[2016.12.15] -[議会活動]
1.危険な老朽家屋及び空き家対策について
危険な老朽家屋及び空き家対策は、住宅密集地の解消を図る過程において、重要な課題となります。
2013年住宅・土地統計調査によると、全国の空家は約820万戸、空家率は13.5%となり、前回の調査に比べ0.4ポイント上昇し、過去最高、大阪府においては14.8%で、6~7戸に1戸は空き家という状況となっています。
また、このこととも関連し、適切に管理されないまま老朽化が進行し、周辺に悪影響を及ぼす事例が本市においても多くみられます。
(1)市民からの要望への対応を含めたこれまでの対策の現状について
これまで様々な取り組みを本市においても実施していますが、市民からの要望への対応、対策を通じて課題となっていることなどを含めたこれまでの対策の現状について答弁を求めます。
(2)「建築物等の適正管理に関する条例」施行後の条例に基づく対策の進捗について
本市は、「空き家対策特別措置法」に緊急的に行う安全対策の措置を講ずる規定はないことから、道路等の公共の場所に面している場合においては、市が必要最低限の安全対策を行うこと、空き家に限らず、居住している状況にある建築物に対しても指導、緊急措置が行えることを規定した「門真市建築物等の適正管理に関する条例」が4月に施行されましたが、今日までの条例に基づく対策の進捗状況について答弁を求めます。
(3)「空き家対策特別措置法」にもとづく計画策定について
「空家等対策の推進に関する特別措置法」は、「適切な管理が行われていない空家等が防災、衛生、景観等の地域住民の生活環境に深刻な影響を及ぼしていることに鑑み、地域住民の生命、身体又は財産を保護するとともに、その生活環境の保全を図り、あわせて空家等の活用を促進するため」に議員立法により、一昨年10月に公布、昨年5月に完全施行されました。
そして、昨年2月には国の基本指針、5月にはガイドラインが定められ、大阪府においてそれを補完するための技術的助言が昨年12月に策定されています。
こうしたなかで、本市としてのこれまでの取り組み状況、現在実施している空き家の実態調査についても合せて答弁を求めます。
特措法では、「市町村は、第六条第一項に規定する空家等対策計画の作成及びこれに基づく空家等に関する対策の実施その他の空家等に関する必要な措置を適切に講ずるよう努めるものとする」とされています。
第六条第一項で空家等対策計画について「その区域内で空家等に関する対策を総合的かつ計画的に実施するため、基本指針に即して、空家等に関する対策についての計画を定めることができる」とし、第二項で9項目について定める内容について規定しています。
空家等対策計画に基づく対策については、財政措置も講じられると考えますが、計画策定の考えについて答弁を求めます。
【答弁】
まず、市民からの要望への対応を含めたこれまでの対策の現状についてであります。
要望があった場合につきましては、まず、建築物等の現況確認のため現地調査を行っております。
当該建築物が使用されている場合は、当該使用者等に対し適正な管理について指導し、使用されていない場合は、空家等対策の推進に関する特別措置法いわゆる空家特措法第10条に基づき所有者等の情報収集を行い、判明した所有者等に対して建築物等の適正管理について指導するため、現況写真を同封し指導文書を送付しております。
現時点での課題としましては、長屋住宅については、1つでも居住されている場合は「空家等」に該当しないことから空家特措法に基づく所有者等の調査が行えず、苦慮しているところであり、国土交通省に対し長屋住宅の取り扱いの見直しについて申し入れを行っているところであります。
次に、「建築物等の適正管理に関する条例」施行後の条例に基づく対策の進捗についてであります。
以前より、近隣の方から危険であるとの相談を受けていた建築物において、外壁の一部が落下したこともあり、更なる崩落等による事故等を防止するため、近隣住民や周囲を通行する市民の安全確保のため、条例第11条に基づきフェンス等により仮設の塀を設置する応急措置を行いました。
最後に「空き家等対策特別措置法」に基づく計画策定についてであります。
現在実施している空き家の実態調査についてでありますが、現時点におきまして、机上により精査いたしました空き家候補について、現地調査を実施しております。
現地調査は、空き家であるか否かについての調査だけではなく、建築物の危険度についても把握を行っており、今後においては、その結果をもとに優先度を判断したうえで、法律等に基づき適切な指導等を行い、良好な住環境の促進に取り組んでまいりたいと考えております。
空き家等対策計画につきましては、法が制定され、本市におきましても、今後の人口減少や既存の住宅等の老朽化などにより、適切な管理がされていない空家等の増加などがもたらす問題が一層深刻化することが懸念されることから、空家等に関する対策の基本的な方針を定める計画の策定に向けて、準備を進めているところでございます。
2.中町地区の旧ダイエー跡地に建設中のマンションに対する根拠のない5億円の助成金支出について
この問題は、中町地区の旧ダイエー跡地に現在建設中のマンションに対し、根拠のない5億円の助成金を門真市が支払おうとしていることが3月議会で明らかとなり、その後6月議会の総務建設常任委員会、9月議会、決算特別委員会での追及に対し、「問題ない」との答弁に終始しているというものです。
市民の方からは、「こんな5億円もの支出はとんでもない」という声が多く出されています。恐らく宮本市長も選挙戦を通じ、また市長となられてからも、同様の声を聞かれているのではないかと思います。
改めて一般質問の場で質したいと思います。
(1)旧ダイエー跡地のこれまでの経過について
旧ダイエー跡地をめぐっては、6年余り前に光亜興産らがダイエーから建物と土地約1万3千㎡を15億円で取得し、その土地の一部をURに売却し、そしてURがNIPPOらに売却し、現在マンション建設が進められています。
この旧ダイエー跡地の経過について、土地の売買が行われた時期と面積、売買価格、建物が撤去された時期、用地売却にあたってのURとの協議経過について答弁を求めます。
(2)要綱にも明記されず、運用基準もない助成金支出の根拠について
マンション建設への5億円の助成金の根拠としているのは、門真市の木造賃貸住宅等建替事業助成金交付要綱ですが、この要綱第2条に「建替事業」の定義が明記されています。それは、「整備地区内において土地所有者等が木造賃貸住宅等を別表第1の定めに基づく建て替えをいう」となっています。
この間、この定義にある、土地所有者等とはNIPPOらで、木造賃貸住宅等は旧ダイエーの建物であると答弁しながら、NIPPOらが旧ダイエー建物を建替える事業かとの質問には「土地所有者等が誰であっても木造賃貸住宅等があった敷地に、新たに共同住宅等が建設されること。また、土地区画整理事業で、木造賃貸住宅等があった従前地から新たな換地先で共同住宅等が建設される場合においても建てかえ事業の定義に包含するものとして運用」していると答弁していますが、それはどこに明記しているのか、答弁を求ます。
明記することなく「運用」しているとすれば大問題だと考えますが、その認識についても答弁を求めます。
(3)建築物の除却を伴うことが要件とする国の問い合わせに対する回答の問題点について
国は適正な交付金の執行を図るために本件について、「建てかえを促進すべき建築物の除却を伴うことが要件とされていますけれども、それを満たしているか」との国からの問いに対し、除却建築物は、除却当時築42年及び築26年であったので、耐用年数3分の2を超過しているため老朽建築物に該当する、それらの老朽建築物と老朽住宅等を含めて建てかえを行うこと及び中町地区の北側部分を住宅ゾーンとして位置づけることにより、健全な住宅地区の形成に資する建築物に該当するとしています。また、老朽建築物除却後2年以内に、要綱に定める建築物を建設することから、市街地住宅等整備事業の要件を満たしている」との回答を行い、「除却を伴うことが要件として満たしているか」との問いには全く答えていません。
本当にこの説明のみで、国からの了解が得られたのか疑問です。
交付金の交付に関し、これまで国・大阪府と行ってきた協議についてその時期、協議内容について具体的に答弁を求めます。
【答弁】
始めに、旧ダイエー跡地のこれまでの経過についてであります。
土地の売買が行われた時期と面積につきましては、22年6月22日に旧ダイエー跡地の約13,000平方メートルが光亜興産株式会社及び株式会社サンコオアに所有権移転され、同年7月6日に旧ダイエー跡地の南側部分、約7,070平方メートルが都市再生機構に所有権移転されております。
その後、26年4月25日には、「中町土地区画整理組合」において、旧ダイエー跡地の北側部分に都市再生機構の用地が仮換地指定され、同年9月の土地譲受人募集を経て、同年10月31日に6,342平方メートルが株式会社NIPPO、京阪電気鉄道株式会社及び株式会社長谷工コーポレーションに所有権移転されております。
次に、売買価格についてでありますが、光亜興産株式会社等がダイエーから取得した土地及び建物の売買価格につきましては、裁判資料の情報等によりますと、議員お示しのとおりの金額になるものと認識しております。
都市再生機構が光亜興産株式会社等から取得した土地の売買価格につきましては、不開示情報であるため、把握しておりません。
株式会社NIPPO等が都市再生機構から取得した土地の売買価格は、都市再生機構が公表した入札結果により、約17億円と把握しております。
次に、旧ダイエー建物が撤去された時期でありますが、24年11月5日から除却工事に着手し、25年11月26日に除却工事が完了しております。
次に、用地売却にあったての都市再生機構との協議経過についてでありますが、都市再生機構において、住宅市街地総合整備事業により退去される借家人のための従前居住者用住宅の検討はされたものの、建設時期や事業採算性並びに規模等の諸問題があったことから、26年9月の土地譲受人募集に至ったものと聞き及んでおり、協議録等を作成していないため、詳細な時期等については把握しておりませんが、当該募集要領を作成する段階において、協議等を行った結果、当該募集要領の策定に至ったものであります。
次に、要綱にも明記されず、運用基準もない助成金支出の根拠についてであります。
本市の要綱は、快適な居住環境の創出や密集市街地の整備改善等を図ることを目的とする国の制度である「住宅市街地総合整備事業」の趣旨を踏まえております。
よって、要綱に規定する建替事業については、土地所有者等が誰であっても木造賃貸住宅等があった敷地に、新たに共同住宅等が建設されること。また、土地区画整理事業で、木造賃貸住宅等があった従前地から新たな換地先で共同住宅等が建設される場合においても、建替事業の定義に包含するものとして運用しております。
それらのことから、当該物件につきましては、「株式会社NIPPOらが、旧ダイエーの建物を建替える事業」ではなく、「株式会社NIPPOらが、旧ダイエー建物の除却跡地に共同住宅を建設する」ことも、本要綱の目的の趣旨から第2条第1項の定義に合致しているものでありますので、明記する必要はないものと認識しております。
最後に、建築物の除却を伴うことが要件とする国の問い合わせに対する回答の問題点についてであります。
交付金の交付に関し、これまで国及び府と行ってきた協議の時期や協議内容につきましては、27年1月に設計費に係る交付金の要望を府を経由して国に行い、同年4月9日に交付申請を経て、同日付で交付決定されております。
その後、27年9月24日に共同施設整備費、工事監理費に係る交付金の全体設計申請を行い、同年10月20日に承認をいただき、本年4月1日の交付決定に至っております。
協議時期や協議内容等については、全体設計申請にあたっての、国及び府からの問いに対しましては、申請書の計画図等により、計画やスケジュールなどの事業内容や土地、建物の経緯等について、十分に説明を行い、国の承認等を得ていることから、問題はないと考えております。
なお、国からの問い合わせの趣旨は、「除却を伴うことが要件として満たしているのか」との問いではなく、除却された従前建築物が市街地住宅等整備事業での「建替えを促進すべき建築物の要件に該当しているのか」を問われたものであり、その要件である老朽建築物等に旧ダイエー建物が該当している旨の回答を行ったものでありますので、よろしくご理解賜りますよう、お願い申し上げます。
【再質問】
まず、交付金の交付に関し、これまで国・大阪府と行ってきた協議についてその時期、協議内容について具体的に答弁を求めましたが、「協議時期や協議内容等については、全体設計申請にあたっての、国及び府からの問いに対しましては、申請書の計画図等により、計画やスケジュールなどの事業内容や土地、建物の経緯等について、十分に説明を行い、国の承認等を得ていることから、問題はないと考えております。」とのあきれた答弁でした。
先ほどメール文書にあるような内容で本当に国から了解が得られたのか疑問を持ち、協議の時期と内容について質したのに対し、「十分に説明して国の承認を得ているので、つべこべ言うな」に等しい答弁です。
再度質しますが、交付金の交付に関し、これまで国・大阪府と行ってきた協議についてその時期、協議内容について具体的に答弁を求めます。
さらに、「建替えを促進すべき建築物の除却を伴うことが要件とされているが
それを満たしているか」との国の問があったことに対する回答についてメール文書を基にした質問を行いましたが、答弁では、「国からの問い合わせの趣旨は、『除却を伴うことが要件として満たしているのか』との問いではなく、除却された従前建築物が市街地住宅等整備事業での『建替えを促進すべき建築物の要件に該当しているのか』を問われたものである」と耳を疑う答弁を行いました。
大阪府から送付されたメール文書では、「建替えを促進すべき建築物の除却を伴うことが要件とされているがそれを満たしているか」との国からの問い合わせ内容が明記されています。
もし、そうでないというのなら、いつどのような問い合わせが国から行われたのか、当然文書でのやり取りが行われていると思いますが、具体的に答弁を求めます。
もし、具体的に答弁が出来ないとすれば、一般質問の答弁で、事実を捻じ曲げた答弁を行ったことになります。
この点についても合せて答弁を求めます。
【答弁】
国及び府と行ってきた協議についてであります。
協議記録が残っていないため、正確な時期や詳細な内容は確認できませんが、全体設計申請を提出した27年9月24日以降から承認をいただくまでの間に協議を行ったもので、協議内容につきましては、先程もご答弁申し上げましたとおり、申請書の計画図等により、計画やスケジュールなどの事業内容や土地、建物の経緯等について、十分な説明を行っております。
そのことから、国や府は従前従後の権利者が変わっていることや従前建物の除却時期も承知していただいた上で、承認等をいただいたものであります。
次に、メールの質問の趣旨についてでありますが、国が全体設計申請の承認を行うにあたり、それまでの協議を踏まえ、最終確認のため府とメールでやり取りが行われたものであり、今回、再度確認のため府へ問い合わせを行いましたが、先程ご答弁申し上げた趣旨で間違いないとの回答を得ております。
次に、具体的な答弁ができないとすれば事実を捻じ曲げた答弁を行ったことになるとのことにつきましては、先程ご答弁申し上げましたとおり、再度、事実確認を行っており、事実を捻じ曲げた答弁を行ったとは考えておりません。