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  • こんにちは。門真市会議員団です。

    2018年6月議会 福田英彦議員の一般質問・答弁

    [2018.6.21] -[議会活動]

     

    1.古川橋駅北側の旧第一中学校周辺のまちづくりの拙速な見直しについて

     古川橋駅北側に位置する幸福町・垣内町地区の旧第一中学校跡地周辺のまちづくりについては、密集市街地の解消とともに、商店街の活性化、誰もが憩える空間の創出、地域とともにコミュニティを育む文化・学習の交流拠点としての生涯学習複合施設の整備を権利者のみなさんをはじめ、周辺住民のみなさん、そして多くの市民のみなさんの合意のもとで進めていくことが重要だと考えます。

     この地区のまちづくりは、住宅市街地総合整備事業を中心に進められてきましたが、国の交付金の影響で事業が2年余りの延伸を余儀なくされたことや、生涯学習複合施設の建設基本計画策定後5年が経過するなど、計画等の一定の見直しは必要だと考えますが、何が何でも今年度の区画整理組合設立にあわせて進めていこうという姿勢については、拙速感が否めません。

     1)見直しに至る経過の詳細について

     今回の幸福町・垣内町地区の施設配置イメージ案や生涯学習複合施設の見直しにあたって、議会に対する説明、委員会での議論もありましたが、改めて見直しに至る経過について①見直しに関する問題意識②見直しに関し議論を行った会議等と内容、その時期について答弁を求めます。

     また、見直しの視点として「急激な人口減少やそれに伴うニーズの変化」「まちづくりに関わる様々な状況の変化」が挙げられていますが、その内容とこの地区のまちづくりとどのような関係があるのかについても合わせて答弁を求めます。

     2)住民・権利者等への意見聴取について

     冒頭にも述べたように、まちづくりにあたっては権利者のみなさんをはじめ、周辺住民のみなさん、そして多くの市民の皆さんの合意のもとで進めていくことが重要で、今回の見直しは、当然意見聴取の結果を踏まえたものだと考えますが、どのように意見聴取を行いその意見等がどのような形で見直しに反映されているのか具体的な答弁を求めます。

     3)生涯学習複合施設見直し問題について

     生涯学習複合施設の見直しについては、宮本市長が先の第1回定例会において見直しの考えを示し、その議会の真っ最中の319日に総合教育会議が開かれ、その後教育委員会定例会が開かれています。

    生涯学習複合施設建設基本計画は、様々な議論の積み重ねの中で策定されてきた経過がありますが、それを僅かの期間で見直すことは、手続き的にも内容においても無理があるのではないかと考えます。

    総合教育会議と教育委員会定例会では様々な意見が出されましたが、現時点においてその意見をどのように見直し案(市有施設と連携・機能分散)に反映しているのか答弁を求めます。

    4)市民の貴重な財産(土地)売却について

     今回の見直しの一つに、これまでの商業・サービス等ゾーンを集約し高層共同住宅・商業サービスゾーンとし、交流広場を削りゾーンを拡充、そして原則売却としています。

     わずか16%34社の回答だった「まちづくりに関する民間企業への市場調査」の結果を踏まえた見直しに違和感を覚えます。

     そして、危惧されるのは市民の貴重な財産である市有地を売却するということです。

     国では、異常な値引きで国有地が売却された森友学園問題の例を挙げるまでもなく、市有地を売却するという判断にあたっては、その妥当性や透明性の確保が欠かせません。

     今回売却とした経過について、①市有地を売却としない場合との比較(メリット・デメリット)②公募に対する応募が無かった場合の対応について答弁を求めます。

     

    【答弁】

     21年3月に策定した「幸福町・中町まちづくり基本計画」などの現行の計画からも一定の期間が経過し、急激な人口減少やそれに伴うニーズの変化、また、まちづくりに関わる様々な状況の変化に加え、現状の厳しい財政状況における既存施設の活用やランニングコストの視点等を踏まえながら、当地区の持続可能なまちづくりの実現に向け、具体的な検討を進めるものであります。

     次に、見直しに関し議論を行った会議等と内容、その時期についてでありますが、29年6月頃からまちづくり部において、道路の配置検討及び市場調査についての検討を進め、同年11月にコンサルタントへ市場調査を含む宅地計画業務委託を発注し、土地利用や公共施設の配置計画、市場調査等の業務に着手しました。

     その後、まちづくり部において、土地利用計画について検討を進め、本年3月の庁内会議において、アンケートの状況報告及び、市有地における施設配置の考え方を含む土地利用計画について説明を行いました。

     さらに、3月の庁内会議で説明した内容について、まちづくり部において、施設配置イメージ案としてまとめ、5月の庁内会議において説明を行いました。

     最終的に5月末の庁議において、施設配置イメージ案の変更について説明を行った後、市長決裁を得たものであります。

     次に、見直しの視点の「急激な人口減少やそれに伴うニーズの変化」などの内容と、この地区のまちづくりとどのような関係があるのかについてであります。

     本地区のまちづくりは、民間活力の導入により実現するものであり、駅前という交通の利便性や人の呼び込みなどの観点から、ポテンシャルは高いものの、急激な人口減少や松生町の民間開発、大阪モノレールの南伸などといった、まちづくりに関わる様々な状況の変化は、民間市場において、商業や住宅などの立地を検討する場合に大きく影響するものと考えております。

     次に、住民・権利者等への意見聴取についてであります。

     今回の施設配置イメージ案は、市場調査の結果を参考に市が作成したものであり、今後、この施設配置イメージ案について住民や権利者等のご意見を伺うものであります。

     このため、先日開催されました「まちづくり協議会」及び今後に開催予定の「共同整備事業組合総会」において、本市より周辺住民の方々や地権者等に対し、丁寧に施設配置イメージ案の変更等の説明を行い、ご意見を伺ってまいります。

     次に、現時点において総合教育会議及び教育委員会でお聞きした意見につきましては、「計画策定から約5年の月日がたっており、この機会により時代にあったものにするため、社会状況の変化や市のまちづくりの状況を踏まえ、一定の条件の見直しや再整理についても検討することを考えてもいいのでは」や「計画のコンセプトが変わってしまうことは考えられない」などのご意見がありました。

     現時点での検討状況につきましては、市立文化会館が市の北部にあることから可能な限り北部の既存施設を活用する検討を進めており、複合施設の機能である学習創造機能は複合施設に残るものと、市立公民館、市民文化会館ルミエールホール、市民交流会館中塚荘などへ分散するもの、子育て支援機能について複合施設に残るものと保健福祉センターへ分散するものなど、既存施設への代替や諸室の集約が可能かどうか検討を進めている段階であります。今後、社会教育委員会議や公民館運営審議会などで各委員の意見を踏まえ、8月の教育委員会で検討結果を取りまとめることとしております。

     次に、市民の貴重な財産(土地)売却についてであります。

     市有地を売却し、民間活力を導入することにより、市の生涯学習複合施設に加え、商業や住宅等の様々な都市機能が集積し、賑わいを創出することが期待できます。また、本市の厳しい財政状況において、土地の売却益や固定資産税等の地方税の増収による財源も確保できます。

     市有地を売却しない場合のデメリットにつきましては、今申し上げた市有地の売却により、期待される効果が得られないことであります。

     次に、公募に対する応募が無かった場合の対応についてでありますが、そのような事態を招かないよう、今回市場調査を実施し、その結果を参考にしてゾーニング等の見直しを行ったものでございます。

     

    【再質問】

     市有地を売却しない場合との比較(メリット・デメリット)に対する答弁で、デメリットについては、「市有地の売却により、期待される効果が得られないこと」という珍答弁で、まさに市民の貴重な財産売却ありきでこの見直されたと言わざるを得ません。

     市有地を売却しない場合の想定と売却による想定の比較検討は行わなかったのか、行ったとすればどのような内容か。市有地を売却する場合は、公有財産転用処分検討委員会での議論を経るはずですが、検討はされたのか答弁を求めます。

     

    【答弁】

     市有地を売却しない場合の想定と、売却する場合の想定の比較検討はしておりません。

    次に、公有財産転用処分検討委員会での検討は行っておりませんのでよろしくご理解賜りますようお願い申し上げます。

     

     

     

    2.「29億円問題」住民訴訟控訴審の判決について

     いわゆる「29億円問題」は、中町地区に位置し、2010年(平成22年)3月末で閉店した旧ダイエー・トポスの土地と建物を門真市と二人三脚でまちづくりをすすめてきた光亜興産らが約15億円で取得。その一方で、その翌年の2011年(平成23年)7月に策定した「門真市財政健全化計画・中期財政見通し」の資料の「門真市幸福町・垣内町・中町地区公共施設構想図」において、旧ダイエー用地の一部を市立体育館用地とすることが突如公表され、その翌年度2012年度(平成24年度)の当初予算と次年度予算に建物除却補償費が計上され、門真市が土地を全く取得することなく、建物除却補償費総額29億円余りが光亜興産らに支払われたという問題です。

     誰が考えても光亜興産らが大儲けをする不当な税金・補助金の支出だということで、直後に住民監査請求が行われ、「問題ない」とする監査結果を不服として2014年(平成26年)2月に住民訴訟が提起され、その後の参加人含めて13人の市民が門真市を相手にこれまで争われてきました。

     その住民訴訟は、昨年7月に大阪地方裁判所で「原告の請求を棄却」との不当判決に続き、今月13日の大阪高等裁判所での控訴審判決においても「本件控訴をいずれも棄却する」との不当判決が言い渡されました。

     いずれの判決も、市側の主張を鵜呑みにし、市民感覚とは全くかけ離れたもので、党議員団が実施した市民アンケートでも、8割を超える方が「税金・補助金の無駄遣いである」と回答しています。

     当然のことながら、判決直後の報告集会で「上告」することが確認されています。

     

    1)住民訴訟、判決の受け止めについて

     このような経過をたどった住民訴訟について、市がどのように受け止めているのか以下の点について答弁を求めます。

     ①この「29億円問題」がなぜ住民訴訟へと進展したと考えているのか。

     ②この住民訴訟において、市は何を主張し、裁判所に何が認められたと考えているのか。

     ③高裁判決で、「光亜興産らが、結果的に相当な利益を得たことはうかがわれる」とあるが、「相当の利益」どのような利益と考えているのか。

     光亜興産らは、ダイエーから約15億円で土地(約13千㎡)と建物を取得する一方で、門真市から約29億円の建物除却補償費を受け取っているので、5億円程度の建物撤去費を差し引いたとしても、約9億円を手元に残し、約13千㎡の土地をタダで手に入れたことになると考えますが間違いないか答弁を求めます。

    2)今後に生かすべき教訓について

     これまでの住民訴訟をめぐる議論、そして地裁、高裁の判決を通じて、市として今後に生かすべき教訓が当然あると考えますが、答弁を求めます。

    3)ダンマリを決め込んできた宮本市長の「29億円問題」に対する考えについて

     この住民訴訟は、前市政において起こった問題ですが、高裁では宮本市長が被控訴人となっており、市長としてこの問題とどう向き合うのかについて、自らの考えを明確にすることが求められています。

     しかし宮本市長は、この「29億円問題」についてどう考えるのか、一昨年の市長選挙においても全く語らず、市長就任後も「係争中」を口実にダンマリを決め込んできました。

     しかし、市長選挙に応援に駆け付けた大阪府知事であり、大阪維新の会代表の松井一郎氏は、この「29億円問題」について市民に対し、「皆さんも御承知のとおり、一部の人たちがすごくいい思いをしてるでしょ。皆さんも、トポスの問題、何か再開発をする、そこにとんでもない、ちょっと民間では、一般では考えられないような、皆さんの税金で移転補償費が支払われている。移転補償費29億、29億ですよ。29億あればね、幼稚園、保育園、4歳、5歳、門真で無償させるお金、ほぼ4年分ぐらいになる。結局ね、一部の人たち、駅前再開発、トポスで29億、何でそんなところにね皆さんの税金が流れているのか。誰がいい思いをしているんですか、全くわからないようになってるんです。皆さん、このような、まあ、とにかくね、税金の使い方が見えない、納税者から見えない、一部の人たちがそれでいい思いをする、そういう門真を変えていきましょう」と熱く訴えました。

     当然市長も同じ考えで市長選挙に臨んだと考えますが、改めて答弁を求めます。

     そして現在、市長としてこの判決をどのように受け止めているのか、「29億円問題」は全く何の問題もなかったと考えているのか、問題があったとすればどのようなことだと考えるのか、明確に答弁を求めます。

     

    【答弁】

      始めに、住民訴訟、判決の受け止めについてであります。

     住民訴訟へと進展したことについてでありますが、当時、行政に対する不信感を市民に与えてしまったためであると考えております。

     次に、市の主張と、裁判所に何が認められたと考えているのかについてであります。

     園部元市長・光亜興産らの共同不法行為の主張について、22年3月3日の公拡法に基づく届出に対する回答時点で、トポス跡地を購入する必要はなく、本件補償と体育館建設計画との間に関連性はないこと、公拡法の届出に対し、買取希望をしても15億円で買い取ることはできない。

     また、「買取希望無し」とした回答に不合理な点はなく、本件移転補償の算定は補償基準等に則って行われたものであり、誤りはないことを主張しております。

     これらの市の主張に対し、第一審・控訴審を通して、門真市の主張を全面的に採用する判断であったものと認識しております。

     次に、高裁判決での「相当の利益」とはどのような利益と考えているのかについてであります。

     

     本件は、園部元市長及び光亜興産らの共同不法行為の成否に対する高等裁判所の判断であり、判決では、「光亜興産らが、結果的に相当な利益を得たことはうかがわれるが、不当な利益を得させる共謀があると認めるに足りる的確な間接事実及び証拠はなく、門真市の損失の下で光亜興産らに不当な利益を得させるために行われたものとは認められないので共同不法行為は認められない」とされております。

      「相当の利益」がどのような利益であるかにつきましては、高等裁判所においても、言及されておりませんし、本市としても判断いたしかねます。

     次に、今後に生かすべき教訓についてであります。

     先ほどもご答弁申し上げましたとおり、本件事案が住民訴訟に至ったことは、当時、行政に対する不信感を市民に与えてしまったためであると考えており、今後の行政におきましては、透明性の高い意志形成に心がけ、市民に信頼される行政運営に努めてまいります。

      「29億円問題」対する考えについてであります。

     まず、松井知事の述べられた内容につきましては、十分に認識しており、意思形成過程が不透明であったとする問題意識としましては、同じ考えであります。

     次に、去る6月13日の高裁判決に対しましては、これまでもご答弁申し上げておりますとおり、全面的に本市の主張が認められたものと受けとめております。

     しかしながら、当時、意思形成過程が不透明だとされ、行政に対する強い不信感を与えてしまったことから、住民訴訟に至ったと考えており、今後は、市民に信頼される行政運営に努めてまいりたいと考えております。

      

    【再質問】

     高裁判決の光亜興産らの「相当の利益を得た」はどのような利益かについて、例示して間違いないか答弁を求めたにもかかわらず、「高等裁判所においても、言及されておりませんし、本市としても判断致しかねます」と、判断を避けましたが、例示に間違いがないかについて否定しませんでした。

     改めて事実関係について確認します。

     光亜興産らは、旧ダイエーの土地約13千㎡と建物を約15億円、で取得、門真市から建物除却補償費約29億円を受け取り、その内の建物除却費相当分は約5億円であることに間違いはないか答弁を求めます。

     

    【答弁】

     旧ダイエーの土地の面積と土地・建物の取得金額、本市からの建物除却補償費と建物除却費相当分についてでありますが、裁判資料の情報等によりますと、議員お示しのとおりの面積・金額になりますが、相当の利益がどのような利益であるかについては、市として判断いたしかねます。

     

     

    3ごみ置き場等のカラス対策について

     この質問のきっかけとなったのは、先月行った市政報告・懇談会で参加者の方から「ごみ置き場でカラスの被害があるので、ネットなどを買おうと思うが、市や自治会の補助はないのか」、ある自治会の副会長さんからは「枚方市では、カラス対策箱型ネット購入の補助制度があるが、門真市でも同様の制度を導入して欲しい」、また「うちは夜中のゴミ出しなどしないように徹底しているので、被害はない」などの意見が寄せられたことです。

     近年カラスは、食料等の豊富な都市部で増え続け、ゴミの食べ散らかしや人への威嚇・攻撃、朝はうるさいカラスの鳴き声で目が覚める人も少なくなくありません。

     こうした中で環境省(当時の環境庁)は、20003月にリーフレット「都会のカラス~その被害と私たちにできること~」を策定し、20013月には、「自治体担当者のためのカラス対策マニュアル」を策定しています。

     このマニュアルの冒頭には、「都会のカラスの存在を認識し、カラスをよく知ることが大切です。どういう生活をしているのか、どうして増えたのか現状を把握した上で、どのように対応すべきかを考える必要があります。そして実行に移し、その効果を確認しつつ、さらなる施策の展開にフィードバックさせることが理想的です。」、「現状を客観的に認識し科学的な対応をする必要があります。」としています。

     このマニュアルは178年前に策定されたものですが、基礎・現状編、対策編、資料編で構成された135頁にも及ぶものですので、今後参考にしていくことを求めて以下の点について質問します。

    1)カラス被害の現状について

     本市は12.3㎢の市域面積に、人口が123千人余りで、人口密度は1万人です。カラスにとって食料や巣作りのためのゴミが豊富で巣作りに適した電柱が林立するという繁殖には恵まれた環境にあると考えます。

     カラス対策については、まず現状を認識し、対応することが重要だと考えます。

     本市におけるカラスの生息状況、ゴミの散乱を始めとした被害状況、市民からの寄せられる苦情の状況、そして具体的な対応について答弁を求めます。

     2)対策に関する市民周知について

     カラス被害の特にゴミの散乱については、先ほども紹介したように、ゴミ出しの時間をはじめ出し方についても工夫することで効果があるようです。

     本市も「街中のカラス対策」という啓発リーフを作成していますが、その活用をはじめとしたカラス対策に関する市民周知の状況について答弁を求めます。

     (3)ネット購入補助等の支援策導入について

     カラス対策については市民周知と同時に、その市民が講じる対策に対する具体的な支援が必要不可欠だと考えます。

     それは、単に市民サービスの向上というだけではなく、門真市美しいまちづくり条例第31条の「市民等は、カラス、犬、猫その他の動物で飼い主のいないもの又は飼い主の不明なものが、生ごみ等に依存することにより、良好な生活環境を損なうことのないよう、当該生ごみ等を適切に管理しなければならない」との規定を市民任せにしないこと、そして市域全体に一気に対策を進め効果を高めるという側面があります。

     市民のカラス対策に対し支援策を講じている自治体は少なくありません。

     先ほど紹介した枚方市では、カラス対策箱型ネットの購入に対し、購入金額の3分の1、上限1万円を助成する制度が昨年10月からスタートしています。

     このように対策ネットや箱型ネットの購入補助制度を導入している自治体、をはじめ、ネットの配布や貸与を行っている自治体もあり様々です。

     カラス対策が遅れることによって、その自治体にカラスが集まってくるという問題も容易に予測されます。

     本市においても、カラス対策をより促進させるために、対策ネット等の購入に対する助成制度を創設することが求められているのではないでしょうか。

     カラス対策に対する支援策導入の考えについて答弁を求めます。

     

    【答弁】

     まず、カラス被害の現状についてのうち、カラスの生息状況についてでありますが、その生息数の増減につきましては、正確な情報をつかんでおりませんが、環境省のリーフレットに掲載されているように、本市の様な市街地においては、街路樹や電柱など立体的構造物が多く、カラスは本来の生息地である森林に類似していることから住みよい環境となっていると考えられます。

     次に被害状況や市民から寄せられる苦情の状況及び具体的な対応についてでありますが、年間を通してごみ置き場のごみの散乱による環境悪化及び景観を損なうなどの被害相談が市に寄せられており、特にカラスが繁殖期をむかえる春先には、生ごみが恰好の餌となることから、被害の苦情等が増加する傾向があります。

     これらの被害を最小限に抑えるためには、カラス除けネット等を用いてごみを覆うことが効果的であり、また、ごみ置き場等にごみ出しをする場合は、深夜等のごみ出しを無くすことや食べられる生ごみや残飯をできるだけ減らすことなど、ごみの減量化を心がけ、ごみとカラスの接点をできるだけ絶つことが有効であると考えております。

     次に対策に関する市民周知についてでありますが、被害抑制には地域の皆様のご協力が不可欠であると考えていることから、前述のような効果的な対応策について、市ホームページや広報誌などで市民周知を図っているところであります。

     次に、ネット購入補助等の支援策導入についてでありますが、他市の支援策導入状況等については調査し、一定の効果があるとききおよんでいるものの、本市におきましては、従来より自治会や市民個人において、カラス除けネット等を購入していただき、カラス対策にご協力いただいていることから今のところ導入する考えはございません。

     今後におきましては、実態に応じた友好的な支援策について調査研究するとともに、無秩序なごみ出しに対しての指導啓発や地域の皆様がカラスによる被害を受けることのないよう、様々な媒体を活用することにより、より一層の周知に努めてまいりたいと考えております。