[2006.3.5] -[門真民報]
2月27日、議会運営委員会が開かれ、平成18年度門真市議会第1回定例会に提出される新年度予算案・条例案などの説明がおこなわれました。
いよいよ有事法制・「国民保護法」の具体化を進める条例が
主な条例関係では、「武力攻撃事態法」(2003年6月成立)にもとづき、04年4月に成立した「国民保護法」にもとづく「門真市国民保護対策本部及び緊急対処事態対策本部条例」「国民保護協議会条例」が提案されています。「国民保護法」は、いわゆる「日本有事」の際に地方公共団体や指定公共機関などに住民の避難計画や救援・復旧などの「国民保護計画」を策定することを義務づけるものです。「国民保護協議会条例」は、自衛隊幹部なども参加する国民保護協議会を自治体に設置するための条例です。この協議会で、「国民保護法」が自治体に義務づけている「国民保護計画」の策定作業がすすめられます。「国民保護対策本部及び緊急事態対策本部条例」は、「有事」=「武力攻撃事態等」のさいに、「国民保護」を実施に移すための「対策本部」を門真市に設置するためのものです。政府は、06年度中に市町村段階の「国民保護計画」づくりを地方自治体に求めています。
障害者自立支援法施行の影響をどこまでカバーできるのか
障害者自立支援法の施行にともなう障害者等の障害の程度を審査し、認定作業をおこなうための「障害程度区分等認定審査会の委員の定数等を定める条例」、 精神障害者の通院医療が自立支援医療に移行したことにともない、手立てをとらなければ、自己負担増となる国保加入者への助成措置をとることを内容とする「国民健康保険条例の一部改正」などが提案されています。障害者自立支援法関連では、1割自己負担のしわ寄せが具体的にどこまで及ぶのか、対して、門真市がどのように救済策を講じるのかが焦点となってきます。
行財政改革推進計画を一部具体化
また、この間、高齢者に対する祝寿金(品)の引き下げがおこなわれてきましたが、今議会には、満77歳の長寿祝金1万円を5千円相当の品に改める「長寿祝金贈与条例」の一部改正が提出されるなど、行財政改革推進計画の実施が盛り込まれており論議を呼ぶものと思われます。
乳幼児医療費公費助成で満4歳未満へ1歳拡充
一方、市民要望の実現という点では、少子化対策の一貫でもある乳幼児医療費公費助成制度の対象を3歳未満児から4歳未満児に拡充する「乳幼児の医療費の助成に関する条例が提案されることになりました。建設所管関係では、大字下馬伏から新たに下馬伏町へと町名変更する「字の区域の変更及び町の新設について」が出されます。また、大阪市と河北5市で構成する「淀川左岸用排水管理組合」が解散することになり、そのために必要な議会の議決を求める議案が提案されることになっています。
議会運営委員会では、平成17年度一般会計補正予算とともに、新年度予算についての説明がおこなわれました。くわしくは、次号の門真民報でお知らせすることにしますが、今週号でも、市の説明にもとづく予算の主な特徴についてふれておくことにします。
一般会計は、前年度比0・5%減の450億3800万円。国民健康保険事業特別会計をはじめ7会計をあわせると、前年度比2%減の総額814億2394万6千円となっています。歳入では、税収がわずかに伸びているとはいえ景気回復の影響が市税収入にまで波及しきれておらず0・6%の伸びにとどまっています。 三位一体改革による影響額についは、児童手当・児童扶養手当の一般財源化など補助金カットによる影響額は約10億円、これへの税源移譲は約9億4000万円で、実質約6000万円の持ち出し。地方交付税は、平成17年度は55億円であったものが、48億万円となる見込みです。歳出関係の投資的事業では、住宅市街地総合整備事業に9億4484万7千円、放課後児童クラブ施設整備事業として6401万8千円が予算化されています。また、乳幼児医療費公費助成制度の拡充にともなう予算が計上されています。歳出の性質別分類では、人件費で4億8千90万7千円の減、一方扶助費で、児童手当・児童扶養手当・生活保護費など4億1842万2千円の増などが特徴的なところとなっています。
特別会計では、国民健康保険事業特別会計で、保険給付費約2億円の伸びなどで、0・2%増の154億7944万4千円。公共用地先行取得事業特別会計では、11億2487万円の減で、前年度比65・4%減となっていますが、第1次土地開発公社財政健全化計画で約101億円の健全化を終え、第2次健全化計画として平成18年度から5ヵ年で約17億円の健全化を実施しようとするものです。水道事業会計は、前年度比1・5%減の48億5382万円で、景気の低迷などによる水道使用料収入の減及び人件費の減少によるものです。
会計名 |
平成 18年度A |
構成比% |
平成 17年度B |
構成比% |
増減額 (A-B)C |
増減率 C/B% |
---|---|---|---|---|---|---|
一般会計 | 45,038,000 | 55.3 | 45,255,000 | 54.4 | △217,000 | △0.5 |
国民健康保険事業特別会計 | 15,479,444 | 19.0 | 15,448,144 | 18.6 | 31,300 | 0.2 |
四宮土地区画整理事業特会計 | 56,017 | 0.1 | 17,199 | 0.0 | 38,818 | 225.7 |
公共下水道事業特別会計 | 7,286,000 | 8.9 | 7,063,000 | 8.5 | 223,000 | 3.2 |
都市開発資金特別会計 | 600 | 0.0 | 600 | 0.0 | 0 | 0 |
公共用地先行取得事業特別会計 | 593,854 | 0.7 | 1,718,724 | 2.1 | △1,124,870 | △65.4 |
老人保健事業特別会計 | 8,116,211 | 10.0 | 8,693,076 | 10.5 | △576,865 | △6.6 |
水道事業会計 | 4,853,820 | 6.0 | 4,926,392 | 5.9 | △72,572 | △1.5 |
総計 | 81,423,946 | 100.0 | 83,122,135 | 100.0 | △1,698,189 | 2.0 |
27日、くすのき広域連合第3期事業計画策定委員会が開催され、第3期介護保険料(案)が発表されました。今回は、第2段階が、年金収入80万円以下と市町村民税・世帯非課税で第2段階以外の2つに分けられました。その結果、新第2段階は、前より保険料が低くなりますが、それ以外の段階では、44%の値上げとなっており、高齢者を一層苦しめるものとなっています。この案は、3月30日に開催されるくすのき広域連合議会で審議され決定されます。
現行の保険料(月額) |
見直し後(06年4月~)の 保険料(月額) |
値上げ率 | ||||
---|---|---|---|---|---|---|
第1段階 基準額×0.5 |
生活保護受給者、老齢年金等 | 1,659円 |
第1段階 基準額×0.5 |
生活保護受給者、老齢年金等 | 2,396円 | 44% |
第2段階 基準額×0.75 |
住民税世帯非課税 | 2,488円 |
第2段階 基準額×0.5 |
本人の年金が年80万円以下 | 2,396円 | △4% |
第3段階 基準額×0.75 |
住民税世帯非課税で第2段階にあたらないもの | 3,593円 | 44% | |||
第3段階 基準額×1.0 |
住民税本人非課税 | 3,318円 |
第4段階 基準額×1.0 |
住民税本人非課税 | 4,791円 | 44% |
第4段階 基準額×1.25 |
住民税本人課税(200万円未満) | 4,147円 |
第5段階 基準額×1.25 |
住民税本人課税(200万円未満) | 5,989円 | 44% |
第5段階 基準額×1.5 |
住民税本人課税(200万円以上) | 4,976円 |
第6段階 基準額×1.5 |
住民税本人課税(200万円以上) | 7,187円 | 44% |
門真の未来とまちづくりを考える市民の会(略称「未来の会」河原林昌樹代表)は2月23日、「知っていますか門真市の『行革計画』」と題してシンポジウムを開催し、100名を超える市民が参加しました。まず、神戸大学教授の二宮厚美氏が「行政改革で市民のくらしはどうなるのか?」と題して講演。門真市が策定した行革計画が実施されれば、「門真の地域が貧しくなり、グレード(格)も下がる」と断言。地方行革が改憲路線とつながるものであることを自民党新憲法草案から紹介し、国と自治体の役割分担の見直しや受益者負担主義など財政・地方自治条項の見直しの動きについて明らかにし、こうした動きの背景に多国籍企業化した財界の「足枷と負担からの自由」戦略があるとしました。講演のあと参加者から社会保障の交替による深刻な状況、市職員に対する行革の内容などが報告されました。また、福田英彦議員は国の三位一体改革による地方へのしわ寄せの現状、市民不在で策定された行革計画であること、実施については市民の運動で、サービス後退をさせないことが重要であることなど報告しました。