[2005.3.27] -[門真民報]
東市長の施政方針説明及び新年度予算に対して、亀井あつし議員が代表質問をおこない市長・理事者の姿勢をただしました。
市長の政治姿勢では、憲法や合併、行政の公的責任、行財政改革などについて質しました。
公的責任について、ニューパブリックマネージメント(コストや利益を最優先させる手法)は、住民を主権者でなく、サービスを買ってくれるお客さんとみなす考えである点を指摘しました。
答弁で、「ニューパブリックマネージメント導入にあたっては、行政の使命は住民福祉等の向上を図ることを念頭において検討したい」とありましたが、今後注視していく必要があります。
行財政運営の改革では、住民への説明責任、住民の意見を反映し、住民合意で進めていくことなどを求めました。
中小企業対策として、小規模工事契約希望登録制度については「検討課題」や市民が住宅改修などに市内の業者を利用した場合に助成する住宅リフォーム制度の創設について「研究課題」と答弁がありました。
小児救急・夜間医療について市民意向調査で子どもが急病になり4割が困った事を紹介し充実を求め「整備・拡充に向けて関係機関に働きかけたい」との答弁がありました。
国民健康保険については、府下の多くの自治体が要綱で定めている医療費の一部負担免除制度(国保法44条)を設けることを求め「他市の運用等を研究し検討したい」と答弁がありました。
北島調整区域にある自然環境の保全は、市の最重要課題の1つとなると指摘。
地権者の意向も十分に受け止めつつ水と緑のまちづくりを探求すべきと主張し、「慎重に検討したい」と答弁がありました。
学校教育の分野では、少人数学級実施について求めましたが、必要性は認識するものの、財源問題を理由に消極的な答弁に留まりました。
そして、「日の丸」「君が代」問題で、天皇も「強制にならないように」と発言していることを紹介し、強制しないことを求めましたが、学習指導要領を盾に押し付けを正当化する答弁をしました。
小泉内閣が推進する政治が門真市民に与える影響が答弁の中で浮き彫りになりました。
例えば、財政面で、所得税から個人住民税への税源移譲として個人住民税所得割の税率を平準化する方向で検討されているが、個人市民税の歳入の比率が低い門真市には不利に働くと考えられる。
介護保険制度では、今年10月から施設入所すると、居住費や食費が保険給付の対象外になり月額が1万5千円から3万円程度の負担増になるなど答弁で明らかになりました。
亀井議員は再質問に立ち、まず、日本国憲法の『改正』についてとりわけ憲法9条を市長自身がどのように考えているかについて求めましたが、「私見は控えさせていただきたい」と答弁を回避しました。
次に、合併問題について、他党の代表質問に対し「自分なりに分析したところ、消極的と確認できた」と発言した点を踏まえ、「なぜ市民に理解を得ることが出来なかったか」と尋ねると、「正直、いまだに自分でもわからない」と答弁しました。
(市民不在で、結論先にありきのやり方への反省は無し)他に、南部地域の開発計画である南部整備大綱を見直しや、寝屋川大東線に関わる事業の全体計画と事業総額を尋ねましたが、市民の納得の得られる答弁はありませんでした。
18日おこなわれた建設常任委員会で、東市長は、寝屋川大東線沿道整備(上島第1地区)について、門真市が都計道路全体の事業計画と総事業費を知っていながら議会に説明もしていなかった問題を吉松正憲議員に追及され、陳謝しました。
放置自転車対策の強化を
同議員は、京阪電車各駅やその周辺での放置自転車対策の遅れを指摘し、古川橋駅・大和田駅について、具体的にどんな対策をやろうとしているのか、また、土曜・日曜の指導員がいない日に自転車の放置がひどくなっている問題の一層の改善策を求めました。
また、毎年被害が発生している浸水対策について、新たなポンプの設置など新年度の市の浸水対策についてただすとともに、国・大阪府の対策がどう進捗するのかただしました。
次に、門真南公園・仮称月出町中央公園整備工事に関連して、公園整備にあたっての地元協議がどのようにおこなわれるのかただすとともに、公園を整備した跡の維持管理がきわめて重要だとして、地元の理解と協力を得る事前の地元協議を大切な手続きとして位置づけるよう求めました。
寝屋川大東線整備費114億2千万円、163号から京阪電車、延長1km
次に、8億円が予算化されている住宅市街地総合整備事業の中で、特に、上島第1地区の事業化について、都市計画道路寝屋川大東線が、道路幅が狭く8メートル程度しかなく、恒常的な渋滞路線となっており、その整備の必要性は理解できるが、今回の整備ではこうした観点がない。
さらに、内閣府、都市再生本部のホームページには、地域の資源を活かした地域共生型まちづくりとして、門真市において平成15年度全国都市再生モデル調査実施とある。
これまで一度も説明を受けていない内容が示されている。知っていたのか、なぜ議会に説明しなかったのか。
代表質問と再質問、委員会での質問にも全体計画と事業費をこたえなかったが、私が手に入れた大阪府の新規事業評価調書によると幅32メートル、事業延長約1キロメートル、総事業費は114億2千万円とある。
知らずに説明しなかったのか、知っていて説明しなかったのかただしました。
理事者知っていながら説明しなかった?
これに対して、市は「知っていて説明しなかった」と答弁、「何回も聞いているのに議会にまともに説明もしないまま予算化したのか」と厳しく追及。市長に、一連の質疑をどう受け止めるのかただしました。
市長は「吉松議員の指摘の通りであり、まことに申し訳なかった」と陳謝しました。
この他、市街化調整区域土地利用基本構想作成調査委託料について、(市営)岸和田住宅跡地利用計画委託料について、四宮土地区画整理事業について、それぞれただしました。
17日、民生常任委員会に党議員団から亀井あつし、井上まり子議員が出席しました。
一般会計予算の主な質問と答弁
・戸籍総合システム導入はデーター漏れ等慎重に
・住民基本台帳閲覧で、社会的問題になる事件が発生。
対策が必要→諸「要綱」を策定し厳格な審査。
・生活保護受給者に対し自立・就労・社会参加の条件整備を図るように→05年より臨床心理士・精神保健心理士・就労支援員を置いて対応。
子どもの育ちが危うい時代、実効ある子育て支援を
・09年までに保育園1園増設するとなっているが十分か→状況を見極めながら検討。
・地域子育て支援センターの増設を→検討。
・定年が近い家庭児童相談員(虐待問題等の相談)の経験が生かせるような引継ぎ体制を→児童福祉法の改正で児童相談窓口が市町村に変わるので体制強化に努める。
・母子家庭等の親が直面している厳しい社会や経済環境を考慮し、実効ある母子家庭等自立促進計画調査を→03年当市就労支援センターを設置、母子自立支援員を配置。今後より応援するための計画を策定。
・保育園の医務室にクーラーを。乳幼児の健康上、不可欠→検討。
他党議員の保育所民営化に対し「コスト論では、少子化問題は解決できない。保育の質は、職員同士、集団的な実践と研修の中で互いの経験の伝承が、豊かに保障される中でこそ、培われるもの」と意見を。
大阪府、精神障害者の日中活動の場グループワークを廃止
・大阪府保健所門真支所が廃所になっており、諸業務が、門真保健福祉センターで引き続き実施されているが精神障害者のグループワーク事業が05年度から廃止。
今後どうなるのか→地域生活支援センターで対応。
これから増える独居老人の対策を
・独居老人の訪問等の対策をとるべきでは→05年から、老人クラブ連合会で友愛部会を設置。
また在宅介護支援センターで24時間対応。
・非課税世帯に入院時の紙おむつ給付を→財政的に困難。
・ホームレスの主な原因の70%が、倒産失業。
ホームレス自立支援推進協議の具体的な計画は→同協議会北河内ブロック分科会で2月現在153巡回。
福祉事務所への報告・医療相談・指導屋要望の聞き取り。
今後、自立支援センター等の設置について検討。
・保健福祉センター利用拡充を→全館を活用して保健所の各種事業を実施。
・前立腺がん検診の実施を→国の検診方針を参考に研究。
ゴミ回収の民間委託は環境行政の後退につながる
・環境行政については、事業系ゴミの減量を推進する為に実施した「事業系ごみ排出実態調査」の結果についての特徴を質しました。
同調査で、市内全事業所の約25%しか、許可業者と収集・運搬契約を結んでおらず多くの事業所は、家庭ごみに排出している点を指摘しました。
門真市のごみ回収は直営になっており、8種分別による回収が徹底されているが、民間委託された場合、ごみ分別指導などきめこまかな対応ができないことが他市の例を見ても明かであり、環境行政の後退につながるなどの危惧する点を指摘しました。