[2008.6.25] -[議会活動]
私は日本共産党議員団を代表し、以下の4議案について反対の立場から討論を行います。
まず、議案第32号、門真市立保育所条例の一部改正についてです。
門真でわずか7園しかない公立保育園のうち4園を来年度同時に民営化する計画に基づいて泉町保育園、小路保育園、柳町保育園、北島保育園を廃止しようとするものです。保育所民営化について保護者の皆さんからは、4園同時の民営化は大阪府下で初めてであまりにも一方的すぎること、北島保育園の民営化で南西部に公立保育園がなくなり、地域住民の影響が大きいこと、現在働いている126人の非正規職員の仕事を一方的に奪うことは許されない、保育の継続性が損なわれ、幼い子どもたちの心に大きな傷を残すことになるなど、不安の声があります。昨年の12月議会では否決されましたが、34,064名もの署名を添えた請願が提出され、今議会に廃止条例を提案しないことを求めた市長への要望署名は8,388名にも上っています。また、議会に対しても今議会で採決を行わないよう求める陳情書が各会派などに提出されています。
しかし、委員会審査では保護者の不安が払しょくされるような答弁は全くありませんでした。ないどころか北河内での保育所民営化について問題は「特にない」と、大東市において性急な民営化によって子どもたちが傷いたことで裁判が起こされ、31世帯51人に対し一世帯当たり、33万円の賠償金を大東市が支払うこととした判決が最高裁で確定したことについて全く触れず、覆い隠そうとする異常な答弁を行いました。保護者の気持ちを逆なでするもので、絶対に認めることはできません。合わせてこの場で改めて指摘しておきますが、門真市の行革計画の中で、「民営化」はこの保育所のみで、本来ならば市長自ら率先して保育所民営化をなぜ進めなければならないのか保護者に対し説明し、理解を求めるべきですが、これまで一度も説明を行わず、保護者の求めにも全く応えようとしていません。このようなことで、保護者の理解は絶対に得られませんし、ましてや市長の言う「市民協働」は進むことがないことを厳しく指摘し、4園一度の民営化、保護者合意なしの保育所民営化は絶対に認められないことを改めて表明するものです。
次に議案第30号、財産の無償譲渡についてです。
民営化する4園の公立保育園の施設を無償譲渡するものです。これは保育所民営化に伴うもので、到底認めることはできませんが、財政が苦しいと言いながら、現在の市立保育園の一定の保育内容を継続することの義務付けで、経費の増加が見込まれるということだけで施設の残存価格が4600万円の柳町保育園、2600万円の泉町保育園、2200万円の小路保育園、250万円の北島保育園を無償譲渡することは、同じく来年度2園を民営化する大東市が施設を有償譲渡することを見ても到底納得することはできません。
次に議案第33号、特別職の職員で非常勤のものの報酬及び費用弁償に関する条例の一部改正についてです。
4月からの後期高齢者医療制度の導入に伴い、国民健康保険料収納推進員が後期高齢者医療保険料も徴収出来るようにするものです。後期高齢者医療制度は75歳以上ということだけでこれまで加入していた健保や国保から切り離され、新たな保険制度に加入を強制され、保険料は年金天引き、医療の内容も入院・通院・終末期に至るまで、医療費を抑制するための差別医療となっており、高齢者の皆さんにとっては早く死ねと言わんばかりの最悪の制度です。政府は導入前に続いての見直しを行おうとしていますが、いくら繕っても高齢者差別医療制度であるこという根本は改めることはなく、廃止しかありません。よって、この条例改正は認めることはできません。
次に議案第36号、平成20年度門真市一般会計補正予算についてです。
この補正予算では、これまで直営で行ってきた家庭系普通ごみの一部と古紙の収集を民間委託する予算が計上されています。ごみ収集の民間委託は、収集もれの対応や事業ごみとの混合収集、分別指導などについての問題点が指摘され、委員会質疑でもその対策について十分なものとは言えませんでした。また、行政の仕事を委託することでいま大きな社会問題となっている非正規雇用、不安定雇用を拡大することのないよう雇用形態について1台3名のうち2名は正規雇用とすることを求めましたが、1名とするなど全く不十分です。あわせて今後ごみ収集業務をすべて委託するという方向性が示されました。災害時の対応など、すべて委託するというのは公的責任を放棄するもので到底認めることはできません。組合との協議も不十分なままこの条例案が出されたということも厳しく指摘するものです。
以上、4議案に対する反対討論とします。