[2017.3.25] -[議会活動]
ほりお晴真 議員
まず、代表質問の中で明らかとなった市長の政治姿勢についてですが、憲法改正について国民の声を踏まえた改正は必要に応じて行うべきとしながら、どこをどう変えるかについては考えが示されませんでした。
また、万博については政策の転換を求める考えはなく、カジノについては中止の申し入れを行う予定はなく、むしろ積極的に進めるべき施策であるとの考えが示されました。
万博とともに「IR=カジノ」をセットで誘致し、成長戦略の「切り札」にしようとしていることは問題です。
カジノ万博は成長戦略どころか何の財も生み出さず、さらなるギャンブル依存症の拡大、まともな産業・経済の衰退などをもたらすのは明瞭であり、「人類の進歩・展望」とも「健康・長寿」とも相いれないものです。
加えて、「維新」が安倍政権に対して、「カジノ万博」への後押しと引き換えに「改憲」へのタッグを組む姿勢を示していることは看過できるものではありません。
「万博」の理念などそっちのけで「政争の具」にしようとすることは到底許されません。
カジノ万博とともに淀川左岸線延伸部など、この間大きく破綻をきたした大型開発事業に多額の税金をつぎ込む一方で、福祉医療助成制度の改悪を行い、患者負担の引上げを行おうとしていることも問題だと言わなければなりません。
これに対しても「動向を注視」との答弁にとどまりました。福祉医療助成制度の改悪、大型開発、カジノ万博など本市にとっても百害あって一利なしのものであり積極的に推進していく姿勢は断じて認められないことを述べておきます。
議案第8号 門真市税条例等の一部改正について
この条例改正は、法人市民税の税率の引き下げを盛り込んだもので、その影響額は前回が2億1500万円、今回が3億700万円の収入の減額が見込まれていることが明らかとなりました。
減収分については、地方交付税で「適切な措置」が講じられているとの国の説明を鵜呑みにした認識が示されましたが、実収入の減額に対して「適切な措置」というのはブラックボックスとなっています。
自治体間の税収のバラつきを是正するものとされていますが、減収だけ明確となっているこのような制度改正は認められません。
議案第12号 門真市長寿祝金等贈与条例の一部改正について
この条例改正は、77歳を迎える方に3千円相当の祝品贈与を廃止するもので、削減分の財源を新たな高齢者施策には使わないことが明らかとなり、認めることは出来ません。
議案第16号 門真市立旧第六中学校運動広場条例の一部改正について
この条例改正は、旧第六中学校運動広場内の体育館を廃止することに伴うもので、総合体育館が5月より運営を始めるので、旧六中体育館の役割は終了したとのことでした。
しかし、土日においては100%の稼働率で抽選が行われ、抽選率は2.3倍であることが明らかとなりました。また、総合体育館で利用したい市民や団体が全員吸収されるかについては、応募記録も残っておらず、どのくらいのニーズがあるかも把握していない状況であることも明らかとなりました。市民プラザの土日の稼働率も旧六中体育館と同じくらいとのことであり、1年程度市民ニーズの様子を見て判断すべきであり、総合体育館が出来たからといってすぐに撤去すべきではありません。
議案第17号 平成28年度門真市一般会計補正予算(第11号)
この補正予算は、中町地区のまちづくりにかかわって、旧トポス・ダイエーの建物に対し、29億円もの除却補償費を光亜興産らに支払った税金・補助金のムダづかいが住民訴訟となっていますが、その旧ダイエー建物の除去工事が不十分であったことから、発生している問題です。
一部瑕疵を認めながら、12日間の工期短縮は「市の都合」ととんでもない言い分で、それに対し的外れの判例を持ち出して、光亜興産言いなりに負担金を支払うことは認められません。
議案第20号 平成29年度門真市一般会計予算
子ども医療費助成制度を高校卒業(18歳)まで拡充することや学校の図書館司書配置の拡充などは評価するものです。しかし、以下の点については問題だと言わなければなりません。
まず、島頭南北2号線の拡幅工事設計業務委託料についてですが、幅員6・7mとし車も通れるようにするものです。通学児童も通る道であり事故が起こらないか、安全対策が十分なのか危惧するものです。しっかりと安全対策を行うよう求めます。
次に、住宅市街地総合整備事業についてです。住市総事業における光亜興産言いなりのまちづくりの姿勢は、29億円住民訴訟問題に対する答弁でも、補正予算における地中障害物に係る負担金支出についても新年度予算審査においても全く変わらないことが明らかとなりました。
市長選挙での「7・24門真が変わる」との訴えに期待した市民の願いを踏みにじるものであり、住民合意のまちづくりとは縁遠いもので、このようなまちづくりを唯々諾々として進めることは絶対に認められません。
次に、市税徴収事務についてです。他市ではほとんど実施していない学資保険の差し押さえを実施している実態が明らかとなりました。
子どもの貧困対策等に取り組んでいく中で、このような子どもの教育・未来を奪う学資保険の差し押さえはすべきではありません。
次に、就学援助事業についてです。国からの予算措置もありながら、平成21年度に入学準備金を小学校では1万9千円から1万7千円に、中学校では2万2900円から2万2千円に引き下げたままであることが明らかとなりました。
北河内7市では国の措置に従い、来年度からは小学校で4万600円、中学校で4万7400円にすると決めた、もしくは方向性を示している状況です。
前年度より約1300万円減額となり、国の予算措置があるにもかかわらず、財政課にも要望していなかったことは怠慢と言わざるを得ません。国の措置通り増額しないことを認めることは出来ず、速やかに入学準備金を増額するとともに、支給日についても前倒しすることを求めるものです。
その他、淀川左岸線の延伸部建設について、中止を求める考えはなく、大型開発推進の立場で、環境悪化を招く道路建設に賛成する立場、土日において100%の稼働率で抽選が行われている状況の旧六中体育館の撤去工事、「分かる授業の推進」として、これまで実施されていた学力向上支援員加配事業の廃止、世界にはばたけ事業の英語プレゼンテーションコンテスト優秀者に対する海外派遣研修は、懸賞ともとれるもので税金の使い方としてふさわしくなく認めることはできません。
議案第21号 平成29年度門真市国民健康保険事業特別会計予算
平成30年度からの国保都道府県単位化に伴い、統一保険料の仮試算結果が示されましたが、本市においては保険料が引き下がる世帯は無いことが明らかとなりました。減免制度においても「統一を進めているものであり、市独自の制度とする考えは無い」ことも明らかとなり、国保加入者にとっては百害あって一利なしの統一国保は止めるべきです。
また、自治体本来の姿、市民の暮らしの防波堤の立場に立つべきであり、国保事業は相互扶助制度ではなく社会保障制度です。
情け容赦の無い国保の差し押さえも資格証明書、短期保険証の発行もすべきではありません。
議案第24号 平成29年度門真市後期高齢者医療事業特別会計予算
差し押さえ件数が27年度27件であったものが、29年2月末現在、28件148万円となっていることが明らかとなりました。
年金生活者の暮らしの基盤を崩壊させる異常な取立て、差し押さえを止めるべきです。
国会で審議中の来年度予算案には、後期高齢者の保険料の軽減措置を、4月から段階的に縮減することが盛り込まれました。実施されれば今でも23万人以上が保険料を払えない状況をますます深刻化させます。国民が安心して医療にかかる土台を掘り崩す保険料アップは中止すべきです。