[2006.1.15] -[門真民報]
門真市は新たな行財政改革の方針「門真市行財政改革大綱」と具体計画である「門真市行財政改革推進計画」の案を昨年12月22日に開かれた行財政改革推進特別委員会で発表し、説明を行いました。計画期間は平成17年度~平成26年度の10年間で、このまま推移すれば平成21年度には「財政再建団体」に転落するとの財政収支見通しを示し、平成21年度までの5年間を財政の健全化に重点を置いた「集中改革期間」としています。
「大綱」では改革の視点として (1)財政危機の克服、早期健全化 (2)行政の行うべき役割の重点化 (3)事務事業の評価・見直し (4)組織・機構等の簡素化・効率化 (5)市民の利便性・行政の透明性の向上 (6)その他をあげています。
危惧される公的責任、市民サービスの後退
「財政危機の克服、早期健全化」では、保育料(保育所・幼稚園)の引き上げやごみ処理手数料の有料化・見直しでの負担増、市税前納報奨金の廃止や障害者福祉金をはじめとした個人給付の見直しでの歳出抑制を図るなど、市民への負担を求めるものとなっています。「行政の行うべき役割の重点化」ではごみ収集業務の民間委託、市立保育所の民営化、学校給食調理業務の民間委託の推進など、国・総務省の進める「官から民へ」に沿った具体化で、公的責任や市民サービス後退が危惧されます。「組織・機構等の簡素化・効率化」では市職員の定員の「適正化」として現在1098人の市職員を10年間で25%削減し、825人以内にするとしています。「適正化」の根拠は枚方市や大東市の職員数をモデルとしているのみで、市民サービスの後退につながらないという裏付けはまったくありません。
不十分な市民参加で計画策定
このような市民サービスに直結する内容の行革計画の策定に当たっては市民への説明責任を果たし、意見聴取を行う中で計画に反映させることを党議員団はこれまで繰り返し求めてきました。しかし、この計画案の策定にあたっては、市民公募の懇話会委員(1人)の意見を聞くのみとなっており、極めて不十分なものとなっています。特別委員会においても福田議員はこの問題点を指摘し、この計画案を市民に説明を行い、意見聴取し、計画に反映させることを強く求めました。党議員団は今後計画の具体化において、市民サービスの後退や公的責任の放棄につながらないよう厳しくチェックしていきます。
障害児教育について
(1)LD(学習障害)・ADHD(注意欠陥多動性障害)など軽度発達障害児への対応について
今、全般的な知的発達には問題ないが、学習や生活、人間関係に困難をもつLD・ADHD・高機能自閉症など軽度発達障害児が通常学級に6%程度いると言われている。こうした子ども達は、現在普通学級で学んでいるが、担任任せで充分なケアができず、いじめの対象になったり、不適応をおこすなど学習や学級運営が困難になっている。こうしたクラスへ教員の加配を行うべき。また、別室で個別的、専門的に指導する「通級指導教室」の設置、専門機関の巡回指導を行うべき。
(答弁)教員の加配については困難。「通級指導教室」について適切な設置に努める。巡回指導については、特別支援教育の中で導入に向け検討していく。
(2)特別支援教育ついて
07年度より、障害児教育は、特別支援教育(一人一人の障害に応じた教育)となり、軽度発達障害児も対象となる。これに伴い、各学校にある養護学級をなくす動きがあるが養護学級は残すべき。新たな配置となる特別支援教育コーディネターは専任にすべき。
(答弁)現在の養護学級については、その重要性は十分認識している。コーディネターの専任については、市独自の配置は困難。
高齢者施策について
高齢者は、公的年金控除の引き下げ、老年者控除の廃止、市民税非課税措置の廃止など年金は全然増えないのに税金や保険料の支出は増えるばかりで大変な状況となっている。高齢者の暮しを守る立場から(1)介護保険料の減免(2)利用料に対してのあらゆる軽減措置の周知徹底(3)介護保険に移行しない福祉電話や緊急通報装置など一般施策の継続について(4)65歳以上非課税措置の廃止に伴う施策の継続について(5)一人暮しや困難な家族を抱える高齢者支援について市の見解を質す。
(答弁)(1)保険料減免は、国の制度で行うべき (2)軽減制度の周知については、全戸に広報を配布、事業者に周知文を送付し、特定入所介護サービスでは、対象者に個別に案内した (3)一般施策については、継続して実施する (4)困難 (5)市として複雑な困難な事例については、関係部署と連携し支援に努めていく。
門真市駅南側ついて
南側の駅前広場が暗くもっと明るくしてほしいとの市民の要望があるが市の見解を求める。 (答弁)高架下以外の広場は10ルクスとなっているが明るさについては今後検討していく。
質問
福田議員は一般質問で、学校適正配置について(1)浜町小学校と中央小学校の統合について(2)第一中学校と第六中学校の統合について(3)少人数学級を展望した計画策定について質しました。
教訓生かし、十分な体制で統合を
浜町小学校と中央小学校の統合については教育委員会が平成19年度統合の方向性を示したことから、砂子小学校での教訓を充分踏まえることが必要だと指摘し、統合担当の配置など、体制の強化を強く求めました。また、統合後、地域のコミュニティーセンターとしての施設整備の考え方について質しました。
答弁では、体制の強化は「できうる限り努力」とし、施設整備については「余裕教室等の状況も勘案し地域コミュニティーの醸成に努める」としました。
一中、六中の統合は根本的な見直しを
第一中学校と第六中学校の統合については、統合後の生徒数が約600人と2番目に大きくなるにもかかわらず、統合先としている第六中学校は、校地面積も校舎の延べ床面積も一番狭く様々な問題点を抱えていることを指摘、保護者からも疑問視する声が少なくないことから、問題点の洗い直しと計画の根本的見直しについての考え方について質しました。
答弁では、統合については必要との認識を示し、統合の問題点については「さまざまな問題の解決に向け議論を重ね、関係部局と協議する中で、総合的に検討してまいりたい」としました。
少人数学級展望し計画策定を
中央教育審議会においても、少人数学級の必要性が一致した意見となり、45道府県が少人数学級を導入していることから、学校適正配置についても、改めて審議会の議論を経て少人数学級を展望した計画の策定の必要性について指摘し、考え方について質しました。
答弁では、当面答申されている統合を計画的に進めるとしました。