[2018.9.20] -[議会活動]
1.門真市行財政改善アクションプランについて
この問題は、先の総務建設常任委員会でも質疑を行いましたが、他の所管に関する問題もありますので、改めて一般質問で質したいと思います。
(1)これまでの行財政運営の課題について
行財政運営の課題については、「行財政改善基本方針」でも一定触れられていますが、アクションプランの策定を通じて明らかとなった点も含め、あらためてこれまでの行財政運営の現状と課題について答弁を求めます。
(2)委託等の推進に伴う課題と組織体制について
アクションプラン(素案)では、引き続き委託や指定管理者制度を推進する姿勢が示されていますが、推進すればするほど様々なチェックが必要となり、チェック体制の強化を怠ると質の低下や委託料等の増加が危惧されます。
職員の質・量ともの体制強化が必要だと考えますが、どのようにチェック体制を強化していこうとしているのか答弁を求めます。
(3)「具体の取組内容」の問題点について
アクションプランの「具体的取組内容」では、(1)さらなる歳出抑制と歳入確保の徹底、(2)事業の再編と財源の最適化、(3)効率・効果的な行財政運営の追求に区分し、72項目が挙げられていますが、市民サービス低下はじめ危惧される点があります。
以下6項目について質問します。
①債権管理の体制化、市税・国保料の収納率の向上について
これまでも、国民健康保険料においては異常な財産調査や差押え強化で収納率の向上が図られ、異常に高い国保料に対し昨年度の収納率は92.3%と高いものとなっており、計画期間でさらに0.3%引き上げることとしています。
そのための「債権管理の体制強化」を挙げていますが、どのような体制を考えているのか答弁を求めます。
あわせて市民の生活支援を抜きに差押え強化など収納対策強化は問題です。
滋賀県野洲市のように、「くらし支えあい条例」の制定などで市民の生活支援こそ一層強化すべきと考えますが、答弁を求めます。
②市有財産の利活用(低未利用財産の有効活用)について
旧幼稚園・保育園跡地について有効活用や処分を検討・実施することとしています。
市民の貴重な財産です。
市民意向を的確に把握し進めることが重要だと考えますが、どのように進めようとしているのか。市民の意見聴取を踏まえ検討すべきと考えますが答弁を求めます。
市有財産の利活用という点では、古川橋駅北側の幸福町・垣内町地区の市保有地について「原則売却」するとの方針が大問題になっています。
「原則売却」とした理由については、先の総務建設常任委員会で「高層共同住宅・商業・サービス等ゾーンとしている市有地には、分譲マンションなど、売却しないと実現できない可能性のあるものが含まれている」と答えるのが精いっぱいで、「売却ありき」で進められていることは明らかだと言わざるを得ません。
「原則売却」の方針について、いったいどのよう検討を行ったのか、事業担当言いなりで方針が決められたと考えますが、答弁を求めます。
③地域会議の方向性を踏まえたあり方の見直し
地域会議については、宮本市長就任後、地域協働センター整備の突然の白紙、参与及び地域調整官の解職などが大問題となりました。
一定軌道修正がされ、今日に至っていますが、「自治基本条例推進事業の見直し」で、「地域会議の方向性等を踏まえたあり方の見直し」とあります。
現在の地域会議についてどのように評価し、どのような課題があると考えているのか答弁を求めます。
④小中学校の施設整備(小中一貫、義務教育学校の検討)
「小中学校の施設整備」に小中一貫校及び義務教育学校も含めた学校施設のあり方を検討する」としています。
施設整備に小中一貫校や義務教育学校の検討を持ち込むことは、老朽化した学校施設の改善を望む市民をミスリードし、新たな学校統合の手段として推進しようとするもので大問題だと考えます。
施設整備と小中一貫校等の検討は分けて考える必要があると考えますが答弁を求めます。
また、どのように検討していこうとしているのか、小中一貫校等の教育上のメリット・デメリットについてどのように考えているのか合わせて答弁を求めます。
⑤各種業務の委託化について
「民間でできるものは民間」と、これまで民間委託が進められてきましたが、災害対応ではゴミ収集業務のこれ以上の委託推進は問題であると考えます。
他の業務についても公的責任を堅持する観点から明確な判断基準のもとに進めることが重要です。
委託を進める際にそのような判断基準はあるのか、答弁を求めます。
⑥幼児教育・保育の提供体制の最適化について
少子化の進行や幼児教育・保育ニーズの状況を踏まえつつ、「公立園のあり方も含めた」市全体の提供体制を検討するとしていますが、公立園の役割についてどのように認識しているのか、「あり方」とはどのような内容を検討しようとしているのか、公立園の更なる民営化も視野に入れているのか答弁を求めます。
【答弁】
福田議員御質問の門真市行財政改善アクションプランにつきまして、私より御答弁申し上げます。
これまでの行財政運営の課題についてであります。
まず、財政運営の現状と課題につきましては、平成27年国勢調査の結果における人口減少の影響は甚大なものとなっており、29年度の決算におきましても6,000万円の財政調整基金の繰入を行っている状況であります。そのような中、今後における超高齢社会の到来や公共施設の老朽化、生産年齢人口の減少などの対応を踏まえたうえで、災害等の不測の事態に備えた一定額の基金を確保していくことが課題であると考えております。
次に、行政運営の現状と課題につきましては、社会経済情勢の変化とともに、市民ニーズが多様化・高度化していることをはじめ、本市においては、府内でも職員の平均年齢が若いことが事務処理においても少なからず影響を与えている状況にあります。このことから事務処理ノウハウの共有などによる全体の職務レベルを上げる組織づくりに努めるとともに、職場環境の改善、経営的視点及び事務改善意識の醸成、アウトソーシングやAI・RPAなど先端テクノロジーの積極的な活用などにより効率的・効果的な行政運営を行っていくことが課題であると考えております。
次に委託等の推進に伴う課題と組織体制についてであります。
指定管理者が行う公の施設の管理・運営及びサービスの提供に対するチェック体制につきましては、指定管理者におけるモニタリングの指針を定め、毎年度各部署でモニタリングを実施し公表しているところでございます。
また委託につきましても、契約事務等のマニュアルを作成の上、定期的な研修を実施しており、それを踏まえ、各部署で契約書及び仕様書等に基づく検査を実施しているところでございます。
今後におきましても、現在の取組を続けるとともに、チェック内容等も必要に応じて改善していき、受託業者に対する管理監督を的確に実施することで、市の責務が果たせるものと考えております。
次に「具体の取組内容」の問題点についてであります。
債権管理の体制強化、市税・国保の収納率の向上につきましては、債権管理に関する他市状況、本市の現状整理を行ったうえで、第6次総合計画における施策体系も見据えながら、市が保有する債権全体の適切な管理・回収につながる体制について、一元管理体制も含め検討を行っているところであります。市税・国民健康保険料の収納につきましては、これまでより、収納を専門的に担う部署を設置し、徴収体制の強化、納付機会の拡充、滞納処分の迅速化等の取組により、収納率を向上してきたところであり、引き続き、負担の公平性確保、また、市の歳入確保の観点から、高水準の収納率を維持できるよう取り組む必要があると考えております。
また、新たな滞納の発生を防いでいくこともまた重要な視点であることから、住民サービスを充実し、市民の皆さまの生活改善を図っていくことが必要であると考えております。
次に、市有財産の利活用についてでありますが、旧幼稚園・保育園用地につきましては、現在、跡地の一部を、既存保育園の耐震工事や保育定員拡充のための仮園舎用地、また、まちづくりの整備用地として活用しているところであります。
今後、これらの土地につきましては、各分野における課題解決・施策展開の中で、市民ニーズを踏まえつつ、有効活用を検討してまいりたいと考えておりますことから、様々な利活用が可能な土地として庁内で情報を共有し、利活用の意向を把握するとともに、利活用の見込みのない土地につきましては、早期の売却により、歳入確保に努めてまいりたいと考えております。
各種業務の委託化についてでありますが、ゴミ収集業務につきましては、27年7月に「現業職場の在り方についての基本方針」を定め、原則、民間委託を進めることとしております。
また、他の業務につきましては、18年4月「事務事業の民間委託等に関する指針」による委託の判断基準に加え、30年5月「門真市行財政改善基本方針」における基本的な考え方でお示ししている他自治体との連携及び共同処理等によるスケールメリットを生かした取組、ICTの活用などあらゆる手法の中から改めて最適なものを検討し、判断していくものであると考えております。
地域会議についての評価についてでありますが、設立済みの第五及び第三中学校区地域会議では、それぞれ地域において、様々な地域課題の解決に向けた活動をされておられる他、両校区の代議員が市民参加のまちづくりや重要性について学ぶための合同研修会を企画されるなど、互いの交流と地域会議の発展に資する取り組みも行っておられます。
こうした動きの中、これまで地域活動に関りが薄かった住民が新たに地域会議の活動に参加されるなど、徐々に地域の中でも活動が浸透してきております。
地域会議を平成32年度を目途に全校区設立に向けた働きかけを行う中、課題といたしましては、未設立校区における機運の醸成の難しさや、担い手の確保等がありますが、意見交換会や出前講座の開催などを積み重ねながら、丁寧な対応を心掛け、地域の方々と共に取り組んでまいりたいと考えております。
幸福町・垣内町地区の市有地の検討経過につきましては、29年6月頃から担当部署において検討を進め、また本年2月から民間企業に対し、事業参画の可能性につきまして、アンケート調査を実施するとともに、3月末頃から民間企業へヒアリングを実施し、アンケート及びヒアリング調査の結果等を参考として、「施設配置イメージ案の変更について及び市有地活用の方向性について」が作成されたものであります。
この中で、今後、高層共同住宅・商業・サービス等ゾーンについては、良質な共同住宅や立地環境に応じた商業・サービス等の民間施設を誘致するため、市有地を原則売却とし、公募型プロポーザル方式等による民間事業者の選定方法を検討することなどの考えがまとめられたものであります。
このことにつきましては、これまでの事業経過や今後のスケジュール、まちづくりの方向性に加え、市場調査、企業ヒアリングの結果を受け、当地区の賑わいを創出するという事業目的に照らし、今後、最大限民間活力を活用できるよう、まずは、原則売却として検討することについて、了解するとともに、最終的には、5月末開催の庁議において、付議事案として、審議を行った上で、決定したものであります。
幼児期の教育・保育の提供体制の最適化について、まず公立園の役割についてでありますが、これまでは、基本的には、平成19年策定の門真市立保育所民営化基本方針で示した、地域の子育て支援の拠点としての役割、経験や専門的支援が求められる配慮の必要な子どもに対する保育の先導的な役割、また、保育等現場の情報を収集するための拠点としての役割であるとご説明申し上げてまいりましたし、幼稚園についても子育て支援の拠点を除いては概ね同様であると考えてまいりました。
しかしながら、基本方針の策定から10年余りが経過しており、南北の子育て支援拠点の整備や民間園における地域子育て支援への取り組みなどの状況を踏まえると、公立園の役割についても再度検討・整理する必要があると考えております。
次に、公立園のあり方も含めた検討とは、どのように検討しようとしているのかについてであります。
少子化の進行及び昨今の女性の社会進出や就労形態の多様化による保育ニーズの高まり等により、門真市内における1号認定、いわゆる幼稚園部分の園児の状況は、民間園も含め減少しており、公立園においては各学年で1クラスという状況となっていること、また、第2期子ども・子育て支援事業計画の策定にあたり予定しているニーズ調査の結果を踏まえ、教育・保育の需要と供給量などを含め、今後の方向性について検討する必要があると考えております。
次に、公立園の更なる民営化も視野に入れているのかについてであります。
現在、具体的な方向性は持っておりませんが、今後の教育・保育の提供体制については、学識経験者、関係者及び市民等の意見を踏まえることは勿論のこと、加えて、「本アクションプラン」の「現状と課題」でお示ししている本市の極めて厳しい財政状況も充分に考慮し、様々な観点から総合的に検討していく必要があると考えておりますので、よろしく御理解賜りますようお願い申し上げます。
小中学校の施設整備については「門真市魅力ある教育づくり審議会」においても検討され、その答申において、小中一貫教育をより円滑に行うための新たな流れの中で、小中一貫校・義務教育学校も含めた学校施設のあり方を検討すること、市内学校の再編統合についても早急に検討を進め、新しく衛生的でどの子にも優しく、そして安全・安心でかつ、防災機能も兼ね備えた学校施設を順次つくるという方向性を打ち出すことについて求められました。また、多様な人間関係の中で切磋琢磨できる学校環境づくりの重要性についても言及しています。
教育委員会といたしましては、急激な少子化が進む現状のもと、子どもたちが多様な人間関係を築けるような環境づくりを目指し、答申に基づいて、小中一貫校・義務教育学校も含めた門真市全体の学校施設整備のあり方を一体的に検討し、取組を進めることが重要であり、そのことについて検討する場としては「門真市学校適正配置審議会」がふさわしいと考えております。なお、小中一貫校・義務教育学校を具体化するにあたっては、学校施設整備の一環として考えるべきものだと認識しております。
次に、小中一貫校等におけるメリット・デメリットについてでありますが、メリットに関しましては、同じ施設、同じ敷地内に小学校と中学校があるため、9年間一貫性のある教育活動などを効果的に実施することが可能になると考えております。また、文部科学省が平成29年3月に行った「小中一貫教育等の導入状況調査」においても、学習指導面においては「学習規律・生活規律の定着」、生徒指導面においては、「中学校への進学に不安を覚える児童の減少」そして、教職員の協働面においては「小中学校共通で実践する取組」等、児童生徒に大きな成果が認められております。課題としては小中の教職員の打合せ時間や研修時間の確保、教材の開発や指導計画という教職員に関するものがあげられます。また、例えば、授業時間の違いや、グラウンド使用に係るスケジュールなどカリキュラムの面で様々な調整が必要になったと聞き及んでおります。
【再質問】
古川橋駅北側の幸福町・垣内町地区の「高層共同住宅・商業・サービス等ゾーン」としている市保有地を「原則売却」としたことについて、「事業担当言いなりで方針が決められた」との指摘に対する直接の反論はありませんでした。
行財政改善担当部署が、市有地についてまず考えることは「有効活用」です。幸福町・垣内町地区の市有地は、事業目的の定まっていない未利用地の売却と違い事業目的が定まっているので、「売却」も有効活用の一つですが、選択肢の一つに過ぎません。
「原則売却」とするには、売却をしない有効活用についてその事業手法やメリット・デメリット、売却した場合のメリット・デメリットを検討するのは当然のことですが、そうした経過も示されませんでした。
これでは、事業担当言いなりで「売却ありき」で進められていると言わざるを得ず、宮本市長が中町地区の旧トポス跡地をめぐる29億円問題で問題意識を持たれている「意思形成過程が不透明」と言わざるを得ず、「すでに意中の業者があるのか」との疑念も持たざるを得ません。
改めて聞きますが、①「原則売却」との方針を庁議で決定する前に、売却でない市有地の活用について検討したのか否か。検討したとすればどのような内容か。②「原則売却」する場合、売却を選択しないという判断をするときの基準となるものが必要です。
それはどのような判断基準なのか、具体的に答弁を求めます。
また、中町地区ではURが売却したマンション用地に対し、「木造賃貸住宅等建替事業助成金」の趣旨に反し、約4億円が支払われましたが、今回売却するとすれば、その対象になると考えているのか答弁を求めます。
公立園の役割について答弁では、「南北の子育て拠点の整備、民間園の地域子育て支援への状況を踏まえ再度検討・整理する必要がある」との答弁ですが、「子育て世代の転出を抑制し、転入を促進する」ための年度を通じた待機児童の解消は不可欠であり、配慮の必要な子どもに対する保育の先導的な役割についてもさらに高まっており、更なる充実が必要だと考えます。
また、「本市の極めて厳しい財政状況も十分に考慮し」との答弁ですが、財政と公立園としての重要な役割を天秤にかけるとしたら、本末転倒と言わざるを得ません。
以上の点についてどのように考えているのか答弁を求めます。
【答弁】
売却でない市有地の活用について検討したのか否かについてでありますが、市場調査の結果、本地区に立地を検討する業種として分譲マンションの意見が最も多く、市有地を売却しないと実現できない可能性があることから、原則売却としたものであり、売却しない場合の検討は行っておりません。
次に、売却を選択しない場合という判断基準についてでありますが、民間の創意工夫を最大限、活かせる手法について、今後も更なる検討を行うこととしており、市有地の活用として、売却によらないその他の手法が有効である場合に判断するものと考えております。
次に、「木造賃貸住宅等建替事業助成金」の対象になるかについてでありますが、国の制度である住宅市街地総合整備事業の交付要件に適合し、また、門真市木造賃貸住宅等建替事業助成金交付要綱の助成対象要件に適合する建物であれば、助成金の対象となるものと考えております。
公立園の役割や財政状況も考慮した検討についてでありますが、議員お示しの年度を通じた待機児童の解消については、現在、保育定員拡充事業において、民間事業者による施設整備により利用定員の拡充を図っているところであり、また、公立園における配慮の必要な子どもに対する保育の先導的な役割の必要性について否定するものではありません。
現在、具体的な方向性は持っておりませんが、子ども子育て施策だけをとらまえても、課題が山積する中、厳しい財政状況も充分考慮しつつ、様々な観点から総合的に検討していく必要があると考えているところでありますので、よろしく御理解賜りますようお願い申し上げます。
2.コミュニティバスについて
(1)これまでの運行状況と課題について
コミュニティバスは、市内の公共交通不便地域の解消を図るため、バス事業者に対し運行経費を補助し、2011年12月に運行が開始され間もなく7年となります。
乗降客人数は増加傾向にあるものの、市民ご意見番アンケートでは、満足度が全事業の平均3.13に対し3.08とわずかに下回っており、改善が求められる事業となっています。
まず、これまでの運行状況(乗降客数、補助の状況、経路の見直し)、現在の課題について答弁を求めます。
(2)利便性向上のための運行経路等の見直しについて
コミュニティバスは、交通不便地域解消のための重要な公共交通の一つで、一定の利用がありながら、満足度は高くなくさらに利便性の向上が求められています。
そのための見直しについては、国土交通省も「コミュニティバス運行指針」を示し、少なくない自治体で実態調査やワークショップなど住民参加で運行経路等の見直しが行われています。
また、市川市では協賛制度(寄付)を立ち上げるとともに、車体・車内広告を募集し収支改善を図ろうとしていますが、こうした自治体も少なくありません。
コミュニティバスの利便性向上のための経路等の見直し、広告・寄付など収支改善の取組の考えについて答弁を求めます。
(3)「地域公共交通の活性化及び再生に関する法律」にもとづく「地域公共交通網形成計画」の策定について
本市は、市域面積12.3㎢のコンパクトで平坦な地形、鉄道駅舎が7つあり地域公共交通のさらなる充実は、安心して住み続けられるまちづくりの大きな要素となり、魅力、強みになると考えます。
「地域公共交通の活性化及び再生に関する法律」は、急速な高齢化の進展、移動のための交通手段に関する利用の選好の変化などの社会経済情勢の変化に対応し、地域住民の自立した日常生活の確保をはじめとした地域公共交通網の形成の促進等を目的とし2007年施行されましたが、特定財源の確保等の観点からもこの法律に基づき具体化することも重要だと考えます。
この法律では国の基本方針に基づき、持続可能な地域公共交通網の形成に資する地域公共交通の活性化及び再生を推進するための計画「地域公共交通網形成計画」を作成できるとしており本年6月までに422件の計画が策定されています。
本市においても計画策定を検討すべきと考えますが、答弁を求めます。
【答弁】
はじめに、運行状況と課題についてであります。
まず、乗降客数についてでありますが、23年度は12月から運行を開始し約13,800人、24年度が約57,800人、25年度が約64,300人、26年度が約69,200人、27年度が約71,400人、28年度が約73,900人、29年度が約76,600人であり、年々増加傾向にあります。
次に、補助の状況についてでありますが、京阪バス株式会社に対し、23年度は、年間約870万円、24年度から28年度までは年間3,000万円、29年度以降は年間2,800万円の補助を行っております。
次に、経路の見直しについてでありますが、29年度から5年間のコミュニティバス事業の継続にあたって、京阪バス株式会社と協議を行いましたが、現行の運行ルートが利用者に定着していることや既存路線との兼ね合い等により見直しには至っておりません。
次に、現在の課題についてでありますが、交通不便地域は一定解消されているものの、一部、バス停から遠い地域があることや、利用者は年々増加傾向にありますが、路線の維持にはさらなる利用促進方策を検討していく必要があると、考えております。
次に、利便性向上のための運行経路等の見直しについてであります。
利便性向上ための運行経路等の見直し・拡充につきましては、今後も京阪バス株式会社と意見交換を行い、収支改善の取組みについては、コミュニティバスを継続して運行していただくために必要でありますことから、京阪バス株式会社と連携し、議員ご提案の他都市や先進事例等を参考に、調査研究してまいりたいと考えております。
次に、「地域公共交通の活性化及び再生に関する法律」にもとづく「地域公共交通網形成計画」の策定についてであります。
本計画につきましては、地域公共交通の現状・問題点、課題の整理を踏まえて、公共交通ネットワーク全体を一体的に形づくり、持続させることを目的としたものであり、本市にとっても、必要性はあるものと考えておりますものの、大阪モノレールの南伸や中間駅設置の検討なども行ってまいりますので、本市の公共交通網が変化していくことが予想されます。
このことから、本市のバス路線のあり方について京阪バス株式会社と意見交換を行うとともに、他市の計画策定の状況を注視し、本市にとって、必要な時期に計画策定ができますよう、調査研究を行ってまいりたいと考えておりますので、よろしくご理解賜りますよう、お願い申し上げます。