[2016.12.15] -[議会活動]
1.学校給食の無償化について
学校給食無償化は、山口県和木町が1951年に実施したのが始まりで、その後、全国にひろがりました。特に2010年以降、子育て世代の定住促進策として広がっています。憲法26条には「義務教育は無償とする」とあります。
本年9月9日付の「朝日新聞」に「義務教育、給食も教材費も『完全無償化』じわり拡大」という記事が掲載されていました。「給食費など義務教育でかかる費用を自治体が負担する動きが広がっている」「少子化や過疎化、子どもの貧困問題を背景に、手厚い支援で子育て世代の流出を食い止め、新住民を呼び込む狙いがある」、そして、「滋賀県長浜市が「市民全体で子どもの成長を支えよう」と本年2学期から小学校の給食を無償化した。対象人数は約6千人で全国最大規模」とありました。
また、「全国教職員組合が昨年、全国1740市区町村・広域連合を対象に実施した調査では、199自治体が給食費の補助があると回答。5割強が12年度以降に始めていた。199自治体のうち45自治体は全児童生徒を対象に全額補助」とありました。
2011年度から学校給食無償化に踏み切った大田原市が、2012年度に実施した学校給食無料化アンケート集約結果の「学校給食費に充てていたお金の使い道」への回答によると、5割以上の保護者が、生活費として使用となっており(2156)、そのほとんどが子供のために有効に使われている事が明らかになりました。
また、子どもへの教育や将来の備えとしている(1333)と回答も多くあった事がわかりました。学校給食の無料化が納税の大切さや、地域住民への感謝の心を教育するきっかけになっている事がわかったという記述もありました。
今回の質問にあたって、就学前の子どもさん3人お母さんに聞いたところ、「大歓迎!」などの声が寄せられました。
「門真市子ども・子育て支援事業計画の第2章 子ども・子育てを取り巻く現状と課題」の「拡充して欲しい子育て支援策」について、就学前児童を持つ保護者は2番目、小学生を持つ保護者は1番目に「経済的援助の拡充」となっています。
憲法26条には「義務教育は無償とする」とあります。学校給食無料化は、なにも日本共産党だけが主張している訳ではありません。自民党も「自民党政策Jファイル2010年の「39子供たちの成長に合わせた切れ目のない子育て支援」に「小学校給食の無償化など小・中学生の子どものいる家庭への支援」と明記しています。
公明党大阪本部の発表した2011ローカルマニフェストの教育環境の向上策にも、「小学校の給食費の公費助成を拡充します」とあります。また、全国各地で公明党の地方議員も、義務教育費の無償化や食育の立場から公約に掲げたり、議会質問を重ねています。
維新の会は、2016年参院選マニフェストで、「幼児教育から大学まで無償化します」と公約し、「教育無償化等制度改革の推進に関する法律案」を国会に提出しています。維新の法案提出時の説明によると、「経済的状況にかかわらず、均等な機会が確保されるべき 社会の発展の基盤であり、その費用を原則として社会全体で負担するべき→『無償化』の措置を講ずる必要がある。」と書かれています。
宮本市長も、市長就任挨拶で「とりわけ、子どもへの施策の充実を図り、子育てしやすく安心して暮らせる街づくりにより、市民の皆様に定住し続けていただけるよう施策を推進」と述べられました。そして子ども医療費助成制度を所得制限なしで高校卒業までの拡充、保育所、幼稚園及び認定こども園を利用する本市の5歳児を対象に保育料の完全無償化を打ち出されました。大いに歓迎するものです。
いっそうの子育て応援施策として、当面は小学校の学校給食無償化の実現を求めるものですが、学校給食費を無償にするための財源はいくら必要か、市の学校給食の無償化について市の見解とあわせて答弁を求めます。
【答弁】
学校給食を無償化しようとした場合の財源ですが、27年度の給食費で考えますと、小学校が約2億4,000万円、中学校で約1億4,000万円となっており、合計しますと約3億8,000万円が必要と考えられます。
次に、学校給食費の無償化についての市の見解についてでありますが、教育委員会といたしましても、他市で給食費を無償化している事例は把握しており、給食費の無償化につきましては、家庭の負担を軽減することに効果があるものと考えられますが、今後調査・研究してまいりたいと考えておりますので、よろしくご理解賜りますようお願い申し上げます。