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  • こんにちは。門真市会議員団です。

    2018年12月議会 福田英彦議員の一般質問・答弁

    [2018.12.18] -[議会活動]

    1.「カジノ」とセットでは大失敗する大阪万博について

      1123日、BIE(国際博覧会事務局)総会で2025年万博の開催地が大阪に決定しました。

     直後に日本共産党大阪府委員会は柳利昭府委員長のコメントをだし、「大阪万博」に歓迎の声があがる一方で、「なぜ万博がカジノとセットなのか」「人工の埋立地・夢洲に5月~11月、2800万人もの集客をおこなって大丈夫か」「巨額の府・市民負担が待ち受けるのではないか」など懸念の声があがっていることをのべ、「万博を口実にした巨大開発のムダづかいやカジノ誘致には断固反対」としつつ、「広範な府民のみなさんとともに、『大阪万博』の進め方について議論・検討と提言をすすめていく」ことをのべました。

     府民世論を反映し、各紙社説も、「日本浮揚の起爆剤とせよ」(産経)などの一方で、「万博とギャンブルを一体的に捉える姿勢は大いに疑問」(読売)、「南海トラフ地震で懸念される津波や液状化は、現在の想定では不十分だ。外部へのアクセスが断たれたときの孤立対策は手が付けられていない」(毎日)、「大阪府と市の負担は軽くない。入場料でまかなう予定の運営費を含め、住民にしわ寄せをしないことは行政の務めである」(朝日)などと警鐘も鳴らされています。

     私も、この質問を準備するにあたって、「負の遺産」と言われる大阪府咲洲庁舎の展望台から、これも「負の遺産」と言われる大阪万博予定地の「夢洲」を確認してきました。

     現在は390haの一部がコンテナターミナルとして活用されていますが、まさに「負の遺産」でした。

     それを今後IRカジノで甦らそうというもので、昨年8月に発表した「夢洲まちづくり構想」では、建設投資額約2兆に対し、その経済波及効果が約3.5兆円、雇用創出が約10万人、運営による経済波及効果は年間1.1兆円、雇用創出効果が年間13.2万人という大阪市の試算で「バラ色」に描かれています。

     1130日の大阪市会本会議で、わが党の井上浩市議は吉村大阪市長に、「夢洲でも、すでに土地造成された3区でやれば、IR誘致も、急速施工も必要ないという声もある。なぜあらゆる可能性を議論しないのか」「1250億円の建設費、540億円の地下鉄延伸費というが、どこまで膨れるかわからない」「他の地での開催検討もなく、『IR=カジノありき』の計画ではないか」などの基本点をただしました。

     「大阪万博」への懸念の声は、「万博に期待する」という方からもあげられています。

     ところが、維新は、「大阪万博は維新の実行力」などと宣伝することに躍起で、府民の懸念に正面からこたえる姿勢はありません。

     吉村大阪市長は議会でのわが党の質問に対しては「費用の上振れには留意する」というだけで、「IRをなぜそこまで結びつけるのか」と居直り、「経済効果は2兆円。大阪、関西経済の起爆剤」という答弁に終始しました。

     また、この間の松井知事、吉村大阪市長の言動は見過ごせません。

     これまでの「万博招致」活動では「カジノ」をひた隠しにしたにもかかわらず、「大阪開催決定」後は、隠れもなく、「万博とともにIRが成長戦略の起爆剤」とあおっています。

     米カジノ大手で、万博のオフィシャル・スポンサーのラスベガス・サンズ社は、「万博祝福メッセージ」で「大阪・関西万博は、大阪が掲げる統合型リゾートの計画と密接な関係」「公共設備やインフラを必然的に共有」「関西万博は、統合型リゾートを世界に紹介するプラットフォーム」と赤裸々に語っています。

     この他、万博のオフィシャル・スポンサーに名を連ねている、カジノホテルチェーン「シーザーズ・エンターテインメント」が日本進出のためのアドバイザーとしている人物の会社から超党派のカジノ議連の幹部にパーティー券購入の形で資金提供していたとの報道について、わが党の大門実紀史議員が7月のカジノ実施法案の質疑で徹底追及し、大問題となりましたが、「いったい誰のためのカジノ万博か」は明らかです。

     たつみコータロー参議院議員もカジノ実施法案の質疑で「今回のカジノ実施法案は、歴史上初めて民営賭博を合法化しようというもので、強い違法性があるからこそ禁じられてきた民営賭博を違法性はそのままに解禁しようとするもので、いまでさえ深刻な実態にあるギャンブル依存症をさらに増加させる前代未聞の悪法で、断固廃案にすべき」と厳しく追及しました。大阪へのカジノの誘致は言語道断です。

     そこで、この「カジノ・万博」について以下の三点について質問します。

     (1)誘致決定以降の大阪府からの働きかけ等について

     まず大阪万博誘致決定以降、大阪府から何らかの働きかけがあったのかどうか、答弁を求めます。

     (2)本市への影響について

     先にあげたように、大開発計画に今後大阪府と大阪市は湯水のごとく税金を投じることになるでしょう。国も前のめりとなって推進するでしょう。このことによって、今後市町村への影響は少なくないと考えます。

     本市への影響をどのように考えているのか答弁を求めます。

     (3)カジノ・万博推進による問題点について

     大阪万博がカジノを中核とする統合型リゾート(IR)とセットで開催されることには問題点だらけです。

     そもそも、「カジノ」が①万博の理念と相いれるのか、人の不幸を成長戦略の起爆剤とするのか②その被害者は大阪府民、門真市民となることは間違いありません。それでいいのか。③カジノ万博推進によって、ものづくり支援よりもカジノ万博、防災・減災よりもカジノ万博となっていいのか。以上の点についてどのように考えているのか答弁を求めます。

     そしてこのようなカジノとセットでない万博開催を求めていくべきと考えますが、答弁を求めます。

     

     【答弁】

     まず、誘致決定以降の大阪府の動きといたしましては、1211日に、府知事をトップとする万博推進本部が設置されたところであり、現在のところ、大阪府から本市への具体の働きかけ等につきましては、ございません。 

     次に、本市への影響についてであります。

     大阪万博の開催決定により、大阪・関西が大きく注目されるとともに、新たな交通インフラ、施設整備等の建築需要や、海外からの観光客の増加などにより、環境及び経済構造が大きく変化してくるものと考えております。

     本市にとりましても、建築資材の高騰や国費等の配分割合について等の懸念が考えられますものの、人の呼び込みや地域の賑わいの期待など、様々な形で好影響があるものと考えており、今後の動きを注視してまいりたいと考えております。

     次に、万博とIRの関連についてであります。

     大阪万博は、未来社会を共創する場として世界の英知を集め、異なる文化の交流を通じて、新たなアイデアを大阪から創造・発信していくことが、開催の意義でもあります。

     一方で、カジノ施設や会議場、レクレーション施設、展示施設、宿泊施設、その他の観光振興に寄与する施設が一体となった、統合型リゾートとしてのIR立地もまた、様々な形で大阪・関西へ来訪する機会となり、新たな魅力の創造にもつながるものであることから、万博の理念と相いれないものではないと考えております。

     カジノ立地に対する懸念事項につきましては、「IR及びカジノ施設の設置により懸念される、依存症やマネー・ローンダリング、青少年への影響等に対しては、国において万全の対策を講じる」との基本的な方針が示されておりますが、今後も、広く理解が得られるような十分な対策が必要であると考えております。

     現在、誘致に向けて議論が進められているカジノを含むIR立地につきましては、懸念される事項はありますものの、新たな魅力の創造にもつながるものであり、万博も含め、大阪・関西の将来像を考える上では、成長や発展につながる積極的な投資策であると捉えておりますことから、カジノと万博についての要望を国・府などに行うことについては、考えておりませんので、よろしくご理解賜りますようお願い申し上げます。

     

     【再質問】

     カジノ・万博による危惧については、あろうはずもない「万全の対策」で強行される「カジノ」によってギャンブル依存症被害者となることは火を見るよりも明らかです。

     また、大阪万博が開催されれば、その予定地の夢洲を訪れる門真市民は少なくないでしょう。

     そこで心配なのが台風や地震による被害です。

     台風21号で関空が大きな被害を受けたのは記憶に新しいところです。

     中央防災会議は今月11日に南海トラフ地震の恐れが高まった際に出される臨時情報に関し住民や自治体、企業が取るべき防災対応を整理し報告書案を示しましたが、専門家からは南海トラフ地震により脆弱な埋め立て地の夢洲が甚大な被害を受けることが指摘されています。

     この点について、市民の命を守る立場の自治体としてどのように考えているのか答弁を求めます。

     

    【答弁】

     夢洲での万博開催にあたり、想定される台風や地震による被害について、市民の命を守る立場の自治体としてどのように考えるかについてであります。

     今後予測される南海トラフ地震を初めとした災害時の備えや対応は、来訪者が安心して滞在し、大阪万博を満喫していただくために、また、安全・安心なまちとして、大阪・関西の魅力を高めるためにも必要不可欠であります。

     大阪府・大阪市IR推進局に設置されておりますIR推進会議におきましても、夢洲における防災の取組について、議論がなされているところであり、国・府等が連携し、しっかりと構築するべきものであると考えておりますので、よろしくご理解賜りますようお願い申し上げます。

     

    【問題指摘】

     答弁全体を通じて、IR・カジノとセットの万博に対するあまりにも呑気な答弁だと感じました。

    「大阪万博」をテコに、行き詰まる「大阪都」構想を無理矢理、押しすすめようとしている大阪維新の会の狙いは明らかです。

     松井知事は「万博が招致できたのは『府市一つ』だから」とうそぶいて、125日には「(住民投票は)7月までにはやらせてもらいたい」「参院選と住民投票の同日実施が一番合理的だ」「ボールは公明党にある」「これまでの信頼関係を裏切られることがあれば、ありとあらゆる手段を講じる」などとのべています。

    「大阪万博」をみずからの思惑のために政治利用するようなことは許されません。

    貧困と格差の増大のなか、府民の暮らしと大阪の行き詰まりの打開は、カジノや「大阪都」などではなく、「暮らし、福祉の充実」「子育て支援」「中小企業支援」「防災対策」こそ、求められます。

    府民世論も、「大阪万博」への態度とは異なり、「カジノ大阪誘致」は「反対」が多数となっていて、とくに女性や支持なし層では大きな批判が生まれています。

    「大阪都」は2015年の「住民投票」で決着がついているうえ、いまも世論は「反対多数」であり、大阪市をなくし「特別区」を求める声を大きく上回ります。

    「勝つまでジャンケン」と言わんばかりの再度の住民投票は認められません。

     いずれにしても、大阪万博開催とカジノとセットは断じて認められないことを厳しく指摘しておきます。 

     

    2.認知症対策の推進について

     現在認知症の高齢者は2012年時点の厚労省の推計で462万人、軽度認知障害のある人も400万人いると推計され、高齢者の34人に1人は認知症か、軽度認知障害という状況ですが、現行の介護保険では利用できるサービスに限度があり、“認知症のお世話はもっぱら家族任せ”という高齢者が膨大な数にのぼっています。

     認知症の高齢者に対応する公的介護サービス・介護基盤を抜本的に拡充するとともに、認知症の早期の発見・診断、初期の相談と家族への支援から、終末期のケア・看取りまで、切れ目なく治療と支援を行う、医療・保健・福祉の連携体制の構築が重要となっています。

     こうしたなかで、20129月、厚労省は認知症の初期対応の重要性を強調する「認知症施策推進5ケ年計画(オレンジプラン)」を発表、20151月には認知症の人が住み慣れた地域の良い環境で自分らしく暮らし続ける社会を実現することを目的に7つの柱で具体的な施策を示し、2017年度末を当面の目標設定年度とした「新オレンジプラン」が策定され、昨年7月には2020年度末を当面の目標設定年度とした改定「新オレンジプラン」が策定され今日に至っています。

    1)市独自施策の実施状況と課題について

     本市において認知症対策の推進は、介護保険事業を運営するくすのき広域連合と連携しすすられており、本年3月策定の門真市第7期高齢者保健福祉計画及び第7期くすのき広域連合介護保険事業計画に示され、この間の現状と課題を明らかにしたうえでその方向性や具体的な施策等が示されています。

    本市では、認知症初期集中支援チームを守口市、四條畷市に先駆け設置していますが、その役割にふさわしく充分に機能していないのではないかとの声も聞かれます。

    様々な施策がありますが、認知症対策の推進におけるこれまでの実施状況と課題について、くすのき広域連合と市独自の施策との関係も含め答弁を求めます。

    2)認知症対策における国の制度改悪の問題点について

     認知症対策の推進にあたっては、予防・早期発見・対応が求められています。

     しかし、国の制度改悪に伴う新総合事業(介護予防・日常生活支援総合事業)の導入は、要支援12の方に対する「安上がり」な介護サービスへの後退が危惧され、お隣の大東市ではその先進市となって「現行相当サービス」への移行がわずか数パーセントで、要支援1の方が主治医から指示された訪問リハビリが認められず「元気出まっせ体操」の強制で、病状が悪化しその後要介護5までに悪化するなど大変な状況となっています。

     本市において、新総合事業の導入をはじめとする国の制度改悪によって起こっている問題点や課題について答弁を求めます。

    3)施策の多くを「くすのき広域連合」で実施する問題点について

     認知症対策は、予防から介護まで切れ目のない施策や対応が求められています。

     しかし、本市では、介護保険事業についてはくすのき広域連合で運営していることから、認知症対策においても、三市横並びや地域の実情に応じた施策展開にどうしても課題があると考えます。

     具体的にどのような課題があると認識しているのか答弁を求めます。

     

    【答弁】

     まず、市独自施策の実施状況と課題についてであります。

     認知症に関する市独自の取組としましては、民間企業等と「高齢者の見守りに関する協定」を締結し、各窓口や配達、検針等の日常業務の中で、高齢者の異変を察知した場合は、市に連絡をいただき必要な支援に繋げるもので、平成3012月現在で12社となっております。また、広報や認知症サポーター養成講座などを通じ周知啓発にも取り組んでまいりました。

     一方、くすのき広域連合としましては、徘徊SOSネットワークや徘徊探知機器の貸与に加え、昨年度から認知症カフェの助成、今年度からは認知症高齢者見守りQRコードシールの交付を始めており、門真警察署等とも連携し、認知症施策の充実を図っております。

     また、各市域に認知症初期集中支援チームや認知症地域支援推進員の配置、認知症ケアパスやチラシの配布等を行い、早期発見、早期対応に向けて取り組みを進めておりますが、初期集中支援チームの周知は課題と考えており、311月には、商業施設内で周知啓発活動を実施することとしております。

      次に、認知症対策における国の制度改悪の問題点についてであります。

     介護保険法の改正により、介護予防・日常生活支援総合事業が始まり、くすのき広域連合においても、要支援認定を受けた方及び基本チェックリストにより事業対象者となった方を対象に、総合事業を実施しております。事業対象者についてはサービス利用の手続が簡素化されたものの、総合事業のみならず、介護を担う人材の確保・育成等が課題になると認識しております。

     一方、認知症総合支援、在宅医療・介護連携推進等は重点事業に位置付けられ、介護が必要になっても、住み慣れた地域で自分らしく暮らし続けることができる仕組みづくりが喫緊の課題でありますことから、必要な人に必要な介護サービスが提供されるよう、くすのき広域連合や関係機関等と連携し、鋭意、取組を進めてまいります。

     次に、施策の多くを「くすのき広域連合」で実施する問題点についてであります。

     包括的支援事業のうち、認知症総合支援を始めとする重点事業につきましては、各市域の実情に応じた施策・事業の展開ができるよう、今年度予算から各支所に裁量を持たせており、本市域におきましては、医療と介護の連携の深化や認知症地域支援推進員が積極的に地域へ出向くなど、課題の解決に向け、施策を検討し実施しております。

     また、本市域におきましては、これまで述べました施策以外にも、高齢者関連のNPO法人や介護保険サービス事業者連絡会等と協働し、認知症になっても地域で輝くことができるよう、「RUN伴+門真」をはじめ、さまざまな機会をとらえ周知啓発を行うとともに、イベントや本人及び家族への支援を進めております。引き続き、くすのき広域連合と足並みをそろえ、地域との連携を深めながら取組を進めてまいりますので、よろしく御理解賜りますようお願いいたします。