[2016.6.17] -[議会活動]
1.子ども医療費助成制度について
子どもは大人になってからの感染症の重症化を防ぐために、感染症にかかることで免疫をつけていきます。今の季節、初夏から夏にかけては感染症が流行しやすい季節で、特に集団生活を始めると感染症にかかりやすくなります。
経済的な理由による心配なく、必要な医療を受けるためにも、子どもたちが健やかに成長していくためにも、子ども医療費助成制度は重要な施策となっています。就学前では100%の自治体が医療費助成を実施しています。
門真市においても、年々対象年齢の拡大を図ってきている点は評価するものですが、北河内内の状況では、通院が小学校卒業年度末までとなっているのは門真市だけです。大阪府下の実施状況を見てみますと、今年4月現在で通院が小学校卒業年度末までとなっているのは、43市町村中14市町となっており、約67%が中学校卒業・高校卒業年度末までとなっています。
また、先日守口市民の方が結婚・出産を機に引っ越しを考えておられましたが「門真市は子ども医療費助成が小学校卒業までしかないから」という理由で寝屋川市へと引っ越しをしたといった声も聞いています。
「子ども」「女性」「コンパンクトシティ」をキーワード施策として掲げ、定住促進「住みたい」「住み続けたい」まちの実現を目指すなら、門真市もせめて他市なみに通院を中学校卒業まで早期に拡充すべきと考えますが、答弁を求めます。
【答弁】
子ども医療費助成制度について、通院を中学校卒業まで拡充することについてであります。
本市における、こども医療費助成制度の対象年齢につきましては、従前より財源的な見通しを考慮しつつ着実に拡充してきており、27年10月からは対象年齢を通院では小学校6年生までに、入院では中学校3年生までに拡大してきたところであります。
今後につきましては、現在把握しております府内各市の状況に加え、本市の財政見通しや国・府の補助金制度の動向をも踏まえつつ、引き続き対象年齢の拡大について検討してまいりたいと考えております。
2.新総合事業について
現在、総合事業への移行が完了していないにもかかわらず、すでに政府全体として骨太の方針などで「次なる軽度者サービス見直し」を打ち出しており、総合事業の範囲を要介護1・2へと対象拡大することや訪問介護・通所介護以外への対象サービスの拡大の可能性があります。
高い介護保険料を払っている高齢者からすれば、要介護・要支援状態になっても介護保険は使えず、「自費負担」を迫られるという「保険詐欺」のような道です。
総合事業は事業費に「上限額」が設定されています。この上限額は「前年度実績×75歳以上人口の伸び」となっており、給付抑制をしないと上限額を超えてしまいます。費用のかかる現行相当サービスから安上がりな「基準緩和サービス」「住民主体サービス」等への移行を強要する仕組みとなっています。
そのような状況の中、門真市はくすのき広域連合において、来年4月から新総合事業は本格実施することになり、実施まで1年を切った状況です。利用者や事業所への周知・説明などを含めるともっと短い状況にあるといえます。
くすのき広域連合の3月議会においても、「来年4月が本格実施で、それまでに周知が入ってくるが、周知までに決めないといけないというところがあるので、生活支援コーディネーターの議論を出来るだけ数多くして、その議論をスケジュールに合わせていく」といった、具体的なスケジュールが決まっていない答弁でした。しかし、くすのき広域連合HPを見ますと、「今後のスケジュール案として、平成28年12月頃に事業者向け説明会開催、平成29年2月頃に指定事業者の登録受付等を目途に検討しております」と書かれています。
冒頭申し上げたように、実施まで1年を切った状況で、12月ごろ事業者向け説明会、2月ごろに指定事業者の登録受付という日程は、十分な周知・説明が行われるのか危惧されるものです。また、くすのき広域連合の3月議会の答弁では示されなかった内容が出されていますが、スケジュールが決まっていった経過、今後の具体的なスケジュール、進捗状況や進め方について答弁を求めます。
次に事業者アンケートについて質問します。
新総合事業への移行にあたっては利用者はもとより、事業者にも大きく関わってきます。介護事業者の意向を聞くためにも、介護現場の実態などアンケートを実施して、意見の聞き取りを行うよう求めてきました。
そんな中、今回5月27日に「くすのき広域連合介護予防・日常生活支援事業実施に向けたアンケート」が各事業者に送られ、6月15日までに回答をするよう事業者アンケートが実施されました。
このアンケートの内容はどのような内容で、どういった経緯で決めていったのか答弁を求めます。
次に、事業実施計画(案)について質問します。
何度も言うように、実施まで1年を切った状況です。要支援1・2の訪問介護・通所介護を総合事業にどう移行させるかが最大の課題です。
今年度は実施に向けた検討・準備等の仕上げの時期ですが、くすのき広域連合3月議会では、「現時点ではそれぞれの関係市の中で議論をしているところ」「サービスの種類はまだ現時点では決まっていない」といった具体的な内容、方向性すら示されない答弁でした。しかし、くすのき広域連合HP上では「本広域連合におきましては、平成29年4月からの「介護予防・日常生活支援総合事業(新しい総合事業)」開始に向け準備を進め、多様なサービスとして、訪問型及び通所型サービスA(緩和した基準によるサービス)、通所型サービスC(短期集中予防サービス)のサービス類型の創設を検討しているところです。」とあり、新総合事業実施計画(案)が掲載されています。
今回質問にあたり、高齢福祉課に問い合わせた結果、くすのき広域連合HP上に掲載されているのを確認したもので、広域連合からは何の連絡もなく準備がすすめられ、広域連合の3月議会での答弁でも示されなかった内容であり、あまりにも議会軽視だといわざるを得ません。この事業実施計画(案)は、どこで、どのような議論がされ、決まっていったのか答弁を求めます。
【答弁】
新総合事業についてであります。
くすのき広域連合における本事業の今後のスケジュール案につきましては、本年4月以降に本部及び支所の担当者会議において原案を検討し、その後、支所長会議において精査を行い、5月10日に開催された協議体連絡会の意見も求めた上で、作成されたものであります。
また、具体のスケジュールにつきましては、平成29年度からの実施に向け、今後3回予定している協議体連絡会において、アンケート結果に基づくサービス内容及びサービス基準の検討等を行い、12月頃に事業者向け説明会の実施、29年2月頃に指定事業者の登録受付を開始する予定とし、市民周知についても本年12月頃を目途に行う予定であると聞き及んでおります。
新しい総合事業の実施にあたりましては、各市域の生活支援サービス協議体において、地域資源の把握や関係機関の情報共有等を進めるとともに、市域ごとの情報を集約し、事業実施に向けて幅広く検討を行うべく、取り組まれているところであります。
次に、事業者アンケートについてであります。
アンケートの内容は、新しい総合事業の実施にあたり、介護事業者等の参画が必要不可欠なことから、各事業者からサービス類型の内容や基準等についての意見を求める内容であります。
アンケート内容は、新しい総合事業の実施に際しては、事業者の意見等を反映させる必要があることから、先ほどご答弁申し上げました今後のスケジュールと並行して検討を行ってきたもので、協議体連絡会の意見も求めた上で決定したものと聞き及んでおります。
次に、事業実施計画についてであります。
事業実施計画(案)につきましては、事業者アンケートの実施にあたり、介護の現場の様々な見地から、より具体な意見等を求めるための素案として国のガイドラインに基づき作成しており、スケジュール及びアンケート内容とあわせて検討し、決定されたものと聞き及んでおります。
今後におきましても、各市域の協議体等におきまして、円滑な事業実施に向け、鋭意取り組みが推進されるものと考えております。