[2006.4.23] -[門真民報]
14日、日本共産党門真市委員会「ごみ問題について」の学習会を開きました。まず、日本科学者会議のメンバーで、門真在住の山岡茂夫氏の講演を受けました。講演では、公衆衛生を目的として1900年に制定された汚物清掃法からごみの分別、リサイクルを基本とした91年の廃棄物処理法の改正、循環型社会形成基本法の施行により、「ごみ問題解決」の前提として、減量、発生抑制、ごみを出さない(リデュース)→再使用(リユース)→リサイクル→熱回収→適正処分と、廃棄物処理やリサイクルの優先順位が法律に明記されたことなど、ごみ処理の歴史と政策の流れについて説明。しかし、実際の政府、環境省のごみ行政は、拡大生産者責任を求めるのではなく、従来の「出たごみをどう処理するのか」という考え方での、施設中心、焼却中心で補助金によって大量廃棄体制を自治体に押し付けており、実行性のあるものにはなっていないこと、「容器包装リサイクル法」「家電リサイクル法」などの個別法が定められましたが、不法投棄の発生、廃棄やリサイクルの費用が消費者だけに転嫁され、大量生産の拍車など多くの問題点が浮き彫りとなっており、行政のごみ処理費用の増大につながっている実態について報告されました。そして抜本的な対策として、「拡大生産者責任」を明確にした「容器包装リサイクル法」改正と「デボジット制度」(一定の金額を預かり金として販売価格に上乗せし、製品(容器)を返却すると預かり金を消費者に戻すという仕組み)が強く求められると強調しました。
次に、党議員団からは福田英彦議員が「門真市のごみ行政の現状と有料化問題」について述べました。
門真市のごみ排出量は、05年度、市民一人一日当たり1182kgで、ほぼ全国平均、家庭系ごみは減少、事業系ごみは増加か横ばい、家庭系ごみと事業系ごみの排出割合は1対1になっており、全国の割合から見て事業系ごみの比率が高く大阪府内32市中、家庭系ごみは29位(少ないほうから4位)、一方で事業系ごみは7位と多くなっており、ごみ処理費用は5位で高く事業系ごみの減量化が、門真における「ごみ問題の課題」であり、門真市も事業系ごみの減量化への施策を進めていることなどが報告されました。有料化問題では門真市は行財政改推進計画において、ごみの有料化については、粗大ごみ(年間1120万の市民負担)来年度から、08年から普通ごみ(1億7千万円の市民負担)をあげ、収集、処理業務の委託化は2014年までで4億7千万円の経費削減を見込んでいること、有料化の導入の目的として、減量効果が挙げられてるが、出雲市や千葉市の例のように、有料化以降、減量ではなく、増えている自治体があることなどについて報告しました。
参加者の声では、ごみを減らしていくことは大事。しかしリサイクルや減量を主な目的にするべき。ごみ収集、処理業務の民間委託はごみが減れば民間業者は仕事が減るので、分別指導等も行う収集業務は委託化にそぐわないのではないか。家電リサイクル法以来、山に不法投棄が増えている。まずごみ有料化先にありきではなく啓発活動が必要。などと関心が高く、多くの声がありました。
貝塚市-02年~一袋50円
大阪狭山市-96年~110枚までは無料、一袋100円
岸和田市-02年~130枚までは無料、一袋100円
富田林市-96年~110枚までは無料、一袋100円
河内長野市-96年~110枚までは無料、一袋100円
箕面市-03年~140枚までは無料、一袋50円
いよいよ、4月から障害者自立支援法が施行されました。今までの福祉サービスは、所得に応じて利用料を決定していましたが、同法は、原則1割の定率負担の仕組みに変更。加えて食費等が実費負担となります。党市会議員団は、障害者自立支援法の施行にあたり、門真市内の障害者施設を訪問調査しました。まず、出されたのが、食事代の問題ですが、今まで利用者負担がなく、4月から実費負担(国提示は、食材費230円と人件費420円)にかわります。これについては、利用者に対して説明会をして理解を求めていました。施設内では給食会議等を開くなどをして「食事の質」を落とさないでいかにコストをさげるかの検討を進め、利用者負担は、4月からの利用料の負担のことも考え合わせると食費の実費(人件費+食材費)をお願いすることは、あまりに負担が大きすぎるので、国提示の650円より大幅に低くおさえたとの説明がありました。給食調理における人件費は国から補填があるものの、給食提供において負担増が生じるため赤字になり、今後どうなるのか大きな不安を抱いているとのことです。
次に、同法では、事業体系の見直しの中で「サービス量に応じた利用者負担の導入、利用実態に即した日払い方式、定員の取り扱いの柔軟化を図る」となっています。施設利用の支払い方式を月払いから日払いへと変更になりました。これにより、事業所にとっては、この部分だけでも月払いのときより1割ぐらいの収入減となり、今後の施設運営の悩が出されました。国は利用定員の20%以内の定員枠を超えてもよいことや、職員配置基準の柔軟化などを出しており、今後、職員の「非常勤化」や「職員が定着しない」状態になりかねないのではないでしょうか。
10月からスタートするグループホームについては、現在の位置づけとちがって「訓練等給付」の提供や自立訓練、就労移行支援を受けている軽い知的障害者、精神障害を対象としています。そのため、現在グループホームに派遣されているホームヘルパーは認められません。これまでは、世話人さんが入居者の食事の提供等の世話をしていましたが、今後義務化されません。夜間や休日などの障害者の支援については考えられていません。また世話人さんは複数施設の掛け持ちなどとなっています。事業者としては、火の始末など、障害者自身にどこまでホームでの自立がゆだねられるか大変心配しています。また10月からのスタートにもかかわらずグループホームの運営に重要な鍵を握る安定化補助金の方向性も決まっていないとのことです。
これからの通所施設は利用者の実態により、非雇用型、雇用型、自立訓練(複数で選択できる)に分けられます。今後の通所施設は、有期限つきのプログラム実施で成果主義の導入になっており、ぺナルティーの設定もあります。例えば、雇用型の支援では、一定期間内に利用者が就職できた場合は、施設に報酬加算がされる成果主義が導入されるようです。5年間の経過措置はあるものの、移行に際しては周りを見ながら慎重に決めていくとの声があがっています。そのほか、利用料の負担がでてくると、何人の人が通所施設での継続が出来るかどうか不安になる。現在は、利用者が施設にこられない時、電話でじっくり話を聞くことができているが、今後こうしたことができなくなるのではないか。利用料が払えずやめた場合、折角よくなっていた人が悪くなるのではないか、引きこもりになるのではないかなどの声がでています。