[2018.3.8] -[議会活動]
ほりお晴真 議員
1.市長の政治姿勢について
市政を進めるにあたっては、国政の動向と予想される市民への影響をしっかり捉え、施策に反映することが求められます。
しかし、施政方針説明において市長は、全く国政についての認識を示しませんでした。
大変重要な問題であり、以下、国政問題と府政の問題も併せ認識を質します。
(1)安倍憲法9条「改定」について
憲法9条をめぐる問題は、昨年の憲法記念日に安倍首相が、2020年と期限を切って、9条に3項を加え自衛隊を明記すると述べたことから議論が加速し、早ければ通常国会、遅くとも臨時国会に憲法改定案を提出、発議に前のめりになっています。
しかし、昨年3月にNHKが行った世論調査で、「憲法9条の改正は必要か」との質問に対し、「必要」が25%、「必要ない」は57%で、2002年の同様の調査での「必要」30%、「必要ない」52%と比べ、その差が10%開いています。
その他、どの世論調査でも憲法9条は「変えなくていい」は多数派を占め、国民の願いでないことは明らかです。
安倍首相は、「自衛隊を憲法に書き込むだけで何ら変わりはない」と言いますが、3項に自衛隊を書き込むことによって、2項が死文化し、実力部隊としての自衛隊が、2015年9月に強行された安保法制のもとで、アメリカの求めに応じて海外派兵、そして武力行使という道を開くことは明らかで、自民党憲法改正推進本部の船田元氏は、国民の理解を得るために、まずは自衛隊を3項に書き込み、そして次に2項を削除する「二段階改憲」を明言しており、まさに戦争する国づくりをすすめるもので、絶対に認めるわけにはいきません。
安倍政権の自民・公明に加え、補完勢力である日本維新の会の片山虎之助氏も、9条に自衛隊の明文化に賛同していることも見過ごすことはできません。
こうした動きに対し、憲法を順守・擁護する義務を負い、非核平和都市宣言を行っている門真市の市長として、憲法9条改定に反対の意思を示すべきと考えますが、認識と対応について答弁を求めます。
【答弁】
憲法改正につきましては、世界情勢や社会環境が変わる中において、必要に応じ、国民の声を踏まえて行われるべきものであると考えております。
本市は非核平和都市を宣言し、世界中が戦争のない平和な社会を願っているところであり、この趣旨を尊重していかなければならないと考えております。
(2)暮らし破壊の働き方改悪、社会保障制度改悪について
今国会の目玉として安倍政権は「働き方改革」をあげ、裁量労働制の拡大と残業規制の名のもとに、月100時間の残業を可能とする労働法制の大改悪を強行しようとしています。
しかし、裁量労働の方が一般労働者より「労働時間が短い」とした制度拡大の根拠は、デタラメなデータをもとにしたものであることが国会の質疑で明らかとなり、安倍首相はこれまでの答弁を撤回しお詫びをするという異例の事態となっています。
「働き方改革」どころか「働かせ方改革」であり、法案提案は断念せよと首長はじめ地方からも声をあげるべきと考えますが、答弁を求めます。
また予算では、社会保障費の自然増の抑制方針のもと、10月から3年かけて生活保護基準の引き下げ、昨年の介護保険法の改悪で、8月から「現役並み所得」の利用者の3割負担への引上げ、国民健康保険事業の都道府県化については、激変緩和措置があるものの、保険料は大幅に引き上がるなど、社会保障制度の改悪で、市民にも深刻な影響が危惧されます。
こうしたもとで、国の悪政の防波堤となって市民の暮らしを守る施策を推進することが求められると考えますが、どのような認識を持ち、対応していこうとしているのか答弁を求めます。
【答弁】
働き方改革は、少子高齢化に伴う生産年齢人口の減少、働き方に係るニーズの多様化に合わせ、多様な働き方を選択できる社会の実現をめざすものであると認識しており、個々の事情に合わせた多様な働き方が可能となることにより、多くの方にとって、新たな就業機会につながることは必要であると考えております。
現在、国会における関連法案審議においては、法案提出の内容の変更も含め、様々な議論が行われているところであり、その動向については、注視していく必要があると考えております。
次に、社会保障制度につきましては、少子高齢化の中で制度を維持していくため、必要な改正が行われているものと考えておりますものの、市民の皆様に大きな影響を与えるものにつきましては、市民の皆様の暮らしを守る観点から、将来にわたり持続的に、住民福祉の増進を図る地方自治の責務が果たせる制度となるよう、国に働きかけてまいりたいと考えております。
(3)勝つまでジャンケンの「大阪都構想」住民投票について
2015年の住民投票で否決された「大阪都構想」を蒸し返し、2月22日開かれた第8回法定協議会で、今井豊会長が「特別区」素案の4つの区割り案のうち、大阪市を4つに分割する案への絞り込みを採決することなく強行し、今後協議を進めていくと報告しました。
法定協では、特別区は政令市を廃止のうえ、財源を大阪都に吸い上げられ、一般市にも満たない半人前の自治体であることが改めて明らかになり、維新の会以外の全会派が反対しています。
2015年の住民投票で否決されながら、「勝つまでジャンケン」を大阪市民に迫り、「都構想がダメなら総合区」と、大阪市をそのまま残すことを選択肢としないなどの策動も強行しようとしているなど、全く認められません。
これまでも繰り返し指摘してきましたが、都構想の先には門真・守口を統合し特別区にして、「門真を無くす」ことも危惧され、市長として無関心でいられないと考えますが、このような大阪都構想の動きについて、どのように認識しているのか答弁を求めます。
【答弁】
大阪都構想につきましては、現在、大都市制度(特別区設置)協議会において、副首都・大阪にふさわしい新たな大都市制度の実現に向けて、具体的な制度設計について議論、協議が進められているところであり、今後、本協議会の議論の方向性や動向並びに本市への影響について、注視してまいりたいと考えております。
(4)カジノ(IR)とセットの大阪万博誘致の問題点について
施政方針では、「大阪経済の更なる活性化が期待される」「大阪万博の誘致の実現に向け、気運の醸成に一層取り組む」と前のめりの姿勢が示されました。
しかし、大阪が応募する万博は、カジノを主体としたIR(統合型リゾート)とセットで開催されるもので、「公衆の教育を主たる目的とする」「商業的な性格を有するものは除く」と条約で定義する万博の趣旨に沿っていないとの指摘もあり、「カジノ万博」の誘致が、不要不急の公共事業を展開する材料とされ、ギャンブル依存症をさらに増やすことに強い懸念があること、会場予定地の大阪市・夢洲(ゆめしま)については、有害物質が埋められていることや、地震による津波など安全面からも問題があることが指摘されるなど、問題だらけです。
フランスが辞退することについて議論されているのが財政問題であり、万博開催は大阪の活性化にもつながらず、その後府下の自治体に深刻な影響をもたらすことは明らかだと考えます。
万博招致活動に前のめりになることなく、慎重に対応することが求められると考えますが、答弁を求めます。
【答弁】
大阪経済におきましては、長期の不況により財政緊縮が続いたことに加え、東京一極集中が進んだ結果、大阪に拠点を置く企業の減少や人口減少による予算規模の縮小への不安から、過度の緊縮状態に陥る危険性があり、今後持続的に発展していくために、成長につながる新たな戦略的投資を積極的に行うことが、地域経済の活性化につながるものと考えております。
議員ご質問の、IRやカジノの立地に対するセーフティネットや、夢洲での開催における災害等の安全対策はしっかり構築する必要があると考えておりますが、無駄な公共事業という視点ではなく、大阪の活性化と将来の成長に向けた投資と捉え、むしろ積極的に行う必要があると考えております。
1970年大阪万博を経験された方も多くおられる中において、再び、大阪で万博を開催することは、一時的に国内の建設・消費需要や、海外からの観光需要を見込めるだけではなく、大阪の魅力の創出と再確認により、大阪に活気と将来への期待をもたらすものであると考えております。
万博誘致活動につきましては、現在誘致委員会により、地域の機運の醸成に向けた取組が進められており、誘致委員会からの要請に基づき、本市としても機運の醸成に取り組んでまいりたいと考えております。
【再質問】
カジノ(IR)については、「IRやカジノの立地に対するセーフティネットや、舞洲での開催における災害等の安全対策はしっかり構築する必要がある」と問題意識のかけらもない他人事のような答弁であり、「無駄な公共事業という視点ではなく、大阪の活性化と将来の成長に向けた投資と捉え、むしろ積極的に行う必要があると考えております」と驚くべきものです。
①カジノ(IR)が、門真市民にどのような影響をおよぼすと考えているのか。②府の万博基本構想は会場を大阪湾岸の人工島「夢洲(ゆめしま)」〈大阪市此花区)とし、会場建設費は1200億円~1300億円で自治体と国、地元経済界で3分の1ずつの負担を想定。道路と橋の拡張に40億円、地下鉄中央線の延伸に640億円、カジノが中心の統合型リゾート(IR)を予定すればさらに30haの埋め立てに50億円とされていますが、このような莫大な公共事業が、どのように「大阪の活性化と成長」につながると考えているのか答弁を求めます。
【答弁】
大阪府におきましては、ギャンブル依存症、周辺地域への治安・犯罪面、青少年への影響など、IRの立地に対する課題と対策について影響調査を実施するとともに、平成30年には、専門家を交えた研究会の設置を予定するなど、様々な検討がなされることとなっております。
本市においても、ギャンブル・パチンコ依存症に関する課題に対しましては、国における状況や法制化の動向、大阪府・大阪市の取組等を踏まえながら、必要な対策を講じてまいりたいと考えております。
次に、IRの立地や大阪万博開催の整備が、どのように「大阪の活性化と成長」につながるかについてであります。
IR事業や大阪万博の開催は、地域経済の活性化など大きな経済効果をもたらす潜在力があるものと試算されており、大阪のみならず、関西全体にわたる企業活動や消費活動の活発化や、新たな観光資源としての魅力の創出により、新たな集客や様々な就労機会の充実につながることが考えられます。
大阪市に隣接し、交通利便性も高い本市においても、これらの効果に加え、人の呼び込みや地域の賑わいにつながるなど、本市の発展に寄与する大きな可能性があるものと捉えております。
(5)職員給与の削減について
職員給与に関し、新年度15%に引き上げることを議決していた地域手当を13%に引き下げること、国家公務員退職手当法の一部改正を受け、退職手当調整率の引下げ(100分の87から100分の83.7)をこの3月末退職の職員にまで適用するとの組合への申し入れに基づく2回の団体交渉を経ての最終回答の内容について、一昨日理事者より報告がありました。
その内容は、地域手当については15%に引上げず14%を維持、退職手当については、調整率を引下げるものの、実施日については、4月1日とし、この3月末退職の職員には適用しないというものです。
当初の申し入れ内容からは一定改善が図られたものの、地域手当については、労使合意したものであり議決事項でもあるものを実施せず反故にしたものであります。
また、退職手当についても、「国家公務員が削減したから削減」は、地域手当を15%としないことと明らかに矛盾するものです。
理事者の最終回答に対し、「一定の改善回答ではあるものの、合意できない。抗議する」との表明がされています。
「財政難」を口実に、このような給与等の引き下げで、職員のモチベーションの低下は避けられず、「組織力の向上」を困難にするもので、絶対に認められません。
施政方針では「場合によっては、大幅な職員給与削減の断行も覚悟していかなければならないと考えていた」と述べながら、既存事業や財政運営の見直しなど「この間の職員の努力に感謝」していると述べています。
これは、今回程度の削減ですんだということなのか、だとすれば職員に対する余りにもひどい仕打ちと言わなければなりません。
少なくとも、労使合意、議決事項である地域手当の引上げは実施すべきと考えますが、答弁を求めます。
【答弁】
地域手当及び退職手当の見直しにつきましては、市職員労働組合と3月2日の最終回答に至るまで協議及び交渉を重ね、合意には至らなかったものの、一定の理解を得て、交渉を終了しております。
厳しい財政状況のもと、地域手当の引上げの実施は困難であります。
(6)市役所組織・財政運営の改善について
施政方針では、業務改善の視点から、「事務引き継ぎを前提とした統一的なマニュアル作成、データ管理等に着手する」とのことですが、様々な業務について「統一的なマニュアル作成、テータ管理」では、逆に事務引き継ぎやデータ管理が徹底されないのではないかと危惧します。
現状の問題点は何なのか、そしてその改善のためになぜ「統一的なマニュアル作成、データ管理」なのか、具体的な答弁を求めます。
また、「弾力性のある財政構造への転換に向け、行財政改革の観点から一層の事務事業の改善や見直しを行う」としながら、その具体的化としての行革の新たな部署の新設と外部から地方自治法第174条に基づき、学識経験を有する「専門委員」を置くことについては、当初予算に盛り込むことなく、今後補正予算を示すということですが、当初予算にも盛り込めなかったものを拙速に進める姿勢は「行き当たりばったり」の誹りを免れません。
行革の新たな部署の設置と専門委員設置の目的と具体的内容、これまでの議論と補正予算対応となった経過ついても具体的に答弁を求めます。
また、行財政運営の改善では、「将来にわたり健全で規律ある財政運営を行うべく基本的な方向性を定める『(仮称)門真市財政運営基本条例』の制定に向けた取組をすすめる」としましたが、同種の条例は、全国的に殆ど策定されていませんが、恐らく橋下知事時代に大阪府において制定された「大阪府財政運営基本条例」が下敷きになるのではと危惧するものです。
大阪府では、条例制定後府民サービス切り捨てが次々と行われたことからも、こうした市民サービス後退の道具として使われた「財政運営基本条例」は不必要だと考えます。
財政における「規律性」、「計画性」、「透明性」というのなら、旧トポス・ダイエー跡地をめぐる「29億円問題」についての考えを明確に示し、二度とこのようなことが無いようにと教訓にすることから始めるべきと考えますが、答弁を求めます。
【答弁】
まず、現状の問題点と統一的なマニュアル作成、データ管理による業務改善についてであります。
若い職員が数多くいることが本市の強みであると考えております。
その反面、若い職員が多いことによる経験の乏しさや知識不足によるケアレスミス、書類による引継が前提となっていない仕事の進め方等については、一定課題があるものと考えております。
昨年実施いたしました若手の課長補佐による課長補佐ミーティングでは、人事異動等によって新たな部署に異動した際、業務に必要な情報が集約されていない、データの保管方法が部署により異なることから、情報を取得するのに苦労し、効率が悪いなどの意見が出され、事務継承や事務改善等の必要性や、部署を超えて課題を共有し、職場による仕事の進め方の違いを解消することの重要性などについて議論がなされたところです。
これらを踏まえ、パソコン上のデータ管理について、文書ファイル管理のように全庁的に一定のルールでの運用、また、統一的な引継マニュアルの作成などの事務改善を行うことにより、仕事を上手く進めている部署のノウハウを全庁で共有し、全体の職務レベルを上げる組織づくりへとつながるものと考えております。
次に、新たな行革部署設置の目的と具体的内容についてであります。
新たな部署につきましては、厳しい財政状況の中、急激な人口減少対策に資する施策へ財源をシフトしていく必要があるため、全ての事業について、行財政改革の視点から精査を行うことを目的とするものであります。
具体的な内容につきましては、既存事業も含めた全ての事業を対象としたヒアリングを実施し、これまでの事業内容の推移や、事業評価結果等を一元的にとりまとめることにより、全体像の中で、効果的な事業体系へと再構築を図るとともに、先に述べました事務や仕事の進め方の改善に向け、統一的なマニュアルを作成することを考えております。
次に、専門委員設置の目的と具体的内容についてであります。
地方自治法第174条の規定に基づく専門委員につきましては、(仮称)門真市財政運営基本条例の策定及び行財政改革に関し、専門的・技術的な提案、助言及び調査を行わせることを目的とするものであります。
具体的な内容につきましては、地方財政に関する学識経験を有する者で、特に国における地方財政制度の動向等に精通した者を選任し、現下の厳しい財政状況に対処するため、臨時的に設置することを考えております。
次に、行財政改革に関する新たな部署及び専門委員の設置についてのこれまでの議論と補正予算対応になった経過についてであります。
これまでの議論につきましては、急激な人口減少に伴う極めて厳しい財政状況という現状を真正面から受け止め、行財政改革及び財政規律の確保等について、今後、不断の見直しの中で、職員の英知を結集し、様々な取り組みを進めていかなければならないものであると認識していたものであります。
このことから、30年度の当初予算編成においては、市民サービスを低下させることなく事業の見直し等を行い、災害等の不測の事態に備えた一定額の基金の確保も念頭に置きながら、基金に頼らない収支均衡の予算を目指したものであります。
しかしながら、「積極的な投資」を実現するため、結果として財政調整基金で前年度比1億円増加となる、4億5千万円を計上するに至ったものであり、今後も、「基金」という財源に頼ることを続けていけば、すぐさま基金は枯渇するものと考えております。
このような状況の中、今回の行革部署及び専門委員の設置につきましては、当初予算編成の結果により、基金以外での「財源の確保」が、より急務となったことから緊急的かつ加速度的に進めるため補正予算対応としたものであります。
次に、(仮称)門真市財政運営基本条例についてであります。
本条例は、財政運営の指針、基本的な原則及び制度を定めることにより、健全で規律ある財政運営の確保を図るとともに、持続可能な行財政運営を行い、もって市民福祉の維持向上に資することを目的として策定を進めるものであります。
時代の変化に応じた財政需要がある中、今後の市政運営においても安定した行財政基盤を構築していかなければならないと考えており、本条例の策定は必要不可欠なものであると考えております。
今後、本条例の策定を通じて、財政の「規律性」、「計画性」「透明性」の、より一層の確保に努め、市民の皆様の財政に対する関心等が深まるよう、十分に検討を重ねてまいりたいと考えております。
【再質問】
統一的なマニュアル作成とデータ管理による業務改善についての答弁は、一定理解するものですが、その先に重要となってくるのが公文書の管理です。
いま国会では、森友学園問題が公文書の改ざん疑惑に進展し、大問題となっています。
公文書管理法が厳格化されたもとでの疑惑であり、言語道断と言わなければなりませんが、本市においても、類似の問題を防ぐと同時に、公文書等の管理責任を明確にするため、「文書管理規定」ではなく、「公文書条例」制定も視野に進めるべきと考えますが、答弁を求めます。
門真市財政運営基本条例については、財政における「規律性」、「計画性」、「透明性」というのなら、旧トポス・ダイエー跡地をめぐる「29億円」問題についての考えを明確に示し、二度とこのようなことの無いように教訓にすることから始めるべきとの問いに答弁は全くありませんでした。
財政運営基本条例制定に際し、「29億円問題」でくみ取るべき教訓は全くないのかどうか明確な答弁を求めます。
【答弁】
公文書は、市民共有の知的財産であり、行政運営上、重要なものであります。今年度に、適切な公文書の作成及び管理についての職員研修を実施し、周知徹底を図ったところであり、今後日常業務においても、啓発に努めていくとともに、公文書管理条例について調査・研究を進めて参ります。
次に、(仮称)門真市財政運営基本条例の制定に際し、「29億円問題」でくみ取るべき教訓は全くないのかどうかについてであります。
市政運営を行うにあたって、意思形成過程をしっかり残しておくことは重要であると考えております。
この考えは、これまでの議会においてご答弁いたしましたとおりであり、本条例は、議員御質問の「29億円問題」を教訓にする考えで策定するものではございません。
本条例につきましては、財政運営の指針、基本的な原則及び制度を定めることにより、
健全で規律ある財政運営の確保を図ることを主眼としているものであり、今後の策定にあたりましては、各種財政指標に係る「規律性」、中期的な財政見通しに係る「計画性」、
予算編成過程の公表等に係る「透明性」といった観点を踏まえつつ、安定した行政サービスの提供及び市民福祉の維持向上に資する条例となるよう検討してまいりたいと考えております。
(7)問題だらけのマイナンバーの利用拡大について
一昨年1月から運用が始まったマイナンバー制度については、これまで問題点を繰り返し指摘してきましたが、情報漏えいや国民の情報が丸裸にされ、広く民間にも開放されるなど、問題だらけの制度で、マイナンバーカードの発行も一昨年4月の発行開始から1300万枚余りと人口の一割程度となっています。
このことから、政府も当初予算に275億円を計上し、500万枚の発行を目指し、普及策として旧姓を併記できるようにするためのシステム改修をすすめ、旧姓記載施行に向け準備が進められています。
一方で、従業員が居住する自治体が毎年5月に事業所に郵送する「特別徴収税額決定通知書」のマイナンバー記載義務について、「当面記載しない」と撤回に追い込まれました。
相次ぐ自治体の誤送付による番号漏洩や事業所の保管負担が問題となったからですが、電子記録媒体の記載は継続しています。
門真市は賢明な判断でマイナンバーを記載せず、アスタリスク対応としました。今後は戸籍にも拡大しようとする政府の前のめり姿勢は大問題で、昨年3月策定の「マイナンバーカード利活用推進ロードマップ」で、一層推進しようとていますが、自治体として「市民の利便性」を口実としたこのようなマイナンバーカードの利用拡大はするべきではありません。
今後のマイナンバー制度の対応について答弁を求めます。
【答弁】
戸籍事務などへのマイナンバーの利用拡大につきましては、昨年9月に法制審議会に対し、諮問がなされたところであり、現在同審議会の戸籍法部会において、審議されているところであります。
本市といたしましても、適切な取り扱いがなされるよう今後その動向を注視してまいりたいと考えております。
また、マイナンバーカードの多目的利用の拡大につきましては、マイナンバーを利用することによる影響などを十分に踏まえつつ、慎重に検討を進めてまいりたいと考えております。
(8)「2025年問題」への対応について
「2025年問題」への対応について施政方針では、「新たに庁内会議体として設置した『門真市2025年問題対策検討委員会』において、更なる少子高齢化・人口減少を見据え、中長期的な視点に立ち、高齢者施策をはじめ、少子化対策など、全庁的にその対応について検討」と述べました。
本市議会は、2015年の第4回定例会において、2025年問題に対して門真市として万全の体制を構築することを求める決議を全会一致で可決しました。
その内容は、「団塊の世代が75歳以上の後期高齢期に入っていく2025年問題まで10年となった時点において国の示す地域包括システムの十全な構築にとどまらず、民生常任委員会において指摘された諸課題において、課題についても検証を行い、超・超高齢化社会を見据えた本市の体制を早期かつ万全に構築することを強く求める」というものでした。
そして、昨年第4回定例会では「2025年問題調査研究特別委員会」を設置しました。
こうした経過の中で、遅きに失した感はあるものの、検討委員会が設置されたことについては歓迎するものです。
そこで、検討委員会の体制、今後の検討のスケジュールについて答弁を求めます。
また検討委員会は、少子化対策についても検討するとのことですが、焦点がぼやけるのではないかと危惧されます。
少子化対策について、この検討委員会の検討項目とした問題意識について答弁を求めます。
【答弁】
検討委員会の体制としましては、関係部局の次長を委員とし、その下部組織として、関係各課の課長で構成する「行政運営検討部会」「高齢化対策検討部会」「少子化対策検討部会」の3部会を設置いたしました。
なお「行政運営検討部会」は、2025年問題に対する各種市施策について検討する部会として、各部局の政策等を担当する課とし、「高齢化対策検討部会」は、地域福祉や地域のつながり、介護・医療等の高齢者施策を担当する課とし、「少子化対策検討部会」は、子育てや学校教育等、将来の支え手となる子どもに関する施策を担当する課としております。
検討委員会では、各部会において抽出された課題や検討された内容について総括し、検討委員会としての方向性の決定等を行い、第6次総合計画に反映させることを目標としております。
なお、第1回検討委員会は2月8日に開催いたしました。
次に、今後の検討のスケジュールについてであります。第2回検討委員会については、各部会での検討内容の中間取りまとめとして本年7月頃に開催し、第3回検討委員会については、総合計画へ反映する内容について、検討委員会として決定をするため、本年11月頃に開催したいと考えております。その後、第4回検討委員会では、2025年問題に対する検討結果の最終取りまとめを行う予定であり、平成30年度末を目途に開催したいと考えております。
次に、少子化対策を検討委員会の検討項目とした理由についてであります。
国立社会保障・人口問題研究所による推計によると、年間出生数は2016年の約97万人に対し、2025年には約84万人、2050年には約65万人まで減少する見込みとなっております。
出生数の減少は一人当たりの社会保障費の負担や税収の落ち込みによる行政サービスの縮小、地域コミュニティの担い手の不足など、広範な分野に影響が及ぶものと考えられます。
このことから2025年問題を検討する上で、支えられる側としての高齢者のみならず、支える側の確保という観点から少子化対策の検討を進めることが重要であり、必要不可欠であると考えますことから、検討委員会での検討項目としたところであります。
2.まちづくりについて
(1)府営住宅の市移管について
この問題については、昨年12月の総務建設常任委員会においても質疑がありましたが、シミュレーションの基となる大阪府からの資料について都合のいい資料かどうかについては可能な限り確認し、必要な経費も見込み検討を行った結果、施政方針において「本市のまちづくりに寄与するというメリットに加え、本市財政にとって中長期的に非常にメリットが高くなる」ことから、「門真市内の全ての府営住宅の移管を受けることとし、年度末に大阪府との覚書を締結し、31年度の第1次移管を目標に取り組みを進める」とのことです。
そこで、①大阪府との覚書の内容②当該住宅居住者への説明と出されている意見③府・市で違いのある家賃の減免制度の対応については府営住宅居住者、市営住宅居住者とも後退することの無いような家賃の減免制度にするべきと考えるがどうか④移管後のまちづくりの基本的考えについて答弁を求めます。
【答弁】
まず、大阪府との覚書の内容についてでありますが、31年度からの府営住宅の移管を順次受けていくための協議を円滑に進めることを目的に締結するもので、移管の条件や順序、移管後の対応方針、財政収支に関することなどの協議を行う事項や、協議の場として、府・市双方の関係部署が参画する会議体を設置するなどの協議体制等について定めるものです。
次に、府営住宅入居者への説明と出されている意見につきましては、本年2月に10団地全ての自治会役員を対象に、移管に関する市の考えなどの説明を行い、全ての自治会から覚書の締結については了承を、また、ほとんどの自治会から、「移管に賛成」とのお声をいただいております。
次に、減免制度を含めた家賃制度等につきましては、府営住宅全団地の移管が完了した時点で、現市営住宅制度との一元化も含めて、その方向性を決定することとしており、検討にあたっては、府営住宅及び市営住宅の入居者の双方にとって後退することのないよう配慮しつつ、制度のあり方について引き続き検討を進めてまいります。
次に、移管後のまちづくりの基本的考え方についてでありますが、移管を受けた府営住宅については、2025年問題をはじめとした本市の地域課題の解消に向け、空室や活用用地等をまちづくりに積極的に活用してまいりたいと考えております。
(2)大阪モノレール門真市駅への可動式ホーム柵の設置について
この問題については、2011年12月に大阪モノレール門真市駅のホームから男性が3メートル下の軌道敷に転落し死亡するという事故が発生したことを受け、翌年の1月にモノレール沿線の自治体の共産党議員が大阪モノレールに対し可動式ホーム柵の設置について要望して以来、繰り返し議会等で求めてきました。
私も大阪中央環状モノレール建設促進議会協議会委員として、この問題に取り組んできました。
こうしたなかで、新年度予算では、大阪モノレール門真市駅に可動式ホーム柵を設置するための補助金が計上されていることについては歓迎するものです。
この補助金は、事業者が整備費の1/3を負担し、1/3を国が、府と市がそれぞれ1/6を補助するものです。
しかし、大阪府の予算編成過程の公表資料では、当初予算では対象にされていないのではないかと危惧します。
当然、大阪モノレール(大阪高速鉄道株式会社)側は整備計画を持っていると思いますが、予算計上にあたって、大阪府及び大阪モノレールとどのような協議が進められてきたのか答弁を求めます。
また、可動式ホーム柵の設置については、5つの駅がある京阪電鉄についても早期に設置されるよう関係機関に働きかけを強めることが重要だと考えますが、その現状について答弁を求めます。
【答弁】
大阪高速鉄道株式会社との協議につきましては、これまでに早期の設置要望を行っており、協議の結果、30年度に設置する方向が示された事から、門真市駅への可動式ホーム柵設置に伴う補助金を予算計上しております。
また、大阪府との協議につきましては、事業者である大阪高速鉄道株式会社が直接行うものであり、30年度に設置予定としている門真市駅を含めた3駅の設置に伴う補助金を要望していると聞き及んでおります。
京阪電気鉄道株式会社への可動式ホーム柵設置の働きかけにつきましては、これまでも要望を行っており、現時点では、電車の扉枚数、駅の構造、コスト等の課題がありハード面での対応は難しいとの事から、駅構内アナウンスでの注意喚起や、目の不自由な方への対応に関する社員研修等のソフト面での対応を行っているとの事であります。
(3)北部地域の災害に強いまちづくりと「開発会社任せ」のまちづくりの姿勢について
北部地域の災害に強いまちづくりについては、主に住宅市街地総合整備事業を推進することにより、密集市街地の解消を図ってきましたが、実施主体が門真市であるにもかかわらず、事業組合の事務局を務める開発会社任せによって、中町地区の旧トポス・ダイエー跡地をめぐる門真市の開発会社に対する29億円の建物除却補償費の支払いでは住民訴訟となり、マンション建設に対する約4億円の補助金支出についても市民から疑問の声が出されるなど、「税金・補助金のムダ遣いではないか」と問題となり、党議員団も繰り返し議会で質してきました。
市長が替わり、問題点が正されるとの市民の期待もむなしく、市長は29億円問題では自らの考えを示さずダンマリを決め込み、マンション建設に対する約4億円の補助金支出についても「問題ない」との姿勢は変わりません。
こうしたなかで、新年度予算では、前年度比で11億円余りも増額の20億円余の予算が、住宅市街地総合整備事業費として計上されています。
具体的には、施政方針でも触れられましたが、「地震時等に著しく危険な密集市街地」に位置付けられている区域において、老朽木造建築物の除却を促進するために「新たな補助制度」を創設し、優先主要生活道路の整備をすすめるというものです。
その一つは、幸福町・垣内町地区ですが、建物補償や用地の先行取得ほか早期の土地区画整理組合の設立に向け区画街路や公園等の実施設計に取り組むとしていますが、2015年3月策定の古川橋駅周辺地区の「都市再生整備計画」については、計画期間内での事業完了が見通せないことから、国府の指導に基づき、一旦、計画を取り下げ、今後事業の計画期間等を精査し、再度計画の提出を行い、国府と協議することとしたと先日議会に対し説明がありました。
古川橋駅周辺地区の都市再生整備計画は、古川橋駅北側の旧第一中学校跡地周辺について、交流広場や生涯学習施設・市立図書館など、これまで市民に公表されてきたものに加え、議会での追及で初めて明らかとなった、約4億円の地下駐車場整備や 12億6千万円のペデストリアンデッキ整備など、市民にも議会にも全く説明がなかったものが盛り込まれていました。
再度の計画の提出については、市民や議会に意見を聞くことなく策定することは大問題です。①どのようなプロセスで計画を策定するのか②策定に当たり市民や議会への説明・意見聴取は当然必要と考えるがどうか③内容について見直すのか、そうであれば具体的考えについて答弁を求めます。
また、老朽木造建築物の除却を促進するために新設される「新たな補助制度」とはどのような制度なのか、国・府の財政措置はあるのか、泉町・松葉町地区をはじめとした他の地区の事業推進は、これまでのように事業組合を設立し、その事務局を開発会社が務め、これまで通りの「開発会社任せ」のまちづくりをすすめていこうとしているのか答弁を求めます。
【答弁】
都市再生整備計画につきましては、国の交付金を確保するためのもので、総合計画等の上位計画の実現に向け、実施予定の事業を取りまとめ、目標や計画期間及び整備方針等を記載した整備計画書を国へ提出するものです。
整備計画書の再提出につきましては、個々の事業において、実現可能な事業スケジュールや費用対効果等を再検証し、財政状況を踏まえ慎重な検討が必要と考えております。
今後、個々の事業において、具体的な検討が進む中で、市民や議会等への説明など、必要な手続きを行うとともに、交付金の確保に向け、大阪府や国と調整してまいります。
次に、(仮称)老朽木造建築物等除却補助制度につきましては、「地震時等に著しく危険な密集市街地」において、補助期間を32年度までとして、昭和56年5月31日以前に建てられ、老朽度等の所要の条件を満たす木造建築物等の所有者に対し、補助対象経費の6分の5を補助するものでございます。
また、国府からの財政措置につきましては、予算の範囲内において、国24分の10、府24分の5の財政措置がなされるものでございます。
次に、泉町・松葉町地区をはじめとした他地区におけるまちづくりの進め方につきましては、いずれの地区におきましても、住宅市街地総合整備事業を基幹とし、権利変換等については、地域の実情に応じた手法を検討しております。
また、これまでも開発会社任せで進めているとは認識しておらず、それぞれの役割分担のもと事業を進めており、今後においても公民協働により取り組んでまいります。
【再質問】
「泉町・松葉町地区をはじめとした他地区におけるまちづくりの進め方につきましては、いずれの地区におきましても、地域の実情に応じた手法を検討いたしていります。との答弁ですが、多額の予算を計上しておきながら、手法等も検討中」との驚くべき答弁です。
「手法等を検討中」で、どのように予算要望しているのか、そんな曖昧な予算要望に対しどのような査定し予算計上に至ったのか具体的答弁を求めます。
【答弁】
泉町・松葉町地区の30年度予算につきましては、26年度に実施した意向調査の結果を踏まえ、住宅市街地総合整備事業による必要な老朽建築物等補償費や公共用地購入費等を計上いたしております。
事業手法につきましては、国の交付金制度である住宅市街地総合整備事業を基幹として進めることとしており、権利変換等の手法につきましては、権利者の意向確認を進めながら検討することとしております。
曖昧な予算要望に対し、どのような査定をし、予算計上に至ったのかについてであります。
議員御質問の当該事業は、権利変換等の手法について、権利者の意向を確認しながら進めていく事業であることから、30年度予算につきましては、本事業の進捗に合わせて、必要な予算を適切に計上いたしたものであります。
3.市民のくらしについて
(1)国民健康保険事業について
大阪府は、今年1月10日国民健康保険主管課長会議を行い、「確定計数による平成30年度大阪府標準保険料率」の算定結果について説明を行いました。
その結果、門真市では国保加入者の6割を占める法定軽減対象者の世帯が国保料引き上げとなることが明らかとなり、均等割り、平等割の引上げにより、低所得者層の保険料が上がるという問題点が改めて浮き彫りになりました。
そもそも高い保険料に加えて、保険料率の統一によって、自治体の努力が反映されず、保険料が引きあがるもので、特に所得の低い世帯が多い門真市にとって最悪の制度改悪です。
6年間の激変緩和措置が講じられますが、激変緩和が終了する2023年度から大幅引き上げになることは避けられません。
高すぎる保険料の引下げには国庫補助負担金を増やすことが必要です。国に対して国庫補助負担金の大幅増額を求めるべきと考えますが答弁を求めます。
また、統一国保を目指すがゆえに、保険料が引きあがるもので、統一国保にしないよう府に対して求めるべきと考えますが答弁を求めます。
市独自の減免もなくなり、統一にしていこうとしています。
これまで減免を受けて、何とか保険料を払えていた世帯が減免がなくなり払えなくなるといった状況も危惧されます。
市独自の減免制度の継続をすべきと考えますが答弁を求めます。
【答弁】
まず、保険料の引き下げのために国に対して国庫補助負担金の大幅増額を求めるべきことについてであります。
国民健康保険制度は、国民皆保険を支えるナショナル・ミニマムであり、その権限や財源、役割については、国が一元的に担うべきであると認識しており、本市としましては、引き続き国庫支出金の負担割合の引き上げについて、国に要望してまいります。
次に、統一国保にしないよう府に対して求めるべきことにつきましては、大阪府では、「被保険者間の負担の公平化」及び「大阪府で一つの国保」になることを踏まえ、府内で差が比較的小さい医療費水準は反映せず、統一保険料率とすることとしております。
このことは、「大阪府国民健康保険運営協議会」や「大阪府・市町村国民健康保険広域化調整会議」での協議を経て決定されているものであり、本市としましては、統一保険料率にしないよう府に対して求める考えはございません。
次に、市独自の減免制度の継続をすべきことについてであります。
本市における独自減免につきましては、減免の廃止に伴う被保険者への影響が大きいことから、6年間の激変緩和措置期間中に限り、段階的に減免基準を見直し、実施してまいりたいと考えております。
(2)介護保険制度について
「門真市第7期高齢者保健福祉計画」について、「地域包括ケアシステムの深化・推進に向けた取り組みを進め、『みんながつながる元気で活躍できるまち・門真』をめざして」と述べています。もちろん、高齢者の皆さんにとって地域社会とのつながりはとても大切です。しかし、地域とのつながり、努力だけでは解決できない問題もたくさんあります。例えば、プライバシーにかかわることや、近所の皆さんの支援を拒否されるケースはどう対処すればいいのでしょうか。やはり、地域包括センターや地域住民任せにしないで、市として把握し、対応することが求められているのではないでしょうか。同計画を策定する上での、公的責任について市はどのように考えているのか答弁を求めます。
【答弁】
29年度末策定予定の「門真市第7期高齢者保健福祉計画」では、「みんながつながる元気で活躍できるまち・門真」を将来像に掲げ、さまざまな分野で活躍する主体が有機的に連携し、地域でのつながりを築くことで、高齢期を住み慣れた地域で元気に安心して暮らすことができるよう取り組みを推進していくこととしております。
高齢者を取り巻く課題が複雑化・多様化する中、
日常の見守りや近隣とのつながりは重点課題となっており、地域での支えあいの必要性は高まるばかりであります。
一方、高齢者虐待、介護拒否などの困難ケースへの対応をはじめ、認知症に関する施策、消費者被害防止などにつきましては、市の役割として対応していかなければならないものと考えております。
今後につきましても、地域、関係団体、行政がそれぞれの役割を認識し、密に連携を図る中で、高齢者福祉の充実を目指していくものと考えており、市としましても十分にその責任を果たし、誰もが住み慣れた地域で、介護、医療はもとより住まいや生活支援など生活全般にわたるサービスを切れ目なく享受できるよう、取り組みを進めてまいります。
(3)生活保護行政について
先に触れたように、安倍政権は今年10月から3年かけて段階的に生活保護の基準額を最大5%も引き下げる計画をしています。
引き下げの理由とされているのは、2014年の「全国消費実態調査」のデータで、生活保護世帯の水準に相当する「収入下位10%」の層の支出額が減ったということです。
「アベノミクス」によって格差と貧困を広げ、国民の暮らしが悪化したからと言って保護基準を引き下げていけば「貧困のスパイラル」を生み出すことになります。
また、生活保護基準額の引き下げは他の制度への影響も懸念されます。
厚労省は1月19日の対応方針で、保育料の免除など影響が出る国の制度については「できる限り、その影響が及ばないよう対応する」とする一方で、自治体が行う準要保護者への就学援助などは「国の取り組みを説明の上、その趣旨を理解したうえで各自治体において判断していただくよう依頼」としています。
総務省は5年前の生活保基準引き下げの際には、準要保護についての地方交付税措置については「引き下げに連動させなかった」としていますが、今回はまだ結論を出していません。他の制度に波及しないよう対応すべきと考えますが答弁を求めます。
【答弁】
生活保護基準の引き下げに伴う他制度への波及をしないよう対応すべきについてであります。
平成25年度の生活保護基準見直しの際には、厚生労働省事務次官通知にて、他制度の趣旨や目的、実態を十分考慮しながら、できる限り保護基準見直しの影響が及ばないようにするよう対応方針が示され、庁内関係部局間で情報共有を行ったところであります。
今回の見直しにつきましては、現時点では国から対応方針等は示されておりませんが、今後発出された場合には、遺漏のないよう庁内関係部局に周知し情報共有を図ってまいります。
(4)産業振興について
平成26年6月27日に公布された小規模企業の持続的な発展を図ることを目的とした「小規模企業振興基本法」の第7条には、「地方公共団体は、基本原則にのっとり、小規模企業の振興に関し、国との適切な役割分担を踏まえて、その地方公共団体の区域の自然的経済的社会的諸条件に応じた施策を策定し、及び実施する責務を有する」とあります。市は、制定後、同法に基づいた施策がどれだけ実施されたのか、今後どのように法の主旨を踏まえた施策を具体化していくのか答弁を求めます。
また、法制定後、中小企業振興条例を策定した自治体が増えていますが、制定する考えはないのか答弁を求めます。
次に、就労支援についてです。
格差と貧困が拡大し、病気やケガなどで誰もが貧困に陥ってもおかしくない状況が拡がっています。
また、求人情報を偽る、誇張するといった「求人詐欺」も社会問題化しており、「働き方改革」による過労死促進法と批判される高度プロフェッショナル制度の導入やブラック企業、非正規雇用の拡大など若者世代、現役世代の雇用状況は不安が広がっています。
こうした中、豊中市では多様な就労支援を実施し、福祉とも連携しながら一体となって、自立・就労支援に向けて取り組んでいます。
施政方針の中で、「生産年齢人口の減少が一層深刻な状況」「様々なライフスタイルに合わせ、働きやすい環境をつくっていくことも必要」と述べています。
本市においても、ブラックバイトやブラック企業、非正規雇用などで「残業代が払われない」「休憩が取れない」などの声が広がる中で就労支援が必要と考えます。現在本市の就労支援はどのような取り組みを行っているか。
また、病気やケガなどで生活困窮に陥った若者が困難を抱えたまま負のスパイラルに陥るのではなく、自立・就労支援に向けて取り組んでいくべきと考えますが答弁を求めます。
【答弁】
小規模企業振興基本法に基づいた施策がどれだけ実施されたかにつきましては、小規模企業者のみを対象とした事業を実施しておりませんが、ものづくり中小企業を対象とし、カドマイスター認定企業のプロモーション事業や市内中小企業の販路開拓事業に取り組んできたところであります。今後につきましても、小規模企業振興基本法の趣旨に基づき、中小企業サポートセンターを拠点として、小規模企業者に対する支援を行ってまいります。
次に中小企業振興条例を制定する考えにつきましては、まち・ひと・しごと創生総合戦略に産業振興を位置づけ、事業展開を実施しているところであり、現在、条例を制定することは予定いたしておりません。
次に本市の就労支援の取組についてでありますが、コーディネーターを配置した地域就労支援センターを、原則週3日開設し、若者も含め、障がい者や中高年者、ひとり親家庭で就職困難者の雇用や就労の相談に応じているところであります。
とりわけ生活困窮にある若者の自立・就労支援に向けた取り組みにつきましては、地域就労支援センターでの就労相談だけでなく、「生活困窮者就労準備支援事業」も実施しております。本事業においては、カウンセリングをはじめ履歴書の書き方、面接時のアドバイス、ボランティア参加から就職先のあっせんまで、自立に向けた手厚い就労支援に努めております。引き続き、本市生活困窮者自立支援連絡会議を通じて、庁内における連携を強め、支援対象者が早期に就労・自立につながるよう、取り組んでまいりたいと考えております。
4.子育て・教育について
(1)幼児教育・保育・療育の無償化の拡充について
今年度から、保護者の経済的な負担を軽減し、すべての子どもが質の高い幼児教育・保育・療育を受けることができる環境づくりのため約1憶3千万もの一般財源を投じ、5歳児を対象に利用者負担の無償化を実施しました。
施政方針の中で、「子育て世代の転出を抑制し、転入を促進する」として、「4歳児へ教育・保育・療育の利用者負担の無償化を拡充」するとしていますが、新たに1億2千万円の一般財源が必要となり、5歳児と合わせると2億5千万円もの一般財源が恒常的に必要になります。その効果や優先順位、待機児童の解消を急ぐことなど慎重な検討が必要であり性急だと考えます。
また、5歳児の幼児教育・保育・療育の無償化に関するアンケートが対象児童の保護者777人を対象に1月17日から29日までの期間で取り組まれましたが、まだアンケートの調査結果がどう出るか不透明の中で1月23日開催された第2回子ども子育て会議で、すでに4歳児無償化の方向性が示されましたことは、結論ありきのもので拙速な進め方だといわざるを得ません。
アンケートでは「5歳児無償化によって子どもをさらに持ちたいと考えるきっかけとなりましたか」の質問には「ならなかった」と答えている人が65%、「住み続けたいと考えるきっかけとなりましたか」の質問に「ならなかった」と答えた人が44%となっています。
また、無償化以外で期待される子育て支援の取り組みの設問に対する自由記述では「いくら無償化されても、園に入れないと意味がない。無償化よりも待機児童の解消が先だと思う」といった意見など待機児解消を望む声が多くなっています。
まさに、今からこうしたアンケートの調査結果を分析していこうとしているもので、無償化の有効性について検証するためのアンケートではなかったのでしょうか。
また、守口市では今年度0歳児から5歳児の無償化を打ち出し、入所申し込みは約4割増え、300人以上が申し込んでも入れず、現場は混乱しているのが現状です。
①なぜ、こうも拙速に進めていくのか②アンケートは何の目的で実施したのか。結果をどう受け止めているのか③これまでどのような検証・検討を行い4歳児への無償を拡大することにしたのか答弁を求めます。
【答弁】
まず、なぜ、こうも拙速に進めていくのか、についてでありますが、本市における少子高齢化と生産年齢人口の減少は深刻な状況となっております。
このような中、子育て世代の転出を抑制し、転入を促進することによりバランスの取れた年齢構成を実現し、子育てしやすいまちとしての魅力を高め、イメージアップにつなげる効果的な手法のひとつとして、国の施策に先行して29年度より5歳児の幼児教育・保育・療育の無償化を実施しているところであり、30年度から、さらに4歳児に対象を拡充しようとするものであります。
急激な人口減少への対応が本市の喫緊の課題となっている中、拙速な施策とは全く思っておりません。
次に、5歳児無償化におけるアンケート調査についてでありますが、府内でも先進的な取り組みでもあり、利用者の声や効果を把握しつつ、先々の施策展開にあたっての参考とすることを目的に実施したものであります。
その調査結果から、5歳児無償化の実施により、定住やさらに子どもを持ちたいと思う意識において、一定の効果があったと考えております。
また、無償化の取り組みについては、大多数の方に賛同いただいており、同時に待機児童対策や教育・保育内容等の充実を求める声も多く寄せられていることから、現在の取り組みをさらに充実していく必要があるものと受け止めております。
次に、4歳児への無償化の拡充につきましては、さらに子育てしやすいまちづくりを推進し、本市の喫緊の課題である子育て世帯の流出防止及び流入促進の効果をさらに高めるため、子ども・子育て会議での意見や施設整備等による保育定員拡充の状況、また、待機児童への影響や財源面など、あらゆる角度から検討を行ったうえで、実施しようとするものであります。
【再質問】
4歳児への無償化の拡充について「子ども・子育て会議での意見や施設整備等による保育定員拡充の状況、待機児童への影響や財源面などあらゆる角度から検討を行った」との答弁でしたが、直近の4歳児への無償化の拡充について議論された子ども・子育て会議は昨年12月25日の就学前教育・保育部会、今年1月23日の子ども・子育て会議であり、アンケート調査結果については示されていません。
アンケート調査の目的について「利用者の声や効果を把握しつつ、先々の施策展開にあたっての参考」との答弁でしたが、その目的に照らすならば、しっかりとアンケート調査結果を分析し検証したうえで慎重に4歳児への無償化を拡充すべきと考えますが再度答弁を求めます。
また、財源面についても新たに1億2千万を必要とするもので、財政調整基金繰入の前年度比1億円増は、まさにこの市独自施策の拡充によるものであり、慎重に検討すべきだったと考えます。
アンケート結果の分析を待つことなく4歳児への拡充を決定した経過(議論の内容、決定した時期)について具体的に答弁を求めます。
【答弁】
先ほど御答弁申し上げましたとおり、アンケート調査は、利用者の声や効果を把握しつつ、先々の施策展開にあたっての参考とすることを目的に実施したものであり、4歳児への無償化の拡充の参考とするために実施したものではございません。
次に、4歳児への拡充を決定した経過についてであります。
無償化については、一昨年9月の定例会における市長の所信表明において、具体の検討を進める旨申し上げ、以降、昨年4月からは、まず5歳児での無償化を実施したところでありますが、その過程における議会での答弁や、門真市子ども・子育て会議の説明等において、4歳児以下の年齢での無償化の実施については、今後、財源の確保を含めた詳細な検討を行う旨、申し上げてまいりました。
こうした経過を経て、今般、30年度の事業提案及び予算編成過程において対象範囲や財源等、あらゆる角度から十分な検討を行うとともに、子ども・子育て会議の意見や待機児童への影響等を考慮した結果、無償化の対象範囲を4歳児まで拡充しようとするものであります。
(2)待機児童解消について
前述したように、5歳児無償化に対する保護者アンケートの調査結果からも待機児解消は市民要求が高いものとなっています。特に自由記述の中では一番要求の高い意見となっています。
今の時期は4月に新年度を迎えるにあたり、特に待機児童が多い時期となります。保護者は動向を注視し、希望の園に入れるかどうか不安な日々を過ごしています。
「子育て世代の転出を抑制し、転入を促進する」ためには、いつでも安心して預けられる、受け入れに余裕のある保育施設の整備は喫緊の課題だと考えます。
現在の待機児童の状況と抜本的に待機児童を解消する計画が必要と考えますが答弁を求めます。
【答弁】
まず、現在の待機児童の状況といたしましては、3歳未満の児童を中心に発生し、30年2月1日時点では、255人となっており、30年4月からの保育施設等の利用希望者の利用調整におきましても、現在鋭意努力しているところでありますが、完全な解消には厳しい状況が予想されます。
一方、現在、本市では「門真市子ども・子育て支援事業計画」に基づき、保育定員の確保に努めており、確保状況としては、小規模保育事業所の新規開設により3園が30年4月より開園し、定員が不足している3歳未満の児童において、44人の保育定員が確保できる見込みであります。
また、30年度における民間保育所等の整備計画により31年4月には、3歳未満の児童136人を含む249人の定員が確保できる見込みとなっております。
今後の待機児童を解消する計画でありますが、現在見直しを行っている「門真市子ども・子育て支援事業計画」に基づき、民間保育所等の施設整備を促進させるほか、引き続き、企業主導型保育事業の普及を図るなど、あらゆる手法を活用し、喫緊の課題である待機児童の解消に努めてまいりたいと考えております。
(3)子どもの貧困対策について
「子どもの未来応援ネットワーク事業」について
本市は府の貧困対策モデル事業として、昨年10月から「子どもの未来応援ネットワーク事業」をスタートさせました。この事業の目的は、「支援を必要とする子どもおよび保護者の発見から支援の実施、見守りまでをトータルでサポートする支援体制の構築をめざすもの」としています。この事業を支える市民応援団員は、目標の600名を超え、現在で669人と聞いており、何か支援したいという人が多いと感じます。
この事業の基となった子どもの生活に関する実態調査の中で本市は、困窮度が著しい世帯が制度を利用出来ていない実態が明らかとなったと調査結果をまとめています。そのような結果からも、支援を必要とする子どもたちに支援が届く環境を整えることは、重要だと考えます。
この事業が始まって、まだ半年も経っていないのに、市長は、「30年度途中で府の委託が終了するが、その後も市の事業として継続的に実施していく」と述べています。
①これまで、どのような事業展開を行い、なぜこの事業が子どもの貧困にとって有効だと考えているのか。
②府の予算は30年度途中までとなっているが、その後の財源についてどのように考えているのか③今後の事業の方向性やこれまでに見えてきた課題について答弁を求めます。
次に、子どものインフルエンザ予防接種の補助についてです。
インフルエンザ予防接種の効果は「感染しないこと」ではなく、「重症化を防ぐ」ことです。
インフルエンザワクチンは感染を防いだり100%発症させたりしないわけではありませんが、子ども、とりわけ乳幼児は免疫が未熟で合併症を引き起こすリスクが高くなります。インフルエンザによる脳症、脳炎により死亡に至るケースや集団感染の恐れもあります。
特にインフルエンザB型は熱があまり高くならないのが特徴で風邪と間違えやすく、学校や園にそのまま登校・登園し、学級閉鎖を起こすといったことも珍しくありません。
市内でも今年1月中旬からインフルエンザが流行し始め、学級閉鎖をした学校がいくつかありました。
こうした重症化・集団感染を防ぐためにも予防接種は有効です。
しかし、インフルエンザの予防接種は原則13歳未満で2回行う必要があります。
1人当たり5000円から7000円程度費用が掛かることになり、経済的負担が大きくなっています。
5歳児無償化に対するアンケートでも2回するのは経済的に厳しいといった意見があり、要求は高くなっています。
大阪府下では寝屋川市などで補助が実施されています。本市でも補助を実施すべきと考えますが市の見解について答弁を求めます。
【答弁】
子どもの未来応援ネットワーク事業についてであります。
本事業は、支援が必要な子どもや保護者の早期発見から、支援の実施、見守りまでをトータルでサポートするものであります。そのためには地域において、一人でも多くの方に関わっていただくことが効果的であることから、「子どもの未来応援団員」を一定数確保する必要があると考え、これまで養成研修を繰り返し実施し、多数の方に応援団員としてご登録いただくことができました。
応援団員を一定数確保したことで、学校現場のみならず、地域での子ども等の動向も確認できるようになり、これまで潜在化し支援に繋がっていなかったケースも発見し、早期の対応に繋げることができるようになってきていることから、本事業が子どもの貧困の連鎖を断ち切ることに有効な手段の一つであると考えているところであります。
次に、府の予算に代わる財源についてでありますが、子どもの貧困対策は、継続的かつ長期的な支援及び見守り等の実施が必要と考えております。
大阪府においては、「子ども輝く未来基金」の創設や「子どもの貧困緊急対策事業費補助金」を予算議案等として、2月定例会に提出しているところであり、府の委託期間終了後は、こうした府の補助金や国の補助金等の活用を視野に入れながら、事業展開を進めてまいりたいと考えております。
次に、今後の事業の方向性やこれまでに見えてきた課題についてであります。
応援団員を一定数確保でき、情報提供数も増加傾向にあるものの、子どもの貧困問題の解決に向けた地域の意識の向上と、併せて一つでも多くの情報を提供いただく必要があると考えております。
このことから、引き続き応援団員の確保に努めるとともに、地域での応援団員同士のさらなる連携強化や個々のスキルアップを図ってまいりたいと考えております。
子どものインフルエンザ予防接種の補助についてであります。
本市におけるインフルエンザ予防接種につきましては、現在、定期接種として高齢者を対象に助成を実施しておりますが、子どもにつきましては任意接種となっており、接種にかかる実費をご負担いただいているところであります。
子どもを対象とした当該ワクチン接種につきましては、重症化予防や集団感染予防の観点から有効なものと認識はいたしておりますが、予防接種の助成につきましては、府内においても数団体のみの実施にとどまっているところでありますので、引き続き、府内市町村の動向を注視しつつ、調査研究してまいります。
(4)市独自の35人学級について
本市は2012年に開かれていた学力向上対策委員会で、子どもたちの学力向上のためには教師の多忙化を無くしていくこと、児童・生徒たち一人一人に目の行き届いた授業を進めていくことで、そのために「35人学級」の実施が有効とのことで、府下の自治体の中でも先駆けて、2014年に小学校5年生・6年生・中学校1年生でスタートさせました。その結果、保護者や教師からも「授業中よく分かるようになっている」「一人一人に目が行き届くようになった」と評価されてきました。市長は、施政方針の中で「市費任期付教員の柔軟な活用」と述べましたが、柔軟な活用とは何なのか、今までの少人数学級のための加配は保障されるのか答弁を求めます。
また、なぜこのような変更を行うのか、学校や保護者などから意見を聞くなど検証は行ってきたのか答弁を求めます。
日本共産党は35人学級の実施については、本来国・府において実施されるべきとは考えます。国・府に35人学級の実施を求めるとともに、改めて本市において35人学級を全学年に拡充することを求めるものです。本市の考えについて答弁を求めます。
【答弁】
「市費任期付教員の柔軟な活用」につきましては、少人数学級編制のための市独自の加配措置を継続したうえで、魅力ある教育づくり審議会の中間答申を踏まえ、校長判断により、少人数学級編制以外にも、学校の実情に応じた活用を可能にするものです。
市費任期付教員の活用方法の変更につきましては、保護者や市民、校長、教員も含めた委員で構成される魅力ある教育づくり審議会において「学校の裁量を拡大し、柔軟な人材活用を可能にするなど、制度の発展的改善の検討を求めます。」との提言を踏まえ、制度変更を行うものです。
国・府に対し35人学級拡充を求め、市としても35人学級を拡充していくことについてでございますが、教育委員会といたしましても、公教育における平等性や教育水準の維持向上の観点からも、学級編制基準の決定や教職員の給与負担につきましては、本来、国・府が行うべきものであると考えております。市独自の35人学級編制の全学年実施は困難ですが、引き続き、様々な機会において、国・府に要望してまいりたいと考えておりますので、よろしくご理解賜りますよう、お願い申し上げます。