[2003.10.12] -[門真民報]
財政の見通し答弁不能に
まず「守口市、門真市及び新市の収支推計」について福田議員は、この推計が合併後10年間の推計しか行なっていないことから、地方交付税の特例部分が合併後11年から減少し、15年後には25億円減ること。合併特例債の償還金額のピークは合併後12、3年後であることを示し、「(合併特例の)いい時期だけを見通している」と指摘し、合併後15~20年後の見通しを示すよう強く求めました。これに対し答弁では「新市建設計画の財政計画は10年」「精度の高い推計は10年が限界」という答弁に固執し、市民の関心事である「特例措置がなくなればどうなるのか」「特例債の償還が後々財政を圧迫しないのか」との疑問には何ら答えないという態度に終始しました。
根拠もなくサービスを維持すると強弁
続いて福田議員は人件費の問題について、新市の平成26年の職員数の推計が1,692人、両市の合計が2,051人としていることにつて職員の削減計画について質しました。答弁では具体的な計画については言及しませんでしたが、合併後退職不補充で職員を削減することを明らかにしました。 これに対し福田議員は推計で合併直後に100人の勧奨退職者を見込んでいることとあわせて「こんなことで市民サービスが合併前と比べて続けられるのか」と新市発足後、毎年退職者数の3分の2を新規採用している西東京市の事例も紹介しながら、質しました。答弁では「合併しても職員が減っても市民サービスは当然維持していくことが前提」と根拠も示さず、職員を合併直後から急激に削減してもサービスは維持できると強弁しました。
市民に判断を誤らせる誘導の情報は許せない
以上の議論のなかで明らかになったことは、合併しなければ両市とも平成19年頃には「財政再建団体」に陥り、市民サービスは著しく低下する一方で合併すればそれが回避できるという収支見通しを職員の急激な削減と特例措置終了後の収支見通しを示さないことで市民に合併の「効果」だけをアピールするという姿勢です。このように結論ありきの収支見通しは市民の合併に対する正確な認識を誤らせ、合併へと誘導するもので断じて認められません。
3000万円の前納報奨金を削減示す
つづいて協議事項では市民の関心事である「市税の取扱い」などについて協議されました。具体的な調整内容の特徴は、法人市民税の均等割りの税率を制限税率とし、高い門真市のほうに合わすこと。これまで門真では課税されていなかった「事業所税」を課税し、年間約5億円の法人負担増。市税の前納報奨金については低い守口市の方に合わすことによって3000万円の前納報奨金が削減されるなど、「負担は高い方に、給付は低いほうに」調整されるという市民負担増となっています。こうした内容について「(門真の前納報奨金は)市民の立場でできれば存続してほしい」や「(事業所税の問題について)事業所からいろいろとある」との要望や意見などが出され引き続き慎重な協議が求められました。
要望・意見を無視またも採決強行
しかし、会長(東市長)は採決を行うことを宣言し、福田議員が「要望等も出されている。今日は諮ることはできないのでは」と引き続き協議することを求めましたが、採決し、決定されました。市民サービスに関わる問題について性急な協議姿勢は許せません。次回は使用料や手数料、上下水道の問題について協議される予定となっています。
高齢者が安心して住める門真の街に・学校の耐震診断・耐震化について・門真南高校跡地の有効活用について
中西みよ子議員
◆ 高齢者施策について
・市長は直接大阪府に出向いて老人医療助成の存続を求めよ(引き続き要望していく)
・介護保険料の減免・利用料助成の実施を
(介護保険制度の中で実施していくもの)
・街角デイハウス実施
(介護予防策として、地域の実情に応じた事業の選択を行う)
・訪問理美容サービス
の実施を(保健所が窓口となり理容組合、美容組合の協力により実施されている。今後周知に努力していく)
・高齢者サービスをもっと市民の方に知らせるべき。(高齢者のしおりは作成する)
◆地震活動期に入っており、避難場所にもなっている学校の耐震診断、耐震化を進めよ
(財政状況もみながら早期に実施できる方法を研究していく)
◆門真南高校跡地の有効活用を(引き続き大阪府と協議を行い、校舎棟を含む同校の跡地活用について一定の方向を見出していく)
住基ネット、住民投票などについて質す
福田英彦議員
◆住民基本台帳ネットワークシステムの本格稼働にあたって
(1)カードの発行状況と問題点
(2)自治体としてメリット・デメリット
(3)住基カードの独自利用
(4)セキュリティの強化について質し、労力とお金がかかりプライバシーの保護など様々な問題が生じている住基ネットについて、離脱の方向も検討するべきとし、市の見解を求めました。答弁ではセキュリティについて「現状の職員で対応できている」離脱については「考えていない」との見解を示しました。
◆公有財産処分転用計画について
(1)計画の期間と実施年次
(2)土地処分の効果
(3)有効活用の具体化について質し、市民ニーズを把握し有効活用することを求めました。答弁では、計画期間は10年を目途とし、土地の処分効果は1万1000㎡余で約14億円であること。有効活用の具体化ついて近隣市民との協議調整は「現段階では考えておりません」との見解を示しました。市の保有する土地の有効活用は、住民合意ですすめることが強く求められています。
◆住民投票条例の制定については、「結論ありき」ですすめられている合併協議会の運営について指摘したうえで、合併の是非について市民の意向を把握し決定するについて、大きな流れとなっている「住民投票条例」の制定についての考え方。市政における重要な問題については住民投票で決めるいわゆる「常設型住民投票条例」についての考え方について質しました。答弁では住民投票が「住民意向の把握の方法の一つ」との認識を示し、常設型住民投票については「制度のあり方を含めて調査研究」していくとの見解が示されました。
寝屋川大東線に関わる大阪府インナーエリア再生指針って何? 吉松正憲議員
大阪府が平成15年4月、門真市内の寝屋川大東線沿道地区を整備構想のモデル地区とする「大阪府インナーエリア再生指針」について、その内容、門真市とのかかわり、今後の門真市の姿勢について質問。
(質問の内容)
(1)門真市はどのような説明を受けているのか。
(2)これまでどんな関わりをもってきたのか。
(3)「地震時において大規模な火災があり重点的に改善すべき密集市街地」との関連は?
(4)財政問題を含め今後どのような姿勢でのぞむのか。
(5)寝屋川大東線沿道地区住民に対する説明はどうするのか。
(6)事業推進協議会に沿道地区住民の参画をはかる考えはあるのか。
(門真市の答弁)
(1)生指針の内容は、市街地整備の目標設定と都市計画道路を防災環境軸として設定すべく策定されたもので、阪神・淡路大震災を教訓として
○燃えにくいまちづくりの促進
○消防活動困難区域の解消
○一時避難地及び避難ルートの確保
○防災上緊急度の高い地区等の重点整備を基本方針にする と説明を受けている。
(2)地元市として、寝屋川大東線沿道整備事業推進協議会に情報提供のために、協議会メンバーとして参画。
(3)北部地区の10町(約134ヘクタールは同様の地区)
(4)本市は北部地区約461ヘクタールの整備に取り組んでおり、今後も財政事情等を勘案しながら、慎重に対応。
(5)説明会は、地元で一定の事業熟度ができ事業実施となった段階で。
(6)今後の課題と考えている。