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  • こんにちは。門真市会議員団です。

    2015年9月議会 福田英彦議員の一般質問・答弁

    [2015.9.24] -[議会活動]

    1.中町地区のまちづくりをめぐるUR(都市再生機構)問題について

     URが昨年10月に旧ダイエー(トポス)跡地の一部を17億円余で売却した件に関する諸問題についてですが、この問題については、本年3月議会の総務建設常任委員会及び6月議会の一般質問で取り上げましたが、約5年半前の平成22331日にUR(独立行政法人都市再生機構)が、旧ダイエー(トポス)跡地の一部約7千㎡を光亜興産㈱及び㈱サンコオア(以下「開発会社」という)から取得し、減歩後の6300㎡余を昨年1020日に17億円余で売り抜け、多額の利益を得ていたのではないかという問題です。
     この問題は、公になっているものでは、平成22323日付で、門真市からUR西日本支社に対し、「門真市幸福町・垣内町・中町まちづくりについて」との要請文書が出され、平成213月策定のまちづくり基本計画の実現に向けた土地取得を含む総合的な支援・協力を求めたことから始まります。
     そしてその3日後の26日には、門真市幸福町・垣内町・中町まちづくり協議会から「門真市幸福町・垣内町・中町まちづくりにおける土地取得へのご協力について」との要請文書が出され、「中町地区内に存する商業施設が本年3月に営業を終了し、跡地約1.3haを売却する意向を示しており、民間事業者による単独開発を防ぐと同時に基本計画に沿ったまちづくりを推進する為、本協議会の協力企業であり、まちづくりにおいて実績のある光亜興産㈱及び株式会社サンコオアが当該土地を取得する協議が整ったところであります。」とし「基本計画においては、当該地区内に道路を整備することとしており、周辺公共施設の再編・整備と併せた開発を行うためには、当該地を相当の期間保有する必要があります。つきましては、跡地取得を行う両社が、単独で保有し続けるには規模的な面からも民間企業として限界があることから、党地区のまちづくりの趣旨を理解し、門真市及び当協議会と円滑な調整が期待できる、中立性・公平性を有する貴機構による当該土地の一部を取得いただくと共に周辺まちづくりに参画いただく等ご協力いただきたい」との要請がなされ、同日に殆ど同一内容の要請が開発会社から行われています。
     合わせて326日には、「門真市幸福町・垣内町・中町におけるまちづくりの推進に関する覚書」が門真市、まちづくり協議会、UR3者によって締結されています。
     そしてこの要請等を受けURは、5日後の331日に金額は明らかにされませんが、開発会社と旧ダイエー跡地の一部約7千㎡を取得する土地売買契約を締結しています。
     先の総務建設常任委員会でも議論がありましたが、独立行政法人であるURが土地取得の要請を受け、僅か1週間足らずで、恐らく数億円から十数億円の土地の売買契約を締結するという常識では考えられないことが起こっています。
     
    これはURの担当者に確認したことですが、当時は当該土地13千㎡を僅か115500万円で開発会社が取得したことは把握しておらず、住民訴訟が提起された報道の中で把握したとのことで、売買契約の額は十億円を超えるものであったであろうことは容易に予測されます。
     
    私は以上の経過をURへの法人文書開示請求にもとづき開示された文書を確認したうえで、さらに3者の覚書の締結及び中町地区における個別プロジェクト基本方針策定以前の門真市やまちづくり協議会、開発会社との協議等の内容が分かるものについて法人文書開示請求を行いましたが、開示されたものは平成22614日に行われた第1回事業評価監視委員会による門真市中町地区における「都市再生事業実施基準検証結果」という文書で、協議等の内容が全く記載されておらず、担当者への電話確認でも、どこに協議等の内容が記載されているのか全く答えることができないというデタラメなもので、今後異議申し立てを行うこととなると思います。
     以上の経過を踏まえ、
     
    ①門真市は、土地の取得を含めた協力を要請したURが、開発会社と土地の売買契約を締結したことを把握したのはいつか。売買代金は把握していたのか。把握していなかったとすればなぜ把握しなかったのか。現在も把握していないのか。
     
    ②平成259月議会総務建設常任委員会で問題点を指摘しましたが、このような中町のまちづくりに関する大きな動きがあったにもかかわらず、まちづくり協議会は全く開かれておらず、当時メンバーであった門真市がなぜ開催を提案しなかったのか、必要ないと判断したとすれば11日の総務建設常任委員会での答弁と大きく矛盾すると考えますが、以上の点について答弁を求めます。

     

     【答弁】

     中町地区のまちづくりをめぐるUR(都市再生機構)問題についてであります。
     都市再生機構が、光亜興産及びサンコオアと土地の売買契約を締結したことの把握につきましては、詳細な日付については把握できておりませんが、22年度の初め頃に都市再生機構から担当レベルで報告を受けたものと認識しております。
     次に、売買代金の把握につきましては、以前にもご答弁申し上げましたとおり、民民の取引に市は関知する立場にないとの認識であり、売買代金につきましては不開示情報であるため、現在も把握しておりません。
     次に、中町のまちづくりに関する大きな動きがあったにも関らず、なぜ門真市が開催を提案しなかったのかについてであります。
     中町地区におきましては、具体的な公共施設の計画を示す段階に至っておらず、個々の事業内容については、共同整備事業組合と情報共有を行っていたことから、市からまちづくり協議会に提案する必要性がなかったためであり、先の総務建設常任委員会の答弁内容は、何ら大きく矛盾しているものではありません。

     

    【再質問】

     URが、旧ダイエー跡地の一部約7千㎡を開発会社から取得した際の売買代金について「不開示情報であるため、現在も把握していない」との答弁でしたが、URが不開示だとしている根拠は、開発会社がURに対し不開示の意向を示しているだけです。
     ①売買代金の開示は、中町地区のまちづくりに関することで、開示されても開発会社の権利、競争上の地位、その他正当な利益を害するおそれは全くなく、まちづくり協議会の事務局を務める開発会社に対し売買代金を明らかにするよう求めるべきと考えるがどうか。
     ②「民民の取引には関知する立場にない」との答弁を繰り返だけですが、そもそもURは独立行政法人であり民間ではありません。民間だというのなら、法的根拠は何か。
     以上答弁を求めます。

     

     【再質問に対する答弁】

     市は都市再生機構に対し、幸福町・垣内町・中町まちづくりにおける支援要請を行うとともに、都市再生機構及びまちづくり協議会と「門真市幸福町・垣内町・中町におけるまちづくりの推進に関する覚書」を締結しております。また、光亜興産株式会社は、まちづくり協議会の事務局であります。
     中町地区におけるまちづくりがその目的や市政運営に支障もなく進んでいる中で、市が覚書等を根拠として、都市再生機構と光亜興産株式会社他との旧ダイエー跡地における土地取引の内容について、知る権利や知らなければならない義務は法的にはないと考えております。
     また、当該土地取引につきましては、中町地区の事業区域内の物件であるというだけで、当該土地取引に関して、市が補助金等の予算を執行しているわけでもなく、さらに、当該土地取引における双方の損益等によって、市や市民が損害を受けているわけでもないことから、市は取引金額を知る必要性もないと考えております。
     次に、独立行政法人である都市再生機構が、民間だという法的根拠につきましては、都市再生機構は、純然たる公共団体や純然たる民間には該当しない法人であると認識しております。
     議員ご指摘の民間という根拠は明記されておりませんが、都市再生機構は、独立行政法人通則法第2条に「国民生活及び社会経済の安定等の公共上の見地から確実に実施されることが必要な事務及び事業であって、国が自ら主体となって直接に実施する必要のないもののうち、民間の主体に委ねた場合には必ずしも実施されないおそれがあるもの又は一の主体に独占して行わせることが必要であるもの(以下この条において「公共上の事務等」という。)を効果的かつ効率的に行わせるため、中期目標管理法人、国立研究開発法人又は行政執行法人として、この法律及び個別法の定めるところにより設立される法人をいう。」定義する独立行政法人であり、この法律及び個別法の定めるところにより設立される法人であります。また、職員の身分は、公務員でなく、事業形態についても、独立採算性の組織運営や家賃収入などの収益事業への法人税が課税されていることなど、事業を行う法人として、商取引においては民間と同様であると認識しております。

     

     2.「公共施設等総合管理計画」及び「立地適正化計画」の策定について

      まず、計画策定の進捗状況についてです。
     
    「公共施設等総合管理計画」及び「立地適正化計画」の策定については、本年3月議会の代表質問及び総務建設常任委員会において考えを質しましたが、「公共施設等総合管理計画」の策定は、単に公共施設等の管理という問題にとどまらず、今後の市民サービスや施策に大きくかかわることから、策定に当たっては市民意向を踏まえたものにしていくことが重要で、市民参加で策定することが求められています。
     
    また、「立地適正化計画」の策定は、野方図な大型店の出店などを規制する仕組みが弱く、住民生活への配慮も不十分、特定用途誘導地区における容積率の緩和は、高層ビルが乱立する無秩序な都市再開発、まち壊しを誘発すると国会でも問題点が指摘された都市再生特別措置法の一部改正に基づくもので、駅周辺の再開発によるまち壊しが危惧され、住民合意による計画策定が求められています。
     
    こうしたなかで、8月にそれぞれ「策定方針」、「策定の考え方」が示されましたが、その概要とこれまでの計画策定の進捗状況について答弁を求めます。

      次に、計画策定に関する諸問題と認識についてです。
     
    両計画の策定については、学識経験や市民公募委員等を構成メンバーとした策定委員会等を設置することなく、庁内組織のみで策定しようとするもので、本市のめざす公民協働のまちづくりとは程遠いといわざるを得ません。
     
    策定にあたって、なぜ学識経験や市民公募委員等を構成メンバーとした策定委員会等を設置しなかったのか、設置することによってどのような不都合が生じると考えていたのか、両計画定策定にあたって実施するアンケートは、共通点はあるものの、全く違う計画にも関わらず共通のアンケートとなっていますが、これで問題ないのか、市民参画の計画策定をどのように進めていこうと考えているのか答弁を求めます。
     
    次に、立地適正化計画策定における都市機能誘導区域及び居住誘導区域設定の問題点についてです。
     
    立地適正化計画の策定にあたっては、医療・福祉・商業棟の都市機能を都市の中心拠点や生活拠点に誘導し集約することにより、各種サービスの効率的な提供を図る区域として「都市機能誘導区域」、人口減少の中にあっても一定エリアにおいて人口密度を維持することにより、生活サービスやコニュニティが持続的に確保されるよう、居住を誘導すべき区域として「居住誘導区域」を設定するとしています。
     
    区域の設定については、直接的な国の財政支援もあることから、指定の有無によって、土地利用や土地価格にも大きな影響を与え、特定の開発会社のための恣意的な区域指定とならないよう、住民監視・住民合意でのもとですすめなければなりません。
     
    区域の設定に当たっては、このような指定の検討過程が市民にオープンにされるのか、住民監視・住民合意なく区域設定をするべきでないと考えますが、答弁を求めます。

     

     【答弁】

     「公共施設等総合管理計画」及び「立地適正化計画」の策定についてであります。
     まず、計画策定の進捗状況についてであります。公共施設等総合管理計画は、全国的な公共施設等の老朽化や人口減少等による利用需要の変化に対応する必要があることから、総務省より、速やかに当該計画の策定に取り組むよう通知を受け、本市におきましても、当該計画の策定に取り組んでいるところでございます。
     本市の公共施設等につきましても、高度経済成長と急激な人口増加を背景に、昭和40年代から50年代にかけて、学校施設をはじめとした多くの公共施設の建設により、今後、老朽化に伴う更新時期を一斉に迎えることとなり、更新費用に係る財源の捻出が大きな課題となっておるところでございます。
     このことから、平成27年度から28年度の2ヶ年により、公共施設等総合管理計画を策定することといたしたところであり、その策定方針の概要につきましては、国の指針に基づき、公共施設等の総合的かつ計画的な管理を推進するため、背景と目的をはじめ、これまでの公共施設等に関する取組み、現状と課題、計画の構成、位置づけ、対象施設、策定体制、計画期間及び基本方針として1.施設総量の適正化、2.長寿命化の推進、3.市民ニーズへの柔軟な対応、4.民間活力の導入という4点を掲げているものでございます。
     次に、計画策定の進捗状況につきましては、本年4月に総合政策部に公共施設等総合管理計画策定担当を設置するとともに、対象施設が広範囲にわたりますことから、調査分析の支援業務を行う、コンサルティング業者への業務委託も行っているところでございます。
     計画策定に関する全庁的な検討、議論を進めるため、施設等を所管する部長級により組織する「策定委員会」及び課長級で組織する「検討部会」を設置しているところであり、先に申し上げました「策定方針」につきましても策定委員会での議論を通じて策定し、ホームページにおいて公表しているところでございます。
     また、現在、公共施設等の利用や維持管理の状況を把握するべく施設等調査及び無作為抽出による3,000人の市民を対象とした各施設の利用頻度や満足度等についてのアンケート調査を実施しているところでございます。
     次に、計画策定に関する諸問題と認識についてであります。
     まず、なぜ学識経験や市民公募委員等を構成メンバーとした策定委員会等を設置しなかったのか、につきましては、設置することにより不都合が生じるものではなく、コンサルティング業務受託事業者が配置する認定ファシリティマネジャーなど、施設等の管理・運営に関する専門的知識及びノウハウを活用することにより、必要な対応が可能になるものと考えております。
     次に、アンケート及び市民参画についてでありますが、アンケート内容につきましては、「公共施設等総合管理計画」の策定において必要となる調査について、事前に十分な検討のもと、調査項目を定めたものであり、問題ないものと考えております。
     また、市民参画につきましては、今後、市民アンケート及びパブリックコメントで市民意見を集約・整理し、計画に反映させてまいりたいと考えております。
     次に、「立地適正化計画」の策定についてでございます。
     立地適正化計画の「策定の考え方」の概要と進捗状況についてですが、先程もご答弁申しあげましたとおり、本計画の概要は、今後到来する「人口減少」や「少子高齢化」に対応し、持続可能なまちを実現する目的で策定するものであり、都市機能誘導区域及び居住誘導区域が適切に配置できるよう検討してまいります。
     計画策定の進捗状況につきましては、今年度初めに庁内検討委員会で議論を行い、門真市都市計画審議会委員へ「門真市立地適正化計画策定の考え方」について報告を行いました。現在は、計画策定に向けて基礎調査を実施しているところであり、今後につきましては、庁内検討委員会及び幹事会等で計画策定に向け議論してまいります。
     次に、なぜ、学識経験や市民公募委員等を構成メンバーとした策定委員会等を設置しなかったのか、また、設置することによってどのような不都合が生じると考えていたのかについてですが、都市再生特別措置法第81条第14項におきまして、「市町村は、立地適正化計画を作成しようとするときは、あらかじめ、公聴会の開催その他の住民の意見を反映させるために必要な措置を講ずるとともに、市町村都市計画審議会の意見を聴かなければならない。」と規定しており、策定委員会を設置しないことによる不都合な点はございませんが、計画策定にあたりましては、市民アンケートの実施、公聴会の開催などを行うとともに、学識経験者、住民の代表者等で構成する門真市都市計画審議会の意見を拝聴するなどにより、幅広い市民意見等を計画へ反映することができると認識しております。このことにより、市民参画の機会は十分に確保されているものと考えております。
     なお、市民アンケートにつきましては、立地適正化計画策定に必要な事項をアンケートにしたものでありますが、公共施設等総合管理計画策定にも活用できる共通の調査項目が数多くあるため、両所管で連携し調整したものであります。
     次に、検討過程が市民オープンにされるのか、住民監視・住民合意なく区域設定をすべきではないことについてでありますが、本市では、地元説明会や公聴会を開催することにより、検討過程をオープンにし、住民意見を十分に反映させてまいります。

     

    【再質問】

     「市民参画」での公共施設等総合管理計画の策定については、「市民アンケート及びパブリックコメント」でとの答弁でしたが、審議会の設置や検討委員会、市民会議の設置など、計画策定や策定後の施設のあり方などについて住民参加や住民合意ですすめている自治体が少なくありません。
     ①市民アンケートとパブリックコメントで本当に充分だと考えているのか。
     ②総務省の「指針」には「総合管理計画の策定段階においても、議会や住民への十分な情報提供等を行いつつ策定することが望ましい」とされていますが、どのように進めようとしているのか。
     ③立地適正化計画の策定にあたって、地元説明会、公聴会を実施するとしていますが、どのような形態、タイミングで実施しようとしているのか。
     以上答弁を求めます。

     

     

     【再質問に対する答弁】

     

     市民アンケート及びパブリックコメントで充分だと考えているのかにつきましては、先ほど申し上げましたとおり、市民アンケートにより各施設を利用する市民の意向を把握でき、パブリックコメントにおいては、広報やホームページ、あるいは各公共施設に設置した意見箱で市民からの活発な意見をいただける環境にあり、これにより充分に市民意見を集約・反映できるものと判断したものでございます。
     次に、議会や住民への十分な情報提供等を行うことにつきましては、本年第1回定例会の代表質問及び総務建設常任委員会におきましてご答弁申し上げましたとおり、公共施設等の現状や計画策定の進捗状況について、区切りごとに資料の公表等により情報提供及び議会への報告を行ってまいりたいと考えております。
     次に、「立地適正化計画」の策定についてであります。
     地元説明会、公聴会を実施するとしているが、どのような形態、タイミングで実施しようとしているのかについてですが、地元説明会、公聴会の開催のタイミングは、区域設定、誘導施策、評価方法等で構成された計画素案を28年度に作成する予定で、その素案をもとに地元説明会を実施し、公聴会を開催します。
     また、地元説明会の形態につきましては、現在、基礎調査を実施している段階であるため、説明会の開催方法等は決まっていませんが、今後、住民意見が十分に反映できるよう検討してまいりますので、ご理解賜りますよう、お願い申し上げます。 

     

     

     

    3.「まちづくり基本条例」の策定について 

     まず、計画策定の進捗状況についてです。
     
    まちづくり基本条例については、本年の施政方針説明で、「『(仮称)門真市まちづくり基本条例』につきましては、庁内検討委員会等において本市のまちづくりにおける諸課題を洗い出してきたところであり、27年度におきましては『(仮称)門真市まちづくり基本条例検討委員会』で意見を拝聴し、実効性のある条例の制定に向け取り組んでまいります。」と述べられましたが、これまでの議会での議論では、「本市のまちづくりにおける課題」とは「適正な土地利用の誘導、狭隘道路や老朽建築物対策、市民参加のあり方」などを挙げ、昨年の1月には、まちづくり条例について練馬区、空き家の適正管理については足立区、狭隘道路拡幅整備条例については台東区からそれぞれヒアリングを行い、理念条例ではなく、課題を解消する条例として制定作業に向けた庁内議論が行われていました。
     
    ところが7月に開催された第1回目の検討委員会で示されたものは、全くそれとは異なるもので、「狭隘道路」も「老朽建築物対策」も全くなく、門真市自治基本条例の「地域会議」を都市計画の決定や変更の提案を行う団体として指定するという全く新しい考えが盛り込まれていました。
     
    学識経験の委員からも「門真のオリジナル」との評価がされつつも、困惑の思いがにじみ出た意見も出されました。
     
    2回目の検討委員会では、「狭隘道路」解消の誘導については盛り込まれましたが、老朽建築物対策については盛り込まれませんでした。
     
    これまでの議会の議論とは違った方向でまちづくり基本条例が策定されようとしているのではないかと考えますが、検討委員会への提案内容について庁内でどのような議論が行われてきたのか、具体的に答弁を求めるとともに、これまでの計画策定の進捗状況と今後のスケジュールについて答弁を求めます。 
      
    次に、地域会議を「まちづくり支援及び都市計画の提案団体」として位置づけることについてです。
     これは、先ほども述べたように議会での議論でも全くなかったもので、当然施政方針にもありませんでした。
     
    地域会議については、5中校区が本年1月に設立され、3中校区において準備会が結成されている状況で、全校区での設立を目標としていますが、その気運の醸成についても温度差がみられる状況です。
     
    そこで①当初盛り込まれることとされていなかった地域会議について、まちづくり基本条例に盛り込むこととなった経過について、時期も含めて具体的に②地域会議が設立されれば、機械的に各地域会議が「まちづくり支援及び都市計画の提案団体」として指定されるのか、機械的でないとすればその基準は何か。③検討会議でも出されましたが、将来地域会議が設立されない校区も想定され、そのような地域にも窓口が開かれているのか答弁を求めます。最後に空き家、老朽家屋等の対策についてです。
     この問題については、先ほども述べたように、議会においても、門真のまちづくりの課題解決のために、まちづくり基本条例に盛り込むものとして議論が進められていました。
     しかし、まちづくり基本条例素案にはついに盛り込まれず、先の11日の総務建設常任委員会では、単独の条例を策定すること、11月には条例案についてパブリックコメントを行うとの考えが突然示されました。
     そもそもまちづくり基本条例の策定については、本市のまちづくりの課題解決のための実効性あるものとして、昨年3月の総務建設常任委員会で問題提起してきましたが、①空き家、老朽家屋等の対策について、単独の条例を策定するに至った経過②条例案の内容について③議会に対しこのような経過が全く説明されなかった理由について明確に答弁を求めます。
     また、5月に全面施行された「空家等対策の推進に関する特別措置法」との関係についても答弁を求めます。

     【答弁】

     検討委員会への提案内容について庁内でどのような議論が行われてきたかでございますが、本条例は、門真市自治基本条例の理念に基づき、ハード面のまちづくりに対して実効性のある条例として策定するものであり、都市計画における市民参加の手続き、開発事業に係る調整など市街地の整備・改善の誘導課題について、庁内検討委員会、幹事会及び各担当部局との個別の協議を行い課題抽出・整理しております。
     これまでの計画の進捗状況につきましては、26年度から現在までに庁内検討委員会、幹事会及び学識経験者で構成する検討委員会を計8回開催し、現在は、本条例の素案がまとまり、今月18日から1ケ月間パブリックコメントを実施しております。
     今後のスケジュールにつきましては、パブリックコメントの結果を踏まえ、庁内検討委員会で最終原案の作成を行い、検討委員会に最終案の意見聴取を行った上で、28年第1回定例会での提出を目指して進めていきたいと考えております。
     次に、地域会議について、具体的な時期も含めてまちづくり基本条例に盛り込むこととなった経過についてでありますが、27年第1回定例会で答弁したとおり「自治基本条例とも連携をしながら取り組む」ことを本条例の策定の方向性として検討してきたものであります。その結果、まちづくり基本条例で都市計画法21条の2において都市計画を提案できる条例で定める団体として、自治基本条例に掲げる地域会議を位置づけ、この仕組みを活用し市民との協働によるまちづくりを進めていくこととするものです。
     次に、地域会議が設立されれば、機械的に各地域会議が「まちづくり支援及び都市計画の提案団体」として指定されるのかについてですが、まちづくり基本条例では、まちづくり活動を支援する団体及び都市計画提案団体として「自治基本条例第16条に規定する地域会議」としており、自治基本条例に基づき設立されれば本条例において、自動的にまちづくり活動を支援する団体及び都市計画提案団体となります。
     次に検討会議でも出されましたが、将来地域会議が設立されない校区も想定され、そのような地域にも窓口が開かれているのかについてですが、都市計画法第21条の2において、都市計画を提案できる者として土地の所有権、借地権等を有する土地所有者等が定められており、地域会議が設立されていない地域でも、これら法の趣旨に基づき提案できるものです。また、まちづくりの支援につきましては、地域会議のみならず自主的なまちづくり活動を行う団体に対して、市は技術的な支援、情報及び学習機会の提供を行うとしております。
     最後に空き家老朽家屋等の対策についてでございます。
     まず、空き家、老朽家屋等の対策について、単独の条例を策定するに至った経過につきましては、まちづくり基本条例を検討する過程において、当初は、空き家に関する法整備がされていないなか、市として老朽家屋対策は検討すべき課題であり、条例における位置付けや関係について検討を行ってまいりました。しかしながら、すべてを詰め込むことにより体系が複雑化し、これにより実効性が損なわれるおそれもあることから、まちづくり基本条例は『これからのまちをつくるための未来指向の条例』として取りまとめを行うこととし、老朽家屋対策は『現状のまちが抱える喫緊の課題や危険性を解消するためのもの』という整理のもと、別条例で策定することとしたものです。
    次に、条例案の内容につきましては、建築指導課の窓口には、「屋根や壁の一部が今にも落下しそう」などの相談が多く寄せられており、そういった事案に早急に対応できるよう、空き家だけを対象とするのではなく、居住等がされていても老朽化した危険な状態にある建築物は対象とし、有効な指導が行える条例の制定に向け、作業を進めております。
     次に、議会に対しこのような経過が全く説明されなかった理由についてでございますが、「空家等対策の推進に関する特別措置法」いわゆる「空家特措法」が27年5月26日に全面施行され、危険家屋に係る考え方の整理も必要としたことから、条例の素案は現在作成中であり、説明を行うには今しばらく時間が必要と考えております。今後、素案が出来次第、議会説明をさせていただく所存でございます。次に、「空家特措法」との関係についてでございますが、「空家特措法」は空家等のみを対象としているため、老朽化した危険な状態にあっても、居住等がされている建築物は対象外となってしまいます。
     危険家屋に係る対策は空き家か否かによって行うのではなく、危険の程度によって行うべきであると考え、条例を中心に据えながら、空家特措法の関係規定を取り込みつつ、法律のみでは不足する部分を補完し、実効性のある条例となるよう作業を進めております。
     今後につきましても、誰もが「住み続けたい」「住んでみたい」と感じられるまちづくりが進められる、基盤となる計画及び条例が制定できるよう努めてまいりますので、ご理解賜りますようお願い申し上げます。