[2006.3.26] -[門真民報]
園部市長は、「官民協働」「少人数行政を施政方針説明や門真市行財政改革推進大綱、推進計画の中で上げ、市政運営の「基本理念」としました。しかし、この基本理念は、耐震偽装事件、ライブドア事件、格差社会などを生み出した新自由主義路線、規制緩和万能の「小泉構造改革」の具体化であることから、その「小泉構造改革」に対する市長の認識を質しました。答弁では、「国民生活に不安や疑問の生じることのないよう十分な配慮がなされることを期待するもの」と、まともに答えませんでした。そこで、再度質しましたが、小泉構造改革を事実上評価する立場をとりました。
憲法9条について自治体の長としての考え示せず
戦争のない世界をめざして制定された憲法9条を「変えるべきではない」と述べ、市長の認識を質しましたが、「国会の場で論議するもの」との答弁で市民の命を守る立場の市長としての考えは示されませんでした。教育基本法第10条は、国などによる教育の「不当な支配」を禁じており、「教育基本法改正」はおこなうべきではないと指摘し、市の見解を質しました。答弁は国の定める法。国の動きを見守る。
次世代育成支援行動計画の実行を
門真市は、新年度、保育所を申し込んだが入れない子供たちが、約450人も予想されるなか、保育所の増設についての認識、05年3月に策定した「門真市次世代育成支援行動計画」には1園増設するとなっているが「増設はどう図るのか」、あわせて子育て支援センターの増設についても質しました。答弁では、この間、待機児解消のため定員増を図ってきたので「同計画」に沿った1園増設は困難。子育てセンターについては検討。「1園増設は困難」の答弁に対し、「計画を反故にするのか」と再度質しました。
市独自の利用料助成の検討を
新年度「障害者自立支援法」が施行され、原則1割の利用料負担が生じることによって、障害者がサービスの利用の抑制・後退につながらないように、今ある市の独自施策、身体障害者補装具給付助成事業の継続と、市独自の利用料助成の検討を求め、「障害福祉計画」策定については、障害者本人等の連携協議が必要と質しました。市独自の対策は困難、補装具給付費の助成は検討。障害福祉計画は懇話会に障害者福祉団体の出席を考えていると答弁しました。
少人数学級の実施を求める
学校教育の分野では、少人数学級実施について求めましたが、必要性は認識するにとどまり消極的な答弁でした。そして、「日の丸」「君が代」問題については、国旗・国歌法は国民がそれらを尊重することを義務付けていないにもかかわらず、学習指導要領を持ち出して押し付けを正当化する答弁をしました。
深刻な財政状況下での不急の事業を厳しく批判
まちづくりでは住宅市街地総合整備事業について質しました。この事業はこれまで計画段階からさまざまな点で不透明であることをわが党は指摘してきました。これまでに密集事業の事業組合に携わってきた業者が02年10月に取得した大倉西地区の土地を今回、公園整備用地として市が買収。この土地の購入と併せて建物についてもほぼ新築価格で買収、総額2億5千万円余りで補償しようとするものです。またほぼ隣接して公園があり、経過においても極めて不透明と言わざるを得ません。深刻な財政状況の下で、6千万円余りの一般財源を伴うもので、「まさに不急の事業と言わざるを得ないのではないか」と厳しく批判し質しましたが、事業の経過、公園の必要性等について納得できる答弁はありませんでした。
井上まり子議員の質問要旨
1.園部市長の政治姿勢について
(1) 小泉構造改革について
(2) 行財政改革について
(3) 大阪府政について
(4) 憲法9条について
(5) 教育基本法について
(6)国民保護法について
2.門真市行財政改革推進計画について
(1) 市民本位の行革について
(2) 市民負担について
(3) 公的責任後退の危倶について
(4) 指定管理者制度について
(5) ごみの有料化について
3.中商工業対策について
(1)中小商工業振興基本条例について
4.福祉健康について
(1) 保育所待機児解消について
(2) 乳幼児医療費助成制度について
(3) 障害者自立支援法について
(4) 介護保険制度について
(5) 国民健康保険制度について
5.教育について
(1) 少人数学級について
(2) 国の教育政策について
(3) 学校の耐震化について
(4) 日の丸・君が代の押し付けについて
6.まちづくりについて
(1) 住宅市街地総合整備事業について
(2) 南部地域整備大綱について
(3) 第2京阪道路問題について
(4) 北島市街化調整区域の土地利用について
(5) 市内東部地域の公共施設の配置について
7.安全安心な市政について
(1) アスベスト対策について
(2) 特定行政庁の体制強化について
17日、民生常任委員会が開かれ、党議員団から福田英彦、井上まり子議員が出席しました。
「行革」の名の下高齢者のささやかな楽しみ削る
77歳の節目に1万円が支給されていた長寿祝金を5千円相当の「祝品」へと大幅削減を行う「長寿祝金贈与条例の一部改正」について審査しました。井上議員は対象者の推移や影響額等を質した後、高齢者の非課税措置の廃止や介護保険料の大幅な値上など高齢者にとって更なる負担増となる中で、これまで通り継続すべきと主張し反対しました。
乳幼児医療費助成、4歳未満児まで拡充
子育て世代のお母さんが切実に願っていた乳幼児医療費助成制度の対象年齢「4歳未満児」まで拡充する条例改正案が提案され、福田議員が府下の実施状況を質した上で、就学前までの対象年齢の拡充について要望しました。本会議で可決されれば、本年10月から実施されます。
指定管理者募集要項に兼業禁止規定を
一般会計予算の審査は各所管部ごとに審査が行われました。
市民生活部関係で福田議員は、新年度策定予定の「門真市文化芸術振興条例」について、これまで市が行ってきた施策について質したうえで、条例制定に当たって「表現の自由」「行政の不介入」の基本原則を盛り込むよう求めました。また、新年度指定管理者制度への移行が予定されている市民文化会館や自然ふる里村の施設についての応募登録状況について質し、市長や議員またはその親族が経営に関与する事業者については指定管理者となれない「兼業禁止規定」が募集要項に盛り込まれなかった問題を指摘し、「問題がない」のなら、次回から盛り込むよう求めました。この他、「同和」を「人権」と言い変えてさらに事業を推進しようとしている「大阪府人権協会分担金」、戸籍総合システムの稼動にあたってのセキュリティ、体制について質しました。
結論ありきでごみの有料化すすめるな
環境整備部関係で福田議員は、廃棄物処理法に定める「適正処理困難物」を条例に基づいて指定し、事業者に働きかけを行うことを求めました。また、ごみの有料化問題について府下の状況や、懸念される問題点について質し、「有料化結論ありきですすめるのではなく、市民への説明、意見聴取を行い、中止も含め反映させること」を求めました。この他焼却炉の整備工事等随意契約で行われているものについての価格の妥当性について質しました。
的確な障害程度区分認定が求められる
保健福祉部関係で井上議員は、新年度から「障害者自立支援法」の施行によって危惧される問題について質しました。「門真市障害程度区分認定審査会委員の定数等を定める条例の制定について」の審議の中で認定審査会のメンバーは、障害者が認定区分から外れることのないようあらゆる障害の状況が的確に判断出来きる方が求められることを指摘しました。また、状態が一定しているとは限らない精神障害者等の区分認定作業は一定の配慮が求められることからその方法について、受けたいサービスが受けられる仕組みはどうなっているのかについて質しました。認定作業については、市の職員が認定調査員として自宅に訪問し、本人及び保護者等と面接することになる、委託ではなく市独自でやることが答弁でわかりました。介護保険の認定作業とほぼ同じ聞き取り部分が79項目、知的と精神障害部分・生活面が27項目と合計106項目にもおよび正確な聞き取りにはかなりの作業量となること、また窓口対応やサービスに支障をきたさないよう障害福祉課の体制強化を求めました。この他に、高齢者の憩いの場としての「街かどデイハウス」の拡充、「福祉農園」の増園、「配食サービス事業」での利用者の意向調査、「前立腺がん検診」の要望等について質しました。
年度当初から待機児童、保育所の新設で抜本的解消を
福田議員は介護保険制度の「改正」で従前のサービスができるのか、医療助成制度について府が一部負担金についての軽減措置の市民周知、門真南高校跡地に整備する「つどいの広場」について質しました。続いて保育所問題について質問。これまで、年度当初には「待機児」がゼロであるとしてきた点について、新年度の1、2歳児の入所枠と申込者数について質し、入所枠が1歳児132人、2歳児71人に対し申込者数が1歳児135人、2歳児94人であることを明らかにし、加えて保育所との「私的契約」が27人もいる事も明らかにし、希望保育所を指定しなくても年度当初から保育所に入れない状況であることを事実でもって示し、保育所の増設をあらためて求めました。これに対し「計画の定員数の目標事業量の見直しなど、検討してまいりたい」と答弁しました。また、保育所の保育士の半数以上がアルバイト職員であるという「異常」について質し、久木元助役が「必要な保育士の採用については今後検討してまいりたい」と答弁しました。民生所管の一般会計予算については長寿祝金の大幅削減、保育所待機児童解消の保育所新設の具体化もされなかったことから反対しました。
手遅れで死亡例も資格証明書発行やめよ
国民健康保険事業特別会計予算については、他市で資格証明書の発行によって、病院に行けず手遅れで死亡している例を示し、制裁措置を続ける市の姿勢を批判し反対しました。