[2004.4.18] -[門真民報]
学校給食が民営化されてから今年で3年目となります。民営化されたところでは、半年で社員が入れ替わる、調理技術の低下など多くの問題があります。子供達にとって本当にこのままでいいのか、しっかり検討すべきではないでしょうか。
半年で社員が入れ替え
民営化された所では、チーフ・栄養士・調理師の3名が正社員で、あとは、パートが4~6名となっています。ところが、昨年、12月議会で、正社員が3中・4中では半年で、5中・7中では1年で入れ替わっていることが明らかとなりました。学校給食は大量調理であり、熟練を要すると同時に、衛生管理が厳しく求められる職種です。こうした高い熟練度が必要な正社員が、半年や1年で変わって、的確な対応ができるでしょうか。
調理技術の低下はまぬがれない
日本共産党は、情報公開で、民営化された学校の栄養士(派遣)の業務報告書を取り寄せました。(資料)これは一部分ですが、やはり経験不足による技術の未熟さが目立ちます。また、人の入れ替わりがあるため、なかなか技術が向上しない面もあります。
栄養士と委託業者との連携がとりにくい
直営だと栄養士は、直接調理員を指導しますが、委託になると栄養士はチーフにしか指示できません。
しかし、報告書の中でも「『こうしてください』と言っても、さっと受け入れてくれるようでなく強い口調での指摘ができない」と書いてあり、栄養士の指導がなかなか受け入れてもらえない状況があります。
果たして、これでいい給食ができるのか疑問が残ります。また、教育の一環としての役割を果たせるでしょうか。
(資料)派遣栄養士による業務報告書(抜粋)
[民間委託1年目のA中学校]
03年4月
・かきたま汁:卵の割卵が遅くなり、待っている間に蒸発したのか配缶量が少なく具ばかりになり汁物でなくなった。
・さつま揚げ:最初に高温で揚げたので(高温になってしまった)こげ色のさつま揚げになってしまった。大きさも最後は小さくなった。
6月
・白さえびのから揚げ:味はおいしかったですが、とても油っぽかったです。
7月
・夏野菜カレーシャバシャバでもっと煮込んだほうがおいしかった。
9月
・揚げそばのそばが意外に固く、ぱりぱりすぎて食べずらかったです。
10月
・ごま味噌煮:味付けがよくおいしかったが、ジャガイモがとけてソースのようにからまっていた。
11月
・五目豆:煮汁が少なくあまり大豆に味がしみこみませんでした。
12月
・いわしハンバーグ:揚げるのに時間がかかり、子供達がとりにくる12時25分すぎ、ぎりぎりに最後のクラスが出来上がりました。
・五目豆:いつものように朝から火を入れていたのに、豆が少し固かったです。だし汁が前回同様少なく、味がしみこむことなく煮汁がなくなっていました。
04年2月
・クリームシチュー:大食缶3個分の汁物は、蒸発する量も多いので水量をいつもより多めにしないと、配缶量が以前びっくりするほど少なくなりました。今回は、増やす量が少し多すぎたようで気持ちほどシャバシャバかなと思うシチューになりました。
[民間委託2年目のB中学校]
3年6月
・にゅーめん:ソーメンが束になって固まっていた。
9月
・わかさぎの甘酢づけ:わかさぎの解凍足りず、釜の油中で衣がはがれる
10月
・ごま味噌煮:ジャガイモが煮崩れた。
12月
・いわしハンバーグ:すり身を2つに分けるよう指示していたが、1つのタライで全部具材を混ぜる。完全にまぜにくい。ニンジンが固まっていた。10:30分より揚げ始めたが、12:20分までかかり先生に少し待ってもらう。
04年1月
・コーンポタージュ:味がうすい。旨みも少ない。塩400g、黒こしょう20gたす。なかなか味がうまくのらない。
・ごま味噌煮のごまがいつもより少ないと思ったら在庫を残していた
2月
・カレー:(ルー)をブラウン色になるまで炒めない。すぐにカレー粉をいれる。
学校給食20年のベテラン調理員から見た民間委託
業務報告書をみて疑問に思うことがあります。例えば、カレーシチューを作るのに、まず、油で完全に肉を炒めてから人参、玉ねぎ、じゃがいもの順にしっかり時間をかけて炒め、じっくり煮込むのですが、報告書では、肉を炒め出してから湯を入れるまでに10分しかかかっていません。少なくとも大量の肉を炒めるだけでも10分はかかります。(肉の旨みを閉じ込めるため)私達は、これまでの経験、技術の伝承で、火加減や食材によって煮込む時間を変えています。委託では、いろいろ苦労されているようですが、直営ですと調理員が同じ立場で、それぞれローテーションを組んで、責任をもって協力してやっていますのでまず、失敗することはありません。また、栄養士が指導しても聞いてもらえないことも書いてありますが、直営ですと、同じ学校の職員として栄養士さんとも話し合って一緒に調理しています。私達は、子供達との交流も大切にし、子どもの食べる時間には、教室に行って一緒に食べたり、食材の説明に行ったりするなどなるべく子供達に声をかけるようにしています。公務員だからこそ、責任をもって子供達により良い給食を提供できます。
道路や歩道の電柱が歩行者や車椅子などの利用者の通行のさまたげになっている箇所について、日本共産党門真市会議員団は、一昨年12月、大阪府枚方土木事務所に対し改善を求めてきましたが、その内、府道守口門真線の一部で、電柱の移設が行われています。支障物件の移設は、道路に隣接する土地所有者の協力がなければ、中々前へすすまない困難がありますが、党議員団は、引き続き、大阪府に対して、改善を求めていくことにしています。
大阪府教育委員会は02年9月に開催された教育委員会会議で、04年から府立高校で使用するエアコン(空調機)の使用料(府は授業料の一部としている)を父母から一律に徴収すると決定。
今回、「空調使用料の納付について(お知らせ)」を保護者に配布しました。府立高校の授業料が全国と比べて30%も高く、さらにエアコン使用料を徴収しようとするものです。
しかも、大阪府は、お知らせの中でわざわざ「経済的理由による減免制度は適用されない」と強調。
授業料には払えない人のために減免措置が取られているのに、エアコン使用料には適用しません。
したがって、エアコン使用料の滞納で退学処分になることも、十分に予測されます。朝日新聞(03年9月23日)で、「大阪府の場合、授業料は年14万4千円。生徒の2割が減免の適用を受けていて、それでも約500人もの生徒が授業料が払えずに退学処分になった」と報道されました。「他府県は皆、保護者からのエアコン使用料の徴収はないのに・・・教育環境を整えることは行政の責任のはず。是非無料に」(南野口の府立高校2年生の保護者)「教育委員会も、太田知事も何を考えているんでしょう?お金を払えない家の子どもは高校を退学させるというのですか?あまりにも弱いものいじめの大阪府政に腹が立ちます。・・・」(今年、門真西高校新入生の保護者)など、冷たい太田府政にたいする門真の高校生をもつ保護者の声があがっています。全国的にも大阪の失業率が高い状況の中、府民のくらしは大変厳しくなっています。
今でも、全国一高い授業料です。これ以上の負担増は、子どもたちの将来と教育の機会均等を踏みにじることになりかねません。