[2016.3.24] -[議会活動]
議案第10号 地方公務員法及び地方独立行政法人法の一部を改正する法律の施行に伴う関係条例の整備に関する条例の制定について
この条例のもととなる地方公務員法及び独立行政法人法の一部改正の目的は、総務省も説明するように、「能力及び実績に基づく人事管理の徹底」であり、「職員がその職務を遂行するに当たり発揮した能力及び挙げた業績を把握した上で行われる人事評価制度を導入し、これを任用、給与、分限その他の人事管理の基礎とする」もので、委員会の質疑では、「生活給の側面も有する」として「職員団体との協議も含め検討」するとしていますが、首長など、任命権者の言いなりになり、憲法がうたう全体の奉仕者として、公正中立の立場に立って、国民の権利と福祉の実現のためにその能力を発揮することが求められている地方公務員の役割を大きく変質させるもので認められません。
議案第16号 門真市国民健康保険条例の一部改正について
今回の一部改正は、軽減判定所得の基準を見直し2割軽減と5割軽減の対象を拡大することも含まれていますが、賦課限度額を85万円から89万円にするものです。
すでに高すぎる国保料は、「払いたくても払えない」状況であり、今回の改正が行われれば、賦課限度額は3年連続、5年間で12万円も引き上げられ、負担はあまりにも大きすぎると言わざるを得ません。
試算では、所得500万円4人家族の世帯で82万2405円となり、1万2617円もの負担増、所得の16%もの負担率は限界をはるかに超えおり、国が国庫負担率を引き下げる中で地方に負担を押し付けるという点でも到底認められません。
議案第20号 平成27年度門真市一般会計補正予算
本予算は、通知カード・個人番号関連事務について、国からの補助金を地方公共団体情報システム機構に支払うものですが、そもそも政府が前のめりに利用拡大をすすめるマイナンバー制度は、情報漏えいの危惧や民間への開放、国民のあらゆる情報を国が管理し、国民が丸裸にされ、情報漏えいでの市民へのリスクは諮り知れません。この間、マイナンバーをめぐる様々な問題が起こり、そして今回の機構のシステム障害などからも明らかなように、このまま進めれば大変なことになることは明らかであり、マイナンバー制度は停止しかないと考えます。
あわせて機構がシステム障害の原因不明のまま運用を続けていることについては言語道断と言わざるを得ず、認めることはできません。
議案第23号 平成28年度門真市一般会計予算
中町地区における木造賃貸住宅等建替助成金5億円338万円は、旧ダイエー跡地の北半分に長谷工コーポレーションなど3者で建設がすすめられているマンションに対し、交付されるものです。
助成金交付要綱の目的では、「土地所有者等が行う木造賃貸住宅等の建替事業に対し、予算の範囲内で助成金を交付することに関し必要な事項を定め」るとし、建替事業とは「整備地区内において土地所有者等が木造賃貸住宅等を別表第1の定めに基づく建て替えをいう」と定義されています。
この目的と定義に照らして、本予算案が適切かどうかを見ると、一昨年10月にURから区画街路整備後の更地約6342㎡を17億2660万9500円で譲渡を受けたもので、建替えるべき木造賃貸住宅等は存在しません。
当然助成金の対象となるはずもなく、この点について委員会で徹底追及しましたが、「要綱に記載されているものではなくて、運用といたしまして一連の除却から建替え完了、そして新築をする申請というところで今回の建替え事業の助成金の基準を満たすものとして運用」しているとの答弁に終始しました。
要綱には書いていないが運用で適用しているという「何でもあり」の驚くべき答弁です。
「老朽建築物等の除却と建替えを一連のものとして行うことを原則としているが、除却跡地の土地利用が定まっていない場合や土地区画整理事業との合併施行の場合での老朽空家や廃屋等の除却と、跡地における良質な共同住宅等の整備を促進することを目的に、老朽建築物の除却跡地における建設に対しても調査設計計画費及び共同施設整備費等を対象とすることが可能」との国の見解を挙げて「問題ない」とする説明もありましたが、これについても従前からの土地所有者等に対するものであることは明らかで全く説明になっていません。
新年度の予算編成にあたっては、各部署から事業計画が出されましたが、「事業効果」などを口実に不採択となった事業が少なくありません。
一方でこのような要綱にも基づかない、しかも大手のマンション建設会社に対する5億円もの助成金支出は、開発会社への29億円の建物除却補償に続く、まさに「税金のたれ流し」にほかならず、絶対に認めることはできません。
奨学金事業は、「教育の機会均等を図ることを目的とし、門真市在住の生徒で向学心に富みながら経済的理由のため、高等学校、高等専門学校等への進学が困難な方に対して毎月5000円を3年間給付するもの」で、「新1年生の選考に当たっては、所得状況を満たした申請者に対してレポート及び面接による選考を行い、一定の基準点を超えるものを認定」するとし、前年度は申込者65名に対し、給付対象となったのは半分以下の31人となったことから、28年度予算では新規の対象者を5名減らそうというものです。
そもそも「向学心に富む」の基準をどこに置くのかというのは議論があるところですが、入試に合格し、高校に進学しようという意思があれば、それで十分だと考えます。
委員会の質疑では、1行のレポートや未提出者、連絡なしの遅刻者や無断欠席者の例をあげ、それに対し委員会の議論では、「遅れてくるだとか、レポート出さないだとか、1行しか出さないだとか、はっきり言ったらふざけるなと、何考えてるんだと、親が何考えてるんだとわざわざこっちが時間とって面接やってるのに、そういうやり方で向学心が示せると思ってるのかと、そういうふうにしてたしなめるべき話」「市がやったことは正しい」と一度の失敗で切り捨ててしまうという教育的配慮が全く感じられない議論も残念ながらありました。
こうした姿勢は到底認められませんし、奨学金の予算削減は認められません。
「めざせ世界へはばたけ事業」は、英語プレゼンテーションコンテストについては、これまでも繰り返し述べてきていますが、意義のある取り組みだと考えます。
しかしながら、優秀者9人に対する派遣研修は、生徒一人当たり36万円余の支出を伴うもので、義務教育のなかで懸賞的意味合いも持つ海外派遣研修は、少なくとも税金から支出すべきでないと考えます。
また5年前に私が「ゆがんだ競争が送ることを危惧」していたことや昨年の決算特別委員会で「校内選抜」の議論があることを指摘したことを取り上げ、そのような事実が全くないとの議論もありましたが、平成26年3月開催の事業推進委員会では、応募数が少なくなっている3校について、当時の生涯学習課長が「これは聞くところによりますと、各学校で選抜と言いますか、事前にコンテストまでされているかは存じませんが、そういうことをされているという事で言うと、コンテストに代表を出すが為になっているのではないか党部分も読み取れるのではないかと思っています。中学生全体の英語の能力を上げていくという部分で言うと、少し最初の我々の思いからすれば離れていっているのではないかというところも見受けられますので、いかがなものかと思います」と事前選抜があったとの認識が述べられ、事務局もある学校で独自でコンテストをしたいということを耳にしたとの報告もされています。
これに対し、こともあろうか、当時の委員会会長で生涯学習部長が「学校でコンテストをするという事は、その学校で英語の先生が協力しないと出来なものですから、それはそれなりに取り組みとしては合っているのではないかと思います」と反対の立場から意見を述べ、副委員長で関西外大の委員も校内コンテストについて「そういう学校の取り組みとしては、非常にいいと思います」と述べています。この議論からも、校内選抜推進論が主流となっていることはあきらかです。
いずれにしても懸賞付きのコンテストとはこのような性格を持たざるを得ないもので、少なくとも海外派遣研修に税金を支出することは認められません。
この他、①大阪府域地方税徴収機構送り、税金滞納者に対する年金や学資保険などを無慈悲に差押える実態②マイナンバー制度における安全管理が求められる住民基本台帳事務現場で過半数が非正規職員という実態で明らかとなった少人数行政の歪み③100%民間委託に固執する一般ごみ収集業務④十分な検査が出来るのかという問題が質疑の中でも拭えなかった清掃施設更新工事⑤「組織整備が整った」として学校現場の学力向上支援員の4名の減、⑥まだ土日の利用は抽選が行われ、まだ跡地利用も決まっていない旧6中体育館を撤去しようという実施設計業務委託⑦「こんにちは赤ちゃん事業」の訪問員さんの報酬削減についても認めることはできません。
議案第24号 平成28年度国民健康保険事業特別会計予算
国保料滞納者への財産調査件数は1万2千件と驚くべき件数でありながら、執行停止に至ったのは1割にも満たない1,193件で差押ありきの徴収強化の実態が質疑で明らかとなりました。プライバシー権の侵害ともいえるような財産調査を行いながら、「違法であるとは考えていない」との姿勢も問題だと言わざるを得ません。
また、児童手当は行っていないものの、年金はじめ異常ともいえる差押の状況も問題と言わざるを得ず認めることはできません。
議案第28号 平成28年度後期高齢医療事業特別会計
滞納者に対する預貯金の差押えは17人に26件、昨年度の13倍という異常な実態が質疑で明らかとなりました。
「生活状況等を考慮し、差押えの解除や換価の猶予など一定の配慮を行って」いるとの答弁でしたが、保険料の普通徴収対象者は、年金が年額18万円未満の人や介護保険料との合計額が年金額の2分の1を超える人であり、配慮というのなら、安否確認も含めた生活状況の確認のための訪問によって差押えをしなくても済む方法の相談等をするべきであり、一律に差押えをして反応を待つなどという姿勢は言語道断だと言わざるを得ず、認められません。
議員提出議案第2号 軽減税率の円滑な導入に向け事業者支援の強化などを求める意見書
同意見書は消費税増税を前提としたものであり、暮らし、経済など、どの問題においても消費税の増税はきっぱりと中止すべきです。
安倍自民・公明政権は昨年10月から予定していた10%への引上げを来年4月に延期し増税を「偽装」するために軽減税率を持ち出しました。
3年間で5%から10%へと倍にするというのは日本でも世界でも歴史上ないもので、「軽減」といっても8%に据え置くというだけです。
さらに、消費税10%になると5.4兆円もの負担増になり、軽減税率によって1兆円を軽減したとしても4.4兆円の負担増、1世帯当たり6.2万円の負担増となります。所得の低い人ほど負担率が重くなるという逆進性は変わらないどころか、強くなるとも言われています。消費税は消費抑制と格差を広げるだけの最悪の不公平税制です。
今回の「軽減税率」導入について公明党の斉藤鉄夫税調会長が「将来、消費税率は13~15%…そのときでも食べ物は8%に据え置かれる」「そのときに初めて軽減税率の意味が出てくる」と述べています。
また、財務省の矢野康治大臣官房審議官も「軽減税率」導入の狙いを「消費税率12%の議論になっても生活に身近な飲食料品は8%のまま。国民理解はある程度得られ、引上げやすくなる」と3月4日付の福井新聞であけすけに語っており、この発言に対して、「『12』という数字は、消費税率を据え置いて社会保障費がどんどん累増していくことになると(そういうこともありうる)という話をさせていただいた」と事実上、発言を認めており、10%を超えるさらなる大増税も危惧されるものです。
ノーベル経済学賞受賞者で米コロンビア大学のスティグリッツ教授は「国際金融経済分析会合」で「世界経済は低迷している。現在のタイミングで消費税を引き上げるべきではない」との考えを示しました。
消費税増税は国民の負担を増やし暮らしも経済も破壊します。軽減税率などとごまかさず消費税増税は中止し、消費税に頼らない道に切り替えることを求め討論を終わります。