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  • こんにちは。門真市会議員団です。

    2016年12月議会 豊北ゆう子議員の一般質問・答弁

    [2016.12.15] -[議会活動]

     1.子どもの貧困対策について

    子どもの貧困対策について、また、市の今後の取り組みについて質問します。

    3年ごとに発表される日本の子どもの貧困率は、過去最悪の16.3%、子どもの6人に1人と言われています。また、ひとり親世帯では54.6%となっており、2人に1人という深刻な状況です。

    貧困率が急増する背景には、政府がすすめてきた雇用、福祉、社会保障の切り捨てによる、格差拡大があることは否めません。

    そんな中、国会で「子どもの貧困対策推進法」が全会一致で成立し、20141月に施行されています。

    子どもの貧困対策法は、「子ども等に対する教育の支援、生活の支援、就労の支援、経済的支援等の施策を、子どもの将来がその生まれ育った環境によって左右されることのない社会を実現することを旨として、推進されなければならない。また、国、地方公共団体の関係機関の密接な連携の下に、総合的な取組として行う」ことを理念として謳っており、国の責務は、「この理念に則り、子どもの貧困対策を総合的に策定し、実施する」こと。地方公共団体は、「国と協力しつつ、当該地域の状況に応じた施策を策定し、実施する責務を有する。」となっています。

    ①子どもの貧困対策法の施行後、対策法に基づき「大綱」が20148月に出され、大綱に基づいて大阪府では計画も策定されています。そこで質問ですが、府の計画に基づいて門真市では具体的にどのような対応を行ってきたのでしょうか。答弁を求めます。

    次に市長が10月に行われた第1回門真市総合教育会議において、「子どもの貧困問題が重要な課題だ」とした、発言をされていることについてです。

    市長は、子どもの貧困対策は主に経済援助と考えられがちだが、それだけでなく、子どもの置かれている生活環境や親の子育ての問題、また、若年出産の問題、クラブ活動の充実や郷土芸能やまつりなどを伝えていく環境づくりが大事など、そして福祉部門との連携が今後大切になってくるとも述べられています。

    そうした中、来年4月から「こども未来部」を「こども部」と名称を変更し市長部局に置かれることが示されました。

    そこで質問ですが、

    ②こども部を市長部局に移し、子どもの貧困対策をどのように展開していこうと考えているのか。また、総合教育会議での内容を受けて、もうすでに議論されていることがあるのかどうかお聞かせてください。

    ③また、子どもの貧困対策は市長も重要だと考えている状況においては、当然「対策本部」や「委員会」などつくり、すすめていくことが必要だと思うが、市の考えをお聞かせください。

    次に、今年11月に文教常任委員会の管外調査で、東京、足立区に行かせていただきましたが、とても参考になる内容でした。足立区は、人口66万人、区の面積は53.25 ㎡で、人口密度は門真と変わらない自治体です。自転車の盗難が23区の中で一番多い、学力も他の区と比べて低い等の問題があると言う点では、本市と同様の課題を抱えている自治体と感じました。視察で伺ったのは、子どもの貧困対策実施計画「あだちプロジェクト」です。

    足立区は東京23区の中で治安や学力などのマイナスイメージを払しょくしたいことや、足立区の課題を「治安・学力・健康・貧困の連鎖」として挙げ、貧困の連鎖については、貧困それ自体より、むしろ親・子・孫と世代が変わっても貧困状態から脱却できないことが根深い問題だと認識して、その解決に努めてきたが、全庁的な取り組みに至ってなかった。

    しかし、国の貧困対策法制定を機会に、全庁的な取り組みの強化を図らなければならないことから、2014年8月に「子どもの貧困対策本部」を設置し、翌年の2015年9月までに実施計画を策定することとしたとのことです。

    組織としては、部長が1人、課長が2人、係長が2人。係長のうち1人は別の福祉部門にかかりつけなので4人で計画を策定したとのことでした。

    計画の体系については、「教育・学び」「健康・生活」「推進体制の構築」と大別し、「子ども」に視点を置いた「区」でなければできない具体的な施策を体系化し、必要に応じて見直し・改善を図る。計画期間は5年間ですが、継続的に取り組むとしています。

    今回の視察で、特に参考になった点の一つとして、推進体制の構築の中で「つなぐシート」を活用されていたことです。

    「つなぐシート」は相談事業の連携を強化するためのもので、窓口に相談に来られた人が他にも問題を抱えていることが伺えれば、本人の承諾を得て関係所管や機関に相談者を案内するため作成するものです。足立区では、計画を実施して以降、徐々に治安や学力等改善されていることも報告されました。

    そこで質問です。先ほどの質問とも重なる部分がありますが、

    ④本市も貧困対策に本格的に取り組むための対策委員会のような組織をつくり、全庁的に取り組み、つなぐシートの活用についても検討すべきではないでしょうか。また、本市での相談窓口対応の全庁的な連携などについて、現状はどうなっているのかについてもお聞かせ下さい。

     

    ⑤次に、今年7月に行われた「門真市子どもの生活に関する実態調査」について伺います。まず、実施に至った経緯と概要をお聞かせください。結果については、大阪府全体での結果公表は来年2月頃とのことですが、現時点で市としてどのように把握されているのですか。府が発表しなくても、本市の調査結果の単純集計も出ているのですから、市としての検討もスタートしていくべきではないですか。答弁を求めます。

    最後に、今回の生活実態調査結果を受けて、子どもたちが抱えている問題をしっかり分析し、本市が本格的に多面的に全庁的に「子どもの貧困対策」に取り組みさらに推進が図られ具体的な対策が取られるよう要望し質問を終わります。

     

    【答弁】

    本市では、「大阪府子ども総合計画」策定前より、各部署間での連携を図りつつ、子どもにかかる様々な取り組みを進めてまいりました。具体的には、府計画に記載の放課後児童クラブの実施や中学校給食の導入、また、子ども悩み相談サポートチームの設置等であり、鋭意、積極的に施策展開を図ってきたところであります。

    また、子どもの貧困対策としては、部署間の枠を超えた一層の連携が求められる中、28年4月に、その対策等を検討するため、こども政策課を中心に庁内関係課で構成する「門真市子どもの貧困対策検討委員会」を設置するとともに、本年7月には大阪府と共同で「子どもの生活に関する実態調査」を実施したところであります。

     次に、こども部を市長部局に設置することについてでありますが、子どもの貧困に繋がる要因の一つとして、若年出産等により親の生活基盤が安定しないことが、子育てを含めた家庭の環境や人間形成に図らずも影響し、子どもの学力を含めた様々な課題の要因になっているものと捉えていること等から、機構改革が実施された後は、福祉部門との一層の連携強化を図りながら、様々な対策の検討を進めるなかで、議員お示しの「つなぐシート」など先行市の事例も研究しつつ、施策推進を図ってまいりたいと考えております。

    最後に、先ほど申し上げました実態調査についてでありますが、本市における子どもの生活実態を把握し、今後の取組を効果的に進めることを目的に、小学5年生と中学2年生及びその保護者を対象に実施したものであり、結果については、現在、単純集計を終え、詳細を把握するためのクロス集計について作業を進めているところであります。

    今年度末には調査結果を取りまとめる予定としておりますが、並行して、各部署でのさらなる情報収集及び共有に努め、効率的・効果的な施策の実施に繋げてまいりたいと考えております。