[2006.10.8] -[門真民報]
9月議会は19日から始まり、28日の本会議で終了しました。
今議会の特徴は、3月、6月議会に続き、小泉政権のもとで、国民に痛みを押し付ける法律の改悪にともなう条例改正が議案として出され、門真市が、国の悪政の防波堤となって市民の暮らしを守る改善をはかるのかどうかが鋭く問われた議会でした。
日本共産党は、各所属の委員会で、問題点をただし、改善を強く求めましたが、一部改善措置がとられたものの、全体としては、不十分だとして、市税条例など4議案に反対の態度をとりました。
また、本会議での一般質問に5人全員が立ち、900通寄せられた市政アンケートの切実な声を反映させるために奮闘しました。
反対討論で、福田英彦議員は、各議案について次のように指摘しました。
【地域生活支援事業にかかる費用負担に関する条例】は、応益負担によって負担増となる部分についての、低所得者に対する独自の軽減措置がないこと。
【市税条例の一部改正】は、税源移譲に伴う条例改定部分は、市民の負担は従前と変わらないが、定率減税の半減に続く今回の定率減税の廃止は、自民・公明の公約違反であり、さらに、納期前納付報奨金の廃止は、相次ぐ住民負担増に加えて実施するものであり先送りすることも検討していないこと。
【知的障害児、肢体不自由児通園施設条例の一部改正】は、来年3月までは食費を自己負担としない措置がとられたが、4月からは不透明であること。原則一割の応益負担への軽減措置がないままの条例化であること。
【国民健康保険条例の一部改正】は、国の医療制度改悪に伴う条例改正であり、同時に前納報奨金を廃止しようとするもので、市民サービスの後退になるだけでなく、効率的な事務に逆行する内容であること。
同議員は、これらの点をきびしく指摘し反対討論をおこないました。
また、議会最終日には、市長の退職金を廃止する条例が提案され、日本共産党も、行財政改革提案の中で提案し、また、昨年の市長選挙を通じて、「つくる会」の政策としても掲げてきたものであり、賛成し、全会一致で可決されました。(助役は40%減、収入役・教育長は30%減)
日本共産党大阪府委員会は21日、山下よしき元参院議員、宮本たけし前参院議員はじめ、府議団、市議団、府下地方議員団の議員等30人が、府下各地から出された切実な住民要求を、厚生労働省あて8テーマ20項目、環境省あて3テーマ6項目、国土交通省あて33テーマ65項目の要望書にまとめ、政府各省庁と交渉をしました。門真からは、吉松正憲、福田英彦、井上まり子の各議員が交渉に加わりました。午前中の厚生労働省の交渉では、介護保険制度や障害者自立支援法で従来どおりのサービスが受けられなくなっている人が増えている実態を告発し改善を要請しました。
福田英彦議員は国保料が高く、払えない人が増えている門真の実態を示し、「国保料の収納率が低くなると自治体へのペナルティーとして調整交付金の減額措置がとられているが、これが保険料をさらに高くしている、こうしたペナルティーは廃止すべきだ」と改善を求めました。
午後から門真は独自に環境省廃棄物リサイクル対策部、産業廃棄物課の課長補佐からレクチャーを受けました。
吉松議員は、7月31日市内で発生したPCB流出事故の状態と、市の対応を説明し、今後市民に対して万全の環境対策が必要なため、国としての考えを聞き、懇談をおこないました。
次に、国土交通省の交渉で、第2京阪道路の環境影響評価については、現時点に即した調査が必要と指摘。同省は調査については持ち帰り検討すると回答がありました。
井上まり子議員は、「門真には、第2京阪道路と府道、国道163線とが交差して出来る三角地帯があるが、3道路に挟まれ大変な交通量となり公害が危惧される。ここは病院や保育所などの公共施設なども多く、是非現況調査をして欲しい」と要望しました。同省は持ち帰らせて欲しいとのことでした。
交渉には吉井英勝衆院議員、小林みえこ参院議員が同席。昼食時には穀田恵二衆院議員から激励を受けました。
井上議員は10月からの障害者自立支援法施行で、くすのき・さつき園(知的・肢体不自由児通園施設)が利用料原則1割・食費実費負担が生じることについて民生常任委員会でも軽減措置を求めましが、利用料軽減措置がなく低所得者に対して負担増となるため一般質問でも取り上げました。
まず、同施設は障害児の療育を担う場であって応益負担に馴染まないことを指摘。次に、障害児の保護者は、専門病院への通院、補装具の取り替えなどと今でも出費が多く、今後、施設利用の抑制が危惧されるので、食費も含めて現在の措置制度と負担同等額になるように軽減措置をするように求めました。食費のみ3月まで無料と委員会答弁と変わりないものでした。
都道府県などの約4割が独自の負担軽減策をとり始めいる、それは障害者自立支援法施よってサービスが受けられなくなった実情が相次いでいるからで、国、市はすぐに軽減策を取るべきと質しました。答弁では独自の負担軽減措置については、言及を避けました。
井上議員は、障害程度区によって利用制限があり、判定結果が軽く出れば施設利用ができなくなる、また認定にあたって知的や精神の場合、判定結果が正しく反映されないなどの問題点を指摘。市の認定調査の実態と、障害者の実態に即して調査されているのか質しました。答弁では現在、認定者数265人で今のサービスを引き続き利用できる区分、障害者の生活実態に即した区分認定、支給決定を図れるよう努めるでした。
同法施行で施設の報酬単価が月払い制から日払い制になり、施設は減収となっています。 国に月払い制に戻すことと、市は施設に必要な補助制度をするように求めました。答弁では補助制度の検討と国にも要望するでした。
市の高齢者福祉計画では、65歳以上の高齢化率が06年18%で、これから毎年増え続け8年後の14年度には26%となっており、今後の介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム)の必要性と、増設について質しました。答弁では施設入所待機者300人施設整備は必要。地域密着型サービスの整備推進をするでした。
国は、08年度から5年間、年間5兆円の入院医療費の削減を計画。そのために、療養病床(長期療養型の介護重視の病床)、現在38万床を12年度まで23万床削減。療養型病床などが削減されると、行き場のない介護難民が出るが、市は市民への影響をどう考えているのかを質しました。答弁では老人保健施設や在宅サービスの基盤整備等を検討するでした。
国民健康保険制度の改善についてでは、今年7月、朝日新聞で門真市の国保の問題が3日間に渡って連載されたことを引用し、門真市では、国保加入世帯が全世帯の過半数を超え、被保険者数も全人口の43.4%を占め、全国平均・府平均を大きく上回っていること。そして、保険料滞納者の状況も何らかの滞納がある世帯を含め滞納件数が1万1920件、39.7%で、市民の最も切実な声は「高い国保料を引き下げてげて」であり皆保険制度である国保を抜本的に改善すべき状況にあることを指摘し市の姿勢をただしました。
次に、今日の国保制度の困難を招いた最大の要因が1984年に国庫負担率を医療費の45%から38.5%に引き下げた制度改悪にあり、これを元の45%に戻させること。また、国は地方が乳幼児医療費無料化などの独自施策をやった場合や収納率が90%を割った場合にペナルティーを課しているがやめさせるべき。これらの点を強力に国に働きかけることを求めました。
高い国保料を引き下げる上で繰り入れは避けて通れないとして、少なくとも枚方・寝屋川・大東・交野市と同様に、市独自減免分を一般会計から繰り入れるよう求めました。
介護保険料の減免については、7月の保険料決定通知送付直後に市役所に1000人の市民が、「生活できない」「払えない」「誰がこんな高い保険料を決めたのか」と殺到したが、門真市はこれをどう受け止めているのかただしました。また、くすのき広域連合の発足時、門真市は「3市が寄れば、財政基盤が安定し安定的なサービスが受けられる」と宣伝したのに、いまだに保険料減免制度さえつくっていないと厳しく批判し、制度創設を要求しました。
また、介護施設利用者の居住費の徴収・食費全額徴収、通所介護・通所リハビリ・ショートステイの食費に対する独自減免を求めました。
さらに、軽度の高齢者に対する介護ベッド・車椅子サービスが原則として受けられなくなる問題で、270人といわれる門真での利用者がどうなるのか、厚労省の通達も引き、サービスを維持するよう求めました。
これに対し、国保では、「門真市の国保は憂慮すべき事態であり、国保財政の安定化に向け対策本部会議で協議進めている」「国の罰則による減額も国庫補助金の減額も財政運営に大きな支障」であると言明、しかし、「繰り入れについては自助努力で」との答弁で、市民の声に応えるものではありませんでした。
また、介護保険では、「窓口に寄せられた市民の声を国に反映する」としたものの「保険料の独自減免については現段階では困難」などのきわめて不十分な答弁に終始するものでしかありませんでした。