[2018.3.23] -[議会活動]
豊北ゆう子 議員
私は、日本共産党議員団を代表し、条例案件では、議案第3号門真市職員の分限に関する条例の一部改正について、議案第6号門真市国民健康保険条例の一部改正について、議案第9号門真市都市公園条例の一部改正について、議案第21号門真市一般職の職員の給与に関する条例等の一部を改正する条例の一部改正について、議案第22号一般職の職員の退職手当に関する条例の一部改正について。
予算案件では、議案第13号平成30年度門真市一般会計予算、議案第14号平成30年度門真市国民健康保険事業特別会計予算、議案第17号平成30年度門真市後期高齢者医療事業特別会計予算、そして、議案第23号から27号まで5会計の平成30年度補正予算について反対の立場で討論を行います。
議案第3号 門真市職員の分限に関する条例の一部改正について
人事評価を給与に反映させる地方公務員法の改悪に基づき、「降給」の規定を新たに設けるもので、現時点で特段の問題は生じていないこと、北河内において他市は全く実施していないことが質疑で明らかになりました。
そもそも人事評価を給与に反映させることそのものに大きな問題があることも含め認めることはできません。
議案第6号 門真市国民健康保険条例の一部改正について
今回の改正は、新年度からの国民健康保険事業の府下統一によるもので、質疑のなかで府下統一後大幅に引き上がる保険料について、「市独自の保険料率をする考えはない」、減免制度も「激変緩和措置期間終了後は、『大阪府で1つの国保料』になることなどから、共通基準のみで対応」と、市民の立場より大阪府の運営方針を優先する姿勢であることが明らかになりました。
府下統一により、保険料は6割を超える法定軽減対象者をはじめ所得の低い方ほど値上げとなります。保険料の増加率が一番高いのは、基準総所得が0円の1人世帯で 31.42%、2人世帯で 23.63%、4人世帯が17.91%といずれも基準総所得が0円の各世帯で最高の増加率となっています。
これは、均等割(1人当たり)、平等割(世帯当たり)が引上げられ、特に平等割は、医療・後期分が7割増となっていることが要因です。
門真市は、これまで滞納者への差押えの強化などの問題点はあるものの、「高い国保料」の軽減に努めるとともに、減免制度も拡充してきました。
しかし、保険料率の統一によって、その努力が反映されなくなり、所得の低い世帯が多い門真市にとっては、最悪の制度改悪です。
新年度の門真市の保険料率は、府の激変緩和措置が講じられるため、一定引き下げられますが、激変緩和が終了する2023年度からは大幅引き上げになることは避けられません。また、市独自減免もできません。こうした条例改正は断じて認められません。
統一保険料率を現行保険料率から引き上げないこと、市独自減免を継続することを強く求めたいと思います。
議案第9号 門真市都市公園法条例の一部改正について
都市公園法及び施行令の一部改正に伴い、「認定公募設置等計画」に基づく公共還元型の収益施設管理制度を創設することに伴う条例改正ですが、民間営利企業の都市公園開発、周辺開発と一体の開発に道を開くものであり、質疑に対する答弁でも、「現在のところこの制度を利用する予定はない」ことからも本市において必要性もないものであり、認めることはできません。
議案第21号 一般職の職員の給与に関する条例等の一部を改正する条例の一部改正について
国の基準に従い、地域手当を新年度から15%とするとしていたものを「厳しい財政状況」を口実に、14%に据え置くという実質1%の給与削減を行おうというもので、組合との合意も議会の議決も反故にするものと言わざるを得ません。合わせて、北河内においては全て国基準に準じて実施していることからも認めることはできません。
議案第22号 一般職の職員の退職手当に関する条例の一部改正について
官民格差を是正するとして行われた国家公務員退職手当法の改正に伴い職員の退職手当の引き下げを行おうというものですが、退職後も守秘義務が課せられ、雇用保険が基本適用されない公務員と民間との比較はなじまず、削減は認めることはできません。
議案第13号 平成30年度門真市一般会計予算
総務建設所管では、住宅市街地総合整備事業について、前年度比11億円増の20億円が計上されていますが、幸福町・垣内町地区については、地域の合意のもとで事業が推進されているとは思えません。また、都市再生整備計画の再提出についても、市民や議会への説明と意見聴取を経て再提出すという考えが全く示されなかったことは大問題と言わなければなりません。
また、「利便性の向上」を口実に、市営住宅の手続きにマイナンバーを利用しようとすることは大問題で、指定管理者にも取り扱わせようというもので認めることはできません。
文教こども所管では、国の予算措置通りに入学準備金の額が引き上げられた就学援助や放課後児童クラブの時間延長など施策が拡充された点については評価するものですが、「めざせ世界へはばたけ事業」における海外派遣研修につては、問題点を指摘せざるを得ません。
これまでも中学生英語プレゼンテーションコンテストについては評価してきましたが、優秀者9名に対し、多額の渡航費用を伴う海外派遣研修は、懸賞的意味合いも強く、行政の施策として、税金の支出としてふさわしいのかどうか問題を指摘してきました。
今回、新たに奨励賞受賞者9名に対し、体験型英語教育施設の入場料を負担し派遣するというのも、「海外派遣研修に落選した9名のモチベーションをあげるため」とのことですが、事業推進委員会で出された意見を踏まえ、これまでの不公平感をまさに軽減するというもので、問題点の指摘を裏付けるものであり、こうした問題点の抜本改善を強く求めるものです。
幼児教育・保育・療育の無償化を現在の5歳児から4歳児にも拡充することについては、新たに1億2000万円の一般財源を要することから、人口増への効果や保護者へのアンケートの分析等について代表質問も含め質してきましたが、最優先の施策として職員の人件費を削ってまで優先しなければならない施策なのかという疑問が残りました。あえて反対するものではありませんが、予算編成のあり方も含め見直すことを強く求めたいと思います。
議案第14号 平成30年度門真市国民健康保険事業特別会計予算
先の国民健康保険条例の一部改正でも触れましたが、国保の府下統一に伴う予算であり認めることはできません。
低所得者に対する財産の差し押さえ、所得が50万円以下の方に対する260件の差押えは、差押え総件数1103件の約4分の1を占めており、生存権を脅かす酷薄なもので止めるべきです。
議案第17号 平成30年度門真市後期高齢者医療事業特別会計予算
一定の配慮をいているとしていますが、滞納者への差押えは老後の不安を抱える市民が増える中で、高齢者を追い詰めるような差押えはするべきではありません。
議案第23~27号 一般・国保・後期高齢・水道・下水補正予算
一般職の給与及び退職手当を削減する条例改正に伴う補正であり、先ほども述べたように認めることはできません。
以上、各議案に対し反対の論旨を述べさせていただきましたが、今後のまちづくりや生涯学習施策に関する新たな問題点を最後に指摘したいと思います。
それは古川橋駅北側の旧第一中学校跡地を含むまちづくりにおける生涯学習複合施設建設の問題です。
まさに議会の真っ最中である19日に「総合教育会議」が開かれました。
これは、今月9日に行われた緑風クラブを代表しての五味議員の質問に答える形で会議の開催が表明され開催に至ったものですが、「生涯学習複合施設」建設の見直しの考えについて教育委員会に意見を聞くというものでした。
私も傍聴しましたが、教育委員会として意見もまとめる余裕のない唐突な会議招集であること、これまで議論が積み重ねられてきた生涯学習施設建設の見直しに対する驚き、案もないのに検討のしようもないとの戸惑いの意見が出されました。
そしてまちづくりにとっても生涯学習施策の推進にとっても重大な問題について、6月までに考えを示せと教育委員会に求めるなど、市長のトップダウンによる横暴以外の何物でもないと強く感じるものでした。
今後の古川橋北側の幸福町・垣内町地区のまちづくりにも、生涯学習複合施設建設を心待ちにしていた市民の方々にも深刻な悪影響を及ぼすことは必至です。
このような横暴な市政運営を行おうというのなら、議会は決して許すことはないことを明言して討論とします。