[2018.9.20] -[議会活動]
21番、亀井あつしでございます。
まず初めに、これまでの災害の教訓と課題を踏まえた防災対策についてお尋ねします。私は、6月18日に発生した、大阪北部地震。6月28日から7月8日にかけての西日本豪雨後、防災に関しての研修会に参加し、過去に発生した災害の教訓について学んできました。つい先日、台風21号が発生し、門真市をはじめ各地に大きな爪痕を残しました。6月9日に発生した北海道胆振東部地震、以上を踏まえて、通告に従い質問させて頂きます。
1点目は、災害が発生した時、損害を最小限に食い止め、いち早く元に戻していくために、平時に行う活動や緊急時に対応した門真市の業務継続のための方法、手段を取り決めておく業務継続計画についてであります。
大阪北部地震は、ラッシュ時に発生し、すし詰めの電車内に留め置かれ、電車から降りた後、いつになったら電車が動くのか、しびれを切らし徒歩で職場を目指した。電車が動かないことがわかり、自宅に戻り自動車で通勤し大渋滞に巻き込まれた、帰りは帰りで、鉄道は運休、道路は大渋滞。会社や工場、店舗も被害にあい、職員の安否確認もできない、仕事が出来る状態でない会社がたくさんありました。一方、これまでの災害の教訓から、事業継続計画を策定し、スマートホンで従業員の安否を確認するシステムを導入し、いち早く営業を再開した百貨店などについて紹介する報道もありました。
門真市の地域防災計画において、第4章「防災ビジョン」第2節「計画の位置付け」第2「災害に備えた防災体制の整備」として「業務継続計画」について記載されていますが、門真市役所として、大阪北部地震に際してどのように対応したのか、課題となったことは何か、今後どのように対応していくのか、「業務継続計画」を門真市は、策定しているのか、府下の状況はどうか答弁を求めます。
2点目は、災害発生時に外部からの応援を円滑に受け入れる受援体制の向上についてであります。
大阪北部地震に際して、大阪府は被災したある府下の自治体に職員を30名派遣したが、受け入れ側の自治体がうまく活用出来なかったそうです。自治体間の受け入れだけでなく、さまざまなボランテェアの受け入れも含め、せっかくの応援をうまく生かして行かなければなりません。自治体の災害対応力の向上が求められています。日頃から災害への対応について蓄積していく必要があります。
受援力向上の為に、積極的に災害自治体に職員を派遣し、派遣した職員の経験を地域防災計画の具体化に肉付けしていく。初動、応急、復旧・復興などについて、災害対応事例集を活用した図上演習を実施してはどうでしょうか。門真市地域防災計画の風水害などの初動・応急・復旧・復興対策の中に、「広域応援などの要請・受入」に「行政機関などとの相互応援協力、民間団体などに対する協力要請」とあります。具体的に、受援について、大阪府や府下の自治体からどのような内容について要請等を受けてきたのか、これまで、門真市が災害に際して職員をどこにどれだけ派遣したのか、どのような図上演習が実施されたか答弁を求めます。
3点目は、避難所についてであります。
国際赤十字などが作成した、紛争や災害時の避難所における、最低限の人権を守る基準として策定された「スフィア基準」から見ると、日本の避難所は難民キャンプ以下」という指摘がされています。
例えば、「一人あたりのスペースは、最低、畳2畳分」、「トイレは20人に1つ」などの基準が示されています。
私はこれまでから災害時の避難所の良好な環境について質問し「生活環境への配慮として、女性や子育て家庭のニーズに配慮した避難所運営に努めることを明記」と答弁がありました。
具体的にどう改善が進んだのか、「トイレは、指定避難所23か所の内、体育館内にトイレを設置する避難所は17か所とあったが、トイレの無い個所については、災害用トイレなどは確保されているのか答弁を求めます。
H28年4月に内閣府は、避難所の開設だけにとどまらず、「質の向上」について様々な分野にわたり「避難所運営ガイドライン」を示しました。門真市の避難所は内閣府のガイドラインの示しているレベルに到達しているのか、例えば、災害用トイレの備蓄はどの程度されているのか答弁を求めます。
地域防災計画には、「避難所は、耐震化・不燃化・耐水化の促進、避難の実施に必要な設備・機器の整備に努める」とあります。現在、避難所に指定されていますが、適切といえない避難所もあります。例えば、古川橋小学校の体育館は、校舎の3階にあります。車椅子を使用するなど体が不自由な方への対応はどうするのか検討が必要です。あらためて、23か所の避難所それぞれの問題点と対策を講じるべきと考えますがどうでしょうか
避難所として、体育館ではなく学校の多目的室や特別教室、教室などを避難場所として使えないのか答弁を求めます。
4点目は、地震による液状化現象についてであります。
6月9日に発生した北海道胆振東部地震によって改めて、液状化現象に対しての関心が集まっています。私が、平成26年9月議会で液状化について質問したところ「過去の地形等の把握を目的にDIG訓練等での活用について調査研究、液状化ハザードマップは、大阪府の南海トラフ巨大地震対策等検討部会より250mメッシュ単位で液状化の可能性を色分けしたものが提供されており、市ハザードマップへの反映について検討」とありましたが、この間どのように検討されたのか、府の液状化マップでは市南部地域の多くの地点は問題が無いように表記されているが、湖沼があちらこちらにあった、地面を2メートルを掘ると水がわき出る地域がどうして液状化地域になっていないのか詳細なハザードマップの作成が必要ではないか、答弁を求めます。
5点目は、防災用品購入補助制度を実施することについてであります。寝屋川市は、今年度から「命を守る防災グッズの購入支援」として、家庭用防災用品購入の促進と防災意識の向上を図るため、家庭用防災用品購入補助を始めました。補助額1万円、対象商品は、簡易トイレ・防災用ヘルメット・保存食・保存水をはじめとする防災セット、家具転倒防止器具などの地震対策用品、また、申請者で自らの設置が困難な方を対象に設置支援も行います。
門真市も、自助を市民に促すだけでなく、防災意識の向上をはかる為に、寝屋川市の制度を採り入れたらどうでしょうか、答弁を求めます。
6点目は、公の施設の小規模な附属した建築物についてであります。
昨年12月議会一般質問で、プールの耐震調査について訊ねたところ、実施していない旨の答弁がありましたが、先の大阪北部地震後、ブロック塀の倒壊でお亡くなりになったことをふまえ、7月6日に開かれた参院災害対策特別委員会で、わが党の辰巳コータロー議員が、ブロック塀以外に校舎の渡り廊下が耐震診断の事実上対象外であることが明らかになりました。辰巳議員が指摘した、校舎の渡り廊下は何か所あるのか、これまでに検査をしたことがあるのか、今後はどうするのか答弁を求めます。
【答弁】
まず、災害時の業務継続計画についてでありますが、本市では、平成25年5月に内閣府より示されました「市町村のための業務継続計画ガイド」に基づき、「門真市地域防災計画」を「業務継続計画」と位置付けております。
次に、府下の状況でありますが、29年6月現在、独自の「業務継続計画」を作成しているのは23市町村、「地域防災計画」を「業務継続計画」と位置付けているのは6市町でございます。
大阪北部の地震の際の対応につきましては、「門真市地域防災計画」に則り、災害警戒本部を設置し、対応にあたったところでございます。
課題についてでありますが、各課における詳細な「業務継続計画」の策定が必要と考えており、今後におきましては、より現状に即したものにするため、検討を行ってまいります。
次に、災害時の受援体制の向上につきましては、北河内の相互応援協定をはじめ、民間企業との協定を拡大しているところでございます。
また、災害時の応援協定等に基づく職員派遣につきましては、東日本大震災では、応急給水活動及び避難所支援並びに保健医療活動で職員派遣を行っており、熊本地震では、応急危険度判定や罹災証明発行調査支援で職員派遣を行いました。
「大阪北部の地震」では、「北河内相互応援協定」に係る枚方市からの応援要請を受け、罹災証明の発行業務などで延べ51名を派遣いたしました。
併せて、大阪府市長会からの要請により、家屋の被害調査業務などで茨木市及び枚方市に延べ5名を派遣いたしました。
さらに、高槻市に給水活動で延べ4名、大阪市及び茨木市に建物の応急危険度判定業務で延べ5名を派遣いたしております。
今後におきましても、職員派遣で得た経験を活かし、図上訓練を行う等、受援体制の確立のため調査研究を行ってまいります。
次に、避難所運営上の改善点についてでありますが、現在、避難所運営のルールを定めた「避難所運営マニュアル」を自主防災組織に作成いただくよう、働きかけを進めております。
一方、簡易トイレの備蓄につきましては280基でございます。
次に、避難所それぞれの問題点についてであります。
今年度において3回自主避難のための避難所を、全小学校14校にて開設いたしました。
今後につきましては、避難所従事者へのヒアリング等を行い、課題・問題点の抽出を行うなど対策を検討してまいります。
あわせて、関係部署と連携を行い、体育館以外の学校の多目的室や特別教室、教室などの施設の使用が可能かにつきまして調査研究してまいります。
次に、地震による液状化現象についてでありますが、大阪府の「南海トラフ巨大地震対策等検討部会」が、府内市町村の液状化の可能性の分布図を公開しており、市ハザードマップへの反映等について、国、府の動向を注視しながら、他市の事例も参考に、引き続き調査研究を行ってまいります。
次に、防災用品購入補助制度についてでありますが、自助促進の観点から、現時点では、寝屋川市のような制度を実施する考えはございません。
公の施設の小規模附属建築物についてであります。
議員お尋ねの市の施設で小規模附属建築物の対象となるものが、学校施設の耐震化の調査対象の「非木造施設の場合、二階建て以上または延べ面積200㎡を超える建物、木造施設の場合、三階建て以上または延べ面積500㎡を超える建物」を除く小規模附属建築物と定義しますと、小・中学校では小学校14校で116箇所、中学校6校で69箇所となっております。また、校舎の渡り廊下につきましては、小学校1校、中学校3校の計4校で設置しております。
これらの小規模附属建築物に対する耐震診断につきましては、文部科学省より示された学校施設の耐震化の調査対象範囲が、「学校施設のうち、児童生徒が日常的に使用している建物で、非木造施設の場合、二階建て以上または延べ面積200㎡を超える建物、木造施設の場合、三階建て以上または延べ面積500㎡を超える建物」とされているため、耐震診断の対象外となっております。
しかしながら、小学校1校の渡り廊下につきましては校舎と一体となっているため耐震診断を行っているほか、他の渡り廊下も含め、建築基準法第12条に基づき、専門知識を有する資格者に損傷、腐食その他の劣化状況の調査並びに点検をさせており、建築物の安全性の確保を図っているところであります。
今後、文部科学省で必要な措置、検討をしていきたいとの国会答弁を踏まえ、国の動向を注視してまいりたいと考えておりますので、よろしくご理解賜りますよう、お願い申し上げます。
府営住宅の市への移管に関してについてお尋ねします。
1点目は、若者・子育て応援、働き盛りの世代が住めるようにすることについてであります。
質問をするに当たり少し、日本共産党の公営住宅についての考え方を述べさせていただきます。公営住宅は、公営住宅法の改悪で、ごく限られた低所得者しか入居できないため、住居者の高齢化などにより自治会活動など、住民の共同活動も困難を抱える状態になっているこの現状を解決する立場から、公営住宅については、現行の月収15万8千円の入居基準を引き上げて、若い子育て世代も入居できること。また、家賃も収入にあったものにし、収入が増えると不当に高い家賃を課して入居者を「追い出す」ことをやめさせることなどを掲げています。私も以前、公営住宅法が改正され、入居基準が引き下げられた際、働き盛りの世代が住め無くなり、団地内の自治会活動が大変になると指摘しましたが、指摘どおりになっています。
市は、今回の大阪府からの移管で、今後のまちづくりにメリットがあるとしています。市の答弁を聞いていると、市としても各年代が住めるようにしたいと考えていることはわかりました。それでは、具体的に、さまざまな世代が住めるような工夫について、どのように取り組んで行こうとしているのか答弁を求めます。
2点目は、門真団地の建替えに伴う用地活用についてであります。
我が党が取り組んだ市民アンケートの門真団地跡地活用について寄せられた回答では、防災公園を望む声が39.6%、回答者に高齢者が多かったこともありますが、高齢者施設を望む声が38.6%、千石西町の西南地域、三ツ島4・6丁目などコンビニ以外に買い物のできる店が殆ど無いこともあり商業施設を希望する声が17.0%、住宅4.0%、わからないが約1%という結果でした。
市の建替えに伴う用地活用計画の売却用地は、6ヘクタールの用地の内、4ヘクタールについてどんなまちづくりをしようとしているのか、2ヘクタールを売却の考えを示していますが、どのあたりをどれだけ売却を考えているのか。また門真団地の建替え事業着手前の管理戸数および現時点の入居戸数は何戸か、このまま推移すると、当初より活用地が増えると考えるが、増えた用地はすべて売却するのか、それとも市民に役立つ活用を検討するのか答弁を求めます。
3点目は、門真団地の建替え中の建物および周辺整備についてであります。
府営門真団地の建替えによって引っ越しをされた皆さんから、「バリアフリーがされ、トイレもこれまでに比べ広くなり住みやすいと言われる一方で、「これまでよりもドアが大きく、特に風の強い時は風圧で、重くて開けにくく、閉める時は逆に一気に閉まり危ない。ドアを、開き戸から引き戸にして欲しい」、「コンセントの位置が逆になって押入れの荷物の出し入れに困る」、「車椅子世帯向けの駐車場は、住宅から近い位置に設置されていますが、建物から少し遠回りする位置にあり雨が降ると困る」などの声が寄せられています。現入居者の声をふまえ、3期以降の建物設計に生かすべきと考えます。答弁を求めます。
1期・2期の敷地内道路の形態ですが、同区域内を通行する車の出入り口が1か所しかなく袋小路状態になっています。おまけに出入口は、認定こども園の玄関前です。今後、北島東区画整理地域とを結ぶ道路が計画されていますが、道路が開通するとこれまで以上に通行が増えることが予想されます。今でも、1期・2期の入居者の方が、デーサービスに通う時間と、こども園への送り迎えの時間が重なった時は、出入りがしにくい状態です。
今後の周辺のまちづくりと団地建て替え計画については、人や車の流れを十分に踏まえた歩道や車道の整備を求めておきます。
なお、2期工事後、暫定的ではありますが、門真団地内の南北道路の一部歩道部分に消火栓のポールなどによって歩道部分が狭くなっています。植栽部分を歩道として確保することを求めます。建替えに伴う解体工事で騒音・振動・粉塵についての苦情が毎回寄せられています。また、工事期間中設置されている騒音計が、とても住民から見えにくい場所に設置されていました。どれだけの音がしているのか、わかりやすい場所に設置することを求めておきます。
4点目は、門真団地内の介護度の高い世帯の住み替えについてであります。門真団地に入居している方から「主人が寝たきりで、介護が大変。なんとか建替えられた住宅に優先して住み替えは出来ないか」とよく相談を受けています。1期・2期住宅に空き家が発生した場合、住み替えの検討は出来ないでしょうか
以上で、質問を終わります。
【答弁】
まず、若者・子育て応援、働き盛りの世代が住めるようにすることについてであります。
現在大阪府では、新婚・子育て世帯を対象とした応募区分を設けた募集をしており、移管後におきましても、現在の府営住宅の募集方法を参考としながら、対象となる住宅や募集戸数を増やすなどについて検討してまいりたいと考えております。
次に、門真団地の建てかえに伴う用地活用についてであります。
門真団地の建替事業着手前の管理戸数は2,364戸で、本年8月末現在、建替えられた門真千石西町住宅には508世帯、建替え前の門真住宅には955世帯、合計1,463世帯が入居しております。
活用用地の創出見込みについては、現在のところ、第5期までの建設を行った場合、約6haの活用用地が創出されると見込んでおり、そのうち約2haについて売却すると想定しております。
また、活用用地の活用方法については、事業の進捗状況により面積が増えた場合も含め、創出される面積や位置によって活用方法や売却等の条件が変わると考えられることから、引き続き、本市のまちづくりにとって最適な活用となるよう検討してまいります。
次に、門真団地の建てかえ中の建物及び周辺整備についてであります。
門真団地の3期以降の設計についてでありますが、門真団地建替えにおける住戸の仕様や駐車場等の外構計画につきましては、入居者の声や周辺状況を踏まえつつ、改善すべき箇所については、必要に応じ今後の設計において検討してまいります。
次に、門真団地内の介護度の高い世帯の住みかえについてであります。
門真団地の建替事業ではこれまで、府と自治会とが協議の上、新しく建てられた住棟に空家が発生した場合、次の建替えエリアの入居者から優先的に移転する運用がされております。
議員ご指摘の、介護度の高い世帯等が優先的に移転できる運用につきましては、対象とすべき世帯や確保する住戸数等を慎重に設定する必要があるため、今後、自治会の意向も踏まえつつ、実現可能性などについて、検討してまいりたいと考えておりますので、ご理解賜りますようお願い申し上げます。