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  • こんにちは。門真市会議員団です。

    2015年9月議会 亀井あつし議員の一般質問・答弁

    [2015.9.25] -[議会活動]

     1.消費者教育について

     消費者を取り巻く状況についてまず述べさせていただきます。全大阪消費者団体連絡会の発行する今年9月5日号ニュースによると「今年1月~6月、全国の警察が把握した振り込め詐欺などの特殊詐欺の被害総額は、236億5千万円で、過去最悪だった前年に比べて33億3千万減った。しかし、被害額は依然大きい」。また、「インターネットで割安の『お試し価格』として販売される健康食品を買った消費者から『1回だけ注文したつもりが、定期購入の契約になっていた』などとする相談が相次いでいる事も紹介されていました。
     門真市消費者センターの消費者からの相談でも、70歳以上の相談件数が他の年代を大幅に上回っています。消費生活に関する相談件数は、平成21年度は632件でしたが、25年度1129件、26年度1008件と1000件を超えています。
     このような消費者被害を防止するとともに、消費者が自らの利益の擁護及び増進を目的とした、「消費者教育に関する法律」が2012年に施行されました。
     「消費者教育に関する法律」の第2条には、消費者の自立を支援するために行われる消費生活に関する教育、及びこれに準ずる啓発活動であることや「消費者市民社会」について、定義づけ。第3条の基本理念に「消費者教育は、幼児期から高齢期までの各段階に応じて体系的に行われるとともに、年齢、障害の有無その他の消費者の特性に配慮した適切な方法で行われなければならない」と幼児期から高齢者までが対象とされています。
     そして、今回質問する消費者教育推進計画は、第10条で「市町村は、基本方針を踏まえ、その市町村の区域における消費者教育の推進に関する施策についての計画を定めるよう努めなければならない」と定め、20条で消費者教育推進地域協議会を置くことについて示されています。
     消費者教育推進会議の設置および消費者教育推進計画の策定について、どのように考え、どのような検討をしてきたか答弁を求めます。
     あわせて、消費者の利益の擁護をはかり、国民生活の安定向上と国民経済の健全な発展に寄与することを目的とした「消費者保護法」の消費者安全確保地域協議会に基づいて、大阪府下の自治体である和泉市では、消費者センターや社会福祉協議会、民生員、老人クラブ、町会役員、婦人会などが連携して契約や取引に関するトラブルから高齢者を守る取り組みが行われています。本市でも消費者安全確保地域協議会を設置する考えはないか答弁を求めます。
    また、本市の消費者教育の取り組みついて答弁を求めます。

     

    【答弁】

     まず、消費者教育推進地域協議会につきましては、市民への消費者教育を推進するため、情報の交換及び調整に関する事、並びに、消費者教育推進計画の作成、変更に関する審議に必要な機関であると考えておりますが、北河内各市においては設置している状況にはございません。設置については、引き続き、他市の動向も踏まえつつ、検討してまいりたいと考えております。
     次に、消費者教育推進計画につきましては、国の基本方針及び府の消費者教育推進計画を踏まえ、市が定めるよう努めることとなっており、消費者教育推進地域協議会の設置とあわせて、検討してまいりたいと考えております。
     次に、消費者安全確保地域協議会につきましては、高齢者を始めとする消費生活上特に配慮を要する市民の皆様に対する、地域での見守り体制と位置付けられておりますことから、組織体制、他の自治体の活動内容等を含めて調査研究を行ってまいりたいと考えております。
     次に、消費者教育の取組についてであります。
     消費生活センターにおける25年度及び26年度の相談件数が1,000件を超えたことから、本年7月より消費生活相談員を1名増の3名体制に強化し、「くらしの講座」の実施回数を増やすなど、消費者被害の未然防止に努めておりますので、よろしく御理解賜りますようお願い申し上げます。

     

    2.「門真市まち・ひと・しごと創生総合戦略(案)」について

     本年第1回定例会代表質問で、「日本創成会議は、2040年に半数の自治体が消滅可能性都市となると規定した増田レポートを昨年5月8日に発表し、この増田レポートを前提に、第31次地方制度調査会が5月15日に発足、会長の畔柳信雄氏は、自然と道州制の議論にもなる」「こうした中で政府は、昨年まち・ひと・しごと創生法を成立させ、実情に応じた自主的な施策を策定及び実施を自治体の責務として、そのためにまち・ひと・しごと創生総合戦略策定に努めるとしています。」「施政方針では、人口増、若者の定住促進につながる魅力あるオンリーワンのまちづくりに向けた総合戦略を策定としていますが、根本は道州制に向けた自治体づくりで、増田レポートや政府の思惑に惑わされることなく、地方自治体の役割にふさわしく、保育所の待機児童解消などの子育て支援の推進を初め、小規模事業者への支援、地域密着、防災・維持管理優先の公共投資などを推進することが求められている」と質問しました。「門真市まち・ひと・しごと創生総合戦略」の策定の前提は、なによりも門真市民の実情を踏まえたものでなければなりません。
     
    審議会議事録を読ませて頂きますと、核心を突く、積極的でとても参考になる意見がたくさんありました。少し紹介させていただきます。
     
    例えば「どこのまちでもあてはまるようなキーワードが並んでいるように思います。色々な項目で一覧表を見て『あ、これ門真のことやな』と分かるようにして欲しい」。子ども医療費助成制度について、「近隣の他市さんでは長いところで高校3年生まであるのですね。やはりそういった情報は母親同士で入ってくるので、一番直結で『魅力的だな』と感じるところです」。目標値の設定について「なんとなく、到達できそうな目標数値をあげていらっしゃる」など様々な角度からの目標数値について意見がありました。人口ビジョンについて、「多少減少してもゆとりという方向に転換できるからそれはそれで良いのではないかという考えが見え隠れしている」「あくまでも重要なのは、バランスのとれた人口構成」。財源問題では、「気を付けないといけないのは、今回は、棚ぼたみたいな予算が国から出て、後年度の負担に絡んでくるようなことだと、今度は副作用の方が多くなりますので」との意見がありました。
     
    私なりの「どんな門真のまちをつくっていくのか」について審議会での委員のみなさんの意見も参考にさせていただき提案をさせて頂きます。
    1つは、門真市の特質、平坦な四角形、交通の便が良い地形と立地をもっと生かし、老いも若きも元気に暮らせる「安らぎと」「うるおい」のあるまちにすることです。
     
    具体的には、まち全体のバリアフリー化、歩道と自転車専用道路の整備、駅と地域を結ぶコミュニィティーバス網の整備、都市農業振興基本法を活用し、「門真れんこん」を活かした昔ながらの景観と環境の保全、農地の多様な機能を発揮させての防災空間確保や緑地・水辺空間の確保、公園整備。市役所周辺に偏らない公共施設のバランスの良い配置などが必要ではないでしょうか。
     
    「空き家・空き地」活用、コインパーキングへの転用やなしに、市民は緑や公園など潤いへの転用を求めてるのと違うでしょうか。
     
    2つ目に、市民を応援する制度の充実です。
     
    制度の充実は、暮らしや健康など多岐にわたります。例えば、国民健康保険料引き下げ、介護福祉、医療。子育て世代応援の、新婚家庭への家賃補助、子ども医療費助成制度を高校卒業まで拡充、育児相談の充実、待機児童を出さない公立保育所充実、35人学級全学年実施など「ずっと住みたくなる」と思える魅力ある制度の充実です。
     
    自治体別年収構成について、「マーケット比較」なんて表現は、いかがなもんでしょうか?市民は儲けの対象と違います。憲法で定められた地方自治の立場から施策は実行すべきです。

    3つ目は、地域経済の活性です。

    「中小商工業振興基本条例」「都市農業振興基本条例」を制定して、市の責務を明確した上で、「市内に住み、市内で働く」を基本にした産業振興施策展開をしてはどうでしょうか。

    4つ目に、まち・ひと・しごと創生総合戦略に伴う財源やさまざまな国や府の制度を活用して、市民の願いを実現していくことです。

    以上、述べさせて頂いた上で、以下質問をさせて頂きます。

     「門真市まち・ひと・しごと創生総合戦略」についての市の考え方の説明と、私の提案に対して見解、市民の意見を聞く為に地域別の懇談会の開催の考えはないか、門真市まち・ひと・しごと創生総合戦略審議会の議論の特徴と意見の反映についてお尋ねします。

     

    【答弁】

     まず、「門真市まち・ひと・しごと創生総合戦略(案)」への市の考え方でありますが、門真市第5次総合計画におきましては、人口減少社会への対応も含め、「通過都市から定住都市へ」「持続可能なまちづくりへ」を課題としているところであり、めざす施策の方向性は、地方創生においても共通する部分が多いと考えられることから、その考え方や基本的な方向性については第5次総合計画と整合を図っているところでございます。
      亀井議員のご質問にあります「どんな門真のまちをつくっていくのか」という中での4つの内容は、1つ目は、平坦な地形や交通の利便性を活かした居住・生活環境の整備等による地域の魅力向上及び定住促進として、2つ目は、保育環境や教育環境を充実し、安心して産み育てられる環境づくりとして、3つ目は、重点施策にもあるとおり、地域産業の活性化として、4つ目は、あらゆる財源や制度を活用して、市民の皆さまが住んで幸せを実感できるまちづくりとして、総合戦略の4つの基本目標にも盛り込んでいるところであり、引き続き「住みたい・住み続けたいまち」の実現に向けて、重点施策、キーワード施策を充実し、着実に進めることが重要であると考えております。
      次に市民の意見を聞くため、地域別の懇談会の開催についてであります。
      総合戦略は附属機関である審議会に、3名の公募市民にご参画いただき、貴重なご意見を頂いており、更に、幅広く市民の皆様の意見を募るため、現在、パブリックコメントを実施しているところであり、地域別の懇談会の実施についての考えはございません。
      次に門真市まち・ひと・しごと創生総合戦略審議会の議論の特徴と意見の反映についてであります。
      審議会の議論の特徴といたしましては、全国的に地方創生の取組がなされる中で、「門真市の特徴をどのようにして出すのか」、「戦略として目標を高く設定すべき」といった総合戦略に対する前向きかつ積極的な内容を求めるご意見が多く出されたことに加え、「子育て環境」「まちづくり」「産業の振興」「自然環境」「市の魅力向上」など様々な観点からご意見を頂いたところであります。
      これらのご意見につきましては、人口減少に対する市の考え方を整理し、KPIの目標値について全体的な見直しを図るなど、可能な限り反映し、より積極的に人口減少へと対応する案になったものと考えておりますので、よろしくご理解賜りますようお願い申し上げます。

     

     【再質問】

     あえて再質問はしませんが、市民の意見を聞くために地域別の懇談会の開催を提案しましたが、答弁は「懇談会の実施についての考えはない」とありました。昨日も、福田議員から、市民の声をもっと組み上げる方法について質問をしましたが、アンケートとパブリックコメントをしているから問題ない。というような答弁でした。
    埼玉県に蕨市という自治体があります。5.11平方キロメートルに約7万2千人が暮らす、国内でもっとも人口密度の高い町で「コンパクトシティー」を目指しているそうです。ヨリタカ秀雄市長は、毎年、直接各地域へ伺い、市民の皆さんとひざを交えながら身近な話題について語り合う、「市長タウンミーティング」を開催して、お互いの信頼関係をいっそう強くし、これまで以上に、だれもが住み続けたいと思えるまちづくりを進めているそうです。
     
    園部市長は、平成27年度の挨拶の中で、「市民の皆様の暮らしを、どのように守りながら、自治体経営を安定させていくのか、持続可能な自律発展都市を構築していくのかは、財政構造のぜい弱さを抱える本市において簡単な問題ではありません。私は、その希望の光は、まさに市民の皆様の中にあると確信いたしております」、また、「市といたしましても、市民に寄り添い、ともに考え、実践し、支援するため」と訴えるなら、市長が先頭に立って懇談会に出向いたらどうでしょうか。

     それでは質問させていただきます。
     
    答弁で、「目標値について全体的な見直しを図るなど、可能な限り反映し、より積極的に人口減少への対応する案になったもの」とありました。確かに、「女性の就業率が、いま40.2%というのも全国で6割を超えている中で非常に低い方だと思う」「31年度の45%というのもどうかな」と委員の指摘を踏まえ、31年度は、現全国平均の60%に目標値が引き上げられました。しかし、「子ども医療費助成制度」の年齢拡大や、35人学級の全学年拡大など委員から寄せられた声に対しての目標値については触れらていません。具体的に、目標数値を引き上げたのはどこか答弁を求めます。
     
    また、委員から「ひとまちしごとに関してはかなり詳しく出てくるのですけれども、自然とどう門真市が共存していくのかなというのが少し見えてこない」とありました。私も同感です。
     
    提供資料をみても「まち・ひと・しごと創生総合戦略推進にあたって」門真市の再耕(漢字は再び耕す)というテーマの図表に踊る言葉は、「沿線の肥沃化」「体質強化」「拠点開発の推進」「競争力強化」。先ほども述べましたが、写真入りでの独居高齢者の増加【空き家・空き地】活用方法は、資産の有効活用【コインパーキング】てな具合です。
     
    まちづくりで「シンボルゾーンの整備」や「災害に強いまちづくり」は、数値目標があるのに、公園整備や緑化率など「うるおい」「やすらぎ」と切っても切れない目標数値が無いのはどうしてか答弁を求めます。
     
    最後にもう一点、「PDCAサイクルの確立と検証体制」について述べさせていただきます。
     
    総合戦略についても、総合計画と同様、PDCAサイクルによる評価体制を確立し、審議会において検証するとしていますが、このPDCAサイクルについて、組織人事コンサルタントの川口雅裕氏が、「PDCAとは、その効果と問題点」という命題で興味深い考えを示されていますので一部紹介させていただきます。そこには、「常に過去を振り返るという行為なので、未来や理想と関係がなくなってしまう、かけ離れていく可能性があることです。PDCAを盲信してしまうと、自分たちが達成したい理想の状態に向かって何をすべきであり、どれくらいまで到達しているかといった考えがないままに、過去の反省・検証・改善を繰り返すことになってしまいがちです」とありました。
    PDCAサイクルをあまり金科玉条にはしない方が良いという事を指摘しておきます。

     

     【再質問に対する答弁】

     まず、具体的に、目標数値を引き上げたのはどこかについてでありますが、審議会よりいただきました「戦略として目標を高く設定すべき」とのご意見を踏まえて、具体的にKPI指標の目標数値を引き上げたものといたしましては、「安心して楽しく子育てが出来る環境だと感じる人の割合」、「年間創業件数」など、7項目でございます。その他、数値以外の部分におきましても、「こども医療費助成制度」の年齢拡大など、審議会委員のご意見を尊重し、具体的施策の中で表現を改めている部分もございます。
      次に、公園整備や緑被率など、「うるおい」「やすらぎ」と切っても切れない目標数値が無いのはどうしてかについてであります。
     亀井議員ご質問の「うるおい」「やすらぎ」に関わる取組としては、基本目標2「地域の魅力を向上し、選ばれるまちへ」において、「想定される主な取組」として公園整備や親水空間整備等を掲げており、また、KPIとしまして「快適な生活基盤が整っていると感じる人の割合」などの目標を設定しているところであります。
      総合戦略は、人口減少社会への対応の観点から、今後5年間におけるまちづくりの戦略として策定しているものであります。本市におきましては、第5次総合計画の実現に向けた重点施策やキーワード施策を充実することを基本的な考えとしているところであり、具体的な数値目標がないものであっても、第5次総合計画と一体的かつ着実に進めることにより「住みたい・住み続けたい」と思えるまちづくりを推進してまいりますので、よろしくご理解賜りますようお願い申し上げます。