続的に発展」していけるように、安全安心のまちづくりに寄与するリフォーム助成制度の創設や融資制度等の充実などきめ細かな施策が求められています。
リフォーム助成制度は、府下においても4自治体(住宅で泉大津、泉佐野、藤井寺)、(店舗で茨木)で実施されていますが、バリアフリーや耐震化の促進と小規模企業振興基本法の基本原則にもとづき、本市において実施することを求めますが答弁を求めます。
また、融資制度については、枚方市・守口市・大東市で実施されている開業サポート資金、枚方市・守口市・寝屋川市で実施されている市町村連携型の小規模企業サポート資金など、大阪府の融資制度の活用で、きめ細かな支援が必要と考えますが答弁を求めます。
あわせて、小規模企業基本法を活かし、市の責務と役割を明確にし、中小企業・中小業者の持続的発展ができるよう「門真市中小商工業振興基本条例」を制定することを本格的に検討すべきと考えますが、必要ないとするのならその理由も含め答弁を求めます。
まず住宅リフォーム助成制度につきましては、地域経済活性化に寄与する一つの施策として考えられるところでございますが、現在、本市の職住近接を活かして、雇用の創出や環境整備等の施策の充実を図ることで、中小企業を支援しており、優先して実施する施策として考えておりません。
次に、融資制度につきましては、現在、府の小規模企業サポート資金や国の小規模事業者経営改善資金融資などの活用の周知や窓口案内をしているところであります。
さらに、設備投資や販路開拓等にかかる費用については、国のものづくり補助金、小規模事業者持続化補助金、IT導入補助金の活用をする際に申請支援などをしているところであり、開業サポート資金や市町村連携型小規模企業サポート資金の融資の実施は予定しておりません。
次に、「門真市中小商工業振興基本条例」を制定することにつきましては、「第5次総合計画」及び「まち・ひと・しごと創生総合戦略」で本市の中小企業振興の施策の策定をしており、また、先端設備等導入に関する固定資産税の特例措置など個別に施策の実施をしていることから、条例を制定することは予定しておりません。
3.災害に強い安全・安心のまちづくりについて
(1)昨年の地震、台風を教訓にした災害対策について
施政方針では、昨年を「災害が相次いだ1年」だとし、防災・減災への取り組みをすすめると述べましたが、災害対策や地震対策の強化については市内23ヵ所の指定避難所の公衆無線LAN環境の整備とブロック塀等安全対策促進事業補助制度の延長以外は残念ながら具体性に乏しいと言わざるを得ません。
昨年の大阪北部地震及び台風などの災害を教訓に、より実効性の高い活動を行うため「門真市地域防災計画」や「市職員初動要領」をはじめとする各種マニュアルを見直すとしていますが、昨年の災害からどのような教訓や課題が明らかとなったか、教訓・課題に対する今後の災害対策についての考え、「門真市地域防災計画」や「市職員初動要領」などの見直しの具体の内容について答弁を求めます。
まず、「門真市地域防災計画」の見直しにつきましては、「大阪府地域防災計画」が、平成30年の地震、台風を踏まえた修正が行われることと整合性を図る形で見直しを行ってまいります。
また、平成30年の災害での教訓を活かした見直しにつきましては、北部地震における職員参集状況調査及び台風接近に伴う一時避難所開設における避難所従事者等に対してヒアリングを行ったところであり、「門真市地域防災計画」及び「門真市職員災害時初動要領」をはじめとする各種マニュアルの見直しへ活かしてまいります。
災害の教訓を活かし、今後も、様々な規模の災害に対して市全体で迅速・適切に対応できるよう体制の強化を進めてまいります。
(2)古川橋駅北側のまちづくりについて
古川橋駅北側の幸福町東・垣内町地区については、市独自の活用方策を全く検討することなく、旧第一中学校跡地の市保有地8,600㎡を「原則売却」とする方針を決定したことについてこれまで繰り返し問題点を指摘するなかで、庁内プロジェクトチームの設置で跡地活用について民間事業者の参画可能性調査(サウンディング調査)が実施されようとしています。
昨年12月の総務建設常任委員会では、「施設配置イメージ案等を踏まえて、事業手法等の最適な事業スキームを確立するものであり、生涯学習複合施設建設基本計画の内容や各施設の配置をゼロベースで見直すというような大きな影響を与えるものではない」との答弁がありますが、企業や開発会社言いなりのまちづくりではない住民合意のまちづくりが求められます。
具体的に今後どのように進めていくのか、昨年12月25日に門真市幸福町・垣内町・中町まちづくり協議会等と締結した協定書の内容と締結に至る経過、民間事業者の参画可能性調査との関係、住民説明会実施の考えについてあわせて答弁を求めます。
幸福町・垣内町地区における今後のまちづくりの進め方につきましては、引き続き、地区内の地権者に個別説明を行いながら、事業区域を確定し、土地区画整理事業導入に向けた手続きを進め、早期の土地区画整理組合の設立を目指してまいります。
旧第一中学校跡地の市有地につきましては、生涯学習複合施設、交流広場、高層共同住宅・商業・サービス等ゾーンを一体的に整備することで、統一感のあるまちづくりを進めたいと考えております。
そのため、整備活用方法等を検討し、最適な事業手法を確立した後、一体的に整備する民間事業者の募集・選定の手続きを進めてまいります。
門真市幸福町・垣内町・中町地区まちづくりに関する協定書についてであります。
本協定は、官民連携により、まちづくり事業を推進することを目的として、締結したものであり、内容につきましては、市有地や地権者用地を活用する場合には、本市とまちづくり協議会等で協議することなどを定めたものであります。
締結に至った経緯につきましては、本市が30年5月に策定した「施設配置イメージ案」を、6月に開催されたまちづくり協議会で説明したところ、7月にまちづくり協議会から「まちづくりコンセプト」の提案があり、併せて協定締結についての打診がありました。
これを受けて、市と協議会等で協定の内容等について協議・調整を行い、12月に本協定を締結したものであります。
なお、民間事業者の参画可能性調査につきましては、市有地活用の最適な事業手法等を検討するために実施するものであり、本協定に基づいて実施するものではありません。
住民説明会につきましては、現時点では、予定しておりませんが、今後、旧第一中学校跡地をどのように活用していくのか、周辺住民の皆様にも適宜、お知らせしてまいりたいと考えております。
(3)狭い道路・歩道の整備について
狭い道路や歩道の整備は、門真市のまちづくりの重要な課題であり計画的な整備が必要だと考えます。
その推進にあたっては具体の計画策定が必要と考えますが、道路の整備に関するプログラムとの関係について答弁を求めます。
また、歩道の幅員確保の有効な手段としての無電柱化事業がありますが、この事業に対する考えと国道163号の無電柱化の進捗状況も併せて答弁を求めます。
さて、新年度大阪府と連携・協力し、延焼遮断帯整備促進事業として都市計画道路寝屋川大東線整備に約10億円が計上されています。
幅員32mの道路を整備しようというものですが、その内容(有効性)と府と市との役割・費用負担について答弁を求めます。
まず、「道路の整備に関するプログラム」につきましては、国の道路整備に関する方針を踏まえ、今後計画的かつ効率的に道路整備に取り組むため、都道府県や政令市が基本方針や事業箇所等を示すものであります。
大阪府におきましては、道路整備に係る交付金の確保を図るため、市町村と連携し、プログラムを策定することとしており、本市の事業箇所等についても大阪府と協議を行い、反映されております。
次に、狭い道路や歩道の整備につきましては、本市の道路整備における一つの重要な課題と認識しておりますが、他にも施設の老朽化や舗装の損傷など様々な課題があり、これらを整備していくためには計画的な実施が必要であると考えております。このため、現在本市における道路整備の総合的な計画の作成に取り組んでいるところでございます。
次に、本市の無電柱化事業に対する考えにつきましては、都市防災の向上につながる有効な事業であると考えておりますが、地下埋設物の移設スペースや、地上機器を設置する場所の確保が必要であるため、本市の道路での実施には十分な検討が必要であると認識しております。
次に、国道163号の無電柱化の進捗状況につきましては、国道を管理しております大阪国道事務所に確認したところ、大阪市内より順次進められており、「府道大阪中央環状線との交差点である松生町交差点から柳町交差点付近まで、電線共同溝の整備は完了しているが、電柱管理者等が行う電線等のケーブル入線工事は未実施である。」と聞き及んでおります。
また、31年2月には、さらに東へ約400メートル、電線共同溝敷設工事が発注されたとのことであります。
次に、延焼遮断帯整備促進事業についてであります。
広幅員の道路整備により、地震時等の大火による延焼拡大の抑止や避難路及び緊急交通路が確保され、周辺地域の防災機能が強化されることが期待されます。
大阪府では、幅員32メートルの都市計画道路寝屋川大東線を延焼遮断帯と位置づけ、2020年度までに、京阪本線から府道守口門真線までの区間の用地確保を目標として取り組んでおります。
本市としても、2020年度までに「地震時等に著しく危険な密集市街地」の概ね解消を目標としていることや当事業の整備効果が高いことから、平成31(2019)年度より、上島町第2地区も含まれている萱島生野病院から府道守口門真線までの区間において、大阪府の費用負担のもと、大阪府と市とが連携・協力し、用地取得等を進めていくものであります。
(4)府営住宅の市移管に伴う運営とまちづくりについて
新年度から、府営住宅の市移管が第一次として門真住宅、門真千石西住宅、門真四宮住宅の三団地で行われ市営住宅となります。
施政方針では、移管後について「門真住宅での建替事業を推進するとともに、市民サービスの向上や住宅資産を積極的にまちづくりに活用するなど、移管の効果を実感できるようしっかりと取り組む」としていますが、人員の確保がその大前提となります。
新年度どのような体制となるのか答弁を求めます。
また、門真団地建替え事業完了(8年後)と移管完了(10年後)を見据えたまちづくりをどう進めていくのかは、その基本方針策定の段階から市民参加で進めていくことが重要ですが、基本的な考えについて答弁を求めます。
新年度の体制につきましては、担当職員の増員や新たに住宅整備担当グループを設けるなど、円滑な業務運営となるよう努めてまいります。
また、門真住宅の建替事業で生み出される活用用地を含め、移管を受ける府営住宅資産につきましては、本市のまちづくりに最適に活用できるよう、部局横断の庁内検討会において検討し、必要に応じ市民意見を拝聴することも検討して参りたいと考えております。
4.子どもの未来はぐくむ教育・子育てについて
(1)こどもの貧困問題について
こどもの貧困問題についてはこれまで様々な施策が実施され、一昨年10月から実施されている「子どもの未来応援ネットワーク事業」では応援団が1月9日現在で1159名、市民100人に一人という状況なり、全中学校区で「こども未来カフェ」が実施され、校区の応援団員と担当推進員との意見交換や交流が図られたとのことですが、今後どのように事業をすすめていくのか答弁を求めます。
「子どもの生活に関する実態調査」が実施され3年が経過しようとしています。
報告書においては「今後3 年や5年に1度など定点観測も検討すべき」とされており、今後の施策等を進めるに当たって重要なことだと考えますが、答弁を求めます。
本市の学校給食は、小中学校での自校調理で府下でも先進施策となっており、1975年以降の二度にわたる財政危機の時代にも「子どもたちにおいしい給食を」と守られてきたものですが、費用負担や給食費に関する事務を学校が行っていることなど課題は少なくありません。
滋賀県長浜市では子育て世代の流出を防ぎ、市への移住を促進するため2017年度から小学校の給食無償化がスタートしています。
本市においても、段階的実施を含め給食の無償化を実施すべきと考えますが答弁を求めます。
こどもの貧困問題についてのうち、「子どもの未来応援ネットワーク事業」における今後の方向性についてであります。
平成30年7月に実施した事業報告会において、アンケート調査を実施したところ、「応援団員と推進員が交流できる場の設定」を望む意見が多数出されました。
これを受け、推進員と応援団員の交流を目的に「こども未来カフェ」を11月から全校区で実施したところ、「推進員と交流ができ、子どものことの相談や連絡がしやすくなった」等の意見をいただくとともに、以降、応援団員からの情報提供も増加し、順次支援につなげられるよう取り組んでいるところでございます。
応援団員と推進員が交流を行い、顔の見える関係を築くことで、情報提供数の増加のみならず、応援団員間の連携により、地域での見守りスキルの向上にも寄与することと考えられることから、今後につきましても、応援団員と推進員が交流できる場の設定及び見守りスキルの向上等に引き続き努めていきたいと考えております。
次に、今後の「子どもの生活に関する実態調査」の実施についてであります。
本調査報告書の中で学識経験者よりご意見をいただいているとおり、本市といたしましても事業効果や移り変わる状況の把握のために、定期的に調査を実施することが望ましいと考えておりますが、どの程度のスパンで実施するのか等について、今後、学識経験者や関係者のご意見を聞きながら、財源確保も含め、総合的に検討してまいりたいと考えております。
段階的実施を含め給食の無償化を実施すべきであることについてであります。
まず、平成29年度に文部科学省が全国1,740自治体に行った「学校給食費の無償化等の実施状況」調査では、小学校のみ実施している自治体は4自治体で0.2%、中学校のみ実施は2自治体で0.1%、小中学校共に実施は76自治体で4.4%という結果でした。
このうち、小中学校共に無償化を実施している76自治体の特徴として、約93%が、人口3万人未満の町村であるとの結果でした。
教育委員会といたしましては、引き続き各市町村の動向に注視しつつ、国の支援策等の検討状況を踏まえ調査・研究してまいりたいと考えております。
(2)「適正配置」や「老朽校舎建替え」を口実とした小中学校再編の問題点について
昨年8月の魅力ある教育づくり審議会答申において、少子化による様々な課題解決のために「小中一貫校」「義務教育学校」等の考えも含めた学校施設のあり方を検討することが求められました。
この答申を受け設置された第4次門真市学校適正配置審議会の第1回目が2月21に開かれました。
この審議会において、第3次答申や魅力ある教育づくり審議会答申、児童・生徒数の状況、これまでの適正配置事業実施方針、国が示す公立小学校・中学校の適正規模・適正配置等に関する手引きや小中一貫教育に関する制度説明などが示されました。
諮問内容には、「門真市学校適正配置審議会第3次答申における提言の再検討について」とともに、「『小中一貫校』『義務教育学校』等の考え方も含めた、今後の小・中学校のあり方について」審議会の意見を求めるものとなっています。
「小中一貫校」や「義務教育学校」については問題点や課題も少なくなく、門真団地の建て替えをはじめ国道163号以南のまちづくりの進展により、児童・生徒数の推移などを慎重に見極めなければならず、「小中一貫校」「義務教育学校」ありきで性急に結論を出すべきではないと考えます。
この点についてどのように考えているのか、今後どのように進めようとしているのか答弁を求めます。
昨年8月の門真市魅力ある教育づくり審議会の最終答申で、市内小学校で全学年1学級の学校や1年生が20人を切る学校も出ており、6年間クラス替えができないことによる人間関係の固定化、多様な人間関係の中でコミュニケーション力を培っていくことついての課題に加え、教職員一人当たりの校務分掌業務が増えていることなどの学校運営面における課題も指摘されました。
また、小中一貫教育については、「2小1中体制」のコンセプトを変更し、より現状に即した一貫教育内容をつくることの重要性と「義務教育学校」等の考えも含めた学校施設のあり方の検討を求められました。
さらに、本市の築40年以上の老朽化した学校施設を新学習指導要領で求められる学びの形態に柔軟に対応できる環境に変えていくという視点、大阪北部地震を機に学校施設の安全性も一層重視すべきであるという視点から、新しく、安全・安心な学校施設を順次つくるために、市内学校の再編統合について早急に検討するよう求められました。
これらの提言を受け、門真市学校適正配置審議会を2月21日に開催し、今後の小・中学校のあり方について諮問したところです。
今後、まちづくりの状況等も踏まえながら、同審議会において、少子化の問題や施設の老朽化対策と新しい環境整備についてご議論いただき、本市の子どもたちにとってより良い学校のあり方の検討を進めてまいりたいと考えております。
(3)少人数学級(35人以下学級)の拡充について
本市独自の35人以下学級は、学力向上対策委員会の提言を受け2014年度(平成26年度)から小学校5、6年と中学校1年で実施されていますが、児童・生徒一人ひとりに目が届き学力向上に資するとともに、課題となっている教師の多忙化の解消にも寄与し教育環境整備の柱の一つとすべきと考えます。
しかし、この間35人学級が「変質」しているのではないかと危惧されます。
それは、35人学級のための任期付教員の弾力的な運用が行われ、今年度から配置されている「学校サポートスタッフ」は、任期付教員を配置していない15校に配置されていることからです。
本来、「学校サポートスタッフ」は、文科省がすすめる「チームとしての学校」のひとつで、少人数学級に伴う教員の配置とは全く性質の違うものです。
学校サポートスタッフを配置するのなら、すべての学校に配置すべきです。
そのうえで35人学級のための任期付教員は、弾力運用ではなく、本来の35人学級の目的に沿って配置すべきと考えますが、答弁を求めます。
少人数学級については、国の姿勢は大きく後退し、大阪府の制度は全国最低レベルで各市町村任せになっています。
市独自の少人数学級を拡充するとともに、大阪府に対し制度の拡充を強く求めるべきと考えますが答弁を求めます。
任期付教員の弾力的運用につきましては、保護者や教職員を含めた「魅力ある教育づくり審議会」の提言として、学校裁量拡大についての制度改善を求められたものであり、30年第1回定例会において条例改正を行い、今年度から柔軟な活用を可能としたものであります。
学校サポートスタッフと任期付教員では、職務内容は異なるものの、きめ細かな指導を実現する環境づくりを推進するという目的においては同じであり、いずれかの人材を全ての学校へ配置しております。今後の支援人材の配置の在り方につきましては、効果検証を多角的に行いながら、検討してまいりたいと考えております。
また、学級編制基準の引き下げにつきましては、引き続き、国・府に対して強く要望してまいりたいと考えております。
(4)待機児童解消と企業型保育の問題点、公立園の更なる民営化について
保育所待機児童の解消は、子育て世代の就労支援を促進し、他市への流出の抑制と本市への移住の促進の重要な施策で、年度を通じて確実に待機児童を解消する施設整備と保育士確保策を実施することが求められます。
待機児童解消については、「門真市子ども・子育て支援事業計画」では新年度中の待機児童解消を見込んでいますが、その進捗状況と実際の解消見込みについて答弁を求めます。
政府が待機児童対策の切り札として導入した「企業主導型保育所」を巡り、各地で休園や定員割れなどの問題が相次いでいることを受け、12月17日、制度の課題を検証する有識者会議の初会合を内閣府が開き、本年度中をめどに結論を取りまとめ制度の改革に生かすとしました。
宮腰光寛少子化対策担当大臣は会合でのあいさつで「量の整備に重点が置かれ過ぎ、質の確保への意識が十分でなかったのではないか。一度立ち止まり、改善を図るべきだ」と強調したとのことです。
どのような取りまとめが行われるかは明らかではありませんが、「門真市第2期子ども・子育て支援事業計画」策定に向け、少なくとも企業主導型保育は計画から除外すべきと考えますが、答弁を求めます。
施政方針では、「今後の教育・保育の需給の動向や公立園の役割を見極めつつ、就学前施設としての公立園のあり方を検討してまいります」としましたが、どのような検討を行おうとしているのか、国の誘導によって民営化を促進し公的責任を後退させることは絶対に認められません。
この点についても併せて答弁を求めます。
まず、待機児童解消の進捗状況と実際の解消見込についてでありますが、本市では「門真市子ども・子育て支援事業計画」に基づき、計画的な保育定員の確保に努めてきており、平成27年4月の計画開始より現在まで約400人、31年4月には新たに約150人の定員を確保できる見込みであり、更に31(2019)年度に、こども園や小規模保育事業所の新規開設、既存施設の施設整備が予定どおり実施されれば、約200人の定員確保が可能となることから、計画期間終了の同年度末には、計画どおり、待機児童は解消されるものと見込んでおります。
次に、企業主導型保育事業についてであります。
これまで、本市におきましては、待機児童解消の一環として、企業主導型保育事業の周知に取り組むとともに、現計画においても、同事業のうちの地域枠を保育定員の確保数として見込んでいるところであります。
一方、議員お示しのとおり、国においては、定員割れや開設間もない施設が閉鎖するなどの課題が生じたため、有識者会議において、施設における保育の質の確保へ向け参入基準を厳格化するなどの骨子案を取りまとめ、今後報告書を政府に提出する予定であると聞き及んでおります。
「(仮称)門真市第2期子ども・子育て支援事業計画」において、企業主導型保育事業をどのように扱うかにつきましては、今後の計画策定の過程において、待機児童の状況や国の動向等を見ながら、「門真市子ども・子育て会議」のご意見も踏まえ、検討してまいりたいと考えております。
次に、公立園のあり方の検討についてであります。
少子化の進行及び女性の社会進出や就労形態の変化により、教育・保育に対するニーズは多様化しております。
本市の公立園におきましても、1号認定の子どもの応募人数が減少し、定員を大きく下回っている状況であり、適正な幼児教育の提供に支障を及ぼしかねない状況となっております。
こうしたことから、本市としては、公立園の担うべき役割を今一度整理しつつ、これの最適なあり方について、学識経験者等からなる審議会のご意見も聞きながら、検討してまいりたいと考えております。
【再 質 問】
(2)府民不在の維新「大阪都構想」について
「『大阪都構想』が門真市にそして市民にどのような影響をもたらすと考えているのか」との質問に対し、「二重行政の解消などに向けた取組が、府全体における経済等に好影響を与えると考えます」との答弁ですが、「二重行政」とはいったい何を指しているのか、その解消の取組が「府全体における経済等に好影響を与える」とはいったいどのような好影響なのか、具体的に答弁を求めます。
また、「大阪維新の会に対する認識」については、大阪維新の会のマニュフェストに「住民の皆様と徹底的に意見交換した上でその設計図を完成させ、住民投票で判断いただきたい」としていることを挙げ、「住民を主体とした議論が進められるべきである」との認識を示しましたが、質問は統一選挙と同日程のダブル選挙など、なりふり構わず大阪都構想を進めようとする大阪維新の会に対する認識を質したもので、全く答弁になっていないと言わざるを得ません。
改めて問いますが、2015年に「今回が大阪の問題を解決する『最後のチャンス』です。二度目の住民投票の予定はありません」と当時の橋下市長が明言して実施された住民投票で、大阪市民は「大阪都構想No」の判断をしたにもかかわらず、「勝つまでじゃんけん」と言わんばかりにまたも住民投票を実施しようとする姿勢は、「住民を主体とした議論」どころか、住民との約束を反故にして誰が何と言おうとも大阪都に執着する「住民無視」の姿勢だと言わざるを得ません。この点に対する認識について答弁を求めます。
そして、統一選挙と同日程のダブル選挙、大阪府知事が大阪市長選挙に、大阪市長が大阪府知事選挙に出馬といういわゆる「タスキ掛け選挙」に至っては、大阪府民、大阪市民を愚弄し、選挙を弄ぶもので自治体の長として見過ごせないと考えますが、この点の認識についても併せて答弁を求めます。
まず、「二重行政」とはいったい何をさしているのか、またその解消の取組が与える好影響についてであります。
二重行政につきましては、大阪府自治制度研究会において、大阪にふさわしい新たな大都市制度を目指し、大阪再編に向けた論点整理がなされ、平成23年1月27日に公表された「最終とりまとめ」の中で示されております。
これによりますと、大阪の現状を踏まえ、克服すべき課題として、都市の一体的な経営が求められる中、ほぼ全域が都市化した狭隘な大阪府域において、大阪府及び大阪市の「二つの大阪」が存在する、いわゆる「二元行政」のもと、各々の行政目標により、同種の施策・事業を行っていることが「二重行政」であり、行政運営に支障をきたしているとの指摘がなされております。
この課題を克服するため、それぞれの役割分担を見直すことにより、最適な住民サービスを効率的・効果的に提供することで、大阪都市圏全体に効果が波及し、経済、財政、集積力等に好影響をもたらせ、大阪の活性化に役立てようとするものであると考えております。
住民投票を実施しようとする姿勢、及び大阪府知事選挙、大阪市長選挙に対する認識についてであります。
住民の意見や意向が最大限反映されたものでなければ、役所の仕組みを変えていくことはできないと考えており、このたびの「大阪都構想」におきましても前回の住民投票を踏まえた議論を経て、徹底的に意見交換した上で民意を問い、判断されることが最も重要であると認識しております。
また、知事等の選挙につきましては、松井知事及び吉村市長の判断でなされるものであり、私の意見を申し上げるものではないと考えており、選挙において有権者の皆様が判断されるものと考えておりますので、よろしくご理解賜りますようお願い申し上げます。
(3)カジノとセットの大阪万博開催の問題点について
次に「施政方針で2025年大阪万博には触れながら、2024年の開業を目指すIRについてなぜ触れなかったのか」との質問に対し「これまでの市としての誘致活動を鑑み、施政方針では大阪・関西万博のみ触れさせていただいたもの」との答弁ですが、まったく意味が分かりません。
「万博について招致活動はしたが、IRはやっていないから触れなかった」という意味なのか、そうだとすれば全く無責任な答弁だと言わざるを得ませんが、改めて答弁を求めます。
また、IR事業が「万博との相乗効果により一層の効果が期待できる」との認識が示されましたが、いったいどのような「相乗効果」があると考えているのか具体的な答弁を求めます。
また、先日発表されたIR基本構想(案)では、IRの年間売り上げ4800億円の8割を占める3800億円のカジノ収益のうち1600億円を日本人からと見込み、カジノ利用者の日本人が占める割合は8割を見込むなど、他の国のIRカジノとは全く性質を異にし、まさに日本人をカジノ漬けにしようとするものです。
これに対し、「依存症対策」がされるだろうとの無責任な認識は大問題だと言わざるを得ません。
人の不幸を土台に経済効果を期待するなど言語道断と言わざるを得ません。
このようなIRカジノは大阪に誘致しないことを大阪府に強く求めるべきと考えますが、答弁を求めます。
「施政方針でIRについてなぜ触れなかったのか」についてでありますが、先ほどの答弁のとおり、これまでの市としての誘致活動を鑑み、2025年に開催が決定した万博について触れたもので、IRについて述べなかったことについては、何ら意図するものではございません。
また、「IR事業と万博との相乗効果」についてでありますが、夢洲において二つの事業が相まって、大阪、関西に人の流れをより呼び寄せることから、国内外からの観光需要等の増大による大阪を含めた関西圏の経済活性化が見込まれ、また、大阪、関西の魅力をPRする機会につながるものと考えております。
ギャンブル等の依存症対策など、必要な対策を講じることで、IR事業が大阪経済の更なる活性化と将来に向けた投資につながるものと期待しており、大阪へのIR誘致を反対することは考えておりませんので、よろしくご理解賜りますようお願い申し上げます。
(6)「2025年問題」決議について
次に「2025年問題決議について」ですが、くすのき広域連合のあり方の検証については、くすのき広域連合が実施している「介護保険事業に係る評価・効果検証業務」に丸投げの姿勢が示されました。
そもそもくすのき広域連合のあり方の検証をくすのき広域連合に委ねることそのものが問題だと言わざるを得ません。
門真市が主体性をもってくすのき広域連合のあり方について検証すべきと考えますが、答弁を求めます。
今般、くすのき広域連合において「介護保険事業に係る評価・効果検証業務」を第三者に委託し実施されておりますが、今後、客観的に洗い出された課題や効果、事業の評価等の検証結果については、くすのき広域連合、構成市とともに共有してまいります。
そのため、現時点で、本市が主体的に、くすのき広域連合のあり方について検証することは考えておりませんが、スケールメリットを活かした事務の最適化、市民にとっての有益性の向上を図り、引き続き、くすのき広域連合において適切な介護保険の推進に努めてまいりたいと考えておりますので、よろしくご理解賜りますようお願い申し上げます。