[2004.3.14] -[門真民報]
3月議会・東市長が施政方針説明
5日、3月議会(第1回定例会)開催。市長の施政方針説明がおこなわれました。
イラクへの自衛隊派遣についての態度言及せず
施政方針説明でイラク問題に触れ、「我が国が国際社会と強調して取り組み、対処していくことが世界平和への貢献に資する」との考えを示しました。しかし、アメリカ言いなりに自衛隊をイラクへ派遣した小泉内閣に対する態度については言及しませんでした。
「都市合併の検討、対応は避けて通ることできない」と
合併問題については「本市の将来を考えるうえで、都市合併の検討、対応は避けて通ることはできない」という認識を示し「市民生活にとっても大きな影響を及ぼすことから合併協議会の協議状況を見据えつつ、市民の皆さんへの情報提供と意向把握を行いながら、的確に対応を」としましたが、住民投票についての考え方は示されませんでした。次に総合計画に定めた4つのまちづくり基本目標に沿って新年度の施策の概要について説明しました。
保育所ー求められる抜本的な待機児童対策
障害者福祉では障害者作業所の法人化に対する補助制度の創設、男女共同参画社会の実現では「仮称門真市男女共同参画推進条例」の策定についての取り組みを進める一方で、保育所の待機児解消では「民間保育所における定員枠の拡大」にとどまり、保育園の増設など、抜本的な待機児童解消策にはなっていません。
児童福祉法に基づく放課後児童対策の充実を
学校教育では児童・生徒の安全確保について「門真市子ども安全見守隊」で下校時のパトロールが実施されます。また、南小学校と水島小学校の統合に向けての具体化、それにともなう学童保育、ふれあいのあり方についての検討がすすめられます。児童福祉法にもとづく放課後対策事業の充実が強く求められています。
第2京阪道路ー公害対策について触れず
まちづくりでは第2京阪道路について「大幅な詳細設計の変更が事業者で取り組まれている」「必要な事項は事業者や関係機関に強く申し入れる」としましたが、公害調停で問題になっている具体的な公害対策については触れられませんでした。
切実だった南部市民センターでの税証明発行へ
商工対策では「空き店舗等活用促進事業」が実施されます。防犯対策では防犯灯の電気代補助が充実(自治会に対し、3分の1から2分の1)。また、南部市民センターで要望が強く、署名なども取り組まれた税関係証明書を新たに発行する方向が示されました。
具体的な将来ビジョン示されず
施政方針説明の結びで「将来を担う子供たちが後々までも胸を張り、我が郷土を語ることができるよう、しっかりと未来の門真のありようを見据え、信念をもって市政にあたる覚悟」との決意が示されましたが、門真市の具体的な将来ビジョンは示されませんでした。
施政方針説明でも触れられなかった「人権尊重のまちづくり条例」
様々な問題が指摘されている「人権条例」が門真市では「門真市人権尊重のまちづくり条例」として今議会に提案されていますが、施政方針説明では一言も触れられませんでした。
理念のない、大義もない条例案であることはこのことからも伺えます。
新年度予算案の特徴
新年度予算は一般会計総額487億4300万円で、前年比10.8%増となっていますが、借換債(市債の借換に伴う借金約32億円)を差し引くと、実質3.5%の延びとなっています。
歳入を見ると市税では個人市民税が前年比約3億3千万円余減の43億9千万円と、長引く深刻な不況の影響があらわれています。
法人市民税では中小法人の決算が上向きということで約1億3千万円増の14億円を見込んでいますが、固定資産税3億円余の減で市税全体では6億円余りの減収となっています。
また、国の三位一体改革による補助金削減の穴埋めとして新設される「所得譲与税」2億2700万円を見込んでいますが、保育所委託負担金の削減など、3億円余りが削減され、市の持ち出しが約8千万円増えることになります。
さらに地方交付税とその不足分を補う臨時財政対策債の総額では、全国平均約12%削減されていることから、門真では約9億円余りが減らされていると思われます。
こうしたことから、前年に比べ市が自由に使えるお金が少なくとも10億円が減る予算となっています。
歳出では人件費が前年比9%、約11億円の減の一方で生活保護費などの扶助費が15%余、約18億円増が見込まれています。「小泉不況」の影響がここにも現れています。
切実な願い十分反映されてないものも
このような厳しい財政状況のなかでも市民の切実なサービス充実は地方自治体の重要な責務です。
南部市民センターの税関係証明書発行や「子ども安全見守り隊」など、新しい施策やサービスの充実がはかられているものの、小・中学校の普通教室の暑さ対策に「せめて扇風機を」との願いや介護保険での利用料助成、街かどデイサービスなど、切実な願いが十分に反映されていません。
また、中学校給食の調理業務の民間委託が今年も強行されます。
不必要な予算など厳しく審査を
一方で債務負担行為(05年度に市が支出を約束するもの)では、門真南駅前土地区画整理区域内の保留地を約3億円で土地開発公社で買収する予算。
新年度精算事務を残すのみとなっている門真南駅前土地区画整理事業について区画整理組合に2億4200万円余の補助金を支出する予算が計上されています。
これについてはその内容など、厳しく審査する必要があります。
また、人権政策推進費や人権教育推進費などは、人権に名を借りた不必要な支出がないかどうかも問われています。
党議員団はこうした予算案について市民の立場から不必要な予算など厳しく審査し、市民の願い実現のために頑張ります。
*南部市民センターで税関係証明書発行業務を開始
*公立南保育園―園舎整備
*空き店舗等活用促進事業―家賃補助(府と市で半額補助)
*大腸がん検診を70歳以上にも拡大
*防犯灯電気料金補助の拡大―電気料金の1/3から1/2へ
*無認可保育園・家庭保育の1人当たりの補助金を千円アップ
*障害児介助員―1名増で5名に
*障害者福祉作業所運営事業補助―障害者作業所が認可へ移行するに当たって1ヶ所につき500万円補助
*子ども安全見守り隊の設置―2人1組で2チーム、市内全域の放課後の通学路を巡回
*学校給食へのアレルギー児対策―アレルギー専用の鍋や食管を購入
*学童保育―3ヶ所にトイレ設置(特に大和田小学校と沖小学校の学童保育は、近くにトイレがなく長年要望していたもの)
*市営住宅建設事業―本町市営住宅 3期 42戸
*改良住宅(新橋・図書館の上)外壁の改修