[2016.11.4] -[門真民報]
市民のニーズ踏まえ跡地活用を
問題山積の決算は認められない
15年度歳入歳出決算認定について豊北議員が反対
10月 28日、15年度歳入歳出決算特別委員会の総括審査が行われ、豊北ゆう子議員が出席しました。
弁天池公園を老人ホーム跡地も含め、防災を備えた公園に
売却の方向が、市民の要望が実り、15年4月から弁天池公園と一体活用となった市養護老人ホーム跡地を含む将来的な弁天池公園の再整備について市の考えを質しました。
擁護老人ホーム跡地は、市民の憩いの場として暫定的な利用に供しているとしましたが、今後の公園整備については、15年度はまだ何も議論されていなかったことが明らかとなりました。
また、防災的な備えについては、弁天池公園のリニューアルなどの際に広域避難地としての機能の充実や老朽化による再整備も必要との考えを示しました。
北巣本幼稚園跡地は市民ニーズ踏まえ、しっかり議論を
旧北巣本幼稚園跡地については、現状と自治会などから出されている要望に対する検討状況を質しました。
答弁では、「具体的な議論には至っていない」とし、「行政課題山積のもとでしっかり議論すべき」との質問に対しては、「総合的に検討する」と答弁。
豊北議員は、「地元から出されている要望は重要、待機児童解消も含め住民のニーズをしかり議論していくよう」要望しました。
自治会ハンドブックのさらなる充実を
自治会活動を支援するために発行されている「自治会ハンドブック」が15年度改定されていることから、改定内容について質し、更なる充実を求めました。
中町地区で税金ムダ遣い、滞納者への突出した差押の国保事業など門題点厳しく指摘
決算認定の採決にあたって豊北議員は、主に以下の問題点を指摘し、反対しました。
①「口利き」と指摘されて、特別交付税増額の効果や、元国会議員秘書の経歴を隠す答弁を行い、大問題の事業であることを自ら認めた「行財政運営アドバイザー事業」。
②中町地区の旧ダイエー跡地をめぐり、根拠のない助成金支出が改めて明らかとなったマンション建設に対する「木造賃貸住宅等建替事業助成金」の支出。
③4人家族所得200万円で、年間約38万円、所得の約2割を占める高い保険料の滞納者に対し、府下でも突出した差押えや財産調査を実施している国民健康保険事業、滞納者に差押えを実施している後期高齢者医療事業。
④システム改修費に対する国庫補助金が4割に満たないことが明らかとなり、番号カード義務付けや情報漏えいの拡大を増大させる番号カードの国保証化について「注視」するなどとしているマイナンバー制度関係費用。
⑤市民に生活保護受給者を監視させる生活保護情報ダイヤル事業。
⑥委託率が5割を超え、災害時の対応など公的責任後退の一般ごみ収集委託。
⑦中学生英語プレゼンコンテストの9人の入賞者に対し、「懸賞」とも言える多額の海外派遣研修への支出。
「子どもの貧困」、「郷土芸能や祭り」など、市長の思い述べられる
第1回門真市総合教育会議が開かれる
10月 28日、今年度初めての「門真市総合教育会議」が開かれ、福田英彦議員、豊北ゆう子議員が傍聴しました。
総合教育会議とは、「『地方教育行政の組織及び運営に関する法律』に基づき、門真市長と門真市教育委員会が、相互の連携を図りつつ、より一層民意を反映した教育行政を推進すること」を目的に、門真市では、昨年4月に設置した会議で、市長と教育委員会で構成されています。
昨年4月の法律改正によって、教育委員長が廃止され、権限等が教育長に一本化され、その教育長は、市長が任命(議会の同意が必要)することとなりました。
このことで、市長の教育委員会への関与が強まり、政治による教育への介入で、教育が歪められるのではないかとの危惧があります。
昨年9月には、4回の総合教育会議の開催で、「みんながつながる幸せはぐくむ門真の教育」を基本理念とした「門真市教育大綱」が策定されています。
こうした中で開かれた、今年度初めての総合教育会議は、宮本一孝市長のもとでの初めての会議でもあり、「本市の教育行政の方向性しついて」を議題として、まず宮本市長の門真市における教育についての「思い」が述べられ、それに対して教育委員会の委員から、門真の実状や課題、課題解決の様々な提案が出されました。
「子どもの貧困」は福祉部門との連携を
宮本市長が「共有を図りたい」と述べた教育行政の方向性は、
① 「子どもの貧困」で、子どものおかれている生活環境や親の子育てに対する問題で、学力も含めた様々な課題の要因となっている。若年出産が多いことなど、データを捉えながら必要な施策を推進していかなければならない。貧困の実態に応じた支援、福祉部門との連携が大切な取り組みとなってくると考える。高い学力は望まれるが、芯の強さを持てるような教育の在り方を考えていかなければと思う。
② 地域で伝統的に行われている郷土芸能やまつりについて、地域への愛着を育み未来の門真を支える子どもたちにつないでいける環境づくりが必要。
③ 生きていくうえで必要な基礎を身に着けるために希望するクラブができる環境づくりを考えていきたい。
課題解決に向けた体制づくりが必要
市長の「思い」に対し、「子どもの貧困問題」では、親の孤立や虐待、若年出産等は、ヒアリングで質的な調査を行うことが重要との意見が出されました。
また、ひとり親家庭を支援する雇用形態を行っている企業についても紹介されました。
伝統文化の継承では、保存会に入らないと子どもがまつりに参加しにくい地域があることが出され、子どもが減っている問題や、地域の子ども会との関わりなどについて意見が出されました。
クラブ活動については、指導者の問題や学校の多忙化、用具や備品の問題など、困難な実情が出され、学校・家庭・地域の連携についても議論されました。
出された意見を踏まえ市長は、課題解決に向けた体制づくりをすすめていく必要性を述べ、引き続き議論していきたいとしました。
議会も、「子どもの貧困問題」などへの対応や、教育環境の改善に向けた議論が必要です。
議員報酬引き下げ・定数削減は議会改革ではない
地方議員セミナー開かれる
10月25日、地方議会総合研究所主催の地方議員セミナーに福田英彦、ほりお晴真議員が参加し、門真市からは9人の議員が参加しました。(午前中は7人)
午前中は「議員報酬について」午後からは「議員定数について」がテーマでした。
講師は地方議会総合研究所所長でもある廣瀬和彦氏でした。
廣瀬氏は冒頭に「議会の権能を弱める議員報酬引き下げや定数削減は議会改革ではない」と強調しました。
また「議論をするときに疑似団体との比較で議論しがちだが、感覚的なものになってないか。ちゃんとした根拠はあるのか」としました。
算定の基準方式示す、門真市の場合は?
門真市の報酬は、同じような人口規模の自治体と比べると、大阪府下ではほぼ横並びとなっているが、全国では高い状況です。
廣瀬氏は議員報酬の考え方について様々な自治体の事例を紹介しながら、算定の基準方式を示しました。
門真市から参加した議員が一番多かったため、門真市の現状をもとに計算した結果、現在の報酬は高いという結果になりました。
削減ありきではなく適正な定数の議論を
議員定数の考え方については、「削減ありきの議論をするのではなく、適正な定数になっているかの議論を」としました。
また、議会事務局の補佐体制状況も示し、「議会事務局の職員数が少なすぎる。調査機能強化のためにも補佐体制の強化も必要」としました。
門真市の議員定数は少ない
議員定数についても、報酬と同様に様々な自治体の事例を紹介し、議員定数の算定方式を以下6点示しました。
①常任委員会数方式
②人口比例方式
③住民自治協議会方式(または小学校区方式)
④議会費固定化方式
⑤類似都市との比較方式(人口規模・財政状況)
⑥面積・人口方式
門真市の状況を見た場合、大阪府下ではほぼ横並びとなっているが、示された算定方式に当てはめた場合、現在の門真市の議員定数は少なくなっているという結果になりました。(表参照)
算定方式 | 議員定数 |
常任委員会数方式 | 24人 |
人口比例方式 |
24人(10~20万) 26人(10~15万) |
小学校区方式 | 32人 |
議会費固定化方式 | 21人 |
類似都市との比較方式 | 26人 |
面積・人口方式 | 25人 |
今後はしっかりと、感覚的、削減ありきの議論ではなく、示された算定方式等も参考にしながら、根拠も示して説明できるよう、議員報酬・定数について考えていくことが重要です。