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  • こんにちは。門真市会議員団です。

    2016年9月議会 市長の所信表明に対する代表質問

    [2016.9.15] -[議会活動]

    日本共産党門真市議会議員団 福田英彦 

     724日執行の市長選挙は、投票率が約40%と決して高いとは言えないものの、前回の投票率を大きく上回り、市民の関心が高まった選挙だと言えます。

     それは、社会保障の相次ぐ改悪や景気の低迷で、市民の暮らしが厳しくなっているもとで、国の悪政の防波堤となって市民の暮らしを守るべき地方自治体・門真市への期待の現れであり、「724門真が変わる」と訴えた市長への期待だと考えます。

     しかし、こうした新市政への期待の中で市長の行った所信表明演説は、曖昧な言葉や具体性に欠けるもので、「何をどう変えるのか」が不明確で、議会や市民へのメッセージとしては期待外れと言わざるを得ません。

     こうした認識のもとで、以下具体的に質問を行います。

     

    1.市長の政治姿勢について

     ⑴  安倍暴走政治に対する認識について 

     市長選挙に先立って、710日に参議院選挙が行われました。昨年強行された安保法制・戦争法の廃止や暴走する安倍政権の退陣などで一致する野党共闘の候補者が、32の一人区のうち11選挙区で勝利するという大きな前進がありました。

     日本共産党も、改選議席を6議席へと倍増させ、非改選含め11議席から14議席へと前進しました。

     安倍暴走政治を何とかしてほしいとの国民の切実な願いが託されたものです。

     一方で、改憲勢力が参議院でも2/3以上を占めたことから、憲法改正を全く選挙の争点にしなかった安倍首相は、「憲法改正について議論していく」と、憲法9条を標的にした憲法改悪に意欲を見せています。

     参議院選挙後様々な分野で安倍暴走政治を加速させようとしているもとで、地方自治体の長は、国政問題に対する明確な認識を持って市政運営を行うことが求められています。

     そこで、①安保法制の発動で、駆けつけ警護など新たな任務で南スーダンに派遣される自衛隊が「人を殺し殺される」具体的な危機②農業はもちろんあらゆる産業が大打撃を受けることとなる環太平洋連携協定(TPP)の批准問題③各地で地震が頻発しているもとでの原発再稼働問題④要介護12の生活援助などの保険外し、75歳以上の医療費窓口負担の2割への引き上げなど高齢者への大負担増の狙い⑤自民党改憲案をベースとした改憲への動きに対する市長自身の認識について答弁を求めます。

     

     まず、安倍政権に対する認識についてでありますが、安全保障関連法、いわゆるTPP、介護保険法、改憲等の国の動向につきましては、市民の安全・財産を守る立場を踏まえつつ、今後の動向を注視してまいりたいと考えております。

     原発再稼働問題につきましては、必要なエネルギーの確保を前提として、脱原発依存を掲げる本市の立場を守ってまいりたいと考えております。

     

     ⑵  維新政治の門真市への持ち込みについて

     市長は大阪維新の会の公認候補として立候補し当選されました。当然のことながら、大阪維新の会の掲げる政策を門真において具体化をしていくということになると考えますが、公的責任や市民サービスの後退は認めることはできません。

     今後門真の市政運営において、大阪維新の会の掲げる政策の何をどのように具体化していこうとしているのか答弁を求めます。

     

     維新政治の門真への持ち込みについてでありますが、選挙において信任をいただいたところであり、一定の市民の皆さんの理解を得られているものと考えております。

     これから市長としての立場も踏まえつつ、市民の皆さんに私の考え方を丁寧に説明し、維新の政策で真に本市がより良いまちとなるような施策であれば、議会にもお示しし、理解を得ながら推進してまいりたいと考えております。

     

     ⑶  門真をなくす「市町村合併」の考えについて

     所信表明では、「大阪府の副首都化に向けた取組等、大阪府の動きを注視し、大阪府としっかりタッグを組んでいく必要がある」と述べられました。

     大阪府の副首都化は、市民が住民投票でノーの審判を下した「大阪都構想」への再挑戦というべきもので、万博やカジノ誘致、なにわ筋線などの大型開発などを府民の暮らしそっちのけで強行しようというもので絶対に認められません。

     大阪府の副首都化については、824日に大阪府の松井一郎知事と市町村長らによる意見交換会が行われていますが、市長として意見を述べたのであればその内容について答弁を求めます。

     また、大阪維新の会は、副首都化を目指すとともに、「府域自治体の最適規模化」や市町村合併の推進も掲げています。

     市長は、12万人余の門真市を「最適規模」と考えているのか、それとも例えばお隣の守口市との合併など、市町村合併で自治体の最適規模化が必要と考えているのか答弁を求めます。

     

     8月24日に出席した市長会において、大阪の副首都化に向けた取組みについての説明がなされましたが、発言はしておりません。

      次に、市町村合併での自治体の最適規模化の必要性についてでありますが、門真市の現在人口だけをもって考えるのではなく、人口減少社会を迎える中で、市町村が安定的、持続的な行政運営を行っていくためには、一定規模の人口及び最適な行政体制を構築することも必要と考えており、市町村間の広域連携の推進なども有効な手法のひとつであると考えております。

     また、市町村合併につきましては、副首都化に係る大阪府全体の議論も注視する必要がありますが、現在のところ、本市において合併を考える状況には至っておりません。

     

    2.市長報酬変更なしは「公約違反」について

     ⑴  現在の市長報酬は25パーセント減額したもので、「既に25パーセントの減額としているため、変更は行わない」は公約違反ではないかについて

      所信表明において「選挙におきまして『市長報酬は20パーセントカット、退職金はゼロ』を公約に掲げましたが、報酬につきましては、既に25パーセントの減額としているため、変更は行わないことと」すると述べました。全く耳を疑うものと言わざるを得ないものでした。

     現在の市長報酬は、門真市特別職の職員の給与に関する条例第3条において「市長等の給料月額は、別表に掲げるとおりとする」とし、給与月額の特例によって、「当分の間、市長等の給料月額については、別表の規定にかかわらず、同表に定める額から、市長にあっては100分の25、副市長にあっては100分の20、水道事業管理者にあっては100分の15に相当する額を減じた額とする」となっています。

     したがって、市長が選挙中に公約された「市長報酬20パーセントカット」とは、現在の別表から25パーセントカットした額からさらに「20パーセントカット」するというものでした。

     しかし、所信表明では、「既に25パーセントの減額としているため、変更は行わない」としたのです。

     これは単純に「公約違反」ではありませんか。市民にもその覚悟を押し付けるもので私は大嫌いな言葉ですが、「身を切る改革」として、現在の報酬から更に20パーセントカットするという市長の公約に期待を寄せた有権者は少なくありません。どのように説明をするつもりなのか、明確な答弁を求めます。

     

     市長報酬については、門真市特別職の職員の給与に関する条例本則に基づく報酬額のカットについての公約であったもので、ご指摘のような公約違反はございません。

     

    3.「市役所改革」について

     ⑴  現状認識と課題、改革の方向について

     所信表明で取り組む政策の大きな柱として「市役所改革」を取り上げられました。その内容は具体的ではありませんが、「役所が変われば、必ず門真は変わります」と述べられています。

    それは、これまでの役所に問題点があり、その問題がこう変われば門真は変わるということであり、当然、現状の問題点と課題の認識、改革の方向性を明確に持っておられると思います。具体的な内容について答弁を求めます。

     また、「市民の声に耳を傾ける」市役所をつくるとのことですが、「タウンミーティング」はじめ市長が直接市民の声を聞くことが重要と考えますが、答弁を求めます。

     

     現状の認識と課題、改革の方向についてであります。

     市が行う事業は、社会情勢や国の動向、市民ニーズの変化に合わせて、市民にとっての必要性や効果について議論を積み重ねた上で決定されていくべきものであると考えており、これら議論や意思決定の過程の明確化が課題であり、責務であると考えております。

     また、総合計画に掲げる市のめざす方向性は、職員全体で共有し、維持しつつも、団塊世代の大量退職が一段落し、平均年齢が大阪府内で最も若くなった本市におきましては、特に若い職員が部局の枠や従来の手法・考え方にとらわれず、柔軟で新たな発想を提案し、議論できる組織とすることが重要であります。

     このため、市民サービス及び事務効率の向上につなげるための議論を活発に行う風土・環境を作り上げることにより、十分な議論を経た上で意思決定が図られるとともに、職員がいきいきと仕事をし、活気ある市役所づくりを行ってまいりたいと考えております。

     次に、市長が直接市民の声を聞くことが重要ではないかについてでありますが、私は、市長就任以降におきましても、市民の皆様が地域で行われている行事や集まりなどに積極的に参加させていただき、市民の皆様の行政に対する思いを直接聞かせていただいております。

    ご質問のタウンミーティングの開催については、現在のところ、考えておりませんが、形にとらわれることなく、地域での様々な皆様がお集まりになる場に出向き、声を聞かせていただくことが、最も重要であると考えており、今後におきましても様々な機会を捉え、市民の皆様の声に耳を傾けてまいりたいと考えております。

     

     4.子育て・教育について

     ⑴  保育所「待機児童ゼロ」の具体的方策について

     所信表明では、「あらゆる手法を最大限活用し、待機児童ゼロを早期に実現」としました。本市の待機児童は、41日時点で33人、昨年101日時点で148人で、隠れ待機児童を含めるとまさに待ったなしの課題です。

     また、市長の目指す「子育て世帯の流入を促す」施策を推進するならば、明石市のようにさらに待機児童が増大することは確実です。「あらゆる手段を最大限活用」することはもちろんですが、具体的かつ抜本的な対策が求められており、認可保育園の増設が欠かせません。早急に具体的検討が求められると考えますが、答弁を求めます。

     

     本市における待機児童は、0歳児から2歳児を中心に発生しており、今年度当初に民間事業者に対し更なる保育定員拡充についての意向を確認いたしましたところ、31年度時点での確保予定数では、0歳児において待機児童の解消が困難なものの、1歳児から5歳児については年間を通じた保育定員の確保が見込まれております。

     このような状況を踏まえ、8月に開催した子ども・子育て会議においては「とりわけ待機の多い低年齢児の定員確保に努められたい」との答申をいただいたところであります。このことから、現時点では認可保育所の増設は考えておらず、0歳から2歳までの児童を預かる小規模保育事業者を新たに募集することにより、まずは、現在発生している待機児童の解消に向け取り組みを進め、市外への人口流出を食い止めるとともに、様々な施策により今後流入する子育て世帯への対応につきましても、時宜に応じた柔軟な取組みを進めてまいりたいと考えております。

      

     ⑵  「幼児教育や保育の無償化」ならびに「子ども医療費助成制度の高校生(18歳)までの拡充」について

     所信表明で述べた「幼児教育や保育の無償化」はそのまま読むと全く無料というとなります。また、「子ども医療費助成制度の高校生(18歳)までの拡充」については、現在本市は通院で小学校卒業まで、入院で中学校卒業まで所得制限なしで医療費助成制度を実施していることから、所得制限なしでの拡充についてそれぞれ検討を進めていくということになります。「早期に導入」を検討するとしているのは、そういう理解でいいのかどうか答弁を求めます。

     

     「幼児教育や保育の無償化」につきましては、まずは保育所、幼稚園及び認定こども園を利用する本市の5歳児を対象とした保育料の完全無償化に向け、今後、子ども・子育て会議における議論を踏まえつつ、実施時期等も含めた具体の検討を行ってまいりたいと考えております。

     子ども医療費助成の高校生(18歳)までの拡大につきましては、所得制限を設けずに実施する方向で考えておりますが、財源の確保が不可欠であることから、大阪府における福祉医療制度の再構築の動向を注視しつつ、実施時期等も含め様々な検討が必要となるものと考えております。

     

     ⑶  子どもの貧困問題について

     本市において「子どもの貧困」問題に対する施策の推進は大変重要な課題であり、待機児ゼロや幼児教育や保育の無償化、子ども医療費助成の拡大には触れられましたが、「子どもの貧困」問題に対する考えや、それに基づく方向性は示されませんでした。

     本市において今年度「子どもの生活に関する実態調査」が実施され、秋には分析結果がまとめられるとのことですが、現時点での子どもの貧困問題に対する問題意識と必要と考える施策について答弁を求めます。

     

     本市における子どもの貧困問題については、生活保護率や就学援助の認定率等から深刻な状況が推測され、出来る限り早期の効果的な対策が必要であると考えております。

     本市における子どもの貧困の要因の一つとして、27年策定の門真市人口ビジョンにありますように10代の若年出産の割合が高いことなどもあげられ、生活基盤の脆弱さや、これに伴う家庭における養育力の低下が危惧されるため、子育て支援相談をはじめ、各家庭の生活を安定させるための施策が必要と考えております。いずれにいたしましても、現在行っております、「子どもの生活に関する実態調査」の分析結果を踏まえ、より効果的な施策を検討してまいります。

     

     ⑷  市独自の35人学級、図書館司書配置の拡充について

     「小中学生の学力向上」についても漠然とした表現にとどまっていますが、本市では、「学力向上対策委員会」を設置し議論を重ね、市独自の少人数学級と学校図書館司書の配置の具体的提言を受け、少人数学級は小学校56年と中学校1年で実施し、学校図書館司書については現在12校で配置されています。その効果は検証済みです。

     今後様々な取り組みを進めることは重要ですが、小学校34年と中学校23年への拡充で全学年での35人学級への拡充と、残る8校への配置で全小中学校での図書館司書の配置が重要と考えますが、答弁を求めます。

     

     35人学級事業につきましては、少人数の学習環境を実現することで、丁寧な指導を行うことができております。今後の事業展開につきましては、学力向上や生徒指導等についての効果検証を多角的に行う中で、児童・生徒数の推移も見据えながら、より効果的な事業のあり方を検討して参ります。

     学校図書館司書につきましては、28年度は6名の学校図書館司書を12校へ配置しております。配置校では、学校図書館司書と、司書教諭や図書担当教員との連携により、読書環境の充実を図り、読書に対する興味関心を高め、読書習慣を身につけることにより言語活動の充実を図っていけるよう努めているところでございます。

     引き続き、配置による効果をしっかりと検証し、拡充について検討して参ります。

     

     5.福祉政策について

     ⑴  「温もりのある」高齢者・障がい者施策の推進について

     所信表明では「高齢者・障がい者を支える施策を充実させ」とありますが、「高齢者・障がい者」を支える主体が明確ではありません。自助・共助に重点を置き、「公助」を後退させるということでは「温もりのある」まちづくりは推進できません。「高齢者・障がい者を支える施策」とは何か、具体的な答弁を求めます。

     

     高齢者・障がい者が地域で暮らしていくためには、安心して生涯を過ごすことのできるようなまちづくりに向け、公民協働を基軸とし、地域支援体制などに積極的に取り組むことが重要であると考えております。

     高齢者につきましては、高齢化率が加速度的に上昇している中、誰もが住み慣れた地域で生きがいを持ち、自分らしい暮らしを続けていけるよう、第6期門真市高齢者保健福祉計画及び第6期くすのき広域連合介護保険事業計画に基づき、介護予防や自立支援の推進、社会参加の促進等を図るとともに高齢者の尊厳の保持、認知症支援等に取り組んでまいります。

     また、障がい者につきましては、障がい者の高齢化、重度化や「親亡き後(あと)」を見据え、障がい者が住み慣れた地域で安心して暮らしていけるよう、グループホーム等、居住支援のための機能を集約した地域生活支援拠点を平成30年度に開設する予定としており、今後も、障がい者の生きがいある暮らしと自立を支援する施策を推進してまいります。

     温もりのある高齢者・障がい者施策を推進するためには、公助の役割を十分に認識しつつ、自助・共助・公助のバランスをも考慮し、三者を重層的に組み合わせることが重要であると認識いたしております。必要なサービスを必要な市民に提供できるよう取組を進めるとともに、地域でのネットワークづくり等にも積極的に取り組むことで、誰もが住み慣れた地域で温もりを感じながら、自分らしい暮らしを続けていけるものと考えております。

     

     ⑵  2025年問題について 

     団塊の世代が2025年頃までに後期高齢者75歳以上に達する事により、介護・医療費等社会保障費の急増が懸念される、いわゆる「2025年問題」については、高齢化が全国や府の平均を上回るスピードで進行している本市にとって重要課題であり、昨年12月の第4回定例会において「2025年問題に対して門真市として万全の体制を構築することを求める決議」を市議会として全会一致で議決しています。

     2025年問題に対する万全の体制の構築無しに「温もりのある」施策の推進は困難だと言わざるを得ません。

     この点での認識と、来年度から新総合事業がスタートし、自治体の実情に沿った施策の推進がさらに重要となる中で、くすのき広域連合での介護保険事業の運営について改めて検証し、市独自の運営に移行することが、体制構築の重要課題の一つと考えますが、答弁を求めます。

     

     平成37年、2025年には、団塊の世代が75歳以上の後期高齢者となり、医療や介護の必要性が急増し、現行の社会保障制度が行き詰まる恐れがあると言われております。本市におきましても、何らかの支援や介護を必要とする高齢者の増加に伴う課題のみならず、現状の市民サービスの水準の維持をはじめ、市民の皆さまの生活への影響など、広範にわたり課題があるものと認識しております。

     また、これらの課題に対応するためには、高齢者福祉の所管はもとより、全庁での情報共有連携を図り、さらには外部の関係機関との連携、調整も重要であると考えております。

     そのような中、介護保険事業は、将来の課題を見据え、要支援者に対する予防給付の一部が新しい介護予防・日常生活支援総合事業として、地域支援事業に再編され、現在、くすのき広域連合において準備が進められているところであります。

     このことから、先ほど池田議員にご答弁申し上げたとおり、介護保険事業のくすのき広域連合での運営において、一定の課題があることについては認識しておりますが、当面は、くすのき広域連合本部と支所がより連携を密にしながら、新しい総合事業の開始などに対応してまいりたいと考えております。

     

     ⑶  行政こそが法令を順守すべき生活保護行政について

     所信表明では生活保護行政について、「不正受給を徹底してなくす」ことに重点が置かれています。当然不正受給は正さなければなりませんが、そのためには丁寧な面接相談とケースワーク、それを保障する人員の確保が欠かせません。この点について答弁を求めます。

     また、「法令の趣旨に則った」保護行政の推進は、何よりも行政こそが法令を順守することが求められます。

     先日、大阪社保障推進協議会が門真で行った自治体キャラバンでの懇談の中でも、違法とも言える生活保護利用者への指導などの実態が明らかとなりました。相談に来られた方を申請もさせることなく返す「水際作戦」がまかり通っているとすれば言語道断です。この点での認識と改善の考えについて答弁を求めます。

     

     不正受給を正すための、丁寧な面接相談やケースワークについてであります。 

     保護の実施にあたり、行政が法令順守することは当然のことであり、研修等を通じ、生活保護法等関係法令の精通に努めております。

     また、日々のケースワークにあたっては、適正な業務実施はもとより、相談者および保護受給者に対しまして、分かり易い説明や、丁寧な対応に努めており、接遇に関する職員研修も行っているところであります。

     このように、丁寧な面接相談等により、制度の理解を深めていただくことは、不正受給を防止する一つの手段であると考えております。

     次に、それを保障する人員の確保についてであります。

     ケースワーカー数については、社会福祉法における標準数と比較し、一定数不足していることは認識しております。

     その現状を補うべく、非常勤職員の配置や担当ケースを類型別に区分するなど、様々な対応をしているところであり、引き続き、適正に生活保護行政を運営できるよう体制整備に努めてまいります。

     次に、違法とも言える保護利用者への指導などへの認識についてであります。

     生活保護申請時に相談者から、就労に関する相談を受けた場合、本人の希望に応じた就労先の紹介は行っておりますが、本人が希望しない場合には、就労指導はもとより、就労先の紹介も行っておりません。

     また、生活保護の相談をされる方には、生活保護法の趣旨など制度について、「保護のしおり」を用いて十分な説明を行い、生活保護の申請の意思を示された場合には、申請書の交付、申請受理とするよう、面接相談員への指導を徹底しており、いわゆる「水際作戦」は、行っておりません。

     

     6.まちづくりについて

     ⑴  「公民協働のまちづくり」の考えについて

     所信表明では、「公民協働によるまちづくりをさらに前に進める」としています。本市では公民協働のまちづくりを「門真市市民公益活動支援・協働指針」「門真市協働推進マニュアル」の策定、門真市自治基本条例の制定で、基本理念や具体的内容等を示す中で推進してきました。

     基本的にはこの方向をさらに推進していくのかどうか、自治基本条例にもとづく「地域会議」を全中学校区で結成し、地域協働センターを整備する考えに変わりはないのか、答弁を求めます。

     

     公民協働のまちづくりの考えについて、門真市自治基本条例の制定で、基本理念や具体的内容等を示す中で推進してきたが、基本的にはこの方向を更に推進していくのかについてでありますが、門真市自治基本条例は、市民の皆さまの市政への参画を始め、市民、議会、市役所のそれぞれが果たすべき役割等、本市の協働におけるまちづくりを進めていくための基本的なルールを定めたものであり、本市における協働の方向性を尊重してまいりたいと考えております。

     次に、地域会議の全中学校区での設立や、(仮称)地域協働センターの整備に関して、これまでどおりの考え方に変わりはないのかについてでありますが、地域会議につきましては、少子高齢化等による社会環境の変化に伴い、地域の自治に期待される役割が増すなかで、地域の課題解決を協働により取り組む組織であり、その範囲を原則中学校区と定め、現在第五及び第三中学校区において設立されたものです。

     地域会議につきましては、地域課題を協働により解決していく組織として、設立されたものでありますが、今後はその範囲や活動の手法等につきましては、地域の実情を踏まえながら、それぞれの地域に即した活動が行えるよう検討してまいりたいと考えております。

     また、(仮称)地域協働センターの整備につきましては、今後の地域会議のあり方や、財政状況等を踏まえつつ検討してまいりたいと考えております。

     

     ⑵  住宅市街地総合整備事業における開発会社言いなりの「29億円問題」とマンション建設に対する根拠のない5億円の助成金問題への対応について

     本市のまちづくりにおいて密集市街地の解消は重要な課題であり、住宅市街地総合整備事業は、有効な事業手法の一つであることは言うまでもありません。

     しかし、その事業の推進において、特定の開発会社任せ、あるいは言いなりの事業がすすめられ、結果として税金や補助金のムダ遣いがあるとすれば徹底して正さなければなりません。

     中町地区の旧ダイエー(トポス)跡地をめぐって、光亜興産らに対する29億円もの建物除却補償の支払いが違法だとして、2年半前に提起され住民訴訟の第15回口頭弁論が今月6日に行われました。

     旧ダイエーの土地約13,000㎡と建物を約15億円で取得した光亜興産らに対し、建物を除却するだけで29億円余りもの法外な補償金を支払うというとんでもない税金や補助金のムダ遣いであり、住民訴訟においても裁判所の厳しい判断が下されることでしょう。

     この問題について、門真市長選挙の終盤で大阪維新の会代表で大阪府知事の松井一郎氏は、府営御堂住宅でのタウンミーティングで次のように市民に訴えました。

     読み上げます。「みなさんもご承知の通り、一部の人たちがすごくいい思いしているでしょ。みなさんもあのトポスの問題、何か再開発をする、そこにとんでもない、ちょっと民間では一般では考えられないような、みなさんの税金で移転補償費が支払われている。移転補償費29億、29億ですよ。29億あればね、幼稚園保育園4歳、5歳門真で無償させるお金、ほぼ4年分くらいになる。結局ね、一部の人たち駅前再開発トポスで29億、何でそんなところにねみなさんの税金が流れているのか。誰がいい思いをしているんですか、全くわからないようになっているんです。みなさん、このようなまあとにかくね税金の使い方が見えない、納税者から見えない、一部の人たちがそれで良い思いをする、そういう門真を変えていきましょう」。

     恐らく市長も全く同じ認識だと思います。

     「724門真が変わる」と訴えられた市長に、この問題は絶対に変えてほしいとの市民の期待が市長に寄せられたことは間違いありません。

     その市民の期待に応えるために、断固とした対応が求められると考えます。

     旧ダイエー跡地をめぐるいわゆる「29億円問題」に対する認識と今後どのような対応をしていくのか答弁を求めます。

     また、旧ダイエー跡地をめぐっては、現在大手マンション建設会社が建設をすすめているマンションに対し、門真市の木造賃貸住宅等建替事業助成金交付要綱で対象となっていないにもかかわらず、5億円もの助成金を支払おうとしている新たな問題が明らかとなりました。

     この問題は、先の6月議会の総務建設常任委員会で、私と緑風クラブの吉水議員が徹底して追求しました。

     法令や条例、要綱などに全く根拠のない5億円もの支出は大問題であり、今年度予算計上され、マンション建設完了後、年度内に一括で支払われようとしている助成金支出は直ちに中止すべきと考えます。

     この問題に対する認識と今後の対応について答弁を求めます。

     

     旧ダイエー跡地をめぐるいわゆる「29億円問題」に対する認識につきましては、現在、大阪地方裁判所において係属中の住民訴訟被告である門真市の長として、重く受け止めております。

     今後の対応につきましては、司法に判断を委ねられており、これまでの裁判経過もあることから、結審に向けて粛々と対応してまいりたいと考えております。

      次に、法令や条例、要綱などに全く根拠のない5億円もの支出に対する認識と今後の対応についてでありますが、門真市木造賃貸住宅等建替事業助成金事業については、国の助成制度である住宅市街地総合整備事業の一環として、老朽共同住宅等の耐火建築物への建替えを促進し、密集市街地の快適な住環境の整備を図る目的や国の交付金制度の趣旨に沿って、要綱の運用が行われたものと認識しております。

     今後とも、行政の執行にあたっては、慎重に取り組んでまいります。

     

     ⑶  「公園面積が少ない現状を改善」の具体的考えについて

     本市の公園面積は、市民一人当たり1.02㎡で、府下において下位であることから、議会においても公園整備や緑化の促進について議論が行われ、一定の整備がすすめられてきました。しかしながら、府下において下位であることに大きな変化はなく、現状の改善が求められています。

     と同時に、ただ「公園整備」ということではなく、「防災公園」として、災害時の避難所の確保や拠点としても整備していくことが求められています。

     本市には府営の公園が全くありません。現在府営住宅の建替えがすすめられ、その余剰地は4haとも言われていますが、その余剰地を活用し、防災公園として府営の公園を整備することを視野に大阪府との協議を進めることを求めますが答弁を求めます。

     

     御質問の府営の公園を整備することにつきましては、現在、大阪府において建替え事業が進められている門真住宅を活用した周辺地域との一体的なまちづくりの中で、スポーツ機能や防災機能を有する公園につきまして、方向性をお示ししているところであります。

     今後におきましても、良質な緑を増やすため、本市での計画的な整備を検討するとともに、府と市によるまちづくり会議等において、府営公園整備の可能性も含め、協議・調整し、公園面積が少ない現状を改善してまいりたいと考えております。

     

     ⑷  大阪府営住宅の本市への移管問題について

     この問題は、門真市も構成メンバーだった「府営住宅資産を活用したまちづくり研究会」が2011年(平成23年)12月にまとめられた最終報告の研究テーマ②の「府営住宅の市町移管の課題整理」をベースにしてこれまで具体化が図られ、大阪市では昨年8月に約1万戸が大阪府から移管を受け市営住宅となっています。

     また、本年3月には大阪市以外の自治体として初めての移管をめざし、大東市が協議を進めるための覚書を大阪府と締結しています。

     府営住宅の移管問題に対する市の認識については、2012年の決算特別委員会での私の質問に対し、「府営住宅の移管を受けることにつきましては、人員・財政面などを初めさまざまな課題がありますことから、極めて困難である」との認識が示されています。

     しかし、所信表明では、「大阪府営住宅を本市へ移管すべく協議する」と述べられました。唐突感が拭えませんが、この間府営住宅の移管問題についてどのような検討を行ってきたのか、4年の推移の中で「極めて困難」との認識が変わったのか、「移管すべく協議」とは、移管の結論ありきなのか、もしそうであるとしたら、市民の声を全く聞くことなく進めるもので言語道断と言わざるを得ませんが、明確な答弁を求めます。

     

     2012平成24年決算特別委員会の質疑において、移管は困難であるとの見解が出たところでありますが、その後、現在まで、その検討は進めておりませんでした。

     しかしながら、この間におきましては、大阪府においても移管に対する市町村のニーズに対し、柔軟な姿勢を示されながら、条件整備が図られてきたことを受け、大阪市への移管がなされ、また、隣接する大東市においても、10年間を目途として、移管に向けた協議を行う覚書が締結されたところであります。

     本市にとりましても、府営住宅を活用した新婚・子育て世帯の呼び込みや地域コミュニティの活性化など、今後の魅力あるまちづくりへの展望が持てることから、移管について掲げたものであります。 

     なお、移管ありきではなく、今後におきましては、市議会をはじめ、住民の皆様の声にも耳を傾けながら、移管に向けた協議を踏まえ、慎重に検討してまいりたいと考えております。

     

     ⑸  前市政の事業を「ゼロベースで見直す」ことについて

     所信表明では前市政のおよそ10年の事業について、「客観的な振り返り・検証を行い、今後に引き継ぐべき事業と見直すべき事業を精査するとともに、ゼロベースでの見直し」を図り、「実効性のある事業へ再構築」するべく方向性を見定めると述べましたが、具体的には審議会の設置条例が提案されていることから審議会において「客観的な振り返り・検証」がなされるものと考えます。

     本市では、これまで市民参加で様々な手法で事務事業評価等を行ってきており、当然審議会においても市民参加での議論が行われるものと考えますが、「振り返り・検証」をどのような基準で行うのか、市民参加はどのように図られるのか、具体的なスケジュールもふくめ答弁を求めます。

     

     まず、振り返り・検証の基準につきましては、対象事業につきましては、およそ過去10年間の事業計画において採択された概ね400の新規事業等と考えておりますが、具体的な検証の手法や基準につきましては、審議会での議論も踏まえながら、定めてまいりたいと考えております。

     次に、市民参加はどのように図られるのかについてでありますが、前市政の事業を「ゼロベースで見直す」ことにつきましては、市が現在行っている事業を今後も継続するべきものかについて、新たに客観的な視点から審議・検証いただくため、附属機関を設置することとしているものであります。

     これまで、市民ご意見番により市民の皆様よりいただいた評価につきましても、審議会での検討資料として活用する予定であり、これらを踏まえ、総合的に検討いただきたいと考えており、審議会の構成としては、市民の皆様に参加いただく予定はございません。

     次に、スケジュールとしましては、議会の議決をいただきました際には、10月から具体的な会議開催の調整を行い、10月中旬頃には審議会へ諮問し、12月中には検証結果の答申をいただきたいと考えております。また、会議の開催については、8回を見込んでおります。

     

     ⑹  産業振興、モノづくり企業への支援について

     府内上位に位置するものづくり企業集積地である本市にとって、産業振興施策やモノづくり企業への支援については、門真の魅力アップ、誇りと愛着が持てるまちづくりの大きな柱であり、これまでも様々な施策を推進してきました。

     しかし所信表明では、産業振興やモノづくり企業への支援については、残念ながら一言も触れられず違和感を覚えました。

     所信表明において、産業振興やモノづくり企業への支援について全く触れられなかったのはなぜか、本市における産業振興に対する考えについて答弁を求めます。

     

     所信表明において、産業振興、モノづくり企業への支援について触れなかったことについてでありますが、私の所信の一端を申し上げたものであり、もとより、本市にとって、産業振興施策は非常に重要な施策であり、門真市第5次総合計画平成29年度実施計画策定方針においても、重点施策として掲げており、今後の予算編成の中で、施策を具現化していきたいと考えております。

     次に、まちづくりについてのうち、産業振興、モノづくり企業への支援についてであります。

     これまで進めてきた、「ものづくり企業」支援を中心に、中小企業のサポートや地元企業の育成にさらに力を入れ、産業振興を進めてまいります。

     このことにより、生活に身近なところで多くの雇用が創出され、就労継続につながるよう、職住近接のまちづくりを目指してまいります。

     

     

    【再質問】

     

    2.市長報酬変更なしは「公約違反」について

     ⑴  現在の市長報酬は25パーセント減額したもので、「既に25パーセントの減額としているため、変更は行わない」は公約違反ではないかについて

     市長報酬変更なしは「公約違反」ではないかとの質問に、「市長報酬については、門真市特別職の職員の給与に関する条例の本則に基づく報酬のカットについての公約であったもので、公約違反ではない」というあきれた答弁でした。

     「現在の市長報酬」は、本則の96万円から25%カットした72万円です。

     しかし、市長の選挙公報や大量に配布したビラには、市長報酬は本則の市長報酬であるとの断り書きは全くありませんでした。

     つまり、市民のみなさんには、「身を切る改革」だと叫び、現在の市長報酬の72万円からさらに20%カットすると思わせておいて、実は本則の96万円の20%カットの768千円で、現在の市長報酬よりも48千円引き上げるのが公約だったというのが答弁の趣旨です。

     この答弁を受けて改めて聞きますが、先の市長選挙での「市長報酬の20%カット」という公約は、「本則に基づく報酬額の20%カット」だとすれば、額面でいうと、現在の本則から25%カットした市長報酬72万円よりも48千円引き上げ768千円にすることだったことになりますが、その通りなのか明確な答弁を求めます。

     そして、この通りだとすれば、市民をペテンにかけるまったく卑劣な公約だと言わざるを得ませんが、そのような認識を持っているのか、選挙時における公約についての市民への説明責任を果たしたと考えているのか答弁を求めます。

     

     市長報酬の削減についてですが、市長報酬については、条例で当分の間削減すると規定しており、その期間が不明確であることから、私の任期中も削減するという考えを示したものであります。

     また、公約の削減率については、選挙時に市長報酬の削減を行う意志を示したものであります。

     ご指摘のとおり公約通りの削減では、これまでの報酬額より増額することとなり、誤解を生むことから具体について、今般改めて所信表明にてご説明したところであります。

     これまでも説明しておりますが、わたくしは、前園部市長と選挙を争ったわけではなくですね、自民党の推薦候補と選挙したわけです。そことの比較の中で公約が市民に示したものでありまして、また額等のこともありますが、身を切る改革ということは、私が府議会議員時代から、報酬のカットであったり、議員定数の削減等にやってきたわけで、その点のほうも踏まえ市民から一定のご判断をいただいたものだと理解しております。(答弁予定原稿に無かった答弁)

     

    3.「市役所改革」について

     ⑴  現状認識と課題、改革の方向について

     「議論や意思決定の過程の明確化が課題」との答弁でしたが、これまでどのような問題で議論や意思決定の過程が明確でないと認識しているのか、その課題の改革の方向について答弁を求めます。

     また、所信表明では、「政策を決めていく過程におきましては、政治的な中立性・公平性を徹底」、「失敗を恐れず、何事にも意欲を持ってチャレンジする職員を育成し、また、頑張る職員が評価される人事制度を確立」とありますが、危惧される点があります。

     橋下前大阪市長が就任直後の2012年に教育委員会を除く、全職員34,000人を対象に実施した「職員アンケート」について、本年325日に大阪高裁は、憲法違反のアンケート調査であること、実施したのは大阪市と橋下前市長であると認定し、組合員の原告59名に対して損害賠償を行えとの判決を下しました。

     48日が上告期限でしたが、大阪市が上告を断念し、大阪市側の敗訴が確定しました。

     市役所改革は、このような人権侵害ではなく、憲法を順守し、全体の奉仕者として職員が生き生きと市民のために働くことのできる自治体づくりこそ求められると考えますが、答弁を求めます。

     

     現状の認識と課題、改革の方向についてであります。

     これまで、どのような問題が意思形成過程が明確でないと認識しているのかについてでありますが、私が市議会議員であった頃から、行政に対する信頼感や、市の取組に対する納得感を、市民の皆様に持っていただくためには、意思形成過程の明確化が必要不可欠であると考えてまいりました。

     今後は、議論を活発に行う風土・環境を作り上げることにより、議論を十分に経た上で、意思決定が図られるようにするとともに、市民の皆様に意思形成過程が明確にお示しできるような仕組みを作ることが市長としての責務であると考えております。

     次に、市役所改革についてでありますが、門真市職員は憲法遵守の立場で職務を遂行してきており、議員ご指摘の当時の大阪市のような状況は門真市にはございませんので、ご懸念には及びません。

     

    4.子育て・教育について

     ⑴  保育所「待機児童ゼロ」の具体的方策について

     保育所「待機児童ゼロ」の具体的方策については、市外への人口流出を食い止める取り組みを重点的にすすめる旨の答弁がありました。

     しかし、「幼児教育や保育の無償化」を5歳児を対象として完全無償化とすることや、所得制限なしで子ども医療費助成制度の高校生(18歳)まで拡充するなど、府下でも先進的な施策への考えが示されたことから、それでは十分ではないと考えます。

     先ほどの質問でも触れた明石市では、子育て支援施策を充実させる中で、就学前人口が増え続け、今年4月に保育所入所を希望した人は、前年同期比約200人増加、待機児童解消施策を実施しているにもかかわらず、待機児童が増加し、「今年度中に1000人の受け入れ枠の拡大を目指す」としています。

     本市においても市長の示された方向で施策がすすめられるならば、現状の推計による待機児童解消策では不十分であることは明らかで、今から認可園の新設など、抜本的な受け入れ枠の拡大について検討すべきと考えますが、答弁を求めます。

     

     所信表明でも述べましたとおり、本市の人口減少数が近畿圏で最も高くなっている状況から、まずはこの人口流出を早急に食い止めることが喫緊の課題と考えております。そのため、隣接する大阪市や北河内各市に負けない教育・保育の環境づくりが必要と考え、子育て世帯にとって大きなインパクトとなるよう「幼児教育や保育の無償化」並びに「子ども医療費助成制度の高校生までの拡充」について、その考えを御答弁させていただいたところです。

     保育所「待機児童ゼロ」の具体的方策につきましては、先ほども御答弁させていただきましたとおり、認可保育所の新設ではなく、小規模保育事業を新たに募集することにより、まずは現状の待機児童を確実に解消し、今後、議員お示しの「幼児教育や保育の無償化」、「子ども医療費助成制度の高校生までの拡充」などの施策により流入する子育て世帯への対応につきましては、時宜に応じて柔軟に対応してまいりたいと考えております。

     

     ⑷  市独自の35人学級の拡充について

     市独自の35人学級の拡充については、残念ながら積極的な答弁はありませんでした。「学力向上対策員会」での議論と庁内議論を踏まえた府下でも先進的な施策であり、引き続き拡充を求めるものです。

     ただし、35人学級の拡充は、門真市だけに独自施策での実施を迫るものではありません。

     本来は国において実施すべきものであり、昨年の第4回定例会において「少人数学級の推進に関する意見書」を門真市議会として全会一致で採択し、政府に対し、計画的な少人数学級の推進を求めてきました。

     また、全国学力テストの結果が全国平均を上回る都道府県は、少人数学級が進んでいることからも、全国で最低レベルの大阪府の少人数学級の拡充が強く求められています。

     市として国・府に対し、少人数学級の拡充を強く求めるべきと考えますが、答弁を求めます。

     

     議員ご指摘のとおり、全国的には、独自の少人数学級編制や少人数指導を実施している自治体があることは認識しております。

     本市としましても、少人数学級編制や少人数指導の推進に関する人的配置につきましては、これまでも大阪府都市教育長協議会等をとおして要望しており、引き続き、国・府の施策の動向を注視するとともに、改善を要望して参りたいと考えております。

     

    5.福祉政策について

     ⑶  行政こそが法令を順守すべき生活保護行政について

     「生活保護の申請の意思を示された場合には、申請書の交付、申請受理とするよう面接相談員への指導を徹底しており、いわゆる『水際作戦』は行っていません」との答弁でしたが、指導を徹底していることと、「水際作戦」を行っていないということはイコールではありません。

     保護申請の思いを持ちながら、申請できずに相談に来られるケースが後を絶ちません。

     「水際作戦」を行っていないと断言するのであれば、相談に窓口行きながら、保護の要件があるにもかかわらず申請に至らないケースについて、相談者へ申請意思がないのかどうか確認し、申請意思が確認されれば、申請に向けた働きかけを行うことが必要だと考えますが、答弁を求めます。

     

    国の定める「保護の実施要領」においては、「生活保護の相談があった場合には、相談者の状況を把握したうえで、他法他施策の活用等についての助言を適切に行うとともに、生活保護制度の仕組みについて十分な説明を行い、保護申請の意思を確認すること」と示されており、生活保護申請の意思については、面接相談時に必ず確認しております。

    しかしながら、保護申請の思いを持ちながら帰られる事があるとのご指摘につきましては、「水際作戦」と誤解を受けないよう、より丁寧に状況把握や制度説明を行うとともに、面接相談の手法及びその後の対応についても研究してまいります。

     

     6.まちづくりについて

     ⑴  「公民協働のまちづくり」の考えについて

     全中学校区での「地域会議」の設置については、「それぞれの地域に即した活動が行えるよう検討」、「地域協働センター」の整備については、今後の地域会議のあり方や財政状況を踏まえつつ検討」するとの答弁で、全中学校区での地域会議の設置と地域協働センター整備の考えは示されませんでした。

     これまでの方針には課題があり、一度立ち止まって検討するとの趣旨だと考えますが、地域会議の設置と協働センターの整備についてどのような課題があると考えているのか、所信表明で「公民協働によるまちづくりをさらに前に進める」と述べましたが、どのようにすすめていこうとしているのか答弁を求めます。

     

     地域会議の設置における課題につきましては、地域会議の設立に至っていない校区に対しましては、既に設立された第五及び第三中学校区地域会議の活動状況を示ししながら、設立を促す取り組みが進んでおるものの、地域間での連携の難しさや組織体制の確立など十分な検討期間が必要である等のご意見も頂いており、これら地域の皆様の声を聞きながら進めてまいりたいと考えております。

     次に、(仮称)地域協働センターの整備についてでありますが、整備には多額の費用を要するものであり、既存の公共施設の活用も含めた総合的な検討が必要であると考えております。

     従いまして、公民協働を進めるに当たりましては、地域の皆様のご意見を拝聴しながら、地域の実情に即した活動が行えるよう地域の皆様と職員が一緒になって検討していくことにより、信頼及び協力関係を一層強め、公民協働によるまちづくりを進めてまいりたいと考えております。

     

     ⑵  住宅市街地総合整備事業における開発会社言いなりの「29億円問題」とマンション建設に対する根拠のない5億円の助成金問題への対応について

     旧ダイエー跡地をめぐる「29億円問題」に対する市長の認識は、「大阪地方裁判所において係属中の住民訴訟被告である門真市の長として、重く受け止めている」としただけで、「この問題は絶対に変えてほしい」と願われた市民のみなさんにとっては、大変残念な答弁と言わざるを得ません。

     松井知事は先ほども紹介したように、「結局ね、一部の人たち駅前再開発トポスで29億、何でそんなところにねみなさんの税金が流れているのか。誰がいい思いをしているんですか、全くわからないようになっているんです。みなさん、このようなまあとにかくね税金の使い方が見えない、納税者から見えない、一部の人たちがそれでいい思いをする、そういう門真を変えていきましょう」と街頭で訴えました。

     「住民訴訟被告である門真市の長として重く受け止める」のは当たり前のことです。

     市長は、29億円問題について松井知事が述べた認識①税金の使い方が見えない、納税者から見えない②一部の人たちがそれで良い思いをしている③そんな門真を変えていきたいと考えているのか否か明確な答弁を求めます。

     また、大手マンション建設会社への5億円もの助成金の支出については、担当者からどのような説明を受けられたのかはわかりませんが、門真市の木造賃貸住宅等建替事業助成金交付要綱の「建替事業」とは、「整備地区内において土地所有者等が木造賃貸住宅等を別表第1の定めに基づく建て替えをいう」となっていて、すでに建物がない土地を取得したNIPPOらが取得した土地のマンション建設が、要綱に基づく「建替事業」でないことは明らかで、担当者の説明を鵜呑みにした答弁は「税金のムダ遣いを変えてほしい」との市民のみなさんの願いに背くものと言わざるを得ません。

     この5億円の支出が、それでも要綱に基づくものと考えているのか答弁を求めます。

     

     まず、「29億円問題」について、松井知事が述べられた内容につきましては、十分に認識しております。

     しかしながら、先程、ご答弁申し上げましたとおり、係属中の住民訴訟として、既に司法に判断を委ねられていることから、現時点での私からの答弁は、差し控えさせていただきます。

     次に、5億円の支出が、要綱に基づくものと考えているのかについてでありますが、先程、ご答弁申し上げたとおりであります。

     当該予算につきましては、密集市街地の快適な住環境の整備を図る目的や国の交付金制度の趣旨を踏まえ、議会全体での審議を経て、議決をいただいているものであることから、予算執行にあたっては、慎重に取り扱ってまいりたいと考えております。

     

     ⑸  前市政の事業を「ゼロベースで見直す」ことについて

     審議会における具体的な検証の手法や基準は、審議会での議論も踏まえながら定めるとしながら、スケジュールでは、議会での議決後の10月中旬から8回の会議開催で、12月中に検証結果の答申を受けるとの答弁で、拙速感が否めません。

     また、「新たに客観的な視点から審議・検証」とのことですが、検証の手法や基準は審議会の議論に委ねられており、はっきりしません。

     「新たな客観的な視点」とはこれまでにないどのような視点なのか、拙速な議論で出された答申に対し、どのような庁内議論を経て新年度予算等に反映しようとしているのか答弁を求めます。

     

     「新たな客観的な視点」についてでありますが、これまで、事業の評価といたしましては、担当課評価、市民ご意見番アンケート、内部事業評価委員会を各ステップとした事務事業評価を実施しておりますが、主に、第5次総合計画の進行管理及び事業の改善を目的としたものであります。

     今回の審議会における検証は、新市政として、私が新たなスタートを切るにあたり、一度立ち止まって振り返り・検証を行い、市が事業を継続するべきものかについて判断するための材料としたいとの趣旨でありますことから、これまで本市の事業や附属機関の委員として関わりのない外部の有識者等による、客観的な視点・立場から事業内容等について検証いただきたいと考えております。

     また、答申結果の新年度予算への反映についてでありますが、審議会からの答申内容を速やかに全庁において共有し、また、議会にもお示しすることとし、個別事業の方向性につきましては、議会における議論や所管部局の考え方を踏まえつつ、事業計画の策定及び予算編成過程における査定等の中で、総合的に判断してまいります。