[2017.11.24] -[門真民報]
門真は府下二番目の大幅値上げ(14%)
低所得者負担増の「国保一本化」は大問題
大阪府は 10月 25日、国民健康保険料率の新たな「仮試算」を公表しました。(表1)
来年度からの国保「都道府県化」にあたり、大阪府は保険料率や減免制度を府内で一本化するとしており、保険料の大幅値上げが懸念されています。
今回の「仮試算」は、2月に公表したものに続く2回目の試算となります。
今回の試算結果では、前回からの主な変更点として、保険料算定式や試算上の推計被保険者数などがあります。
また、2月の試算に加え、収入増分としては、来年度からの全国で約1700億円の国による追加公費のうち、普通調整交付金と特別調整交付金分(こども被保険者数)の約 40億円と、各市町村の保険料過年度収納分のうち約 80億円を算入しています。
支出増分としては、府内一本化する保険料・一部負担金の減免の費用約50億9千万円と、健診など保健事業の拡充分約 20億円を算入しています。
共産党府議団の試算でも大幅値上げ危惧
共産党府議団は今回の「仮試算」にもとづいて、府内全市町村の今年度の国保料と来年度からの府内一本化国保料とを試算しました。
それによると、現役世代夫婦と未成年の子ども2人の4人世帯で年間所得200万円の家族の場合、府内 29市町村で値上げとなります。
65歳以上74歳以下のひとり暮らしで年金月12万円の場合、40市町村で値上げとなります。
低所得者や障がい者、ひとり親家庭などを対象とした市町村独自の保険料減免制度が反映されていないため、独自減免を実施している自治体ではさらに値上げ額は大きくなります。
2月試算より値上げ幅は抑えられたものの、国保料が大幅値上げになるという本質は変わっていません。
大阪府は今後、年内に改めて来年度の保険料率の仮試算を行い、年明けには本算定を行う予定です。
しかし、今回の試算結果は本来、8月末には公表するとしていたものが遅れたものです。
また、前回試算の時に比較されていた「繰入後」(実際の保険料)が掲載されていません。
府内の各市町村では、一般会計法定外繰入をして保険料負担の軽減を行っています。
さらには、他の都道府県が行っている「激変緩和措置」の試算もされていません。
現在、府民向けに10月30日から11月29日まで「大阪府国民健康保険運営方針(素案)」に対してパブリックコメント募集も始まっています。
門真市も大幅値上げとなる試算結果
門真市の場合、現在の保険料と今回試算の保険料との比較では、1万5658円も値上げになると試算され、引き上げ額で府内3番目、率で2番目となっています。(表2)
また、所得の低い人ほど負担が大きくなるといった試算もされています。(表3)
大東市だけの問題ではない
「自立」「卒業」の名でサービス切捨て
大東市介護保険総合事業現地調査 ほりお晴真議員
17日、大阪社会保障推進協議会、大東社保協主催、中央社保協共催で大東市介護保険総合事業現地調査が行われ、200名を超える参加で、ほりお晴真議員も参加しました。
大東市では、昨年4月から総合事業が開始されていますが、介護サービスからの「自立」「卒業」を名目に介護認定を受け付けない、サービスを使わせないといった状況が生まれています。
大東社保協は、こうした中、8月に懇談会を行いましたが、市担当局の都合により予定時間の半分で終了しました。
その後も懇談会を要望した結果、11月 21日に改めて懇談の場を持つことになりました。
今回の現地調査では、午前中は、NHKクローズアップ現代の視聴や現状の報告、日下部雅喜氏による介護保険改定と大東市総合事業の問題点が報告されました。
午後からは①介護事業所訪問・聞き取り調査②生活サポート事業と懇談会③集いの場(元気でまっせ体操)訪問・見学④大東市出前講座介護保険⑤大東市出前講座介護予防と元気でまっせ体操⑥現地介護相談会という6つのコースに分かれての行動でした。
「卒業」の概念が分からないと困惑の声
ほりお議員は介護事業所調査のコースに参加しました。
事前に介護事業所へ「総合事業の影響に関するアンケート」を送付しており、その回収と聞き取り調査を行いました。
事業所からは大東市の考え方について「良いと思わない」「『卒業』の概念が分からない」といった声や総合事業に対する不満なども出されました。
その後は大東市役所前で集会・アピール行動を行い、介護保険をめぐる現状などを訴え、「必要な方に必要な介護を」など書かれたプラカードを掲げました。
これではまるで「介護保険料詐欺」
大東方式を全国に広げてはならない!
今年5月に介護保険法が改悪され、利用料の3割負担など、さらなる負担増とともに市町村に自立支援・重度化防止を競わせる仕組みを制度化しました。
市町村に「要介護状態改善目標」を義務付け、実績評価し結果を公表する。実績評価に基づいて国から交付金がもらえる仕組みです。
大東市ではすでにこの方式で、様々な弊害が生まれています。
まず、認定申請を受けさせてもらえず、11か月間で認定率は10・5%減。要支援1・2では、それぞれ32・3%減、26%減となっています。
また、市がすべてのケアプランをチェックし主治医の意見もサービスも切捨て、「元気でまっせ体操」へと通わせるといった事態も起きています。
事業者にはアメとムチで卒業・移行、更新拒否をせまっています。
サービスから卒業したら「卒業加算」、現行相当から緩和型へ移行したら「移行加算」をつけています。1年間で100人以上卒業・移行させたら200%加算が付きます。
一方、来年3月末のみなし指定の更新条件として、利用者の30%以上が「卒業」「移行」していること、市が開催する研修会に4回以上、自立支援マネジメント事例検討会に2回以上出席することとしています。
加算や更新拒否というアメとムチで「卒業」「移行」をせまり、利用者の状態を悪化させていくという大東方式を全国へと広げるわけにはいきません。
自民党の改憲案、なぜダメなのか
日本共産党門真女性後援会定期総会
18日、日本共産党門真女性後援会は第13回定期総会を開きました。
河野登美子会長の挨拶、福田英彦議員、藤田外男行政区後援会事務局長が来賓あいさつし、野党共闘を前進させ安倍政権の打倒、1年半後の統一地方選挙に向けてもがんばろうと呼びかけられました。
一部では、「憲法変えられたらどうなるの」のテーマで、大阪中央法律事務所の小林徹也弁護士に講演していただきました。
小林弁護士は、憲法とは国を縛るもの。憲法で一番大切なのは、個人の尊重、幸福追求権などを規定している 13条と述べ、その目的を実現するために色んな仕組みを定めていると。また、憲法9条を変えることはなぜダメなのか、改憲草案では『家族は互いに助け合わなあかん』と当たり前のことを言っているが、憲法で定めることがなぜダメなのかなど、改憲の問題点について理解を深めることができました。
二部では、1年間の活動報告や次期役員体制等が決まりました。 豊北ゆう子議員はカジノ万博の問題点を訴え、質疑では、憲法押し付け論についての疑問、9条は門真出身の幣原喜重郎が提案したものなど参加者から意見が出されました。
総会には、ほりお晴真議員も参加しました。